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歯を3本インプラントをするまでの治療体験を書いています。
今回は、抜歯です。2015年1月21日に、歯肉炎の治療のため、麻酔をかけて2時間、歯のクリーニングをしたあと、歯を抜きました。
正直、最初のクリーニングで心身疲れ果てていました。日本の歯医者は、あまり一気呵成に治療することはないと思いますが、カナダの場合、できることはまとめてやってしまう、という傾向があります。
歯を抜くことになった経過
20代半ば頃、右上の奥歯の隣の隣の歯にひどい虫歯ができ、抜歯をしました。抜いた所にはブリッジをかけました。治療25年後にそのあたりの歯の根に炎症が起き、突然ひどい痛みにさいなまれました。
これは本当に痛かったです。
再度根管治療を繰り返しましたが、治療してすぐは膿はおさまっても、そのうち再発。炎症は改善されないどころか、放置しているあいだに、他の根にも飛び火しました。
そこで問題の歯3本を抜き、インプラントすることに決めました。
これまでの経過をじっくり読む方はこちらからどうぞ⇒51歳の冬、突然やってきた歯の痛みの正体は?根管治療(1)
ブリッジをこわして歯を抜いた
抜いた3本は14,15,16です。右の上の1番奥の歯は抜かず、その隣の歯、またその隣、さらにその隣です。真ん中はブリッジなので、もう歯はないはずですが、ブリッジを取るのも抜くことになるのか、請求書を見たら、3本抜いたと書かれていました。
歯の番号についてはこちらの記事に書いています⇒歯の根の治療費用は高かった~根管治療(4)
ブリッジは、歯が抜けた部分に入れる人口の歯とその両隣の歯にかぶせるもの(クラウン)をつなげて作り、上からぱかっとはめこむ治療です。
歯がぬけて空洞になったところに、橋をかけるように人口の歯を入れるので、bridge (英語で「橋」)といいます。
私の場合、ブリッジと前後の歯3本分のクラウンなので、これを3ユニットブリッジといいます。
ブリッジはどんな治療なのかわかりやすく説明した動画です。
動画でもわかるように、ブリッジをするときは前後の歯を削らなければなりません。ブリッジをかけたあとは、3本分の歯の働きを2本でやるようになります。
たしかにブリッジしたところには人口の歯が入るのでこれでガリガリかめるわけですが、歯を支えているのは歯の根(歯根)です。
歯2本分の根っこで3本分の働きをしているので負担がかかります。
ブリッジはどのぐらい持つのか、調べてみました。
耐用年数(材料そのものの劣化が起こるまでの年数) ・・・ 3~5年。
平均使用年数(何らかのトラブルが起こるまでの年数) ・・・ 8年。※これは「トラブルが起きた人」の平均であり、中にはノントラブルのまま過ごしている人もいますので、実際の平均使用年数は上記よりも長くなります。
こちらから引用⇒http://www.ha-channel-88.com/bridge/bridge-time.html ブリッジの治療期間と持ち ☆2020/03/13:リンク切れになるので、リンクをはずしました。
多くのページが8年と書いていました。
私のブリッジは25年以上持ちました。ブリッジは大丈夫だったけれどその前後の歯の根で問題が起きたわけです。
そして3本抜歯なのです。
もしかしたら抜けた歯1本をインプラントしておけば、状況は変わっていたかもしれません。
インプラントは前後の歯はさわりませんから。
しかしこのとき、特に歯医者にインプラントをすすめられた記憶はありません。
気づいたらブリッジが入っていた感じです。
ブリッジを入れると、歯茎との間にちょっと空洞ができるので、日々のケアで、ここにもフロスを通して、きれいにしておくべきなのですが、そんなことも言われませんでした。
そもそもフロスをしっかりかけるようにと言われたのは、カナダの歯医者に行くようになってからです。
ブリッジを入れたのは1980年代半ば。このころはまだインプラントも、デンタルフロスをかけることもそこまで一般的ではなかったのかもしれません。
では抜歯の話に行きます。これまで虫歯1本と親知らず1本を抜いたことはありますが、複数の歯を抜くのは始めてだったので、ちょっと緊張していました。
抜歯体験
抜歯は4時ごろ始まりました。
クリーニングする前に打った大量の麻酔がまだ効いているようでしたが、抜歯前にも打ちました。
ドクターは、まず左上の歯茎にぶすっと注射。反対側なので、一瞬、「え、まさか間違えて、こっちの歯を抜くの?」とあせりました。
