シニア目前、主婦でミニマリストなブロガー筆子が、断捨離と節約をして「老い支度」に励む日々をつづっています。

毎日疲れているあなたに。心の境界線を引いてストレスを減らし、自由になる(TED)


日々、対人関係のストレスが多い人の参考になるTED動画を紹介します。

タイトルはGood boundaries free you(よい境界線はあなたを自由にする)、プレゼンターはファミリーセラピスト(家族対象の心理療法を行う人)のサリ・ジルマン(Sarri Gilman)さんです。

心の境界線(バウンダリー)とは?

boundaries は境界線(boundary)の複数形です。これは他人と自分の間に引く線のこと。

忙しすぎて断捨離できないと嘆く人も、友達から子供服のお古を押し付けられて片付かないと言う人も、いらないプレゼントが捨てられないと言う人も、他人との間にしっかり境界線を引くことで問題を解決できます。

「境界線を引く」という考え方を紹介したくて、この動画を選びました。

長さは15分54秒。ジルマンさんはとてもゆっくりしゃべっているので英語は聞き取りやすいと思います。独立イベントのため、日本語の字幕がないので、動画のあとに抄訳をつけます。

あなたの人生は、イエスとノーで作られる

誰もが人生の物語を生きています。この物語は、何に対してイエスと言い、何に対してノーと言うかで決まります。

この「イエス」と「ノー」で境界線(boundaries バウンダリー)が作られます。

では、境界線とは何でしょう?

どうやって作るのか?境界線が侵されたらどうしたらいいのか?どうやって境界線を動かすのか?

