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女性の多くは新しい衣類を買うことが好きです。私も若い頃はたくさん服を買っていました。
それぞれの服がなんらかの形で自分の人生をよくしてくれると思っているから買うわけですが、実際は、服が多すぎると数々の問題が生じます。
この記事では、服が多すぎるせいで起きる問題を8つにまとめました。
服は多ければいいわけではないという事実に気づいて、計画的に服を買うようにすれば、今抱えているさまざまなストレスや不便が軽減されます。
1.不安やストレス
出かける前に服を選ぶとき、しっくり来る服がないと感じることがあるとしたら、それは服が多すぎるからです。
すべてがお気に入りの大好きな服であったとしても、選択肢がありすぎると、迷ってしまい、選べなくなります。
この状態は心理学的には「選択のパラドックス」と呼ばれる現象です。
バリー・シュワルツに学ぶ『選択のパラドックス』(TED)~所持品をミニマムにすると生きやすくなる理由とは?
着る服に迷っているとき、多くの人が、決断疲れに陥ります。
選ぶ喜び? それとも迷う苦しみ?~持ち物が多いとき、感じているのはどちらの感情か。
服を選ぶことにエネルギーを使いすぎると、あとで重要な決断をするときに使うエネルギーが枯渇してしまうかもしれません。
2.目当ての服を見つけられない
服の絶対量が多すぎると特定の服を見つけるのに手間がかかります。
その日着たいと思う服がわかっていても、すぐに手に取ることができないでしょう。
「どこかにあるはずなのに見つからない」という気持ちは、とても大きなストレスです。
探している間にあきらめて、別の服を着て出かける…という経験がある人も多いのではないでしょうか。
あちこち探し回って、ある場所がわかったとしても、クローゼットの奥のほうから引っ張り出さなければならないかもしれません。
ようやく引っ張り出せても、しわくちゃだからアイロンをかけるか、結局、その日着るのはやめる、なんて事態も起きます。
こうしたことは、時間の無駄だし、日々のストレスの原因にもなります。
3.時間とエネルギーの浪費
服が多すぎると、毎日のコーディネートに悩む時間が増えますし、管理の手間も増大します。
2番で書いたように、たくさんの中からその日着るものを選ぶことにも時間がかかるし、ワードローブをいい状態にしておくことにもエネルギーを使います。
数がなければ、短時間の管理で済むのに、たくさんあるせいで、しまい方や置き場所を考えたり、並べ替えたり、整理したりするのに余計なリソースが必要になるのです。
めったに着ない服ですら、クリーニングや洗濯をして、すぐに着られる状態にするでしょう。
これらの作業に費やす時間とエネルギーは、他のもっと生産的な活動や趣味、家族との時間に使えたかもしれません。
時間や体力に余裕がないなら、シンプルなワードローブにしておいたほうが自分のためです。
4.スペースを取られる
服が多すぎると家の中の貴重なスペースを取られます。
本来ならほかのことに使えたはずのスペースを服が占領してしまいます。特に日本の都市部の家は狭いことが多いので、せっかくあるスペースを、たいして着ない服に明け渡してしまうのは深刻な問題です。
限られた収納スペース、例えば小さなクローゼットやたんすに服を押し込むとシワがついたり、飾りがほかの服にひっかかったりします。
若い頃の私は、ファンシーケースに服をびっしり入れていたので、詰め込みすぎが服の劣化を招くことをよく知っています。
服が大好きでたくさん買ったのに、そのせいで、大切な衣類が傷んでしまうのは残念ですよね。
服がスペースを取ってしまうのは、物理的な問題だけでなく、精神的にも圧迫感を与えます。
5.セルフイメージが悪くなる
押入れやクローゼットに服がいっぱいあると、「自分のものをちゃんと管理できていない」という不安を感じます。
実際、人ひとりが管理できるものの量には限界があるので、多すぎる服を持て余している人はたくさんいるでしょう。
