SNSを全部やめたZ世代に学ぶ、スマホに振り回されない生き方(TED)

SNSを全部やめたZ世代に学ぶ、スマホに振り回されない生き方(TED) TEDの動画

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スマホやSNSとの付き合い方を変えるヒントを教えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは I quit social media—here’s what happened(私はSNSをやめた。そのとき起きたこと)。

スピーカーは、SNSやスマホに頼らない生き方を広めるムーブメント「Appstinence(アプスティネンス)」を立ち上げたガブリエラ・グエン(Gabriela Nguyen)さんです。

Appstinenceは、英語の abstinence(アブスティネンス/何かを我慢してやめること)をもじった言葉で、「アプリ(app)をやめる=SNSアプリから離れる」という意味をこめた名前です。

SNSをやめると、何が起きるのか

収録は2025年11月。長さは約14分。日本語の字幕はありませんが、英語はYouTubeが自動でつける字幕で追えます。

◆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

ガブリエラさんはとてもゆっくりしゃべっているし、メッセージもシンプルなのでわかりやすいプレゼンです。

以下に、このトークのポイントを紹介します。

スマホ漬けの毎日で、自分が嫌になっていった

ガブリエラさんは、10歳でSNSを始めてから10年以上、ずっとネットに浸かって過ごしてきました。

一日に何時間も中身のない動画を眺め、人からどう見られるかばかりを気にしていました。

何かを投稿するたびに、舞台の上に立たされているような気持ちでした。

本を読もうとしても数分おきにスマホに手が伸びてしまい、一冊を読み通せません。

ゴミを出しに行くときもスマホを握りしめていました。

来る日も来る日も画面を見ているうちに、だんだん自分のことを好きでなくなっていきました。

スマホを手放したら、眠りも集中も戻ってきた

2023年の5月、彼女はインスタグラムもスナップチャットも、すべてのアカウントを消しました。

スマホも、通話とメッセージができるだけの携帯電話に替えました。

すると、眠りが深くなり、朝はすっきり目覚めるようになります。

気が散りやすい性格だと思い込んでいたのに、情報の洪水から離れてみたら、集中する力はあとから学べる技術だと気づきました。

心が穏やかになり、10代にはつきものだと思っていた気分の落ち込みも、実は画面から流れ込む情報のせいだったとわかったのです。

とはいえ、アカウントを消したとたんに人生が輝きだしたわけではありません。

ただ、よい娘、よい姉妹、よい友達でいるための時間と土台が、手に入りました。

やめられないのはそう設計されているから

スマホの使いすぎをやめたいとき、こんなアドバイスをよく聞きます。

スマホの電源を切って部屋の反対側に置く、アプリの使用時間を制限する。

これは意志の力に頼っていますが、行動科学のさまざまな研究から、意志の力には限界があるとわかっています。

おまけに、私たちが使うアプリは、ただの連絡手段ではありません。

人の注意と、不安や怒りといった負の感情を利潤に変えるため、依存させる設計になっています。

バランスを取って使おうとしても、簡単ではありません。

ものを買わないと決めたそばから広告を浴びる、そんな矛盾を抱えたまま、ずっと我慢を続けることになるからです。

しかも、これは特別な人の話ではありません。

アメリカでは、10代がSNSに使う時間は1日平均で5時間近くにのぼり、その多くが自分でも使いすぎだと感じています。

では、どうするか。

我慢するのをやめて、環境を変えます。

アカウントを消すのは、その出発点にすぎません。

本当に必要なのは、スマホがなくても回る暮らしを、自分の手で組み立てることです。

ガブリエラさんは、変えるべき環境を、3つに分けて考えています。

スマホを遠ざけ、アプリを消し、人に会いにいく

ここでいう環境とは、自分を取り巻く、身の回りの状況のことです。

物理、デジタル、人とのつながりの3つを見直します。

物理:休息と集中をじゃまするものを減らす

寝室にテレビがあれば眠りは浅くなり、スマホをいつも持ち歩けば、注意はそのたびに引っぱられます。

簡素な携帯電話に替えてそうした誘惑を遠ざけます。

