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断捨離テクニック

最終更新日: 2019.02.16

もう使わないとわかっているのに捨てられない物を捨てる5つのコツ。

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断捨離をしていると、「これはもう使わない」と自分でわかっているのに、捨てられない物が出てきます。

「でも、そのうち使えるよね」とつぶやいて、もとあったところに戻したり、「今日じゃなくて今度捨てよう」と思ったり。

私も「そのうち使うよね」と思ってそのままになっている、フランス語の参考書が数冊あります。

少しぐらいなら持っていてもいいかもしれません。ですが、このような物で部屋が雑然としていたら、やはり捨てたほうがいいでしょう。

今回は、捨てにくいものを捨てるコツを5つお伝えします。



なぜ捨てにくいのか?

人は基本的にいったん手にした物を捨てることは嫌いです。「もう使っていないから、家においておいても仕方ないから捨てよう」とロジカルに考えることができません。

断捨離という考え方を知らない人はもちろんですが、シンプルライフをめざしている人も、やはり捨てにくいと思ってしまいます。

その理由の1つとして、以前「授かり効果」という心理的な傾向を紹介しました⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

授かり効果とは、人がある品物を所有すると、その人にとって、その物の価値があがる、認知バイアスです。

認知バイアスとは、簡単に言うと、事実を事実として評価できない偏見です。こちらに買い物するときに感じる認知バイアスを集めています⇒無駄遣いの原因は心理的な思い込み。認知バイアスを知って上手な買い物を。

「授かり効果」のため、3000円で買ったタンクトップなのに、人に「3000円でゆずって」と言われても手放したくありません。5000円とか1万円の価値がある、と思ってしまうのです。

そもそも、手放そうとは思わないかもしれません。たとえ全然着ていなくても。

ただで手に入れた物でも捨てられない

授かり効果は、自分が苦労して手に入れたものや、大枚はたいて買った物だけに感じるわけではありません。

たまたま人からもらった物、ただで手に入れた物、そのへんで拾った物にも同じ現象が起きています。

いったん自分の物になった物は価値がぐんとあがってしまうのです。

この理論は行動経済学の第一人者と言われるリチャード・セイラー教授が1970年代に発表し、その後、いろいろな人が研究しています。

授かり効果が生じる理由は、人は、損をするのが嫌いだから(損失回避の心理)、と考えられていました。しかし、人がそれを「自分の物であるから」と思ってしまうからだという説もあります。

これは「私の物」だから、私以外の人が持つのはありえないのです。たとえ全く使っていない役立たずな物でも「私の物」だから、私のそばに置いておきたい。

理由はなんであれ、人は授かり効果のせいで、とうの昔にいらなくなったものをなかなか捨てられず、汚部屋の構成要員として、いつまでも家に置いているのではないでしょうか。

物で部屋はいっぱいになり、使っていない物のために、収納グッズを買って、ああでもないこうでもないと収納に苦慮する。こんな状態にあえいでいる人がたくさんいます。

ではこの「授かり効果」に負けず、「いらない物はいらないんだ、だから捨てるんだ」ときっぱり捨てるにはどうしたらいいのでしょうか?

捨てるコツを5つ考えてみました。

1.「授かり効果」のせいで捨てられないのだ、と思って捨てる

人間の心理的傾向は、理屈ではどうしようもない部分があります。そういうふうに感じてしまうのですから。

そこで、明らかにもういらないのに、「いつか使うかも」「誰かが使うかも」「きょう捨てるのはやめておこう」「いっぺんに捨てるとリバウンドするよね」「少しずつ捨てるのが私流」などなど、いろいろ理由をつけて、捨てようとしない物があったら、捨ててください。

本当はいらない物なのに、自分の脳が勝手に、その品物を高評価しているのです。それは幻想なのです。





2.その品物と距離をおく

何度も断捨離をしているのに、なかなか捨てられないものがあるとします。

たとえば、ここ5年ぐらい着ていない水色のサマーニットのカーディガン。

年々日本は暑くなっているし、もう着るとも思えない。だけど、「喫茶店とか冷房のきついところで着るのにいいよね」と思って捨てられずにいます。毎月、クローゼットを片付けているのに、毎回生き残っています。

