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読者のお便りに返信します。お金とものに関する悩みが書かれていましたが、この記事ではお金の問題にフォーカスします。
まず、お便りを該当する部分だけシェアします。
差出人はツムギさんです。ツムギさんは芸術を学んでいる学生さんで、いろいろなものを作っている方です。
無駄遣いはしていないのに
件名:お久しぶりです!
こんにちは、お久しぶりです!ツムギです!
あれから、作品制作に夢中な日々を送っています。
「人生がときめく片付けの魔法」をやってから、確かにだいぶ詰んでいた人生が割とマシになってきたのは確かです。
〈中略〉
やっぱり、「買わない」と、「こまめに片付ける」の習慣化。これが一番難しい……。
どうやったら身につくのか。
私は人一倍お金使いじゃないのです。
買い物依存症ではなくてポリシーを持って買い物はしているし、借金もミシンしかしていないし(うちは住宅ローンもなし)、クレジットカードの請求はかなり少ない。
でも、「今月も30000円しか貯金できなかったのかー、学費、大丈夫かな」と心配になる日々。
心当たりのある買い物としては、もちろん作品の資材購入がかなりの大幅を占めています。
ただ、最近の傾向を見ると見直すべき部分と、健全というか、個人的には有意義なものもあります。
・つい親に喜んで欲しくって、デパートでちょっと高級なお肉や魚を買ってしまう
・シャトレーゼでつい甘いものを食べたくなって仕方ない
・「推し店」が出来たこと
・好きなキャラの行方が見たくてポケモンの新作買っちゃった
この通り、割と有意義にお金を使っていても、貯まりません。作品の売り上げ金でやっとギリギリ学費が払えそう。
ツムギさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
お元気そうで、何よりです。
創作活動をがんばっていて素晴らしいです。3万円貯金できたなんてすごいと私は思いますが。
今、ツムギさんは、「無駄遣いしていないのに、お金が貯まらない」とジレンマを感じています。どうやったら「買わない人」になれるのか悩んでいるようです。
何もかも買わない人になるのではなく、もっと満足のいくお金の使い方をするのはどうでしょうか?
ポジティブな理由からお金を使っているからといって、必ずしも、それが望ましい買い物や消費とは言えません。
買い物には優先順位がある
もっと貯金をしたい気持ちがあるなら、お金を使う優先順位を見直してみましょう。
どんなに前向きな理由から買い物をしていても、収入の大半を使ってしまえば、貯金する分はたいして残りません。
これは単純な計算をすればわかることです。
ツムギさんは、親を喜ばせたい、自分をねぎらいたい、推しを応援したい気持ちからお金を使っています。
どれも、一見、よい行動のように思えます。
ただ、「いい理由から使っている」という気持ちが、お金を使う言い訳になっているかもしれません。
お金には使う順番があります。
一番重要なことから、お金を使ってください。
もし、貯金や学費の支払いが重要なら、そちらにまずお金を出さねばなりません。
重要なものにお金を使っていたら、つまりポイントをちゃんと抑えていたら、買い物のあとの罪悪感も軽減します。
貯金に回すお金がないと思うかもしれませんが、今ツムギさんが、「望ましいお金の使い方」だと感じている消費の中に、貯金に回せるお金があると思います。
日常の満足を買い物以外で得る
幸福感や満足感を買い物以外のことから得るようにしてください。
スイーツを食べた喜び、親の笑顔を見ること、推しを応援できた満足感。どれも、心がほっこりする「よい行い」ですが、買い物で得た幸せは長続きしません。
買い物で得られる快の気持ちは、すぐに消えます。だから、また別の買い物をすることになります。
たまにはスイーツを食べたり、親を喜ばせるために何かを買ってもいいです。
でも、基本は、買い物以外の活動に、日々の喜び、楽しみ、生きがいを見つけてください。
ツムギさんはアーティストなので、作品を作っているときや、作品ができあがったときに喜びが大きいのではないでしょうか?