私はずっとこうした質問に答えようとしてきました。

子供のとき、私の世界は家族だけでした。境界線のことで悩んでいるのは自分だけだと思っていました。

大人になり、ファミリーセラピストになったあとは、たくさんの人々がこの問題で悩んでいることに気づきました。

悩んでいる人々を助けたくて、ワークショップを開き、本を書きました。

この問題に自分なりに答えを見つけ、境界線について学んだ人たちは、疲れきっていた人生から、ストレスの少ない暮らしに変わりました。

自分自身を信じ、決断もしやすくなり、より健全な人間関係を築けるようになったのです。

きょうは、境界線にまつわるエピソードと、境界線を強化する方法をお伝えします。

みんなイエスとノーのコンパスを持っている

まず、誰もが持っている基本的な境界線のツールから始めましょう。

手に方位磁石(compass コンパス)を持っていると想像してください。こんな感じです。

コンパス

皆さんは、この磁石を使って意志決定をします。磁石には「イエス」と「ノー」という2つの言葉だけが書かれています。

人はこのコンパスを使って決断をし、人間関係を築き、境界線を引いていくのです。

どうやってコンパスを使って境界線を引くかお話しますね。うまくコンパスを使って、ストレスを軽減し、人生の目的を見つける方法です。

境界線を引こうとすると他人の抵抗にあう

もっとも境界線を引くべき時に、しっかり線を引くコツは、嵐のような感情に耐えることです。

私は祖父母に育てられました。祖父はひじょうに一徹な人で、自分のやり方しか認めないタイプです。

私が24歳のとき、祖父に、自分の遺言の執行者になるよう頼まれました。いったい何をやってほしいのか尋ねたところ、私は強いストレスを感じました。

親族に対して、とても私にはできそうにないことを、祖父が頼んだからです。

祖父を喜ばせたい気持ちは山々でしたが、彼の提案にイエスと言うことはできず、「ノー」と言いました。

祖父の遺言の執行者にはなれない、と。

彼は、「ノー」と言われたとき、たいていの人がすることをしました。怒ったのです。

自分の「イエス」と「ノー」という気持ちに忠実に行動すると、他人は怒るか、がっかりします。境界線を引くことは、感情の爆発を呼ぶのです。

ですが、イエスとノーそのものは、感情ではありません。

だから、私は、祖父の怒りへの恐怖に負けず、祖父を喜ばせたいからという理由で境界線の場所を決めることはしませんでした。

時には、磁石を見誤ることもある

時には、皆さんのコンパスが曇ることがあります。イエスかノーかわからないことがあるのです。

自分のコンパスを無視しようとしたり、コンパスが表示している結果を受け入れようとしないときに、こういうことが起こります。

数年前、私はライターになりたいと思っていました。仕事がとても忙しかったので、いつライターが物を書いて、生活費を稼いでいるのかわかりませんでした。

そこで、私は、「イエス」という声に従い、娘と1週間のライティングのキャンプに参加しました。中学生向けのコースで、私は付き添いとして参加したのです。

ある晩、本物の物書きがプレゼンをし、本を書く時間の作り方を説明しました。時間を作ることにイエスと言い、時間を取られるものにはノーと言います。

その人はとても質素に暮らしていました。彼は文章を書くことだけを仕事にしていました。

自分の答えがここにある、と私は思いました。

そこで、私は2年かけてお金を貯め、支出を減らし、ある時から、文章を書くことだけに集中しました。ですが、ほんの数ヶ月で、私のイエスはノーに変わったのです。

物を書くことは1人でする作業。私は犬に話しかけるぐらしかできなくて。自分向きではない、とわかりました。私は人とかかわることが好きですから。

そこで、自分の「ノー」という声に従い、他人とかかわる仕事に戻り、合間に物を書くようにしました。このほうがずっと自分に合っていました。


磁石の目的は1つだけ。自分を大事にすること

コンパスは、ごく基本的な指針しか教えてくれません。イエスかノーか。そのあいだにある細かいことは何も書いてないので、自分で考えることになります。

でも、コンパスは信用できるんです。

コンパスが伝えようとしていることはたった1つだけで、「自分を大事にしろ」ということだから。

コンパスに従い、自分を大事にすれば、ストレスは減ります。ストレスはとても深刻な問題です。アメリカの心理学会によれば、全体の50%から58%の人が強いストレスにさらされています。

衝撃的な数字ですね。

皆さんの中に、雇い主がいたら、この点には特に注目すべきです。コンパスはとてもストレスに弱く、曇ってしまうので、従業員がストレスでいっぱいだったら、意志決定を間違えてしまうかもしれません。

私は人々に、境界線を作るスキルを教え、そのおかげで、みんなのストレスが減っています。

難しいのは、境界線を作ることがちょっとばかりストレスだ、ということです。

でも、これは時間的に短いストレスです。そのストレスに耐え、境界線を作れば、ずいぶんほっとできます。

私はこの短いストレスを「汗をかく(sweating スエッティング)と呼んでいます。境界線を引くときは、ちょっと汗をかくのです。

コンパスに従えばセルフケアできる

皆さんが持っているコンパスがやろうとしていることは1つだけです。自分自身をケアすることです。「もっとセルフケアできる道はないだろうか?」という質問に答えているのです。

セルフケアというと、多くの人は、何を食べるのか、どのぐらい運動をするか、ということを考えます。

そういうことも重要ですが、ちゃんと食べて運動している人でも、境界線の管理を怠ると、強いストレスに襲われます。

セルフケアとは食事や運動より、もっと大きな視野で考えるべきことなのです。

自分で、自分をどんなふうに扱うのか、ということが、セルフケアです。

どうやって楽しみや遊び、幸せ、バランス、休息、人とのよい関係を見つけるのか、ということ。

セルフケアは難しい

私自身、セルフケアはとても難しいと認めなければなりません。自分自身をちゃんとケアすることを学ぶのに、私は何年もかかりました。

昔の私は仕事中毒のケアテイカーでした。

ホームレスのティーンエイジャーをケアするエージェンシーを運営していました。自分で始めたエイジェンシーで、とてもがんばっていました。

次第に組織が大きくなり、どんどん自分の時間を費やすことになりました。

限られた予算でうまく回るように夜遅くまで働こうとしたり、週7日24時間の呼び出しに応じ、それを何年も何年も続けたからって、それが、何、なんて思ってました。

虐待されている子供たちの面倒を見すぎて病気になったり、そのせいで、自分がPTSD(外傷後ストレス障害)になっても、それが何なの、と。

私は自分自身をケアすることをすっかり忘れていたのです。

ある日、暗い映画館の中で、涙を流すまで。

私はこわれてしまい、涙が止まりませんでした。そして、自分の心の中の何かが、必死に私に伝えようとしていることに気づきました。

涙を流しながら、これ以上、自分が始めた組織、自分が愛している仕事を続けることはできない、と悟りました。

私のコンパスは、私の身体のために「ノー」と言ったのです。

この「ノー」を受け入れるのはとてもつらかった。助けを必要としている子供たちがいるのですから。

そこで、自分の目的について深く考え、組織を始めたときは、それが私の目的だったけれど、10年たって、コミュニティがこの組織を運営できることに気づきました。

そこで新しい人達に仕事を引き継ぎました。

この組織はもう24年続いています。毎日子供たちの面倒をみているんです。毎日、毎晩、私がやりたいと思っていたことをやってくれています。

私はコンパスに教えてもらいました。他の人も、子供たちやスタッフ、組織の面倒を見れるけれど、自分をケアできるのは自分だけなんだ、ということを。

少しずつ仕事中毒を解消

海を見る女。

そして、自分の仕事中毒と向き合いました。ワーカホリックは悲惨です。祖父よりもたちが悪いです。

私のワーカホリックは、「ほら、休憩しなさい。もう充分やったわよ」なんて絶対言いません。気違いじみています。

とにかくやり続けろ、もっと仕事しろ、もっと、もっと、と急き立てます。

私は自分をケアするために、少しずつ努力し、少しずつよくなってきました。

今は毎日、仕事をしたら、何か自分が好きなこともやるようにしています。

前より編み物をしているし、友達と出かけています。雑用を減らし、夫と楽しむ時間を作り、娘たちとは、健康的な生活についてよく語り合っています。

2人とも成長して、ヘルスケアの仕事につきましたから。

この夏は、海岸でワシが飛び立つのを見ました。

火曜日でした。お弁当をもって、職場から車で4分のところにある海岸に行ったんです。そこで、45分、昼休みを取りました。ワシを見て、波の音を聞いて。仕事中毒から回復しました。

