仏壇

実家の片付け

最終更新日: 2018.12.8

古くなった実家の解体にさいし、仏壇の処理をめぐって母と大げんかに。

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老朽化した実家を解体するにあたって、仏壇を残したがる母親とケンカをした読者から問い合わせをいただきました。

この記事で答えますね。まずメールをシェアします。Tさんからです。やや長いので読みやすさを考えて私が小見出しを入れました。



母が長年放置していた仏壇に執着しています

実家を解体することになった

はじめまして。

母と大喧嘩をしました。

父が亡くなり数年、実家の老朽化で解体せざるを得なくなりました。

母は父とはもともと仲が悪く別居夫婦でしたので、父が亡くなってからは空き家でした。

実家は解体することになりますが、母が家の中にある仏壇を今現在暮らしている内縁の夫との住まいに運んで欲しいと言い出しました。

この仏壇は以前、母の両親が入っていましたが、仏壇をみる親族がいたので、もう何十年も前に魂抜きをして空の状態です。

父が生前の頃も、そして亡くなった後も何十年も放置していたのに、先祖は大事にしないとね。とか 親の夢をみた。とか言い、運んでほしいと言うのです。

仏壇の片付けをこばむ母

実家の解体は家財道具がそのままなので150~200万の見積りです。

貯金もないので、母と私で工面する予定でした。

仏壇の話を言い出したので、私はその仏壇をこの次は誰が片付けるのか。内縁の夫には子どもはいないので 今住んでいる家の後始末は内縁の夫の甥、姪がすることに、なるんだよ。

結局 今のこの家とまた同じことがおこるんだよ。考えなさい。と言いました。

そんなのただの箱だ。大事に思うなら もうとっくにしていたはずだ。とも言いました。

母は、私が死んだら片付けてと言いました。

母が死ぬ前に片付けなさいと言ったら すごく怒りだしました。

母が亡くなったら、私が片付けるのでしょうか。内縁の夫が生きていればその人が片付けるべきなのでは ないのでしょうか。

最後には、もうあんたには一切頼まない。お金もだしていらない。と言ってきました。

絶縁とまではいかないと思いますが もうしばらくは連絡もとりません。とりたくありません。結局 関わった者が損だと思いました。

私の気持ちに余裕がなかったのかもしれない

いいよ、わかったよ、運んであげるね。と私が言えたなら ケンカにはなりませんでした。

私に優しい気持ちが足りなく、私生活で余裕がないのも事実です。

我が家も物であふれ 私の部屋は足の踏み場はわずかしかありません。生活費に余裕がなく100円でもお金にしたくて処分が進みません。

自分もそうなのに、母にはあたりまえのように言ってしまったこと…。ダメだったところは やはり私の根っこだったのかも知れません。

ただ聞いていただきたかったのと、どうしたらよかったのかなとモヤモヤしメールしてみました。

筆子さんのブログをいつも拝見しております。

ご主人の収入をあてにできなかったお話しも私と重なるところがあります。文章力がなく、うまく伝わりましたかどうか心配ですが、読んでくださってありがとうございました。





Tさん、お便りありがとうございます。いつもブログを読んでいただいているときき、大変うれしいです。

引用OKとありましたので、全文、掲載しましたが、よかったでしょうか?

親子げんかしたことでそんなに落ち込むことはない

Tさんの気持ち、伝わったと思います。

親子げんかすると、後味が悪いですが、そこまで落ち込むことはないです。

我が家でも、母親が捨てたがらない物や、墓参りや先祖の供養について言い争いになることはよくあります。母に言わせると、私は先祖を大事にしていないそうです。

親子は遠慮がありません。しかも、血がつながっているから、お互いに、相手を「自分とほぼ同じ人間(自分の延長)」と錯覚し、自分の価値観をストレートに押しつけがちです。

さらに、親子なので、「こんなことぐらい、やってくれても当然でしょう。あんたは他人ではなく母親(娘)なんだから」と考えてしまう面もありますね。

親子はそういうものですから、そんなに強い罪悪感を感じることはないでしょう。

お母さんとどういうやりとりがあったのかはわかりませんが、お互いに悪いところがあったと思います。

「どうしたらよかったのかな?」と書かれていますが、起きたことはもう変えられないので、今後できることをいくつか書きます。

仏壇の処理について

お母さんが現在の住まいに置きたがっている仏壇ですが、両親の供養をしたいから仏壇を持っていきたがっているのですよね?

ですが、魂抜きをしてあるなら、Tさんのおっしゃるとおり、その仏壇はただの箱です。ちょっと特殊な形をしたかさばる小物入れ、という感じでしょうか?

