ポーカー

TEDの動画

ポーカーのチャンピオンが教える意思決定の3つの秘訣(TED)

意思決定が苦手な人の参考になるTEDトークを紹介します。

タイトルは、3 lessons on decision-making from a poker champion(ポーカーのチャンピオンが伝える意思決定の3つの教訓)

プロのポーカープレイヤーのLiv Boeree(リヴ・ボエリー)さんの講演です。

邦題は、ポーカーの達人が教える決断の3つの秘訣



意思決定の教訓・TEDの説明

Is it better to be lucky or good? Should we trust our gut feelings or rely on probabilities and careful analysis when making important decisions? In this quick talk, professional poker player Liv Boeree shares three strategies she’s learned from the game and how we can apply them to real life.

実力があるより強運なほうがいいのでしょうか? 重要な決断をするときは、直感を信じるべきでしょうか、それとも、確率と詳細な分析を使うべきでしょうか?

この簡潔なトークで、プロのポーカープレイヤーの、リヴ・ボエリーは、ゲームから学んだ3つの戦略と、それを実生活に活かす方法をシェアします。

収録は2018年の4月、長さは6分。日本字幕もあります。動画のあとに抄訳を書きます。

☆トランスクリプションはこちら⇒Liv Boeree: 3 lessons on decision-making from a poker champion | TED Talk

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

とても聞き取りやすい英語ですし、短いので英語の勉強素材におすすめです。





私はプロのポーカープレヤーです。きょうは、意思決定について、ゲームから学び、日常生活でも使っている3つのことをお話しします。

1.運を考慮する

最初は運に関することです。

ポーカーと同じように、人生でも、重大なこと、たとえば健康やお金、人間関係について決断するとき、スキルと運が必要です。

このようなできごとの結果は、意思決定の質だけでは決まらず、運にも左右されますよね。

たとえば、とても健康にいい暮らしをしていても、運悪くがんにかかることはあります。

逆に、1日20本タバコを吸っていても、長生きする人がいます。

不確かなことがあるので、自分の戦略のおかげで、今そうなっているのか、はっきりとはわかりません。

特に、成功しているときはそうです。

2010年、私は「欧州ポーカーツアー」というとても大きな大会で優勝しました。

フルタイムのポーカープレイヤーになってから、1年しかたっていなかったので、自分はすごく腕がいいと思ってしまいました。

自分の腕を過信していたので、勝負について研究しなかったし、世界の強豪を相手にする大きな試合で、より大きなリスクをとるようになりました。

その結果、私の収入のグラフは、長期に渡って下がり続けました。自分が自分の腕を過大評価していたことに気づく時まで。

このできごとは、2017年にクリプトカレンシーがどんどんあがっていたときを思わせます。

戦略を立てて優位に立つのが不可能だとは言いません。でも、どんなやり方をしても、利益が出ているときは、自分は天才だと簡単に過信してしまうのです。

ものごとがうまくいっているときは、ちょっと立ち止まり、それがどこまで自分の力によるのか考えることが重要です。勝っているとき、私たちのエゴが、運の要素を過小評価しますから。

2.数量化する

2つめは、数量化する重要性です。

プレイをしているとき、「きっとハッタリだ」で済ますと、お金をたくさん失います。ポーカーは、確率と精度のゲームなので、数字で考えるスキルを身につけるべきです。

何か重要なことについて、たとえば、「TEDトークで話す内容を忘れるわけないわ」といったことを漠然と考えているのに気づいたら、その予測を数値化するよう心がけています。

これは、準備段階でとても有効なんですよ。

今、この場で起きそうなことや、未来に起きそうなこともみんな確率で表せます。

なんでも数量かできる

話をするときも、数字を使うようにしています。

誰かに、「リヴ、今晩、来るよね?」と聞かれたら、「たぶんね」と答える代わりにベストの見積もりで答えます。「60%の確率で行くよ」みたいに。

変に聞こえると思いますが、Twitterで、みなが、たぶん(probably)という言葉をどんな意味で使っているかアンケートをとったらこんな結果になったんです。

probablyの解釈

こんなにばらつきがあったら、正しく情報を伝えられません。

だから、もし自分があいまいな言葉、「たぶん」とか、「時々」と言っていたら、数字を使うようにしてください。数字で話せば、もっと明確に伝えられます。

3.直感を過大評価しない

3つ目は直感について。

Facebookで、こんな画像をよく見かけませんか?

