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SNSなどで話題の『ていねいな暮らし』にあこがれる人は多いでしょう。
でも、実際やってみたら疲れてしまい「自分には無理」と感じたことはありませんか?
私がおすすめしたいのは、ちまたににあふれる『ていねいな暮らし』をなぞるのではなく、自分に合った暮らしをすることです。
この記事では、その見つけ方のヒントをお伝えします。
作られた感のあるていねいな暮らし
メディアで見かける「ていねいな暮らし」には特有のイメージがあります。
白いシャツに身を包み、陽の光が差し込むキッチンでコーヒーを淹れ、木のぬくもりあふれる食卓で朝食をとる。
部屋には花が飾られ、道具は整然と並び、日々の家事も一つひとつ大切にこなす。
確かにすてきな暮らしです。
でも現実にはなかなかこうはいきません。
仕事や家事、家族の予定に追われ、ていねいさよりも目の前のことをこなすのが最優先になりがちです。
理想の暮らしに近づこうとすると、かえって疲れて、「自分はちゃんとできていない」と落ち込んだりするものです。
メディアにあるていねいな暮らしは、演出されたイメージだと思います。それも、誰かの価値観に合うように作られた世界です。
本当に大事なのは、世間から見てていねいかどうかではなく、自分にとって心地よいかどうかです。
ていねいな暮らしにある違和感
SNSや雑誌に登場する『ていねいな暮らし』は、誰が見ても心地よいものです。
整った部屋、美しい食卓。そこでは時間がゆったりと流れています。見ているだけで癒やされるから、こんな生活をしたいと思います。
でも、自分の暮らしに取り入れようとすると、うまくいかないことが多いものです。
その理由の一つは、紹介される暮らしが演出されたものだから。
写真や動画は、一瞬を切り取ったものです。撮影するまえに、片付けや準備をしています。このイメージを作るために費やされた時間やコストは表に出ません。
そんなに簡単には真似できません。
そもそも生活環境は人によってまちまちです。
独身か家族持ちか、子育て中かそうでないか、フルタイム勤務か在宅か。生活の形は千差万別ですよね。
誰かの理想像をそのままなぞっても、現実に合うはずがありません。
また、暮らしは固定されたものではなく、季節や年齢、家族の状況に応じて変わります。
いろいろな生活が合ってあたりまえなのに、理想の生活がひとつだけあるかのように示されることに違和感があります。
だから、自分の基準に合った生活を目指すことが重要です。
自分に合う暮らしを見つける第一歩:優先順位を決める
自分に合った暮らしは、外から見て美しく整っているかどうかではなく、自分にとって心地よく、無理なく続けられる生活です。
たとえそれが、本当に理想の生活でも、疲労やストレスがたまるようでは長続きしません。
逆に、多少大ざっぱでも「これなら安心できる」「このやり方が気楽だ」と感じられる生活のほうが、本当の意味での快適さにつながります。
優先順位を考えてみる
まずは自分が生活で優先したいことを考えてみましょう。
時間やエネルギーは限られているので、家事も仕事も趣味も休息も、すべてを完璧にすることはできません。
今の自分が一番大切にしたいものを見極めてください。
たとえば子育て中なら、きれいな部屋を作るより、休息や睡眠を取れる生活にしたほうが、自分や家族にプラスになります。
一人暮らしで自由にできるなら、趣味や学びを中心にした生活にすると、充実感が得られる人もいるでしょう。
優先順位はライフステージや状況によって変わります。
すべてを同じようにやろうとすると、どれも中途半端になり不満が募ります。
「これだけは大事にしたい!」と思うことを確実にやれば、すべてをていねいにできなくても、暮らしの質があがります。
無理なく続けられる習慣を選ぶ
自分らしい暮らしをするために、無理なく続けられる習慣を作りましょう。
どんなに素敵な生活になっても、続けられなければ意味がありません。無理をすると、途中でやめてしまうかもしれず、その結果、自分を責めて、気持ちが落ち込みます。
続けられるかどうかの分かれ目は2つあります。手間と気持ちの負担です。
たとえば、ていねいに料理することが理想でも、毎日一から出汁をとるのは現実的ではない人も多いでしょう。
そんなときは、市販の出汁パックを使えば無理なく美味しくできます。掃除も、毎日ていねい掃除をするより、気づいたときに10分片付けるほうが続けやすいです。
「これならできそう」と思えるタスクを選んでください。
完璧さや人から見た素晴らしさより、継続しやすさを優先しましょう。自分なりに試行錯誤して、続けられる仕組みを作るのは、それだけで自分らしい生き方につながります。
人と比べず、自分らしさを優先する
自分に合った暮らしを模索するとき、すべきではないのは、他人との比較です。
SNSや雑誌で見る暮らしは、あくまで、ほかの人にとって都合のいい生活です。
その生活をなぞると、実現できても違和感が残ります。最初は満足しても、しばらくするとなんだか落ち着かず、無理している感じがするのです。
他人がどう思うかではなく、自分がどう感じるかが重要です。
たとえばSNS映えを狙って、部屋に飾る花を買うのはそんなに楽しくありません。
私は植物は好きですが、本物のプラントを部屋に持ち込むと虫が増えるので、外に出てほかの人の庭や公園の花を楽しんでいます。
何が心地いいかは、人によって違います。
静かに過ごすのが好きな人もいれば、大勢の人と関わってにぎやかに過ごすのが好きな人もいます。
朝からていねいに食卓を整えることに幸せを感じる人もいれば、食事は簡単に済ませ、浮いた時間を趣味や運動にあてるほうが満たされる人もいます。
どちらも間違いではなく、優劣もありません。自分の本音を大事にして暮らしを設計していきましょう。
見せる暮らしではなく使う暮らしを
ものを「見せるため」に持つのではなく、「使うため」に持つともっと自分らしい暮らしになります。
SNSや雑誌に並ぶ部屋は見た目が美しいことが最優先ではないでしょうか?
棚にきれいに並んだ食器、デザイン性の高い家具、色味をそろえた収納。どれも、人が見て「素敵」と思うようにデザインされています。
確かに美しいですが、外見の美しさを追求すると、ものは使いにくくなります。こった収納をすればするほど取り出しにくくなりますよね。
暮らしはステージではなく、日常の積み重ねです。
ふつうに暮らしていたら、道具や家具はちぐはぐになるものです。
最初に計画して一つひとつ揃えるのではなく、その時々の必要に応じて買い足したり、人からいただいたり、好みが変わったりするからです。ライフステージや状況が変われば、持ち物に統一感がなくなるのは自然なことです。
でも、そうして手に入れたものをちゃんと使うのは、自分らしい暮らしです。
ものは人に見せるための飾りではなく、生活を支える道具です。ちゃんと使うことを意識すると、他人のための暮らしから、自分や家族のための暮らしに変わります。
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ていねいな暮らしより、自分に合った暮らしをおすすめしました。
誰かのていねいな暮らしを見て、取り入れられそうなことを取り入れるのは悪くありません。雑誌やSNSには、暮らしに役立つヒントがたくさんあります。
けれど、それをそのまま自分の生活に当てはめようとすると、無理することになり、違和感が残ります。ベースはあくまで自分らしい暮らしにしておきましょう。
見栄えより実際の使いやすさ、他人の評価より自分の満足を優先してください。そうして積み重ねた日常は、忙しくても自分らしく心地よいものになります。