ほとんど着ることのない服をたくさん持っていると、罪悪感や自己嫌悪につながります。自分のお金や、メーカーが服を作るのに使ったリソースを無駄にしていると感じるからです。
このような気持ちは、セルフイメージを悪くしてしまうし、自己効力感(自分には何かをやり遂げる能力があるという信念)も損なってしまうので、生活の他の面にも悪影響を及ぼします。
なぜセルフ・エフィカシー(自己効力感)が重要なのか?(TED)
6.好きな服をしっかり着られない
着る服がたくさんあると、本当に好きな服を、思う存分着られないことがあります。
本当に気に入って買った服でさえ、ほかの服に埋もれて、「結局ほとんど着なかった」ということになりかねません。
少数精鋭のワードローブならば、お気に入りの服を何度も楽しむことができますが、数が多いとどうしてもそれぞれを着る頻度が落ちて、ひとつひとつをしっかり使うことができません。
その結果、服を手に入れる大きな目的のひとつである自己表現の喜びや満足感を得られにくくなってしまいます。
服をたくさん持っている人は、本来、おしゃれが好きな人でしょうから、お気に入りの服を着ることで得られる自信や快適さを十分得られないのは残念なことです。
7.経済的な損失
ほとんど使わない服や流行り物にお金を費やしてしまうことは、経済的にも大きな損失です。
そのお金があれば、もっとほかの有意義なことに使うことができたかもしれません。
例えば、旅行や教育、貯金など、もっと長期的に価値を生み出す可能性のある何かに。
ろくに着ない服を管理するために収納グッズにお金を投じることも無駄遣いです。
服が多すぎるせいで、「今来る服がない」と考え、衝動買いを続けて「同じような服を何着も持っている状態」に陥ることも多く、これも経済的な損失に直接つながります。
服の維持にかかるコスト(クリーニング代や洗剤代など)も馬鹿になりません。
これらのすべての支出は、長期的に見るとかなり大きな金額になります。
8.エコじゃない
大量の服を持っていると、その多くが捨てられる運命にあります。すでに服は市場で飽和状態なので、活用してくれる人を見つけるのも大変ですよね。リサイクル業者やリユース市場に出しても、活用されないまま廃棄されることが多いです。
そもそも、服は思いのほかリサイクルしにくい製品です。
ファッション産業は世界で2番目に環境負荷の高い産業と言われており、過剰な衣類の生産と廃棄が深刻な環境問題の一因となっています。
ファストファッションはもうやめた。あなたもそうすべきだと思う(TED)
合成繊維の服は洗濯時にマイクロプラスチックを放出し、海洋汚染の原因にもなっています⇒あなたのTシャツは肌に毒になっていませんか?~衣料品に含まれる有毒なもの(TED)
使用頻度の低い服を保管するために使用する電気(除湿機やエアコンなど)も、間接的に環境負荷を増大させるでしょう。
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服をたくさん持つことは、一見豊かさや選択の自由、楽しい生活の象徴です。
しかし、改めて考えると、私たちが思っている以上に、服を持ちすぎることにはさまざまなデメリットがあります。
ストレスや時間の無駄、経済的損失、環境への悪影響など、どれもあなどれません。
これらの問題を意識することが、自分の意図に沿った、持続可能なライフスタイルへの第一歩となるのではないでしょうか?
かつて私もたくさんの服を持っていましたが、少ない服で暮らしている今のほうが、洋服に関する悩みが減って、満足度も上がりました。
「少ない服で多くを表現する」というミニマリズムの考え方が、個人の幸福感と環境への配慮の両立につながるかもしれません。
「服が多ければ多いほどいい」という考えを見直し、厳選した少数の服で、自分に似合うものや心地よく着られるものだけを持つようにすれば、精神的にも経済的にも安定します。
持っている服に対してもっと責任を持ち、計画的に購入する生活にシフトすると部屋の中もすっきりします。