財布からお金を出している人

TEDの動画

ファイナンシャル・リテラシーとSNS世代(TED)~お金に関して賢い決断をしよう。

欲しい物をどんどん買ってしまう人におすすめのTEDトークを紹介します。

タイトルは、Financial Literacy & The Social Media Generation(ファイナンシャル・リテラシーとソーシャルメディア世代)。

公認会計士のNelson Soh(ネルソン・ソー)さんのプレゼンです。

ソーさんは、会計士であるにもかかわらず、ファイナンシャル・リテラシーがなくて、お金に関してまずい決断ばかりしていたそうです。

彼は、SNS世代で、SNSに影響されて、買わなくてもいい物を買い、お金を稼ぐためだけに仕事をしていたのです。

ファイナンシャル・リテラシーは、お金に関する知識ですが、運用や投資というより、もっと基本的な自分のためになるお金の使い方にかかわる知識です。



ファイナンシャル・リテラシー、TEDの説明

Nelson Soh posits that the generation born in and after 1985 is unique because of its sense of entitlement, need for instant gratification and access to easy credit. These characteristics have resulted in a generation that is entitled, egotistical, easily persuaded by social media, addicted to material things, and financially illiterate.

ネルソン・ソーは、1985年以降に生まれた世代は、権利意識(自分は与えられて当然だという気持ち)、インスタント・グラティフィケーション(すぐに得られる喜び)、クレジットカードを簡単に使えることにおいて、ユニークだと指摘します。

こうした特徴が、手にして当然だという意識をもち、個人主義で、ソーシャルメディアに簡単に説得され、物資的なものに依存し、お金の知識がない世代を作っています。

収録は2021年、動画の長さは13分。新しいので字幕はまだありません。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

彼は、若者に向けて話をしていますが、SNSに影響を受け、まずいお金の使い方をしてしまうのは、若者に限ったことではないですね。

人は他の人が使っているものや、他の人に人気のあるものは、いいものにちがいない、と思いがちですから。





SNS世代とは?

1985年に新しい世代が生まれました。今は30代。私もその1人です。私たちはソーシャルメディア世代です。

これまでの世代とは違います。

私たちは教育を受け、競争心が強く、高度な技術を駆使しています。

でも、大きな弱点があるんです。

ファイナンシャル・リテラシーがありません。

ファイナンシャル・リテラシーは、お金に関して理解と知識です。

たとえば、いい借金と悪い借金の違い、複利、まず自分自身にお金を使うこと。

お金を理解していないと、本当に欲しいものを手に入れ、やりたいことを実現し、将来、借金なしでリタイアすることができません。

SNS世代は、今しか見ておらず、先のことを考えられません。

明日の夕食のメニューや、老後のことは、未来の自分がなんとかするだろう、と思っています。

私たちは、この世界が、自分たちに何かしてくれて当然だと感じています。その権利がある、と。

私たちは、いい気分になりたいと思っています。人生におけるいいものを、今すぐ欲しいと感じています。

インスタントグラフィケーションが欲しいのです。

他人にどう思われるかが重要

私はスマホやSNSと一緒に大きくなりました。

私と友達は、実際に会うより、テキストや動画を送ります。通話もしません。

ほかの人の近況はSNSで知ります。

「僕のインスタのストーリー見た?」と、友人に聞いてまわります。

一番いいところしか見せません。

私たちは、「いいね!」や、コメント、ビュー(閲覧数)、シェア数で動いています。

他の人が自分のことをどう思っているかがとても重要なのです。

SNSを見て衝動買いをする

時々、SNSは、他の人の一番いい人生を切り取ったものだということを忘れます。

そして他の人が持っている物を欲しくなります。

数ヶ月前に、tik-tokの動画で、誰かがエアフライヤーを使って、ヘルシーなフライドチキンを作っているところを見ました。

自分も欲しくなり、エアフライヤーを買いました。

100ドル無駄にしました。

tik-tokのせいで衝動買いしてしまいました。

ファイナンシャル・リテラシーがないので、私たちの世代は、痛い目を見ています。

クレジットカードの借金が増えています。複利が私たちを苦しめています。

なぜ借金があるのか?

