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断捨離を始めると、多くの人が、「もういらないものを手放すだけなのに、なぜこんなに難しいの?」と感じるかもしれません。
部屋を片付け、スッキリした空間にしたいのになかなか進まない。
うまく捨てられない原因のひとつに「足りないマインド」があります。
足りないマインドは、文字通り、なんでも足りないと思ってしまうこと。
もの、時間、お金、収納スペース、チャンス、SNSのフォロワーや「いいね」、そして自分自身のスキルや価値までも。
足りないと思っているから、「これがなくなったら困る」「2度と手に入らないかもしれない」と感じて、捨てられないのです。
この記事で、足りないマインドがどんなふうに断捨離の妨げになり、どうすればこの状態を改善していけるか、一緒に見ていきましょう。
1.捨てるのはお金がもったいない
足りないマインドに傾いていると、ものを捨てることイコールお金を捨てることだと感じてしまいます。
特にろくに使わないまま捨てるのは、無駄遣いの何ものでもなく、罪悪感や後悔にさいなまれるのです。
嫌な気分になりたくないので、今後も使わないと本当はわかっているのに、とりあえず手元にキープします。
この思考を乗り越えるには、ものの本当の価値について考えることが有効です。
その商品がいまの生活に役立っているかどうか考えてみましょう。
もし、何の役にも立っていないなら、それは、「役目を終えたもの」か、「ちょっとしたミスで家に入ってきてしまったもの」ではないでしょうか?
役目を終えたものも、本来はここにあるべきではないものも、自分の家に置く必要はありません。
2.いつか使うかもしれない
「いまは使っていないけど、もしかしたらまた必要になるかもしれない。そのうち役立つかもしれない」。この考えも、足りないマインドから生じます
もう着なくなった服、新しいものに買い替えた家電、何に使うのかわからないコードを、「いつか何かに使うときのために」と保管するのは、いま、自分が十分持っていないと感じるからではないでしょうか?
そして、未来の自分も、十分なものを用意できないと考えています。
この場合は、客観的に現実を見ることが役立つでしょう。
「あれば、使うかも」と思っているものが本当に必要になる機会はどれほどあるのか?
いま、日常で使っているものは、かつて自分が「そのうち使うかも」と思って取っておいたものなのか? それとも必要に応じて買ってきたものか?
「いつか、何かのために」としまいこんでおいたものが活躍することは、自分が思っているほどはありません。むしろ、スペースや気持ちの余裕を奪っています。
3.どんどん買わなきゃ
断捨離では、捨てることだけでなく、家に入ってくるものを「断つ」ことも重要です。
しかし、足りないマインドに支配されていると、逆に、家の中にものを入れてしまいます。
自分はまだ十分もっていないから、もっとものが必要だと感じるのです。
安心感を得たいがために、必要以上にストックを買ってしまうことはありませんか?
いま持っているものより、デザイン、色、機能が少しいいもの、もっと新しいものを買うのも、いま持っているものが自分にとって十分ではないからです。
セールで安いものを見つけると飛びついてしまうのも、「私はお金を十分持っていない」「今後も、十分稼ぐことができない」と思っているから。
足りないからどんどん買ってしまい、家の中にものがあふれます。
足りないマインドからものを買うのは、それが必要だからではなく、安心感を得たいからです。
でも、ものをいくら手に入れても、「私は十分ではない」という不安は解消されません。
逆に、ものが多すぎると、生活が混乱し、ストレスが増えます。
4.私はセンスがいい人とアピール
自分は十分ではない、と思っていると、その欠落を埋めるために、他人の評価を求めがちになります。
自分自身を信じることができないのです。
その結果、家族、友人など周囲の人に自分をよく見せようと、分不相応に高価なブランド品や流行しているものを手に入れようとします。
新品できらきらしている服を着たいと思うので、古い服、着用感のあるもの、すりきれた服などを着るのは言語道断です。
まだ使える服やバッグ、靴が家にたくさんあるのに、新しいものを手にいれるので、結果的にものが増えます。
