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「ちゃんと断捨離しているのにスッキリしない」そんな悩みをかかえている人はけっこういます。今回はその理由の1つである、「断捨離しているつもりが、単に物を移動させているだけ」問題についてお伝えします。
物を捨てているつもりで、違う場所に移動させて満足しているだけなら、いくら断捨離しても、家の中は片付きません。
この勘違いをしている人は意外にたくさんいるし、私自身も、うっかりするとやってしまいます。
引き出しの中で忘れ去られていた物
多くの人は、スッキリした心地のいい部屋にしたくて断捨離を始めます。ところが、捨て始めてみると、「どうしても、捨てられない」というものがでてきます。私も、いまだに本を捨てるのに苦労しています。
そういうとき、その捨てられない物をある場所からある場所に移動するだけで終わってしまうことってありませんか?
「ちゃんと、捨てているのにちっとも片付かない」と感じているなら、引っぱり出したあと、元に戻さないまでも、ちょっと違うところに移動させているだけなのかもしれません。
私、今月は、断捨離プロジェクトをしているので、自分の引き出しや、クローゼットの中を毎日のようにチェックしています。
すべての物に置き場所を設定しているつもりでしたが、「おや、こんなものがあった」と思うものに遭遇します。
先日紹介した、パソコン用おそうじブラシのことは、引き出しの奥のほうからひっぱり出すまで完全に忘れていました⇒たまりやすい物とはこんな物。断捨離チャレンジの途中経過:45個捨てました
すっかり忘れていたことに自分でもびっくりしました。
私は一般の主婦より所持品が少ないと思いますが、それでもどこかにしまいこむと、いとも簡単に忘れてしまうのです。
ガラクタが生まれるたった1つの理由とは?
そもそもなぜガラクタは生まれるのでしょうか?
物を家の中に入れて、ちゃんと使えばそれはガラクタにはなりません。
もし使わないのなら、家の外に出さないと、ガラクタになってしまいます。ガラクタは、「今は使っていないもの」だからです。
たとえ、買い物好きで、家の中に、物をどんどん入れてしまっても、不用品をコンスタントに外に出せば、つまり物を新陳代謝させれば、ガラクタはたまりません。
いらない物をどんどん買って、どんどん出すのは、無駄な作業を生むし、環境に負荷をかけるので、おすすめはできませんが。
なぜ物の新陳代謝を起こせないのか?
それは、私たちが捨てる決断をできないからです。
ガラクタをガラクタたらしめるのは、私たちの決断力のなさなのです。ガラクタとは、「決断を先延ばしにした結果」と言えるのではないでしょうか?
決断を保留した物がガラクタになる
私を含め、多くの人は、「これ、捨てようかどうしようか」と迷ったり「どこに置いたらいいのかわからない」物を、ついつい押し込んでしまう場所を持っています。
私が、始末に困るものをよく入れるのは、机の引き出しです。夜、部屋を片付けているとき、「う~ん、これどこにしまったらいいんだろ」と思う物があると、たいてい机の引き出しのどれかに入れてしまいます。
おそうじブラシが入っていた引き出し
こんな場所、あなたにもありませんか?