知りもしない人や、好きでもない人たちに「すごい」と思ってもらうために、買うお金がないのに物を買っているからです。

お金の仕組みを理解していないので、みすみす失敗します。

権利意識やエゴをもとに、お金の使い方を決めているところに、クレジットカードがあるため、簡単に物を買うことができます。

これは大惨事へのレシピです。

私の最悪の決断

5年前、人生でも最悪のお金に関する決断をしました。

私は高級車が好きですが、すごくかっこいい車の写真をインスタで見たのです。

「これは買わなければ。僕には買う権利がある!」こう思って、その時乗っていた何の問題もない、ローンの支払いもすんだ車を売って、インスタで見たような、高級車を買いました。

65000ドル(きょうのレートで、880万円ぐらい)しました。

月々の支払いは高く、償却費も高い。

本当にまずい買い物でした。でも、友人たちは、車を見て「すごい。かっこいい!」と言ってくれました。

SNSでも、たくさんの「いいね!」、閲覧数、シェア、コメントを獲得しました。

私の自意識は十分満足しました。

車のセールスマンが、「ローンを60ヶ月から84ヶ月にのばせば、月々の支払いがあなたの予算内におさまりますよ」、と言いました。

「そうか、予算内におさまるんだ。いいじゃん」と思いましたが、84ヶ月にすると、支払う金利がほぼ倍になることに気づいていませんでした。

それから84ヶ月の夕食は、即席ラーメンかマカロニアンドチーズ。

金融の知識が必要なんです。お金の仕組みを理解し、クレジット払いのことを学ばなければなりません。

そうすれば、もっと賢い決断ができます。

SNS世代が世界を動かす

今後10年の間に、私のようなSNS世代が、世界の労働人口の75%を占めます。

ビジネス、教育、司法、警察、軍隊、政府を動かしていくんです。

さらに、10年後には、両親の世代が、たくさんの財産を私たちに残していきます。

この財産の使い方をちゃんと知っていないと、すぐになくなってしまうでしょう。

ファイナンシャル・リテラシーを持つことは、必要不可欠なのです。

ファイナンシャル・リテラシーがなかった自分

生まれて27年間、私はお金のことを知りませんでした。このことを認めるのには時間がかかりました。

私は公認会計士です。自分はお金のことはよく知っているはずだ、と思っていました。

いつも収入より支出が少ないから、いいと思っていました。

だからと言ってお金の知識があることにはなりません。私はお金に関するゴールも、予算も、老後のプランも、緊急用のお金も持っていなかったんです。

いつも、昇進や昇給を得ることに躍起になっていました。

今、欲しいと思うものを手に入れるために。

手に入れられないときは、新しい仕事を探しました。

昇進する友人たちをSNSで見て、同じように昇進すべきだと思っていました。

転職を繰り返し、給料は上がりました。これはいいことですが、お金の知識は増えませんでした。

むしろ、お金の知識がない状況を隠していました。給料があがったから、もっとお金を使っていいのだと、自分の行動を正当化しました。

人の持っている物が欲しい

ある午後のこと、自宅のキッチンでリモートワークをしていました。インスタのアプリを開けて、最初に飛び込んできたのが友人とその家族の写真です。

新築の家の前に、新しいテスラモデル3がありました。理想的な写真です。

そこに写っているすべてを欲しいと思いました。

家族、新車、美しい家。

このとき、自分のお金のゴールを考えることになりました。

今、自分が持っていない物の何が欲しいのか?

私は新しい時計、ノートパソコン、スマホを欲しいと思って手に入れてきました。

そして気づいたのです。友人たちの素敵な物の写真をSNSで見るたびに、欲しがっていた自分に。

新しい物を手に入れるたった1つの方法は、もっとお金を稼ぐこと。

もっとお金を稼ぐ一番簡単な方法は昇進することだと思っていました。

ある午後の気づき

この瞬間、その後の人生が変わった質問を自分にしました。

明日、もし上司の仕事をするようオファーされたら、そのオファーを受けるかどうか?

