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親にもらった物が不用になっても捨てられない。親に押し付けてしまう。この思考を変えたい。こんな読者の質問に回答します。
まずメールをシェアしますね。Nさんからです。
親にもらった物を捨てることができない
件名:親に買ってもらった物が捨てられない
断捨離をはじめて、こちらに辿り着きました。
ずいぶんと物を捨てて、隙間やゆとりが出てくると、嬉しいものです。
私が今つまづいているのが、「実家に持って帰ろう」。
この癖、思考がなかなかくせ者で。
新車を購入したために使わなくなった、まだ使える前の車のドライブレコーダーや外付けのカーナビ。
両親の車につけたらいいやん、今持ってないしっと考えてしまい、使ってよっと恩着せがましく取り付けました。
また、大学時代に一人暮らししてた時に買い揃えてもらったこたつ布団。
こたつはもう10年ほど使ってないんだけど、またいつか使うかも?
捨てたら親にもったいないと怒られそう、それならいっそ実家に持って帰って使ってもらおうか、私はいらないけど、買ってもらったからまだまだ使える傷んでないものを捨てられないという思考に陥ってしまってます。
こうやってメールで頭の中をアウトプットするだけでも、ずいぶんヒドイ考えしてるなと客観的に受け止めれた気がしますが、ここから抜け出したいです。
お返事頂けたら幸いです。
Nさん、はじめまして。メールありがとうございます。
Nさんが、捨てられない物は、親御さんにもらった物だけですか?
ほかの不用品は、自分で責任を持って、処分できているのでしょうか?
カーナビやドライブレコーダーもご両親に買ってもらったということでしょうか?
それとも、不用品はなんでも実家に持っていく傾向があるのでしょうか?
この点があいまいなので、もしかしたら見当違いの回答をするかもしれませんこと、お許しください。
親にもらった物を捨てる方法は、以前記事にしています⇒親がくれた物を捨てたいのに捨てられない、そんな悩みの解決法。
こんな記事もあります⇒親が買ってくれた着物を断捨離する方法。捨てることで幸せになる方を選ぶ
そこで、この記事では、「不用品をなんでも実家に押し付ける思考」を変える方法をお伝えします。べつの思考を変えたいときにも使えるプロセスなので、必要に応じてアレンジしてください。
1.なぜそんな考え方をするのか、その理由を考える
まず、なぜ、不用品を親に押し付けてしまうのか、そうしたほうがいいと考える理由を考えてください。
こたつ布団は10年以上、使わずに家に置いているのですよね?
Nさんは、「親にもらった物は、たとえ不用品でも捨てるべきではない。5年でも10年でもずっとしまいこんでいるほうがいい」「まだまだ使える物を捨てるぐらいなら、親に返したほうがいい」。
こんな考え方をする人のようです(そう考えてはいないかもしれませんが)。
では、なぜ、親にもらった物は不用品でも捨てちゃいけない、捨てるぐらいなら、親にあげたほうがいい(親がありがた迷惑だと思っても)、と考えるのでしょうか?
なぜ自分はそんな発想をするのか、その裏にどんな価値観や考え、信念があるのか、その点を考えてください。
自分でリサイクルや寄付に出せばいいのに、なぜそうすることができないのか?
親に叱られるのがいやだから? 人に捨ててもらえば、自分は捨てる痛みを感じなくてすむから? ゴミの日や捨て方を調べるのが面倒だから? 実家に持っていけば、簡単に、自分の眼の前から消えてくれるから?
子供が困ったら、親が解決するのは当然だ、と思っているから?
ここで見つけた価値観は、Nさんが、これまでずっと大事にしてきた信念です。できればノートに書いておいてください(日記やスケジュール帳でもOK)。
2.本当はどんな考え方をしたいのか考える
Nさんは、不用品(特に親にもらった物)を自分でちゃんと捨てることができるようになりたい、と考えているのですよね?
