割れた鏡

断捨離テクニック

壊れた時にすぐに捨てないからガラクタになる。壊れている物を徹底的に捨てるすすめ。

使わないまま放置されている物の中には、意外と壊れている物があります。

正真正銘、壊れているのです。しかし、多くの人は捨てません。いつか修理しようとか、何かに使えるかもしれないと思っています。

すべて不確定な未来です。一度、壊れている物をターゲットにして断捨離をしてみてはどうでしょうか? かなりすっきりするはずです。



なぜ壊れているのに捨てないのか?

壊れ物をすぐに捨てない理由は2つです。人の捨てるのを嫌う心理と、物があふれる生活環境のせいです。

とにかく人は物を捨てるのが嫌い

何かが壊れたても、多くの人はとりあえず捨てません。いったん手にしたものを失うのがすごくいやだからです。

心理学では、これを授かり効果と呼んでいます⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

授かり効果はたいそう強力で、実際はまだ自分の物になっていなくても、「失いたくない」と思います。

セールの会場で「あ、これ買おう、これは私の物」と目星をつけた物が、他の人の手に渡ったり、売り切れたりして、痛みを感じた経験、ありませんか?

当てにしていた物や状態を失うことにすら、心底がっかりし、痛手を感じる私たち。長く使っていた物を、「あ、壊れた、もう捨てよう」とポイッと捨てることはとてもむずかしいのです。

かくして多くの人は、何かが壊れたとき、いつもの収納場所に戻したり、カウンターの上に置きっぱなしにしたり、何でも入れている引き出しに放り込んだり、押入れの奥のほうに押し込みます。

代替品の調達が簡単すぎる

毎日便利に使っていて、それ1つしかない物が壊れたら、なんとか修理しようとするでしょう。車が壊れたら、すぐにディーラーに持ち込みます。

しかし、小さな家電や雑貨は、壊れたまま放置されます。

同じような物をもう1つ(かもっとたくさん)持っていることが多いし、持っていなくても、100均やアウトレットショップ、ネット通販でいとも簡単に新しいのを買うことができるからです。

すぐに代替品を調達できるのです。

いったん代替品を手にした人は、もう壊れたものには見向きもしません。

かくして、家の中には、壊れたまま打ち捨てられたものがたくさん収納されています。

物理的な物は物である以上、使い切ったり、壊れてしまう運命にあります。なかにはずいぶん長命な物もありますが、たいていの物は、買って使い始めたその日から劣化します。

物をたくさん持っていればいるほど、壊れた物も増えます。すると、ガラクタも増えてしまいます。

ときどき自分の身の回りをチェックして、壊れた物は探し、ケリをつけることが必要です。

壊れている物も持っていると何がまずいのか?

風水の世界では、壊れた物は、家の中の気の流れを悪くする、ネガティブなエネルギーを発する、と言われています。

スペース・クリアリングでおなじみのカレン・キングストンは、4大ガラクタの中の1つの「未完了のもの」の例として、壊れている物をあげています⇒あなたが捨てるべき4つのガラクタとは?~カレン・キングストンに学ぶ

確かに、壊れた物は、中途半端な存在です。

壊れたまましまいこまれた物は、物としては活躍していません。しかし、もし持ち主が修理をすれば、また復活できます。

修理せずとも、別の利用法を与えられれば、再度活躍できます。まだまだ、物としての寿命を全うする可能性はあるのです。

しかし、壊れ物にひそむポテンシャルを引き出し、実際に使うという現実をもたらすのは、あくまでもその持ち主。

物たちは、持ち主がアクションを起こすのを、毎日静かに待つだけです。時間がたてばたつほど、質的に劣化していきます。ほこりもたまっていくでしょう。とてもかわいそうな存在です。

持ち主のほうも、押し入れに押し込んだあと、すっかり忘れてハッピーとはいきません。別の何かを取り出すときに、壊れた物を押し込んだあたりに目がいけば、「ああ、あそこにまだ修理していないあれがあるんだ」と思い出されます。

物が多すぎるだけでもストレスなのに、中途半端な気持ちをかかえて生きているから、ますますストレスがたまり気分が重くなっていきます。





こんな物、家にありませんか?