一般に、ものを買うより、経験にお金をつかったほうが、満足感が深く、長続きします。
日々の生活が楽しいものになれば、頻繁に買い物で気持ちを上げる必要もなくなります。
目的のすり替えに注意する
親を喜ばせたい、応援したいという気持ちが、買い物の言い訳になっていないか考えてください。
誰かを喜ばせたいという気持ちは、自分ではなく他の人の幸せを願う純粋で美しい感情です。
でも、実は、「よい娘でいたい」「応援して感謝されたい」といった、自分をよく見せたい気持ちが背後にあるかもしれません。
他人の幸せのためにお金を使っていると思っていても、実際は自分の欲望を満たすためにお金を使っている可能性もあるわけです。もちろん、これはツムギさんにしかわからないことです。
自分のためにお金を使っているのですから、ここでも自分のニーズを別の方法で満たすことができます。
よい娘でいたいのなら、ものを買わなくても親孝行できます。ご両親と共に時間を過ごしたり、家事を手伝ったりすればいいでしょう。
推しを応援している自分でいたいと思うなら、なぜ、そう思う必要があるのか考えてください。
推しを思う気持ちは、応援の多寡では決まりませんので、別の応援の仕方も考えられます。
その店を他の人に紹介するなど、店でお金を使うこと以外の方法もありますよね。
例外を作りすぎない
お金を使うときは、自分なりにルールを決め、例外を作り過ぎないようにしましょう。
「たまにはいいか」「月に一度だけだし」。こうした例外の出費が多すぎるとお金が残りません。
たまに食べるスイーツや、たまに買うキャラクターグッズが、「たまに」ではなく、「わりとよく」になっていないか調べてください。
それぞれは、大きな出費ではないので、ついお金を出してしまうかもしれません。
でも、複数の分野で「たまにはいいよね」「これは特別」と思ってお金を使っていたら、積もり積もって貯金用の予算を圧迫します。
このようなお金はラテマネーと呼ばれますが、1回ごとの出費は小さくでも、全部足せばけっこう大きな金額になります。
ラテマネーが怖いのは、少額の消費ゆえ、「私、ふだんは節約している」「無駄遣いしていない」「大きな出費はがまんしているからいいよね」と、無意識に買い物のブレーキをはずしてしまうところです。
貯金する分が残らないと思ったら、こうしたラテマネーから見直すといいかもしれません。
「たまにはいいよね」「ごほうびだから」と思って使ったお金はすべて記録を取るといいでしょう。
お金の使い方の見直し方:実践編
最後に貯金するお金をもっと残すために、実際にやれそうなことをいくつか紹介します。
毎月、お金を何に使ったか振り返る
家計簿をつけなくてもいいので、レシートやカードの明細をざっと見て、意外と使ってしまった分野を見つけてください。
たとえばお茶代、サブスク、ちょっとした雑貨など、よく使っている分野を見つけて、翌月、このカテゴリーのお金の使い方を意識して変えます。
使ってよかったと思える出費を増やす
それぞれの出費を以下のポイントで見直してください。
・後悔や罪悪感があったか
・満足度が長く続いたか
・生活がよくなったか
・誰かとの関係がよくなったか
満足感が長く続いたり、生活が明らかによくなった買い物を繰り返すようにしましょう。逆に、お金を使っただけで、何も残らなかった消費や、後悔があった買い物は、今後は控えます。
今、自分がお金を使いたいものを書き出す
何にお金を使いたいか、ブレインダンプしてみましょう。
全部書き出したら、優先順位の高いことから番号をつけて、番号順にお金を使ってください。
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この記事は、無駄遣いをなくす方向で書きましたが、生活が回っているならガチガチに節約する必要はないと思います。
仮に、ばーっと使ってしまって、あとで学費が足りなくなり、休学するなんてことが起きたとしても、その体験から多くことを学べます。
ただ、買い物のあとの後悔が多いなら、今回アドバイスしたことを参考に、お金の使い方を軌道修正するといいでしょう。
お金の使い方に正解はありません。でも自分の価値観を意識して、お金を使っていくスキルを早いうちに身につけておくと、一生役立ちます。