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生活をしていると気づかないうちに不用品がたまっていきます。
もう着ない服、こわれた家電、古い雑誌や本。
多くの人は、このような「もう使わなくなってしまったもの」を捨てません。それらは、部屋の片隅や押入れ、棚にひっそりと眠っています。
こうした不用品が、あなたの生活にどれほどの制約をもたらしているか、考えたことはあるでしょうか?
単に物理的なスペースを奪うだけでなく、さまざまな面で負担をもたらし、時間やお金を奪い、不用品がなければできたはずのことをできなくさせています。
このシリーズでは、不用品が私たちの生活にもたらす様々な「見えない制約」について掘り下げていきます。
ものを持っているせいで、失っているものがある。不用品を手放せば、自由を取り戻せる。
そう考えると、ものに対する執着を少しは減らせるのではないでしょうか?
今回は物理的なスペースについて考えてみましょう。
1.自由な動きを制限される
不用品が床やテーブルの上、棚などにあふれていると、家の中を自由に動くことができません。
平たく言えば動きにくい。
いつも狭苦しい部屋でガラクタと共に暮らしている人はそれが当たり前になっていますが、少し不用品を手放しさえすれば、もっと自由に動けるようになります。
年を取ってくると、だんだんバランスを取る機能が衰えていくので、安全を確保するという意味でも、ひろびろとしたスペースの確保は重要です。
特に、動線にものを置くと、動くたびにストレスを感じます。
ものが多すぎて、どこから片付けたらいいのかわからないときは、自分の動線にあるものから片っ端に片付けていくといいでしょう。
片付けたその瞬間から、動きやすくなり、今後はよけいな気遣いをしなくてすみます。
階段や廊下は、部屋ではないので、なんとなくはしっこにものを置いてしまうことがありますが、あぶないので、やめましょう。
2.収納スペースがいっぱいになってしまう
多くの人が経験するのが、収納スペースがものでいっぱいになり、必要なものを収納できなくなる問題です。
クローゼットや引き出しが、不用品で満杯になっていると、大事なものや、ずっと手元に置きたいものをしまう場所がなくなりますよね?
その結果、新たに何かを手に入れるたびに、無理やり押し込むしかなくなります。
収納は、近い未来に必ず使うものをしまっておくことですが、スペースいっぱいにものを押し込んでいると、せっかくしまったものを取り出しにくくなります。
使うためにしまっているのに、それが家にあるかどうかすらわからなくなるでしょう。
探しものが増え、収納スペースからあふれたもので、周囲も散らかります。
押し込むものによっては、押しつぶされたり、しわになったりしてしまうでしょう。
せっかく収納スペースがあるのに、ものを入れすぎたばっかりに機能しなくなるのです。
収納スペースに100%以上ものを入れるのはやめ、7割ぐらいの収納に留めておくと使いやすくなります。
3.スペースを活用できない
せっかくのスペースが不用品置き場になっているおかげで、本来ならできた活動ができません。
床や部屋のコーナーは、不用品置き場ではないのに、ものに占有されて、生活するためのスペースや、子供が遊ぶ場所、自分が運動をするための場所が確保できないのです。
日本の家は決して大きくないので、最初からスペースは限られています。
不用品があるおかげで、限られたスペースを最大限に活用できません。
床の上に積み重ねたガラクタや、部屋の一角を埋め尽くしている不用品のために住宅ローンや家賃を払うのはあまりにもったいないです。
部屋の中でやりたいことがあるなら、それができるように、スペースを埋めているものを少しずつ処分していきましょう。
「部屋には寝に帰るだけ」。そんな人も、不用品は始末しておいたほうがいいです。
スッキリした部屋のほうが睡眠の質があがります。
4.掃除がしにくい
部屋に不用品があると日々の掃除がしにくくなります。
ものがたくさんあると、どんなにきれいに収納したつもりでも、暮らしているうちに、だんだん散らかってきます。
若いとき、私もこの状況を経験しました。
先ほど書いたように、収納スペースからものがあふれるので、ものをしまうことができず、一時的にそのへんに置くことが増えます。
また、引っ張り出したものを元に戻すのが大変なので、これまたそのへんに置いたままにします。
そうやって出しっぱなしのものが増えていき、部屋が雑然とします。
こんな部屋をきれいにするためには、まず不用品を外に出すことから始めなければなりません。
でも、毎日、忙しいからそんなことはなかなかできないですよね?
その結果、日々の掃除や整理整頓は、かろうじてものが置いていない床や家具の表面をなんとなくきれいにするだけで終わってしまうのです。
不用品がある限り、この部屋は永遠にまともに掃除されません。
高い掃除機を持っていても意味がないです。
掃除するためにも、不用品は処分しましょう。
5.視覚的ノイズが増える
視覚的ノイズは、見た目のごちゃごちゃのことです。
そのへんに散らかったものが目に入ると、脳はそれらを認識し、情報を処理しようとします。
ものが多いと情報量が増えてしまうので、脳の仕事も増えます。
その結果、脳が疲れて、思考が散漫になりやすくなるのではないでしょうか?
ためしに、いつも仕事や勉強をしているデスクにのっている細々としたものを全部取り払ってみてください。
スッキリして、集中しやすくなりませんか?
視覚的ノイズが多いとリラックスも集中もできません。
大好きなものばかりを置いたはずの自分の部屋なのに、落ち着かないのは、視覚的ノイズが多すぎるせいかもしれません。
視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
6.部屋にあるものを使いにくい
不用品が多すぎて、スペースを制限されてしまうと、家具などを使いにくくなることがあります。
たとえば、引き出しや家具の扉を100%開けることができないとか。
私の今の家はそんなにものを置いていませんが、壁の隣に冷蔵庫があるので、冷蔵庫の扉を90度ちょっとまでしか開けることができません。
ふだんの使用には問題ありませんが、扉をフルに開けることができないので、冷蔵庫の中の棚板を取り出すことができません。
引っ張り出そうとすると、冷蔵庫の扉の裏にある出っ張りにひっかかります。
棚板を取り出せないから、丸洗いができないのです。
しかたがないから、棚板は庫内に設置したまま拭いていますが、これだと、私がきれいにしたいレベルまできれいにできません。
賃貸なので、「仕方ないか」と甘んじていいますが、もしこれがマイホームだったら私は妥協できなかったでしょう。
不用品がスペースを取っていると、こんなふうに家具や電化製品をちゃんと使うことができないことがあり、それも残念なことです。
まとめ
いらないものをいつまでも捨てないと、「ちょっと部屋が散らかってしまう」ぐらいだけでは済まず、物理的なスペースを奪われ、日々の生活に大きな影響があります。
動きやすく、快適で、効率的な生活空間を手に入れるために、所持品の見直しをしましょう。
住宅費は決して安くはないので、ガラクタに払いすぎないようにしてください。
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不用品が物理的なスペースを奪い、その結果、さまざまな制約が生じている話をしました。
自分の生活をよくしてくれると思って家に入れたものでも、数が増えすぎると、逆に足かせになります。
中途半端にものを持っているより、スペースを確保したほうがいいと思いませんか?