これがなくても、先祖の供養はできるので、鍵となる仏具である、位牌、香炉、リン、燭台、花立て(花瓶)あたりを、持っていってもらってはどうですか?

これなら、お母さん1人でも運べます。

たぶん、その位牌も魂抜きしてあると思いますが。

こうした仏具をダイニングルームのちょっとしたスペースに置き、小さめの写真をおけば、毎日、気軽にお参りできます。

お坊さんを呼びたければ、そのスペースの前でお経をあげてもらえばいいですね。お坊さんは拒否しないでしょう。

まあ、べつに仏具がなくても、先祖を大事にすることはできます。気持ちの問題です。

形あるものがほしければ、まめにお墓参りする、という方法もあります。

それとも、お母さんは、自分がその仏壇に入りたいと思っているのでしょうか?

追記:読者の方から仏壇の処理に関してご意見をいただきました。

その方は、「寺にすまう者」だそうです。

この方の宗派(この記事の画像である仏壇の宗派です)で一番大事なのは、本尊であり、それは掛け軸なので、外して巻いて大切にしておくべきで、これを取れば、仏壇はどう処理してもよいと思う、とのこと。

私のほうで調べたら、宗派によっては本尊は仏像のこともあります。仏壇の処理については、寺に聞いてそのようにするのがベストでしょう。

仏壇の継承者について

仏壇をお母さんの現在の住まいにまるごと持っていった場合の継承についても考えてみました。

誰が仏壇を継承するかについて、絶対的なルールはなく、地域の慣習にも左右されます。たいていの場合、家を継ぐ人が、仏壇も継承します。

そう考えると、仮にお母さんが先に亡くなったら、いまのご主人が仏壇を継承するのだと思います。しかし、彼は内縁の夫なので、お母さんの財産の相続権はありません。

もしその仏壇が、お母さんの個人的な財産で、自分が存命のときだけ、今の住まいに置かせてもらう、という形をとるなら、Tさんが継承することになるでしょう。

(お母さんが、いまのご主人に仏壇を譲り渡したいという遺言を残せば別です)。

継承するといっても、Tさんが、お母さんのいまのご主人に、「その仏壇はもういらないから捨ててくれませんか?」と頼み、彼が承諾すれば、ご自身で処分する必要はないです。

いずれにしろ、一度、いまのご主人とTさんで話し合う必要があります。お母さんが亡くなったとき、相続の件で顔を合わせることになるでしょうから、そのときに話し合ってください。

まだまだ先のことだと思いますが。

その仏壇はもう魂抜きしてあるのですから、粗大ごみに出しても大丈夫です(大型の仏壇の場合、解体しないと、指定場所まで運べず、けっこう大変です)。

追記:相続についても読者よりご意見をいただきましたので書いておきます。

法律上、財産の相続者と祭祀の相続者を別にすることが可能。

財産とはべつに、墓や仏壇、お寺や教会等との付き合い相続する人は、祭祀相続者とよばれる、とのことです。

Tさんの汚部屋について

現在、Tさんはろくに足の踏み場のない部屋に住んでいるそうですね。少し片付けたほうがいいと思います。

そんなことは、百も承知だとは思いますが。

だって、暮しにくいですよね?

たとえ100円でも、不用品をお金に変えたいそうですが、実際にそのための行動をとっていますか?

毎日、メルカリに出品している、暇さえあれば、ブックオフにいらない本やゲームを持っていっている、週末になるたびにフリマをやっている、など。

少しずつでも、日々、お金に変える努力をしているのなら、自分の目標に向かって、前進しているのでいいと思います。

けれども、「売ればお金になるから捨てたくない」とただ思うだけで、ガラクタだらけの部屋に暮していても、いいことは何もありません。

不用品をかかえて生きることは、それなりのコストがかかります⇒節約ではお金はたまらない。お金持ちになりたいなら、買わない暮らしが1番いい

コストはお金だけではありません。気持ちに悪影響があります。

事実、Tさんは、「私の根っこがだめだったと思う」と書いています。

べつに、Tさんはだめではありません。けれども、汚部屋に住んでいるから、そういうふうに感じてしまうのです。

「100円でもいいからお金にしたい」と思いながら、物を持ち続けることで、心的代償を払っていることを忘れないでください。

******

今回は読者のお便りに返答しました。

私の友人(同い年)は数年前、一人暮らしのお母さんが亡くなったとき、しばらく実家を空き家のままにしていました。結局、その後、不動産屋に買い取ってもらいました。

中身をすべて撤去するように言われたので、1人で何日もかけて一生懸命片付け、中が空っぽになったときは感無量だったとか。

仏壇も処分し、永代供養をしたそうです。

これから、そういうお宅が増えるかもしれませんね。





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