人生の危機の切り抜け方

境界線を脅かすできごとはなくなりません。

たとえ、境界線をしっかり作ることができるようになり、境界線と感情を切り離せるようになり、自分をケアすることもでき、イエスとノーがちゃんとわかり、ワーカホリックが治っても。

健康の問題、お金の問題、依存症をかかえる家族がいるといった問題が起きない人はいないのです。

こうしたトラブルと毎日闘っている人もいます。職場で毎日問題を抱えている人もいます。

こんな困難な状況のとき、自分のコンパスを支える方法が3つあります。

1.セルフケアを強化する

まず、よりセルフケアをしてください。すでにちゃんと自分のケアをしているかもしれませんが、困難なときこそ、たくさんのセルフケアが必要です。

大切な人が乳がんにかかったら、自分のことなんてどうでもよくなってしまうでしょう。

けれどもこんなときこそ、自分自身をケアする時間を増やすべきです。そうすれば、長い目でみたら、相手も自分もよりしっかりサポートすることができます。

2.外に助けを求める

2つめは、外に出て、さまざまな情報を得ることです。皆さんのコンパスに、困難を切り抜けるための充分な情報がないかもしれません。

私たちは、何でも知っているわけではないのです。もっと経験のある人を見つけたり、サポートグループに入ったり、セラピストに会ったり、クラスを取るなど、外に助けを求めてください。

3.大事なことだけにフォーカスする

3つめは、どんなことに責任をとるのかしっかり選ぶことです。よけいなことはしません。

困難な問題を抱えている時は、いろいろとやることが降りかかってきます。ですが、一度に何もかもできません。

何をやるのか、そして、何をやらないのかしっかり決め、やらないと決めとことはやりません。

現代は、技術の進歩のせいで、みんな、スマホのように、いつでも、何でもできるという幻想を持っています。今だからこそ、注意深く、自分の時間を大事にして、息を抜く時間を取る必要があります。

誰もが、人生の物語の中にいます。

この物語は、自分が何にイエスと言い、何にノーというかで筋書きが決まります。

外界の騒音をシャットアウトし、自分の声を聞けば、自分の目的にそった人生を、豊かに、ストレス少なく進めるのです。

//// 抄訳ここまで ////

セルフケアに関するほかのTEDのプレゼン5本

他人を大事にすることは、自分を大事にすること(TED)

強い心を持つ3つの方法。考え方の悪習慣を手放せばメンタルを強くできる(TED)

静かにたずむことが幸せにつながる~ピコ・アイヤー(TED)

セルフコンパッション(自分にやさしくする)の実践で人生を変える(TED)

つらいことがあったとき、自分で応急手当する方法。心の傷をないがしろにしてはいけない(TED)

人間関係でストレスが多いならコンパスを意識してみては?

イエスとノーがついているコンパスを持っている話、とてもわかりやすいですね。

このイエスとノーはほとんど直感でわかります。

嫌だな、と思ったら、それはノーなのです。

ところが、多くの人が、このノーを無視して、無理にイエスと言います。

この週末、相談メールをいくつかいただきましたが、そのうちの2通は境界線の問題だと思いました。

1つは、全ての家事を1人でやっていて、家族が散らかすから、疲労困憊しているというメールです。これについては昨日、回答しました⇒1人で仕事を抱え込むのをやめる7つのコツ。何もかもやろうとするから何もできない。

この方の場合、ほとんど境界線を引かず、他人を信用せず、全部自分でやろうとしています。

その結果、家族を断捨離できたらいいな、なんて思ったりしています。これは半ば冗談でしょうが、いつもきっちり境界線を引くようにしていたら、そこまで追い詰められることはないでしょう。

もう1つは、義理のお母さんが子供の服をどんどん買って、いらないのに押し付けるから、すべてが死蔵品になっている、捨ててもよいか、という相談です。

この問い合わせには別の機会に答えるつもりですが、いらないんだったらノーと言えばいいのです。

「自分の子供の服は自分で買うから、いりません。お気持ちだけありがたくいただきます」と。

ところが境界線を引くのはそんなに簡単ではありません。

動画でも言っていましたが、相手は怒るかもしれないし、別に怒っていないのに、勝手に自分で、相手の気持ちを傷つけてしまった、と感じたりします。

けれども、一番大切なのはやはり自分の気持ちなのです。相手を喜ばすことばかり選んで、自分の気持ちをないがしろにしていると、そのうち、相手のことを恨むようになります。

ノーと言うのは、自分が思うほど、大変なことではありません。

それこそ、ちょっと「汗をかく」ぐらいのものです。

誠実に対応していれば、特に他人の機嫌を取らなくても、ふつうに生きていけます。

対人関係のトラブルは、ほとんど境界線の引き違いで起きます。人とのかかわりでストレスが多い人は、コンパスのことを意識してみてください。


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