日常的に、壊れた物を、とりあえずどこかに押し込む生活をしている人は、自分が壊れた物を持っていることになかなか気づかないものです。

たとえば、以下のような物が家にないでしょうか? 壊れたときに使用を停止し、そのままになっている物たちです。

●ボタンが取れているシャツ

●フタがどこかへ行ってしまった食品保存容器(ジップロックとか)

●ジッパーがこわれたバッグ

●金具がこわれたネックレスやブレスレット

●金具がこわれたメガネやサングラス

●こわれたカメラ

●インクの出が悪いボールペンやサインペン

●欠けている花瓶

●欠けている食器

もしあったら、きょうこそ決着をつけるべきです。

再生させるか、捨てるか。

そのままにしていてはいけません。

私も壊れた物をなかなか捨てないタイプでした。

ネックレスの金具が壊れたり、糸が切れてビーズが散乱したときは、そのままジップロック袋に入れて、物入れに放置。結局何年かたって捨てました。

壊れた物を捨てるコツ

壊れたその時に、その物を即座に捨てれば、ガラクタにはなりません。

ですが、「どうしても直して使いたい」という気持ちもあるでしょう。

新しい物を補充せず、ちゃんと直すことができたらそれがベストです。修理して使う可能性を捨てきれないときは、以下のようにしてはどうでしょうか?

修理する期限を自分で設定する

たとえば、今後、半年間に修理できなかったら、もう捨てる、というように、自分で修理するタイムリミットをもうけます。

タイムリミットがあるほうが、人は先延ばしをしません⇒先延ばしをする人としない人は何が違うのか?(TED)

半年はかなり長い時間なので、この期間にできなかったら、その先もまずしないでしょう。

あいまいな未来計画のままで終わらせない

壊れた物を前にして、「いつか、時間ができたら修理しよう」とか「そのうち何かに使えるかも?」とぼんやり思うのではなく、具体的なプランをたててみます。

それを修理するために、どんな行動が必要なのか、シミュレーションしたりリストアップするのです。

私は、娘がプレイスクール(幼稚園の前に行くところ)で作った、雪だるまの人形の片目が取れたのを長らく放置していました。ポテトチップスの筒の上から綿(わた)を貼ってこしらえた雪だるまです。

かわいいので、ずっと持っていて、クリスマスに飾っていました。

ある時、この雪だるまの片目が落ちました。目は黒いボタンです。

この場合、修理に必要なのは、ボタンに瞬間接着剤をつけて、雪だるまの顔部分の綿にガシッと貼る、という行動です。

たったこれだけですが、何年もできませんでした。瞬間接着剤がなかったからです。しかし、考えてみれば、夫に聞けば、持っていたかもしれません。

修理に必要なのは

●夫に聞く
●夫が持っていなかったら接着剤を買ってくる
●ボタンに接着剤をぬって、綿に押し付ける

以上の3つのアクションです。

こんなふうに、修理が終わった状態になるまでに必要な行動や物、時間について考えてみてください。

物によっては、もっとたくさんのアクションが必要でしょう。

どこかに何回も電話をしたり、特別な道具や素材を調達したり、特定の店に持ち込んだり。たくさんの行動を取らないと、直せない物もあるかもしれません。

修理するためにやるべきことを、すべて頭に思い浮かべたり、紙に書いてみてください。

そして、考えるのです。「私は、これららのことを本当にやるのだろうか?」「これらのことが起こる可能性が本当にあるのか?」と。

ただ単に、「いつか直す~」とか、「そのうち何かに使えるかも~」となんとなく思っているより、ずっと現実的な未来予想ができます。

「いや、やりそうにない」と思ったら、それはもう捨てるのです。

****

今回は、壊れた物をきっぱり捨てるすすめを書きました。

もちろん、修理して使ってもいいのです。私は何でもかんでも捨てろとはいっていません。しかし、修理するなら、さっさとするべきです。

最後に詩人、ゲーテの言葉を紹介します。

生きている間は、なにごとも延期するな。
なんじの一生は、実行また実行であれ。

私も日々、こうありたいと思っています。





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