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絶版になった本や入手しにくい本を手放すことに苦労している読者の悩みにアドバイスします。
身の回りの物は順調に片づけられたのいどうしても本だけは手放せない……そんな悩みを抱える方は少なくないですね。
こんなとき、どうしたらうまく捨てられるのか、一緒に見ていきましょう。
最後にエッセオンラインの記事の告知もあります。
まず、メールをシェアします。古物好きさんからいただきました。
本の片づけに苦戦しています
件名:足りないマインドで本が手放せない
最近部屋の片づけに行き詰まっています。
文具等、身の回りの物はほぼ片づけ終わったのですが、本の片づけに苦戦しており、2~3時間ほど片づけをしても、同じ本を何度も何度も売る本を入れる紙袋と残す棚に移動させてうんうん唸ってほとんど成果が出なくなってしまっています。
一時期は本当に一日中本をどうするかが頭から離れなくて、他の事をしていても気を取られ、片づけから離れがちになっていました。
原因は足りないマインドだと気が付きました。
どうしても欲しかった絶版・廃盤の品物がプレミア価格になっていて手に入れにくいことが多々あるので、自分が高い値段を払いたくない、好きな物がプレミア価格を払わないと手に入らない物になって欲しくないと言う感情です。
特に個人的興味から自分が産まれる前の80年代~90年代に刊行された本や雑誌を購入することが多いのですが、定価以上の値段を付けられていることが多く、安く手に入らないか探し回ってようやく手に入れたことが多いので、入手に苦労した分、読まなくなった後も執着心も芽生えているのだと思います。
以前何冊か思い切って本を捨てたことがあるのですが、時間が経った今でも罪悪感のような感情があります。
今手放そうとしている本は比較的最近の本でプレミア価格も付いていない安い普通の本なのですが、電子化されていないため手放すのに勇気が出ません。
以前書いたようにフリマアプリで最低価格で回しているのですが、最低価格でも売れない本達を見るとモヤモヤしてしまいます。
最近では自分が欲しい本もほとんど買わないようになりました。
節約やミニマルライフ的には嬉しいことかもしれませんが、本が増える=手放す事への恐怖心で必要以上に買えなくなっている気がします。
以前質問をした後、結局手放す時の痛み、苦しみを考え電子書籍を使い始めたのですが、欲しい本に限って電子になっておらず個人的には手持ちの本や読みたい本が全て電子書籍になればすぐに手放せると思うので、形としての本そのものに執着していると言うよりは足りないマインドや恐怖心の問題だと思います。
昔の本や雑誌を読んで知らない知識や独特の雰囲気を味わうのは本当に好きなのでこの趣味自体は辞めたくないです。
本への足りないマインドの手放し方をもし教えていただけるなら教えて欲しいです。
古物好きさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
以前もらったお便りを読み直してみました。
紙の本と電子書籍をどう使い分けるか?~すべては好みで決まる。
本やゲーム、CDやDVDをコレクションしている人にとって、めずらしいものを手放すのは難しいでしょうね。
以下のように考えてはどうでしょうか?
無理して捨てなくてもいい
今どれぐらい本をお持ちかわかりませんが、本が増えると手放さなければならないという恐怖心のせいで、本を買うことや、読書を楽しめないなら、本の断捨離は少し休んでください。
古物好きさんが、何を目指して断捨離を始めたのかわかりませんが、以前のメールには、「使っていないものを家に置いておくより、今使ってくれる人の手に渡るほうがいい」と書かれていました。
今持っている本をこれからも読むつもりならべつに捨てなくていいし、読みはしないけれど、「家の中の本箱に並んでいてほしい」と思うなら、これはコレクターの心理なので、そのままにしておいてもいいと思います。
本が大量にあるため、処分してもっと身軽になりたいときは、次に進んでください。
何に執着しているのか分析する
自分が何に執着しているのか自己分析してください。
古物好きさんは以下の気持ちから本に執着しているようです。
1.)探し回って、高い値段でようやく手に入れた本だから、読まなくなった今も捨てるのが惜しい
2.)手放した本にプレミア価格がついて、入手が難しい本になるのが嫌だ
3.)手放すと今度読みたいときに入手しにくい(価格が高くなるため)
それぞれについて、違う考え方ができれば、もう執着しないでしょう。以下で説明します。
お金を払った分はすでに楽しんだ
1)については、その本をずっと持っていても、支払ったお金は戻ってこないと考えてください。
⇒「値段が高かったから」といって捨てないとガラクタは増える一方~断捨離マインドを鍛える
⇒高かったから断捨離できない? 埋没費用はどのみち回収できません
古本を集めたり、買ったりする人は、その本を読むことだけでなく、手に入れるプロセスや、なかなか手に入らないその本を手に入れたあとの勝利の気持ちや達成感、ほかの人は読んでいないけど、私は読んでいるという差別化をした気分も楽しんでいると思います。
そうした特別な喜びを得るために、お金を支払い、そのお金を払った分、十分楽しんだ、と考えることはできませんか?
