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ムダにたくさん買ってしまった物を断捨離しているが、過去の自分の行動に罪悪感を感じたり、気分が落ち込む。このような感情にどうやって向き合えばいいのか、という質問をいただきました。
この記事で回答します。
まずメールをシェアします。しほさんからのメッセージです。
お金や時間をムダにしたと考えて気分が落ち込みます
件名:捨てるときの気分の落ち込み、罪悪感
先日書店の店頭で「それって、必要?」のタイトルにひかれて本を購入し、一気読みした後、レタスクラブ付録の捨てる技術の本も読みました。
自身の部屋が今、物であふれており、押入れを開けると洋服やカバンがびっちりで、また、お金を使いすぎている自覚もあるのに、それでも買おうとしていた自分に愕然としました。
お恥ずかしい話ですが、使えるお金が底をついて、しかも借金までできてしまい、自身の買い物癖を治したい、自分に向き合いたいという気持ちにようやくなりました。
医師に診断をつけてもらったわけではありませんが、きっとネット依存症から買い物依存症になっていたのだと思います。
過去を振り返ると、学生時代にいじめや虐待、精神疾患のある母の面倒を見るなど、精神的につらかった時期があり、誰にも相談できず、その頃からネットショッピングのサイトを何時間も眺めたり、本や雑貨などの買い物で気分転換と称してストレスを発散していました。
ネットを見たり、買い物なら誰にも迷惑や面倒をかけることがないからいいだろう・・という気持ちがありました。
社会人になってから使えるお金が増えた分、諸々のストレスを解消するために、ますますネットにのめりこみ、買い物の数が増えて今に至ったのではないかと思っています。
今は、本当にやりたかったことをノートに書きだし(読書や絵を描くこと、スロージョギング、友人に自分から連絡を取って遊びに行くなど)を実際にやったり、筆子さんの本にあった、5捨て3処理を一日おきにやって、少しずつ身の回りを整理しています。
心が軽くなっていくのを感じているところです。
今、物を捨てていて、部屋がすっきりしてきてよかったと思う一方で、なぜこんなものを買ってしまったのかとか、ネットを眺めることで無駄にしてしまった時間やお金のことを考えると辛い気持ちにもなります。
筆子さんは今まで、物を捨てるときの罪悪感や、時間やお金を無駄にしてしまった時の気分の落ち込みには、どのように向き合ってきたのでしょうか?
しほさん、こんにちは。メールありがとうございます。
本を読んでいただき、ありがとうございます。うれしいです。
新刊について⇒筆子の新刊「それって、必要?」7月20日発売のお知らせ。著者による内容紹介です。
1冊目はレタスクラブの付録になりました⇒「1週間で8割捨てる技術」のダイジェスト版が雑誌「レタスクラブ」8月号の付録に。 もう新しい号が出ていますが、図書館にあると思います。
断捨離中に感じる罪悪感ですが、私ももちろん、「バカなことした」とよく思いました。けれども、そこまで深く落ち込むことはなかったように思います。
もともと「なるようにしかならん」と考えるほうで、「しかたないじゃん、前に進むしかない」と思って生きてきました。
起きてしまったことは今さら変えられないのです。過去のできごとを活かす最良の方法は、そこから教訓を得て、今後の行動を修正することです。それさえできれば、もうあんまり思いわずらうことはありません。
大事なのは、「ああ、何であんなことや、こんなことをしちゃったんだろう」と悩むことではなく、自分を変えることではないでしょうか?
とはいえ、人間は感情の生き物。つらい気持ちや自分を責める気持ちを感じることは避けられません。
今度そんな気分になったら、「あ、私、また罪悪感を感じている」と、自分の気持ちを受け止めてください。その後、気分転換をし、望む行動を取るようにすればいいでしょう。
以下に、罪悪感との向き合い方、考え方を書いておきます。
1.適切な罪悪感を感じているかチェックする
まず、自分が感じている罪悪感がまっとうなものか、そうでないものか調べてください。
そもそも罪悪感とは何でしょうか?