「いつも直感を信じて、決して考え込むな。直感はいつも正しい」「自分の魂を信じなさい」

どれもひどいアドバイスです。

これは現在、世界で最高のポーカープレーヤーたちです。

ポーカーの達人たち

彼らが感覚と直感だけで生きているように見えますか?

彼らは、ゆっくり注意深く分析します。というのも、単に賢かったり、人の気持ちを読んだりするだけでトップに立てたのは、もはや昔の話だからです。

直感は、人が思うほど完璧ではありません。

困難に直面したとき、魔法の霊感から答えが出てくるならいいですよね。

でも、現実には、直感は希望的観測やバイアスに影響を受けやすいんです。

では、直感がうまく働く時はどんなときでしょう?

私が読んだ研究によると、これまで何度も経験した日常的なこについてなら、直感をあてにできます。

友達の顔を見ただけで機嫌がわかるとか、すごく狭い駐車スペースに停められるかどうかわかるとか。

でも、キャリアの進路や、誰と結婚するかといった重大なことは違います。

そんなとき、ゆっくり適切に分析することより、直感を使ったほうがいいなんて思えませんよね。

何のデータもないのですから。

つまり、私の3つ目の教訓は、直感を無視すべきではないが、重要視してもいけないということです。

まとめ

今日お話しした3つの教訓をミームを使ってまとめます。ポーカーふうにひねっています。

・成功がもっとも甘美なのは、たくさんの経験をしたときである。

・直感は友達だが、コストベネフィット分析も同じだ。

・未来のことはわからない。でも、推測を試みることはできる。

//// 抄訳ここまで ////

補足

meme ミーム、ネットで拡散されるネタ・トピック。おもしろ画像や動画。

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具体的な言葉にする

先週に続いて今週も決断に関するトークを紹介しました。

お宝かガラクタか決められないというメールをもらったからです⇒お宝なのかガラクタなのか判断できず、断捨離が進まないときはこうしよう。

今回のトークでは、3つの教訓が出てきました。

1.運の要素を見過ごさない
2.数量化する
3.直感をあてにしすぎない(冷静に分析、未来予測する)

上にリンクした記事にも書いていますが、「お金になるから捨てたくない」と思うとき、それはいったいいくらぐらいなのか、そして、そのお金はいつ手に入るのか、もう少し具体的な未来予測をしてください。

そうするためには、この記事でも書きましたが⇒その不用品は、お宝かガラクタか? 私の場合 リサーチと分析が必要です。

ただぼんやり考えているだけでは、「お金を得る」というゴールに全く近づきません。

本当にお金が欲しいのなら、悩む時間の半分ぐらいは、実際に調べて、予測するほうに使ってみてはどうでしょうか?

さらに、断捨離中にきわめてよく出てくる言葉ですが、「いつか使うから」と思ったら、その「いつか」も具体的に西暦何年の何月ごろなのか、数字にしてみてください。

そうすれば、捨ててもいいかどうか判断しやすいと思います。

*****

これまで何度も経験したことは直感をあてにできるというのは本当かもしれませんね。

先週紹介したTEDトークに出てきたパイロットや、これまで何百何千と脳外科手術をした医者は、経験に裏打ちされた直感が働いて、ピンチのときに最良の選択をし、その選択に基づいて、筋肉や神経を動かせるのだと思います。

その域に達するためには、いつも真剣勝負をしていなければなりません。

売ればお金になるものを見つける眼力をつけたいときも、実際にその体験を何度もするべきでしょう。





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