これまでなら、「もちろん受ける。昇進だ。もっと働くんだ。私にはその資格がある。給料があがればうれしいし、欲しいものが皆、買える」。そう思っていたでしょう。

ところがこの時は、「ノーだ」と思ったのです。

そして、いろいろな感情が一気に押し寄せてきて、泣けてきました。

悲しかったのです。この瞬間、嘘の人生を生きてきたことに気づきました。

稼げば稼ぐほど、お金を使ってしまう負のサイクルにはまっていることに気づきました。

自分が、物とお金に所有されていると気づいたのです。

私は人生の目的や情熱を満たすために働いてはいなかったのです。

お金のためだけに働いていました。そのお金を人にすごいと思ってもらうために使っていたんです。

今楽しむことだけにフォーカスして、先のことを考えていませんでした。

会計士なのに、お金のことが何もわかっていなかったなんて、なんて皮肉なことでしょう。

そうなって当然だという気持ち、エゴ、お金の知識のなさが、私の人生をむしばんでいました。

変わる決心

このままではいけない、変わらなければ。そう思いました。

それから、個人のお金の管理方法を書いた本や自己啓発書をたくさん読みました。予算の立て方を調べ、エクセルで予算を管理しました。

メンターやコーチの指導も受けました。

大変でしたが、そうやってようやく、ファイナンシャル・リテラシーを身につけました。

お金のことがわかるようになったら、手に入れて当然だという気持ちや、インスタントグラフィケーションへの渇望から解放されました。

その後、5年のあいだに、金利の高い借金を返済し、貯金を倍にし、緊急用のお金を貯め、老後のお金も貯め始め、5年後には、ささやかな家を買いました。

お金のことを理解しろ

ファイナンシャル・リテラシーを得たら人生が変わったのです。周囲の人も変わりました。

肩書や昇進、昇給のために働くことはなくなりました。

自分の事業を始め、人生の目的に向かって動き出しました。

ファイナンシャル・リテラシーはお金やその仕組みを理解することです。

良い借金は資産を買うことで、悪い借金は負債を買うことだと理解すること。

まず自分のためにお金を使うこと、すなわち、収入の1割は貯金するか、将来のために投資すること。

SNSで何を見ようとも、今日、賢いお金の決断をすること。

5年後、家を買うのがゴールなら、今日、ステイケーション(家で休暇を過ごすこと)すること。

私たちSNS世代の人間は、この世界の将来のリーダーです。

お金の仕組みを理解することはとても重要で不可欠なことなのです。自分や世界の未来が、かかっています。

//// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

stroke someone’s ego 自尊心を満足させる、いい気分にさせる

entitlement この単語は訳しにくいのですが、自分にはそういう権利がある、という気持ちです。権利意識とも訳せます。このプレゼンでは、「自分は、今欲しい物を何でも買っていいのだ、自分はそうする権利がある」という感情だと思います。

私はSNS世代ではないので、わかりませんが、若い人たちは本当にそう思っているのでしょうか?

ソーさんの共著。

お金に関するほかのプレゼン

たくさん書いていますが、7つだけリンクします。

お金の使い方の裏にある感情を調べよう(TED)

経済的依存の本当の代償(TED)

自分とお金の関係をよくする6つの方法(TED)

自分のお金の問題についてもっと正直になろう(TED)

どうやって私は刑務所で読み書きと株取引を学んだのか?(TED)

私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)

経済的に豊かになる5つのシンプルなお金の原則(TED)

お金の使い方を正すとシンプルに暮らせる

生きていくためには、お金が必要なので、お金の使い方が人生を決めます。

それだけ、お金に対する理解は重要なのですが、学校ではお金の望ましい使い方は習いませんので、自分で学んでいく必要があります。

ファイナンシャル・リテラシーといってもそんなに難しい話ではなく、要は、お金はツールだから、自分の人生がよりよくなるように使っていけばいいだけです。

持たない暮らしとからめて言えば、「今日買わなくていい物やサービス」にお金を使わなければ、余計な物が増えません。

断捨離をしなければならないほど、家に物があるとしたら、買わなくいい物にお金を使いすぎてしまったからです。

私も、そういう過ちはたくさんしました。

ソーさんに言わせれば、お金に対する認識が誤っていたのです。

過ぎてしまったことは仕方がないので、今日から、「今、買わなくていい物」にお金を投じるのをやめてみては?

人が持っている物は、いい物やすばらしい物に見えますが、自分が持っていないからそう見えるだけです。

*****

私は会計士だけど、お金のことがよくわかってなかった、というのはありそうなことですね。

たとえ、ファイナンシャルプランナーでも、自分のお金を自身の人生の価値を高めるために使うのは難しいのかもしれません。





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