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ミニマルな日常

最終更新日: 2019.06.28

もやもやした気持ちを解消したいなら、最初にやるべきことはこれ。

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もやもやした気持ちをどうにかしたいという読者の方から質問をいただきました。発端は遺品整理です。

この質問に答えつつ、もやもやをスッキリに変えるために、まっさきにやるべきことをお伝えします。

まず、質問内容をかいつまんで紹介します。

お便りは引用不可なので、差し支えない範囲(筆子基準)で、箇条書きします。質問者さんのことは、リオ(仮名)さんとお呼びします。



イライラ、もやもやします

・私は会社員。女性で、現在実家暮らし。

断捨離をして、ミニマリストと言われるくらい物を減らした。

・断捨離をしたらいろいろなことがよい方向にまわりはじめ、結婚も決まった。

・そんな中、祖母が亡くなり、母と祖母の家に行き、遺品整理をした。

・祖母はものすごいタメコミアンだったため、遺品整理はとても大変だった(筆子注:一応は終わったようです)

・母が、祖母の家から、うちに物を持ってくる。「これはまだ使える」「これは捨てられない」と言いながら。

・母は物を捨てられないところがある。

・母にとっては思い出の品だと思うし、自分の母親が亡くなったのだから、かわいそうで、「捨てて」とは言えない。

・しかし、せっかくきれいにした物置き、廊下、倉庫をまた物で埋めているように見える。

・あんなに遺品整理で苦労したのに、同じことを娘にやらせるつもりなのか? とイライラする。

・結婚したら私の部屋はからっぽになるため、母はそこを使いたいと言っている。

・結婚後、実家へ遊びに行ったり、泊まったりするとき、休まるところがないのかと思うと気が滅入る(自分はもともと居間でテレビを見たりせず、自室で本を読んだりして過ごす)。

・このもやもやをどうにかしたい。

リオさん、お便りありがとうございました。





ステップ1:もやもやした気持ちを具体的な言葉にする

「もやもやする」は実に日本語らしい言葉で、その意味するところは、文脈によってさまざまです。

リオさん、「もやもやする」「イライラする」というその気持ちを、「もやもや」と「イライラ」以外の別の言葉で言い表してください。

すると、どうしたら、そのもやもやを解消できるのか、解決法(解決する道筋)がわかります。

お便りにある情報から判断すると、

「物ごとが自分の思い通りにいかないので、不愉快だ。しかし、不愉快なことをしている人間に対して、私は何も言わないので、ひとりで勝手に重苦しい気分になっている」

こんなふうに言えるでしょうか。

ステップ2:自分の気持ちを伝える

リオさんのもやもやの原因は、お母さんの行動と、それに対する自分の気持ちにあります。

そこで、この2つを改善していける行動をとればいいですね。

まず、おばあさんの家から物を持ってくるお母さんですが、人の行動をコントロールすることはできません。

しかし、相手に自分の意向を伝えることはできます。というよりも、伝える必要があります。

自分の気持ちを率直に伝えて、お互いが歩み寄れば、リオさんのもやもやは、軽減されるはずです。

お母さんに「それ、捨てて」という必要はありません。

お母さんが、物を持ってきて、廊下や倉庫に置いているのを見るのがいやだ、と正直に言ってはどうでしょうか?

たぶん、お母さんは、リオさんがストレスを感じていることなんて、まるで気づいてないと思います。

「せっかくきれいになった物置きに、物がどんどん積まれていくのを見ると、心が折れそうなの。

このままでは、また、あのつらかった遺品整理を私がすることになる。そう思うと、もう不安で、心配でどうしたらいいのか。

それと、私の部屋だけど、できれば、そのままにしといてくれない? 泊まりにきたとき、自分の部屋でのんびりしたいから」

これに対して、お母さんがどう答えるかはわかりません。

「あんた、何言ってんの。ここはわたしの家や。私の自由にして何が悪い?

それに結婚したら、この家はもうあんたの家やない。部屋残しとけ、なんて勝手なこと言って。まさか、出戻る気なの?