では、どんな価値観や信念を持てば、そうすることができるのか考えてください。
たとえば、以下のような考え方ができれば、自分で捨てられるようになります。
・人にもらった物は、自分の物だから、不用になったら捨ててもいいし、捨てるべきである。
・親は私を喜ばせようと思って物を買ってくれた。使わないまましまい込み、ストレスの元にしてしまうのは、親の意図に反している。
・いくら使える物でも、使わないまま、家に置いておくのはなんの意味もない。むしろ、実際に使う人の手に渡るように、リサイクルにだしたり、寄付するほうが、物を大切にすることになる。
・「もったいない」と親に怒られても、気にしなくてもいい。家に置いたままにしておくほうが、よほどもったいないのだから。
・そもそも、親が「もったいない」と私に怒るだろうか? 私は、「親がこう言うから」と決めつけて、それを都合よく、捨てない理由にしているだけだ。
ほかにも考え方はいろいろあります。
過去記事にたくさん書いているので読んでください。たとえばこちらの記事⇒考え方のクセを変えて「捨てられない人」から「捨てられる人」になる方法
贈り物を捨てられる考え方はこちら⇒不用な贈り物を捨てられないのは、世の中の人全員に好かれたいと思っているから。
Nさんご自身が、「こんな考え方ができたらいいなあ」と思う考え方を見つけてください。
それが、Nさんの新しい信念です。これもノートに書いておいてください。
ポイントは、Nさんが、「こういう考え方をしたい」と共感できる考え方や価値観を選ぶことです。「自分はとてもそんなふうには思えない」という考え方を、無理やり、採用しようとしてもうまくいきません。
3.古い信念を新しい信念に置き換える
今度、親にもらった不用品が出てきたら、1番に書いた古い価値観を2番に書いた新しい価値観に置き換える練習をしてください。
仮に親にもらったフォーマルウエア(黒いワンピース)が不用になったとします。
これまでなら、「ああ、これ、もう着ないけど、まだ十分着られるから、捨てるのはもったいない。そうだ。お母さん、私とサイズ同じなんだし、お母さんに着てもらおう。親にもらった物、勝手に捨てると怒られそうだし」と思って実家に持っていくところです。
たぶん、今回もそう思うでしょう。
そのとき、「いや、ちょっと待て。これは私の古い考え方だ。私は新しい価値観を持つことに決めたんだった。こういう考え方をするのはやめようと思ったんじゃなかったけ?
わざわざ筆子さんにメールまでしてさ。
でも、どういうふうに考えたいと思っていたんだっけ?」とちらりと考えてください。自分の考えていることを客観的に検証するのです。
そして、先日書いたノートを読み直します。
「そうか、使っていない物は、処分して、使ってくれる人の手に渡したほうがいい、と思ったんだっけ。私はもう大人なんだし、親にいつまでも自分の物の後始末をさせるのはよくない、とも思ったんだ。よし、これは自分で捨てよう」。
こう考えることができれば、ちゃんと自分の手で捨てることができます。
考え方のクセを直すのは時間がかかるので、今後、同じようなシチュエーションに出会うたびに、この置き換えをやってください。
ごく自然に新しい信念をベースにした行動がとれるようになるまで、粘り強くやることが重要です。
4.新しい信念を採用するとどうなるか思い描く
新しい発想をもとにした行動をすると、どんな世界になるのか想像してみると、信念の置き換えがうまくいきます。
親に迷惑をかけず、自分の不用品を自分で捨てることができるようになったら、自分の生活はどんなふうに変わるだろうか?
不用品をさくさく断捨離できる人になったら、自分の住まいはどんなふうに変わるだろうか?
いらない物を実家に持っていくクセが改まったら、自分と親の関係はどんなふうになるだろうか?
逆に、古い信念のまま、生活し続けたら、どうなるのか、そちらも想像してみてください。
いらないこたつ布団を、この先もしまっておいたら、自分の暮らしはどんなふうになるだろう?
不用品を親に押し付ける生活を続けたら、自分の人生はどんな感じになるだろう?
不用品を捨てない生活を続けたら、自分の家の中はどうなるだろう?
などなど。
こうしたことも、紙に書いたほうが頭の整理ができます。
私はモーニングページや日記をおすすめしていますが、そのへんにある紙に、ささっと書き付けるだけでも大丈夫です。
日記について⇒日記を書くことは心の断捨離に効果的。10年日記を使っています
モーニングページとは?⇒モーニングページの書き方、やり方を教えてほしいという質問の回答。
これまでの価値観を持ち続ける自分と、新しい価値観を採用した自分の行くつく先を考えてみれば、「いまのままではいやだから、新しい考え方を採用しよう」と思うんじゃないでしょうか?
5.先に行動を変えてしまう手もあり
私は、筆子さんみたいに、ごちゃごちゃ、考えたり、書いたりするのは苦手なの、という場合は、先に行動を変える、という方法もあります。
とりあえず、「今度、親の家に何か持っていきたくなったら、何も考えず、捨ててしまおう」と決めておくのです。
そして捨てます。
すると、たぶん、「ちゃんと捨てることができた」「親に迷惑かけなくてすんだよ」という達成感や充実感を感じます。
いまは、多少なりとも、「ここから抜け出したい」と考えているのですから。
捨てたあと、気分がいいので、また捨てたい、と思うんじゃないでしょうか? 脳は気持ちがいいことや楽しいことを繰り返したい、と思うものです(脳が思うって変な表現ですが)。
それに、人間は信念と行動が一致していないと、いごこち悪さを感じます。
これを認知的不協和といいます。詳しいことはこちらに書いています⇒初心者でも大丈夫、ミニマリストになる2つの方法はこれ
捨てる行動をとることで、その行動をよしとする発想になるのです。
捨てることを続けていけば、そのたびに、喜びを感じ、いつしか、「自分で捨てるほうがいろいろ都合がいいし、楽しいやん」と考えるようになります。
捨てる経験値もあがり、不用品を捨てることが得意にもなるでしょう。
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今回は、親に不用品を押し付けるクセを直す方法を紹介しました。
その瞬間、自分が考えていることを、客観的に見ることができれば、もっと自分の意志に基づいた行動をとれるんじゃないでしょうか?
ぜひ、お試しください。