デジタル:依存させるアプリは持たない

使っているアプリが、連絡のための道具なのか、それとも人を引きとめるために作られたものなのかを見極めます。

引きとめる側のアプリは、思いきって消します。

ガブリエラさんがいま使うのは、人を依存させない連絡のツールだけです。

人とのつながり:画面の外で人と会う

家にこもると画面に手が伸びるので、図書館や公園に出かけ、友達の家を訪ねます。

毎週きまった集まりに顔を出して、また会える相手との関係を、少しずつ育てます。

画面に向かう時間をただ削るのではなく、その時間を、現実の手ごたえある活動で埋めます。

人とのつながりを画面の外に作り直せば、アプリは出番を失っていきます。

スマホ・SNSとの付き合い方に関するほかのプレゼン

スマホとの付き合い方が気になる人は以下の記事もごらんください。

ソーシャルメディアはやめなさい:カル・ニューポート(TED)

ティーンエイジャーが語るスマホ依存の問題(TED)

スマホを使っても気が散らない技術を生み出そう(TED)

集中力は人生に不可欠な能力(TED)

ファイナンシャル・リテラシーとSNS世代(TED)

若い人の話だけれど、見直したいのは私たちのほう

今回のスピーカーはとても若い人です。

ですが、スマホとの付き合い方を見直すことは、年齢を重ねた私たちこそ必要です。

スマホやSNSは便利ですが、暮らしの主導権まで握らせてしまうのは、もったいないです。

私ぐらいの年齢になると、残りの時間はそう長くありません。

体力も、集中していられる時間も、限りがあります。

その貴重な時間を、タイムラインを追うことに使いすぎてはいないか。

そう思うと、画面に向かっていた時間を、人や好きなことをすることに戻したくなりますよね。

しかし、ガブリエラさんのようにアカウントをいきなり全部消すのは、勇気がいります。

皆が同じようにする必要はありません。

スマホと少し距離を取りたいなら、物理、デジタル、人とのつながりの3つのうち、いちばんハードルの低いところから、ひとつだけ変えてみるのがいいでしょう。

たとえば、食事のあいだは、スマホを別の部屋に置く。

よく開くアプリを、ホーム画面の奥のページに移す。

新しく知り合った人には、SNSではなく電話番号を聞く。

どれも、今日、始められます。

私自身も、そうやって小さな工夫を続けています。

使いすぎない私の工夫

私はもともとスマホのライトユーザーで、ガブリエラさんのように、スマホと寝起きを共にするような生活をしたことはありません。

それでも、見なくてもいいときに、だらだら見てしまうことがあります。

そこで、こんな工夫をしています。

・寝るときはそばに置かない

以前、昼寝をするときにそばに置いて、うっかり見てしまうことがありました。

それからは、寝るときはスマホを手の届かないところに置いています。

・アプリも通知も最低限

端末の中身も整理しています。

Gmailはふだんは入れていません。必要なときだけ入れ直して、使い終わったらまた消します。

ひと手間かかりますが、はじめから入れていないと、手持ち無沙汰のときに開かなくなります。

通知も、ほとんど切っています。

オンにしているのは、娘とやり取りするスナップチャット(写真やメッセージを送るアプリ)と、家主や友人と連絡を取るiメッセージ(アップルのメッセージ機能)の2つだけです。

・やり取りは、電話とメール、会うこと

人との連絡は、メッセージアプリ、メール、電話、それから直接会うという普通のやり方でまかなっています。

SNSは、ブログの更新を流すくらいで、自分から眺めたり投稿したりはしません。

時間を取られますし、もともとあまり得意ではないからです。

声や顔のあるやり取りのほうが、私は好きです。

****

2026年の3月、アメリカで、インスタグラムのせいでうつになったと訴えた若い女性の裁判で、SNS側に責任があるという評決が出ました。

SNSの設計そのものが依存やメンタルヘルス悪化の一因になっていると、裁判所が認めたわけです。

こんなニュースを見ると、SNSやスマホの使い方は、もはや個人の問題ではなく、社会全体で考えるべきテーマだと思います。

一人ひとりが、自分の暮らしや心に合わせて、スマホとの距離を決めていきたいですね。

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カナダ在住の60代。ミニマリストです。

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