このカーディガンを捨てるためにすべきことは、ちょっと距離をおくことです。

目にして、さわって、「これは自分の物なのよね」と思えば思うほど捨てられなくなります。

たとえ、全く着ていなくても。

カーディガンを箱にしまって別の部屋に置いてみてください。物置とかガレージに置いてもいいです。友達に貸すのもいいでしょう。

箱にしまうなら、ついでにプロジェクト333をするのもおすすめです⇒ミニマリストらしいファッションの選び方。プロジェクト333のすすめ。

2週間もすればカーディガンのことを忘れます。数ヶ月たって、箱の中から取り出してみると、前よりずっと捨てやすくなっているはずです。

さわればさわるほど物に愛着が出る話⇒こんまりの片付けで失敗したら試してほしいとっておきの「捨て」テクニック

3.損することではなく、得することにフォーカス

人は、「これを捨てると損だ」と思うから捨てられないのです。物を捨てて、得することを考えてください。

ノートか紙のまんなかに線をひっぱって、左側に捨てて損すること、右に得することを書いてください。

2番のカーディガンでやってみると、こんな感じになります。

損すること
– 冷房のきつい喫茶店で着ることができなくなる(でもほかにもカーディガンはいっぱいあるので、あまり説得力がない)。
– カーディガンの数が1つ減る(それがどうした?)
– ジーンズの上に合わせやすい服が1つ減る(ほかにもいっぱいあるから体制に影響はない)。

カーディガンを捨てて損することは、これぐらいでしょうか?私はミニマリストゆえ、強力な捨てマインドを持っているので、あまり思いつきませんが、人によってはたくさん思いつくでしょう。

次に捨てることで得られるものをリストアップします。

得すること
– スペースがあく
– 断捨離するたびに迷っていた行動とおさらばできる
– 服を活用していない罪悪感から逃れられる
– 衣替えの手間が減る
– この断捨離を呼び水として、ほかの「捨てられない服」も捨てられる
– 自分らしいワードローブを構築できる
– 着ない服を持たない暮らしに一步近づく

書き終わったら、損することと得することを付きあわせてください。十中八九、得することのほうが多いです。

捨てたほうが得なのです。

4.その物のリアルな価値を計算してみる

授かり効果ゆえに感じている価値は、その人にとってだけの価値であり、しかも、歪曲しています。そこで、本当の価値を計算してみてください。

ヤフオクで、似たようなサマーカーディガンがいくらぐらいで取引されているのか見てください。

自分は5年前に1万5千円で買っています。

似たようなカーディガンが800円で出品されていました。誰も入札していません。というのもブランド物ではないからです。

質はいいのですが、ネームバリューがありません。

「800円の価値もないの?」ショックを受けるあなた。

800円の価値もない誰も着ないカーディガンをいつまで持ち続ける理由、ありますか?

5.リアルな価値を計算してみる、別バージョン

もしそのカーディガンを持っていなかったとして、今日、全く同じ物をいくらで買うか考えてください。

そのカーディガンを買うためにどんな努力を払うのか、パスモやガソリン代を使って、ショッピングビルに行くのか?

買い物にどのぐらいの時間をかけるのか?

とにかく、それを手に入れるために、自分が使ってもいいリソース(お金、時間、労力など)を客観的に見積もってください。

「お金を払ってまで買いたくない」と思ったら、自分にとって価値のないものなので、捨てられます。

そもそも着ていないので価値はないのですが、「今日、これを買うか?」と自問自答して、「いや買わない」と思ったら、やはりいらない物なのです。

番外:いらない物にリソースを注ぎ込んではいけない

もういらないけど、捨てられない、そういう物に手間暇かけるべきではありません。

たとえば、何年もボタンが取れたままで、着ていない服。シミがついていて、着ていない服があったとします。

そういう服はボタンが取れているから、シミがついているから着ないのではありません。その服そのものに、もう用がないのです。

もし本当に必要な服だったら、さっさとボタンをつけて、シミも抜いて、着用しているはずです。

もういらない服なのに、「活用しなければ」と、ボタンを買ってつけようとしたり、シミ抜きをしようとしたり、きれいにたたんで引出しに入れようとすると、ますます捨てられなくなります。

人は手をかけたものほど、愛着を感じます。

IKEA効果(イケア効果)という言葉を聞いたことはありませんか?

イケアの家具は自分で組み立てなければなりませんが、この「組み立てる」という行動をすることによって、その商品は、その人にとってより価値の高いものになるのです。

家庭菜園で取れた野菜のほうが、市販のものよりおいしく感じるのはイケア効果があるからです。まあ、新鮮なので、自分で育てたもののほうがおいしいのは本当かもしれませんが。

もう何年も使ってなくて放置していたものを、「何かに使えるかも」といろいろ手を加えようとしないほうがいいのです。

そういうことをすればするほど、捨てられなくなります。





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