ミニマリストかなんかしらんけど、まだ使える物を捨てるなんてばちあたりなことして!」

こんな反応をするかもしれません。そうしたら、妥協案を提示してください。

「じゃあ、せめて、物はお母さんの部屋に置いてくれない? そこはお母さんのプライベートスペースだから」

「プライベートスペース? 何、それ? あのね、ここは私の家なの。私の好きなところに置くからね。あんたはもう出ていく人間なんだから、ごちゃごちゃ言わんとき」

交渉は決裂するかもしれません。

しかし、自分の意見を言うことが大事なのです。

人間関係でもやもやしている人の多くは、たいてい自己主張をしていません。

リオさんは、「お母さんがかわいそうで言えない」とメールに書いていますが、実際は、「(なんらかの事情で)言わないことを選んでいる」のです。

そうすることを選んだうえで、もやもやが発生していることに気づいてください。

交渉のヒント⇒人を説得する方法はあるか?断捨離を邪魔する家族との対話の進め方。

お互いが歩み寄るために⇒きれい好きな人が片付けない家族と円満に暮らす4つの秘訣

自己主張のすすめ⇒欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。

ステップ3:自分の考えを修正する

次に自分の考えを改めます。

相手の生き方を尊重する

断捨離が好きな人は、ほかの人が家に物を持ち込むと、必要以上に大げさに反応することがあります。

「せっかく、きれいにしたのに、何すんの(怒)!? 」と。

1つか2つ、物を入れただけで、まるでこの世の終わりが来たかのようなあわてぶりです。

人は、もともと、周囲の状況をコントロールしたい(自分の思い通りにしたい)と思っているので、こんな過剰反応をしてしまうのです。

しかし、みんながみんな、自分と同じ価値観を持っているわけではありません。

自分はたまたま少ない物を持って暮らすのが好きだけど、たくさんの物に囲まれて暮らしたい、と思っている人もいるわけです。

リオさんが、自分の生き方を尊重してほしいと願うなら、リオさんもお母さんの生き方を尊重しなければなりません。

大げさに考えすぎない

いま、お母さんが、廊下にいくつか物を積んだからといって、数年後、リオさんが、地獄の遺品整理をするとは言えません。

実際、メールの前半には、「私がもくもくと捨てていたら、家族も少しだけ断捨離するようになった」と書かれています。

お母さんは、いまは、まだ自分の母親の物が捨てられなくて、廊下に積んでいるのでしょう。しかし、この先、何十年も廊下に積んでいるとは限りません。

さっさと遺品を捨ててしまう人もいますが、たいていは、長い時間をかけて、気持ちを整理してから(記憶が薄らいでから)捨てるものです。

私の母も、父が亡くなって10年ぐらいしてから、背広やカバンなどの身の回りのものを捨てた、と言っていました。

それに、廊下に物を置いておくと、暮らしにくいので、とりあえずは置いたものの、生活しているうちに、「やっぱり捨てたほうがいいかも」と思うかもしれません。

ですから、廊下や倉庫に物がある⇒自分が遺品整理で苦しむ、と考えないでください。

先のことは誰にもわかりません。

結婚したら実家はもう自分の家ではない

結婚したら、配偶者と住む家が自宅なので、実家に自分の部屋を確保する必要はありません。

基本的に実家は「お邪魔させていただく場所」になりますから、本を読みたかったら、自宅で読めばいいのです。

とはいえ、結婚した娘の部屋をそのまま残す親御さんもいるにはいます。

私の部屋も、実家に残っていますが、ふだんは母のアトリエ(ミシンをかける部屋)になっております。さらに、最近は、母は私のベッドで寝ています(布団の上げ下げがしんどいため)。

私の実家は、もとは4人家族が暮らしていた一軒家に、母が1人で住んでおり、スペースに余裕があります。私は里帰りしたら、自分の部屋、キッチン、茶の間と、勝手気ままに使っております。

このあたりの扱いは、その家庭によって、さまざまですが、基本的に、結婚したあとは、実家は人の家であり、そこを自分の思い通りにコントロールしたい、という気持ちを持つべきではありません。

「人の家だ」と思えば、お母さんが、どこに何を置こうが、「元自分の部屋」を使おうが、そこまでストレスを感じることはないでしょう。

私の家(自宅の話です)は、夫のガラクタがあちこちに散乱していて、決して私好みの環境ではありません。

しかし、私は、「ここは夫のアパートであり、私は住まわせてもらっている」と考えています。夫が家賃を払っていますしね。

だから、そのへんに夫の物が散らばっていても、たいして気になりません。

「ここは私のもの、私のお城、私のテリトリー」という縄張り意識を捨てると、もっと気楽に暮らせますよ。

イライラ・もやもやに関する過去記事もどうぞ

日常生活の小さなイライラから解放されストレスを感じない5つの方法。

気持ちのもやもやを片付けて心の中をスッキリさせよう。

もやもや、ざわざわを解消する7つの方法。心の断捨離も忘れない

部屋は綺麗なのに心がもやもやする理由。片付ければ幸せになるわけじゃない。

すぐに人を批判するクセを手放す7つの方法。イライラの原因はこれで解消。

片付けたのに心が落ち着かない。そんなときに見直したい3つのポイント。

******

「もやもやした気分」を解消したいとき、最初にやることをお伝えしました。

何がどうしてもやもやしているのか、具体的に言葉にしてみると、次にとるべきステップがわかります。





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