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すでに着るものは十分すぎるほどあるのに、新しい服をどんどん買い続ける人は、「服がたくさんあればあるほど、私の生活の質はあがる」と信じているかもしれません。
しかし、実際は、服が多すぎるといろいろ困った問題が生じます。
この事実に気づいてもらうために、多すぎる服がもたらす典型的な問題を順番に紹介していきます。
初回は、ストレスの元になる話です。
服を減らしさえすれば、毎日、もっと気楽に生きられます。
ストレスが増える
手持ちの服が多すぎるせいで生じるもっとも大きな問題は、ストレスでしょう。
服を買っているときは楽しいかもしれませんが、その喜びは長続きしませんし、安易に服を買ってドーパミンを出し続けていると、長期に渡ってその代償を支払わなければなりません。
買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ。
現在、ただでさえストレスの多い毎日です。さらに、服によるストレスを増やすなんてばかげています。
特に、その服を服として活用できていない場合は。
着るものに迷う
出かける前に何を着ようか迷ったことは、女性なら誰でもあるでしょう。
私も、昔、会社員をしていたとき、朝、着るものに迷うことがありました。
服Aを着て鏡を見ると(当時は全身が映る鏡を持っていました)、なんだかしっくり来ない。そこで、服Aは脱ぎ捨て、服Bに着替えます。
こんなことを3~4回繰り返し、床に服の山を作ったものです。これは決して楽しい体験ではありませんでした。
焦りやいらだちを感じました。
迷いに迷って、決断疲れにおちいり、やけっぱちになって、結局、一番最初に手にとった服を着る、なんてこともありました。
服が多いと、選択肢も増えるのでこのように迷うことが増えます。
選択に迷うことは、かなり大きなストレスになりますよ。もし、毎朝のように迷っているとしたら、恒常的にストレスを感じているわけですから、身体によくありません。
今でも私は、何かに迷うことがあります。以前も書きましたが、Netflixなどのストリーミングサービスで、見るものに迷う罠に、はまることがあります。
まあ、最近は、「迷うのは、心身によくないし、そんな時間はない」とわかっているので、せいぜい、15分ぐらいで止められますが、以前は、30分以上迷っていることがありました。
ブログに使う画像で迷うこともあります。
視覚的ノイズになる
服が多いと以下のような視覚的ノイズを作り出します。
・床のあちこちに服が散っていて、ひじょうに見た目が悪い(私の娘の部屋にありがちな現象)
・クローゼットの扉を開けると、あまりに服がびっしりなので、うわ~~~っと叫びたくなる
・ソファやテーブルの上や椅子の背など、本来は服があるべきでない場所に服があり強い違和感を放っている
・ためにためた洗濯物のせいで、ランドリーバスケットのふたが閉まらない。バスケットから、服があふれだしている
・たんすの引き出しを開けると、丸めた靴下がおはぎのように並んでいて、圧迫感を感じる
・服を収納するために、収納家具やケースを買って、物だらけの部屋で息が詰まりそうになる
視覚的ノイズが多いと、脳が疲れます。
視覚的ノイズがわからない人は、一度、どこでもいいので比較的小さなスペースに置いてあるすべてのものを取り去ってみてください。
机の上などがいいでしょう。何も置いていない机の上がノイズのない状態です。
女性誌を見ていると、たまに、「捨てなくてもいい片付け」といった記事がのっています。
捨てるのはつらいから、うまく収納すればいいんです、という記事です。
収納ケースのサイズや材質をそろえ、見た目にカオスではなく調和を生み出す収納が提案されています。
ですが、どんなに調和がある収納でも、狭いところに箱がいっぱいあると視覚的ノイズになります。
物の少ない快適さを知った私が、そういう部屋の写真を見ると、「いや、これ、物多すぎだよね。いらない物をこんなに美しく整えるなんて、エネルギーの無駄としか思えないけど、これが文化というものなのか」と思います。
集中できない
視覚的ノイズが多いとやりたいことに集中しにくくなります。
汚部屋で在宅ワークを始めた当初、仕事に集中できなかった人もいるでしょう。
自宅で仕事に集中できないのは、そこが会社ではないから、という理由だけではありません。
仕事に関係のない物が周囲にたくさんあるからです。
お茶を淹れに台所に行ったら、汚れた皿が山積みになったカウンターや流しが目に入る。すると、「ああ、洗わなきゃ」と思います。
今は仕事をしなければならないので、湯のみを持って、自室に戻り仕事を始めます。しかし、頭の片隅に、「汚いシンク」や「片付けなければならない場所」のことがあるため、100%仕事に集中できません。
服がびっしり入っているクローゼットは、持ち主にとっては、決して、「幸せな気持ちにさせてくれるクローゼット」ではありません。
「片付けるべきなのに、まだやっていない」という気持ちにさせるクローゼットではないでしょうか?
