贈り物の交換

ミニマルな日常

最終更新日: 2024.02.4

断って、いらない贈り物のプレッシャーから解放された。

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読者のお便り紹介です。

今回は「断る」ことに関するメールを3通シェアします。

内容:

・いらない贈り物を断った

・贈り物で思い出すこと

・断ることについて

まず、豆子さんのお便りです。



断ってスッキリ

件名:初・お断り

筆子さん初めまして。

最近こちらのブログを知って、自分にはなかった考え方や知識が豊富で「なんだこの面白い人は!?」と過去の記事を読み漁っています。

今回は筆子さんにお礼をお伝えしたくてメールいたしました。プレゼントを断ることが出来た話です。

以前からお菓子をはじめペンダントやキーホルダーをくれる職場の方(同性/一回り年上)がいらっしゃるのですが、最近ではそれが負担に感じていました。

◎自分の趣味に合わない物であること。

◎お守り系のグッズなので捨てづらいこと。

◎「私があげたいだけだからお返しは何も要らないよ」とおっしゃるけど何も返さないのもこちらにモヤモヤが残ること。

などが重なり正直その方に会うこと自体が少しつらくなり始めました。

そもそも仕事仲間とは大人の礼儀として仲良くなることはあっても友達になる必要はないと思っているので、あまりにもこちらに踏み込まれ過ぎている感じがストレスだったのかもしれません。

ちょうどその時期に筆子さんの『ほしくないプレゼントの上手な断り方。これ以上余計な物を家に入れないために。』という記事を読み、

特に「プレゼントをくれようとしている人が、本当に自分(貰い手)のことを考えているのなら、「気持ちはうれしいけど、いりません」と言われたら、その意見をちゃんと尊重してくれるはずです。」という一文が自分の中にスッと入ってきました。

その人が本当に私のことを思ってくださっているなら、私の正直な気持ちを伝えてもいいかもしれない。

そう考えて、お気遣いはとても感謝していること、新年からミニマリストを目指しているので物を貰わないようにしている、ということをラインで伝えました(「今度〇〇をあげるね」というラインが来ていたのでそれに返信する形です)。

送信する前は「こんなこと伝えて大丈夫かな? 職場でギクシャクしないかな?」と躊躇しましたが、筆子さんの記事に後押しされて思い切って送信したところ、安堵感というか、重い荷物をおろしたような解放感に包まれました!

そして、こちらが断らなかっただけなのに「ストレスだ」「負担だ」などと捉えてしまっていたこともその方に申し訳なかったな、とも思いました。

これからは、丁重に断ることよりも「本当は要らないのに仕方なくも貰う」ことの方が相手に対して失礼だと考え、ご厚意は物じゃなく気持ちをありがたくいただこうと思います。