支払った分はすでに十分楽しんだのだから、捨てるのは、もったいなくありません。
珍しい本は高くて当たり前
「古い本や絶版になった本を読みたいなら、余分にお金を払うことはあたりまえだ」と考えてください。古い本が好きなのは、ある意味、趣味ですから、そこにお金を使うことを惜しむべきではありません。
本は絶版になると出版社に注文しても買えないので、希少価値があがって値段が高くなります。
手に入りにくい本を手に入れるために、探し回り、高いお金を払うのは仕方がないことです。
ここにお金を使いたくないなら、新しい本を読めばいいだけです。
知らなかったことを知りたいなら、古本を読まなくても、ネットで検索したり、YouTubeで動画を見たり、AIを使ったりすればできます。
古い文学を読む講座に参加しても、いろいろ学べますよね?
あえて古本と古雑誌を読むことで知識を増やしたいというのは、自分の選択ですから、甘んじて、古本にお金を払ってください。
2度と読めなくても何も困らない
手放すと2度と読めなくなる、2度と使えなくなる、それが嫌だ。
こう言う人は多いのですが、2度と読めなくなると何か困ることがありますか?
好きでよく読んだ本を、もう読まないと思って手放した⇒ある日、ふとその本のことを思い出してまた読みたくなった⇒Amazonに古本があったけど、すごく高いから買えない⇒読めなくて残念。
そんな事態になったとしても、日々の暮らしはふつうに進みます。
というのも、ほかにも読む本はいっぱいあるから。
手放した雑誌のことはあきらめて、べつの本や雑誌を楽しむほうに気持ちを向けてください。
そもそも、人生は1度だけで、命は有限。何かをずっと持ち続けることはできません。
好きな部分だけデジタル化して残す
「筆子はそう言うけど、やっぱりあとで後悔しそう」、そう思う本は
A.まるごと残す
B.部分的に残す(好きなページを引きちぎる、コピーする、デジタル写真を撮っておく)
こんな方法で残しておけば安心かもしれません。しかし、デジタル化しても、たくさんあると目当てのものを見つけるのが困難になります。
「欲しい本に限って電子化されていない」と感じるのは古物好きさんが読みたい対象が古い本だからです。
ここでも、「私は古い本が好きだから、電子化されていなくても仕方がない」と考えるべきでしょう。
電子書籍で読める本を読みたいなら、新しい本を読んでください。
今、紙の本をまるごと電子化してくれるサービスがあります。
「自炊代行」とか「スキャン代行」で探すと見つかりますので、そういうサービスを利用して、電子書籍として手元に残してもいいかもしれません。
足りないマインドを手放す
足りないマインドの手放し方は過去記事に書いています。
たとえば、これ⇒足りないマインドを手放す:本気で服の買いすぎをやめたいあなたがすべきこと(その4)
足りないマインドを手放すのはわりと簡単で、失うものや失ったものに目を向けるのではなく、すでに持っているもの、これから手に入りそうなものに目を向けるだけでOKです。
本を捨てるとき、「支払ったお金をなくした」とか、「未来に読めるチャンスを失った」と考えるのではなく、「支払ったお金の分は十分楽しんだ。おもしろい体験をした、ありがとう本さん」「おかげでスペースがあいて、リラックスできる」「本当に読みたい本だけが入った書棚になった」と考えればいいのです。
私たちは、失うことに敏感なので、最初は本能的に、「ああ、大事なものをなくしてしまった。もったいない」と思うかもしれません。
そのあとに、「でも、私はあの本を読んでこんなに楽しんだ。その体験は私の中に残っている。しかも、身軽になったし、本棚の整理に苦労しなくなったし、前よりリラックスして読書を楽しめる」と考えてください。
最初は意識して考える必要がありますが、何度もやっていると、失うものに対する執着が薄れてきます。
アイデンティティを変える
古物好きさんは、ご自身に、「古物好き」という名前をつけるぐらいですから、古いものが好きでたくさん集めてるところにアイデンティティがあるのだと思います。
もし、もっと大胆に本を捨てたいなら、アイデンティティを変えてしまうといいでしょう。以下の記事を参考にしてください。
アイデンティティを保つためにものをいっぱい持っているなら、その信念を疑ってみよう。
これは私自身だから。そう考えて断捨離できないなら、べつの何かにアイデンティティを見出そう。
「古物好き」ではなく、「ミニマリスト」「未来志向」「アップデート愛好家」といった名前にしてみるのはどうでしょうか?
昔の本や雑誌を読むのが好きというアイデンティティを残したとしても、別の呼び方をすると、古本に執着しないかもしれません。
たとえば、「ノスタルジスト」や「過去探究家」など。
この記事が何かの参考になることを祈っています。古物好きさん、どうぞ、お元気でお過ごしください。
家事を減らす
エッセオンラインに新しい記事がアップされたのでお知らせします。
今回は、家事の手放し方⇒60代・家事を「手放す」7つのコツ。掃除は優先順位をつけて毎日やらなくてもいい | ESSEonline(エッセ オンライン)
年齢関係なく、家事に疲れている方におすすめの記事です。
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本を捨てるのに苦労している読者のお便りを紹介しました。
本を手放すことは、単に物理的なスペースを空けるだけではなく、自分の心や生活に新たな余白を作ることでもあります。
手放すことで得られる自由や解放感に意識を向ければ、すべてのものを持ち続ける必要はないと感じるようになるでしょう。
では、あなたも何か質問、感想、近況などありましたら、お便りで教えてください。
お待ちしています。