自分が「こうしたほうがいい」「こうするべきだ」と思っているその行動をとれなかったと自分が感じたときに湧き上がる、「悪いことをした」「罪をおかしてしまった」と自分を責める気持ち。
これが罪悪感です。
すべて自分の頭の中で処理されている点に注目してください。自分が勝手に感じているので、適切な罪悪感と、不健康な罪悪感があります。
まっとうな罪悪感とは、「こんなことしていたら身を滅ぼすから、行動を修正せよ」とうまいぐあいに脳が教えてくれるものです。
たとえば、糖尿病の人が激甘の清涼飲料水とアイスクリームを大量摂取したら病状にさわります。この場合、「ああ、また食べてしまった」と罪悪感を感じるのは、問題ありません。その後行動を修正するきっかけになりますから。
一方で、客観的に見て、別に太っていないが、セルフエスティームの低い若い女性が、メディアの言うことに踊らされて、食事をするのに罪悪感を感じているとしたら、これは不健康な罪悪感です。
食事を控えたら摂食障害になってしまうでしょう。
しほさんは、「お金や時間は大切にしなければならないのに、私は全部ドブに捨ててしまった」と感じているのですよね。
これはまっとうな罪悪感です。「これまでムダにしてきたのだから、今後は大事にしよう」と思えますから。だから、罪悪感を感じることに、罪悪感を感じる必要はありません。
脳のフィードバックだと思って、うまく利用してください。
2.今すぐ行動を修正する
まっとうな罪悪感を感じていると気づいたら、今すぐ行動を修正することです。望ましい方に行動を変えない限り、罪悪感はなくなりません。
行動を変えてしまえば、もう罪悪感にさいなまれなくなります。
お金や時間が大事だとわかったら、今度は、自分が大切だと思うことに使えばいいだけです。
そのためにも、家の中にたまっている物はどんどん捨ててください。
胸がちくちく痛むかもしれませんが、「捨てない行動」を選ぶのは、過去の失敗を認めないことではないでしょうか?
痛い思いをしながら捨てることで、学びが得られ、もう無駄な物にお金を使わないようになります。
3.失敗は誰にでもある
人間は失敗をする生き物。「失敗は誰にでもあるんだ」と自分の失敗を受け入れてください。
過去のできごとは決して変えられませんが、解釈を変えることはできます。必要ならば、違う意味付けをしてください。
過去の再定義をする方法⇒過去の嫌な記憶を消す7つの方法。辛い思い出はこうして手放す。「2.起きたことに意味を与えているのは自分だ、と考える」の箇所です。
その後、自分のしたことを自分で許してください。そして次に行きます。
過去は変えられないけれど、今この瞬間以降の自分の行動を変えることはできます。もうすんでしまったことではなく、今起きていることに光をあててください。
現在のしほさんは徐々に身辺の整理ができつつあり、心も軽くなっているのですよね? だったら、そのことに、気持ちを向けたほうがいいです。
過去の過ちではなく、今持っているもの、できていることについて考えてください。
4.気持ちが落ち込んだら気分転換
気分が落ち込みぎみのときは、うまく気分転換してください。
何をそんなに落ち込んでいるのか、罪悪感を感じているのか、紙に書いて、自分で分析するとよいです。
書くだけで気が晴れるし、今後取るべき道筋も見えてきます。
簡単な気分転換法をこちらに書いています⇒嫌な気分や落ち込みを2分で解消できる7つの簡単な方法。
意識を変えたいとき、参考になりそうな過去記事を3つ紹介します。時間があるとき読んでください。
断捨離中に感じる罪悪感(お金がもったいない、くれた人に悪い、使おうと思って買ったのに使わなかった、自分のバカ、など)を手放すには? ⇒いらない物を捨てるときにつきまとう罪悪感を手放す7つの方法。
マイナス感情に引っ張られない方法⇒人はネガティブ思考を引きずるようにできている話と、そこから抜け出す方法(TED)
買い物グセを治すには? ⇒衝動買いをやめられない7つのパターン。自分の精神状態がわかれば防げます。
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今回は、断捨離中に起きる罪悪感やゆううつな気分にどう向き合うかお伝えしました。
これは成長痛みたいなものではないでしょうか? 失敗を認めて次に行かない限り新しい世界は開かないと思います。
お金は回るものなのでまた巡ってきます。時間は戻りませんが、今後の時間を大切にできる自分になれたのは、素晴らしいことです。