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SNSの利用が増えている昨今は、見ず知らずの人とまで自分を比べるので、ものの増殖は止まりません。
自分の価値を物理的なものではなく、目に見えない人間性で測るようにすれば、他人と比較しなくてすみます。
自分と向き合う時間を作ってみましょう。
シンプルに暮らしたいなら物にこだわらず、価値観にこだわるべき。
SNSから少し距離を置き、他人と比較しない状況を作るのもおすすめです。
5.2度と手に入らないかも
これを手放すと、もう2度と手に入らないと感じてしまうのも、足りないマインドに影響を受けています。
かつて趣味や仕事で使った道具、教材、未使用のクラフトの材料を手放せないのは、「手元に持っていないと、それを使うチャンスを永遠に逃してしまう」という恐怖があるからでしょう。
野望ガラクタ(なりたい自分になるために手に入れたものの、全然使っていないもの)を捨てられないのも、この理由からだと思います。
ビーズや刺繍糸という野望ガラクタを捨てたいのですが、捨てられません。
でも、考えてみると、今の自分に不要ならば、一生手に入らなくても何ら問題はありません。
もし、将来の自分が同じものを必要としたら、それはその時考えればいいのです。
・なしで済ます
・代替品を使う
・新たに買ってくる
こんな方法を使えば、昔持っていたものがなくても大丈夫です。
自分さえそこに入れば、人生はとどこおりなく進みます。
私が捨てたもので、あとから必要になったものはありません。強いて言えば、娘の使い古しの色鉛筆やマーカーは、もし持っていれば、塗り絵に使えたと思います。
ですが、こうした画材はいくらでも入手可能なので、必要に応じて、そのときの自分のニーズに合ったものを購入して使っています。
6.すべて大事なものなの
足りないマインドに影響されると、ものに対する感情的な執着が強くなります。
ものが、かつての成功や楽しい思い出の思い出の象徴になり、手放すのは自分を否定するように感じてしまうのです。
古い賞状や成績表、運動会でもらったメダルを押入れにしまいこんでいるのは、捨てると自分の努力が無意味になってしまう、せっかくの活躍が消えてしまう気がするのです。
過去の自分を象徴するものを捨てたくないのは、今の自分が十分ではないから。
でも、今の自分に自信を持てば、過去の成功にしがみつく必要はなくなります。
これまで手に入れてきたものは、大切な経験を象徴していますが、すべては自分の中に残っている、吸収されたと考えてみてください。
実際、今の自分は、これまで体験したことの集大成です。
過去を象徴するたくさんの品物の中で埋まっていると、せっかくの成長のチャンスを失ってしまいます。
7.売れば小遣いになる
「売ればお金になる」という感情も、足りないマインドに深く関わっています。
この感情は、「私にはお金が足りない」という思いから生まれ、物を捨てる代わりに売ることで少しでもお金に換えたい気持ちです。
実際、雑誌の片付け特集では、捨てるのではなく、売ってお金に変えることをすすめているものがたくさんあります。
しかし、売るためには、手間がかかるので、すぐに行動を移せない人がたくさんいます。
「売ればお金になる」というロジックは、「今は捨てなくてもいい」「キープしてもいい」という免罪符として機能します。
「いつか売るつもりのもの」が押入れや部屋の片隅にたまっているなら、それらを別に売らなくても、いま、ふつうに暮らせている現実に目を向けてください。
本当にお金がないなら、とっくの昔に売っていたはずですから。
■足りないマインドと断捨離のかかわりを別の視点から書いているこちらもどうぞ⇒足りないマインドがあると、物が増え、片付けもできない理由。
■足りないマインドを手放すには?⇒たっぷりあるマインドになるおすすめの練習法6つ~もう十分ある、と考える。
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足りないマインドのせいで生じてしまう「捨てない言い訳」を7つ紹介しました。
すべて、「大丈夫、私は十分持っている」と考えれば、説得力を失う言い訳ばかりです。
今あるものに目を向けてください。すでに十分、持っているんじゃないでしょうか?
押入れ、クローゼット、食器棚、デスクの引き出しの中を見てみましょう。