こういう「とりあえず何でも入れる場所」を作っておくと、部屋はそれなりにスッキリします。日常的に片付けられない人や、緊急に部屋の中をスッキリさせなければならない人が掃除をするとき、こういう場所があると重宝します。
しかし、こういう場所はあくまでも緊急用であるべきだと思うのです。
この「未決のものが集められている場所」が肥大すると、ガラクタでいっぱいの家になり、どんなに毎日、断捨離しているつもりでも、物はいっこうに減らないのです。
収納という名の「決断の先延ばし」
捨てる決断ができなくて、そのままになってしまう物は、もとあった場所にきれいにしまわれるか、あるいは別の場所に移動されます。
私はズボラなので、引き出しの中にがさっと突っ込みますが、几帳面な人は、もっと丁寧にしまうものです。それ専用の箱やケースにきれいに入れて、ケースにはラベルを貼って、整然と並べたりします。
そうです。人は物を捨てられない時、収納するのです。
真の収納とは、次に使うときのために、取り出しやすい場所に物を格納すること。
出しっぱなしにしておくと、ほこりをかぶったり、邪魔になるから、次の出番が来るときまで、一時的に引き出しや押し入れに入れておく行為が正しい収納です。
多くの人は、物を捨てる決断ができないと、収納に逃げてしまうのです。収納すると、断捨離しようと思った場所はとりあえずきれいになるし、「片付けた」という満足感も残ります。
しかし、ガラクタを収納してしまっては、何の問題も解決していないのです。
いくらきれいに収納したところで、不用品は家の中に残っているのですから、断捨離は終わっていないも同然なのです。
思い出の品の収納には要注意
捨てる決断ができないからとりあえず箱に入れてしまうものの代表は、さまざまな消耗品のストックと思い出の品ではないでしょうか?
消耗品は、時が来れば使えるので、捨てる気にならない人が多いです。しかし持ちすぎるとかえって生活の質を落とします⇒多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない
感情がしっかりからみついている思い出の品は、捨てにくいですね。卒業アルバム、写真、昔の手紙、子供の作品など。
捨てる?捨てない?なんて考えたくないので、とりあえず箱を用意して、すべてをがさっと詰め込み、ガムテープで封をして、ベッドの下とか、クローゼットの奥、押入れの奥に押し込みます。
大事なものだからしまうのではなく、今は考えたくないから、しまうのです。
かつて私も同じことをしていました。
いったんしまいこんでしまうと、人はその中身のことなどすっかり忘れます。ところがおもしろいことに、心の奥底で、自分は決断を先延ばしにした、ということは覚えています。
だから、未決の品をどんどん箱に入れて収納しても、真の意味でスッキリした気分にはなれないのです。
自分の心の奥底で、あの押し入れには未決のものが入っている、と覚えているのです。
カレン・キングストンは「ガラクタはネガティブなエネルギーを出す」と本に書いています。
たしかに部屋の中にあふれている物は、とても気分を重くします。
それに加えて、自分が決断を先延ばしした、きっちり始末しなかった、という気持ちがあると、モヤモヤ感が残るのではないでしょうか。
箱づめにして押し込んでも、ガラクタを見なかったことにすることはできないのです。
もし本当に、「これは大事なものだから取っておこう」と思って、押入れにしまったのなら、変な気持ちのモヤモヤは感じないと思います。
今こそ捨てる決断をする時
このような気持ちのモヤモヤを消すにはいったいどうしたらいいのでしょうか?
断捨離中の、物の移動(収納)に、意識を向ければモヤモヤの発生率を抑えることができます。
断捨離の「捨」は物を捨てること。捨てると決めたら、一刻も早く家の外に出してしまうのです。
「これはあとで考えよう」「保留にしよう」と思うべきではないのです。今その場で決断すれば、モヤモヤをかかえこむことはないでしょう。
もし、物をべつの部屋に移動させるなら、移動させる場所がその物の行き先としてふさわしい場所なのか、じっくり考えるべきです。
物を捨てる断捨離は、どうしても物に意識が向きがち。とりあえず物を目の前から撤去すれば解決するように思えます。
ですが、断捨離をする目的は、快適なスペースの獲得です。自分にとって大切な物が、すぐに手にとれるようなスペース、必要なものだけがすっきりとおさまっているスペース。
そんなスペースを得るために、みんな物を手放しています。心地よい住環境を手にいれたい時、その「捨てられない物」を家の中のどこか別の場所に移動させることが、解決になるのでしょうか?
こんなふうに考えれば、うっかり楽な道に流れるのを防ぐことができます。
そして、なるべく早く決断することが肝心です。
これまでさんざん決断を先延ばしにしてきたので、今こんなにガラクタがあるのです。この期に及んで決断を先延ばししてもいいことなど何もありません。
今こそ捨てる決断をする時なのです。