長文失礼しました。

これからも更新を楽しみにしています。

今年も筆子さんにとって素敵な一年となりますように。

追伸:ちなみに件のラインに対しての返信はなく、職場では挨拶をするだけの関係になりました(笑)。





豆子さん、はじめまして。お便りありがとうございます。

気持ちの負担になっていたギフトを断ることができてよかったですね。

プレゼントをする人は、好意からそうしているだけで、悪気はまったくないと思います。

でも、想像力を働かせることはしません。

もしかしたら相手は迷惑に思っているかもしれない、なんてことはこれっぽっちも想像しないんです。

「プレゼントを嫌がる人なんていない」と思いこんでいるのでしょう。

そして、いくら「お返しはいらない」と意思表示しても、自分のほうがずっと年上の先輩だから、相手は気を使うはずだということも想像できないんです。

そのような人には、「いりません」とちゃんと気持ちを伝えるほうが親切だと私も思います。

それでは豆子さん、これからもお元気でお過ごしください。

次は、梅大福さんのお便りです。

忘れられない奇妙な贈り物

件名:貰い物を処分

こんにちは。

前回のメールを記事に載せていただき驚きました。ありがとうございました。

さて、貰い物やプレゼントの断捨離の記事を読む時に 必ず思い出してしまう体験があって再びメールしてしまいました。

以前 ご近所さんが断捨離を始めたとかで、衣類等を段ボール箱に詰めて持って来ました。

貰えないと断わると、「有って困る物は入ってない 新品も入っているから」と、

それでも要らないと断わると 

「わざわざ車でガソリン代をかけて来たのだから断わるのは失礼だ」と言い段ボール箱を玄関に置いて行かれたのでした。

箱の中には、今脱いだばかりと思われるようなキャミソールやスパッツ、毛玉だらけのニット、あちこちシミのあるブラウス、折り目が日焼けしたTシャツ等。 

パッケージに入ったままのストッキングや機能性肌着等もありましたが、私は化繊は着ませんし そもそもサイズが違い過ぎました。

ウエスにしても化繊は向かず、結局 捨ててしまいました。

そして1週間後「役に立ってるでしょ?」と電話があったので、私を心配しての贈り物だった事に礼を言い 今後は要らないことをハッキリ伝えました。

ところが、さらに10日ほどした頃、「あれ、全部返してほしいの」と電話があったのです。

もうビックリでした。

何と言ったらよいかと思いましたが、「是非にと言う方にさしあげてしまった」と嘘をつくことになりました。

やはりタクシーを使ってでも返しに行くべきだったかなぁと思いました。

その後 我が家は引っ越しをし、その人とは音信不通になりました。

お忙しい中、つまらない思い出話を読んていただきありがとうございました。

今後も筆子ジャーナルを愉しみにしております。

梅大福さん、こんにちは。お便りありがとうございます。

つまらない思い出話なんかではないです。とても示唆にとんでいると思いました。

梅大福さんのかつての近所の方のように、強引に置いていったものを、あとで「返してくれ」と言う人は珍しいでしょう。

ですが、「いらない」と言っているのに、「いいから、もらって、使わないなら捨ててくれていいから」といって押し付ける人は多いと思います。

捨てていいのなら、自分で捨てればいいのに、そうしません。

どんなものも、捨てるときは、もったいないと思って捨てにくいですよね。「贈り物」という形で不用品を押し付ける人は、そういう感情に向き合うのが嫌だし、捨てるのも面倒なので、手っ取り早く、自分が楽になれる道を選びます。

そうやって、手近にいる人に「いらないもの」を押し付けるのでしょう。

迷惑だからやめてほしいですよね。

私だったら、宅配便で返すでしょう。

送料着払いで。

では梅大福さん、これからもお元気でお過ごしください。

次は笛吹お遍路さんのお便りです。長いお便りでしたが、断ることに関する部分のみ紹介します。

断ることに関して思ったこと

件名:1/10 断る、を読んで 他

今さらですが明けましておめでとうございます。

今朝のブログに、

高価で「重い」ギフトをもらったら筆子はどうするか?~断る理由を書きました。

「読者の方から、失礼のないように、角が立たないように、相手が傷つかないように、うまく断る方法はないですか? と聞かれることがあります。」そのあとばっさりと、「そんな方法、ありません」と切り捨てられているのについ笑ってしまいました。

お断り、と言えば先日、広報の掲示板に「○○弁護士と学ぶ不同意性交罪と嫌われない断り方」というワークショップのお知らせが貼られていて、強烈な違和感を感じました。

これはつまり、「同意しなきゃ嫌われる」こと前提の話ではないでしょうか。

私に言わせれば、今は気分じゃないと言って、怒る、ましてや自分を嫌うような奴はクズで、そんなクズとは付き合う値打ちはありません。

それがよく言われる「自分を大切にしなさい」ということだと思います。

でも、弁護士が乗り出してきて、このタイトルで、貼り出してあるということは、誰もそもそも、「そのクズの機嫌を伺うという発想がおかしい」と感じなかったということで、それが不思議です。

それとも私の感じ方の方がおかしい、おかしくないまでも少数派なのだろうかとしばらく考えてしまいました。

昔読んだ、日本に暮らす外国人が書いたエッセイに、「日本人にとって相手の要求を断る、と言うのは大変に失礼なこと」「決して日本人を『No 』と言わざるを得ない状況に追い込んではいけません」とあったのですが、プレゼントどころの話ではない、人の尊厳、人権レベルでも、断り方に悩むほどにNOを言うことに抵抗がある民族なのかと感慨深いです。

笛吹お遍路さん、こんにちは。お便りありがとうございます。

そのワークショップに「嫌われない断り方」というタイトルがついているのは、多くの人が、どんな場合でも、断ると相手に嫌われると思っているからかもしれません。

贈り物で言えば、単に、「いいえ、この贈り物はいりません」と言っているだけなのに、日本における「いいえ」は、言われたほうが、全人格を否定されたみたいに大げさに捉える言葉なのだろうと思います。

そもそも、日本語には、英語のNoみたいな言葉がないですよね。「いいえ」というのは、日常会話ではあまり使わないですから。

日本語では、重要な申し出に対して、動詞を否定形にしてしっかり断るのは、最後の最後、断らない限り、にっちもさっちもいかないときか、がまんの限界に来て爆発したときじゃないでしょうか?

それも、家族には言えても、職場の先輩や、義理の家族には言えないかもしれません。

良きにつけ悪しきにつけ、日本には、ノーと言わずにコミュニケーションを成立させることができる文化があるのでしょう。

しかし、それは相手がちゃんと察することができる場合に限られます。

無神経な贈り物をくれる人は、いつまで待っても察してはくれないので、「いらない」と言ったほうが効率的だし、ストレスや恨み、ゴミが増えない、と私は考えています。

では、笛吹お遍路さん、今年もよろしくお願いします。どうぞ、お元気でお過ごしください。

******

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