気をつけて。ガラクタが感情に与える悪影響を見過ごしてはいけない
罪悪感と恥の気持ち
「片付けるべきなのに、まだやっていない」という気持ちは罪悪感を生みます。
さらに、「高いお金を出して服を買ったのに、ちゃんと活かすことができていない」という罪悪感も生まれます。
特に、物を捨てない人は、「もったいない、まだ着れる」とやたらと物を惜しがる人なので、もったいないことをしている服でいっぱいのクローゼットから受ける精神的ダメージは相当大きいと思います。
このような罪悪感は、自分を恥じる気持ちにつながります。
先日紹介したこちらのTEDトークでは⇒女の子に勇気を持つことを教えよう。完璧であることではなく(TED)
プログラミングを学んでいて、思うようにプログラムを書けないときの、男性生徒と女子生徒の反応の違いが話題にのぼっていました。
男子生徒は、「僕のプログラム、どこかおかしいところがあるようなんですが」と先生に相談するのに対し、女子生徒は、「ちゃんとプログラムを書けない私は、どこかおかしいと思う」と言うのです。
このように、何かうまくいかないことや、1つの失敗のせいで、自分自身を、「私ってだめな人」と決めつけてしまうことは、よくあると思います。
着ない服ばかり買って、お金を無駄にした自分や、自分の服をちゃんと管理できていない自分、いつまでもクローゼットの中を片付けることができない自分に対し、「私ってだめな人なんだ」と思ってしまうわけです。
実際、そういうお便りをもらうことがあります。
床に物をいっぱい置きっぱなしにしていて、少しずつでも拾って、捨てるかしまうかすればいいのに、それができない自分が情けない。なんで、私はこんなに簡単なことができないのか、と訴えるお便りです。
セルフイメージは人生全般に影響を与える
ここまで書いてきたように、服がいっぱいありすぎると、著しくセルフイメージを傷つけてしまうことがあります。
これは非常に重大な問題です。
セルフイメージが悪くなると、何事にも自信がもてなくなり、そんな自分の気持ちを立て直すために、ますます新しい服を買う負のサイクルにはまるかもしれません。
実際、服を買いすぎる人は、服が大好きだから、おしゃれが大好きだから、というよりも、心理的要因のせいで、買っていることが多いのです。
よくないセルフイメージは、日々の生活すべてに悪影響を与えます。
セルフイメージは、その人が、自分の人生において、これは可能だ、あれは不可能だと決めるベースになりますから。
自信のある人は、「あ、がんばれば、こういうことできるかもしれない」と思うのに、「私はだめな人」と思っている人は、「どうせ、私には無理だし」と思ってしまうのです。
何かやりたいことや、手に入れたいものがあるとき、実際に手に入れる行動に出られるかどうかは、セルフイメージが決めると私は考えています。
何度も「私ってだめ人間」と思っていると、脳内の自分を責める思考回路がすごく太くなり、それが自動的な思考になります。
こうなると、なかなか自分では考え方を矯正できなくなります。
セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴
☆この続きはこちら⇒時間を取られる:服が多すぎるから起きる困った問題(その2)。
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家に服がたくさんあると生じる最大の問題として、ストレスが増える話を書きました。
最後のセルフイメージの話を読んで、ピンと来なかった人もいるかもしれません。
たかが、服をたくさん持っているだけの話に、筆子は大げさだ、とあなたは思うかもしれません。
ですが、着ない服を過剰に家にためこんでいる行動は、異常だと私は思います。
少なくとも望ましい行動ではありません。
かつて私も、着ない服をたくさん家にためこんでいました。
現在はそんなことはありません。そして、今のほうが、ずっと精神状態がいいです。