次に、右にぶすぶすっと打たれました。あごの骨はつながってるから、反対側にも注射したようです。
しばらくして、先生は「今から、歯の根元に刺激を与えるから、痛かったら言って」と何か先のとがったものでちくちくしました。
口の真ん中のほうは、麻酔がしっかり効いているようで、ちくっとしか感じませんでしたが、奥は、「痛っ!」という衝撃が走りました。
「痛いです」と言ったら、「じゃあもう1本打ちましょう」と、麻酔の注射を右上奥の歯茎に打ちました。
その後わりとすぐ抜歯が始まりました。
「え、まだ麻酔効いてないんじゃないの~」と心配に。
麻酔が効いていたはずですが、奥から2番め(第一大臼歯)を抜く時はなんとも言えない痛みがありました。言葉ではちょっと説明できません。
キーンでもなく、チクチクでもなく、ウニニ~ンという痛みです。
3本のうち、この歯を抜くのに1番時間がかかりました。奥歯だから、根っこがしっかり大地(歯茎、あるいは歯の骨?)に根をおろしているせいでしょうか。
何をやっているのかわかりませんが、先生はアシスタントとしゃべりながら、時々、道具を持ち替えて苦戦しているようでした。
この歯にはブリッジがしっかりくっついているから抜きにくかったようです。
ドクターは様々な道具で、ブリッジをこわしているようでした。と言っても電気を使った道具は使わず、鉗子か何か専用の道具を持って手動でやっていました。
奥の歯だけはいやーな痛みを感じましたが、つらかったのはここだけ。あとはあまり何も感じませんでした。
ほどなく「はい、終わったよ」と、言われ抜歯がすんだことを知りました。
所要時間は25分ぐらいでしょうか?
思ったより短かったです。
実は、大昔、ブリッジをかけることになった歯を抜く時、なかなか抜けず歯医者が苦労し、自分もつらかった記憶があります。それに比べると、ドクターはいともあっさり3本抜いた印象を受けました。
抜歯のあとは、ガーゼ(脱脂綿みたいなの)を渡され、しっかりかむようにいわれたのでガシッとかんでいました。
「痛み止めの処方を出すから、麻酔が切れ始める頃に飲みなさい」と言われました。
お礼を言い、挨拶をして受付に行き、抜歯と歯のクリーニングをあわせた代金1645ドルをクレジットカードで支払いました。
「じゃあ、きょうは家でゆっくり休んでね」と受付の女性。
処方箋と抜歯後のケアの説明の紙をもらって帰路につきました。外はもう暗くなっていました。
痛み止めを買う
抜歯は、外科的な手術の1つであり、術後はあまり無理をしないほうがいいです。
ところが私はわりと軽く考えており、帰り道、バス停まで走ったり、バスを間違えてまた走ったり、つるつるの雪道の上で転んだり、激しい運動とは言えないまでも、かなり活発に動いていました。
本当はこんなことをしてはいけません。疲れますし、走ったりしたら血の巡りがよくなり、抜歯したあとの出血が増えます。
近所のドラッグストアに行き、痛み止めの処方を提示。「20分後に用意できます」と言われたので、隣に椅子がいくつか置いてある場所に行きぼーっと待っていました。
このときもまだガーゼを噛んでいました。実はこんなにいつまでもガーゼを噛んでいてはいけません。この件については次回また書きます。
薬を待っているあいだ、夫に、1645ドル払ったことや、今、薬を待っていることなどテキストメッセージしました。夫からは「ついでに晩御飯も買ってきたら」というのんきな返事が来ました。
晩御飯?そんなもの、食べられるわけがありません。説明の紙には「抜歯後1週間ぐらいの食事は、かまずにすむもので、冷たいもの推奨」と書いてあるのに。
「歯を抜いたと言ってるのに、意味わかってるの?」と憮然としながら、「あと24時間ぐらいは何も食べられそうにない」とまたメッセージを送りました。
ほどなくして薬を受け取り、とぼとぼと家路をたどりました。
次回は歯を抜いたあと、出血がなかなか止まらなかった話です⇒歯を抜いたあとすみやかに血を止める方法:インプラント(4)
☆後書き☆
私の歯の治療がこんな大ごとになったもの1本の虫歯が原因です。
虫歯は結局歯の延命治療に過ぎません。というのも虫歯になったところを削ってアマルガムを詰めても、その詰め物の下や横からまた虫歯になるからです。
詰め物の下なんて、どんなに必死に歯磨きをしても、磨くことはできません。
そこで最初に詰めたものを取って、また削って前より大きな詰め物を入れます。この繰り返しで、そのうち、詰め物では小さすぎるのでクラウンをすることになります。
しかしクラウンの下でも虫歯になるのです。
歯の健康に1番大切なのは最初の「予防」です。一度虫歯ができてしまうと完治はありえません。