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衝動買いや、無駄遣いをやめてお金を貯めるシリーズ。今回は、無駄な買い物をやめて、もっと注意深く、意識的な買い物ができる人になる方法を5つ紹介します。
原則は、「もっと考えて買い物をする」ということです。後先のことを考えず、好きなものを好きなだけ買っていたらいくらお金があっても足りません。
結局、買い物をしているのは自分です。ほかの人が自分のお金を使っているわけではありません。自分の責任なのです。
しかし、これはむしろいいことです。自分の責任なので、自分の気持ちを制御することができれば改善できます。
自分の行動を自分の思うようにコントロールできれば、無駄遣いは減るのです。注意深く買い物ができる人になるためには、自分の普段のショッピングという行動に注意を向けるだけでいいです。
以下のポイントについて自分で考えてみてください。考える、注意を向ける、意識的になる、という「頭を使う活動」をすることがポイントです。
1.なぜ買い物は楽しいのかそのメカニズムを知っておく
買い物は楽しいですね。
人の脳は新しいものや、何か興味深いものを見ると、ドーパミンを出して、「喜び」や「満足感」を伝えます。人の脳は「新しいこと」が好きなのです。だから、買い物すると、あたかも甘いお菓子を食べるように、手っ取り早く、うれしい気分になります。
甘いお菓子を食べたあとの脳について⇒砂糖への依存性はこうして起きる。甘いものをやめるために1番大切なこととは?
そこで、適切なシチュエーションで適度に買い物をすれと、緊張感はやわらぎ、ストレスは軽減され、明るい気分になり、どちらかというとポジティブな効果があります。
実際「買い物療法(shopping therapy ショッピングセラピー)」なんて言葉もあります。
しかしこのセラピー、その場はいいけれど、数時間後に、気持ちの揺り戻しがある、という研究があります。ストレス解消のために買い物をしても、この「うれしい効果」は長続きしません。
気分がハイになれば、あとで落ちます。これは砂糖と同じです。
たとえば仕事でいやなことがあった日に、ブティックに行って、新しい服を買うと気分が晴れますが、あとでどーんと落ち込みます。たぶん、そんなことをしても、本質的な解決になっていないからでしょう。
家に帰ると明るい気分は消えていて、買ったものをしげしげ見ると、「なんでこんなもの買ったんだろう」「また買ってしまった」「クレジットカードの請求が怖い」なんていうネガティブな感情に襲われます。
私も身に覚えがあります。
もしこういう行動を繰り返しているのなら、ストレス解消のための買い物はやめたほうが、結局は、明るい気分を保てるのです。
2.自分が買い物で手に入れたい本当のものを知っておく
あなたは、なぜ毎月のように新しいものを買ってしまうのでしょうか?なぜすでに家にたくさん服もバッグも靴も食器も本もあるのに、新しいものを追加してしまうのでしょうか?
服が好きだから、可愛いものが好きだから、おしゃれが好きだから、という理由は言い訳だと思います。
もし本当に服が好きなら、大事にすると思うのです。洋服が好きな人は、少なくとも買った服を値札をつけたま放置したり、1,2回着たあと、クローゼットのすみにぶらさげたまま存在を忘れてしまうなんてことはないでしょう。
その買い物で手に入れたいのは、別に、服でも、かわいい雑貨でもないのです。
本当に手に入れたいものは、たとえば、社会的なステータス、夫の注意をひくこと、友達に足並みを合わせること、友達より頭一つ抜けること、プロらしく見せることだったりします。
衝動買いをやめる方法の記事では「人からの賞賛」を求めていることについて書いています⇒衝動買いの欲望に負けない強い心を作る4つのステップ
その買い物で獲得したい本当のものを突き止め、買い物とは別の手段でそれを手に入れるようにすれば、無駄遣いは減るでしょう。
3.買い物したときの感情について考えてみる
どんな状況のときに、うっかり自分は無駄遣いをしてしまったのか考えてみるのも有効です。
たとえば、おなかがすいていた(と思っていた)のかもしれないし、疲れていたのかもしれないし、イライラしていたのかもしれないし、みょうに興奮していたのかもしれないし、ものすごくさみしかったのかもしれません。
平常心のときに、衝動買いや無駄遣いをする人はいないので、何らかの感情のゆれがあったと思います。
オンラインショッピングやカタログショッピングは、「退屈だから」する人もけっこういます。
やることがなくて退屈なので、なんとなく楽天市場やアマゾンにアクセスし、なんとなく、画面に出ている商品をクリックしてレビューを読んだりなんだりしているうちに、なんとなく買ってしまうのです。
時間つぶしに買い物をしているわけですね。
このような、自分のあまり生産的とはいえない感情のニーズを満たすために、人は「物」を買ってしまいます。するとお金もなくなり、あとの断捨離も大変になってしまうのです。
そこで、それぞれの感情のニーズを買い物以外で満たせば、買わなくてすみます。
おなかがすいているなら、食べればいいし、疲れているなら昼寝をして休息すればいいです。
イライラしているなら好きな音楽を聴いたり、散歩をすればいいし、興奮しているならちょっと落ち着くように、深呼吸をすればいいし、さみしいなら、家族と話すとか、ペットと遊ぶか、友達に電話すればいいのです。
退屈なら、パソコンは切って、何か別のことをしてください。
趣味に没頭するのもいいし、掃除は運動にもなるし部屋もきれいになって最適だと思います。身体を動かすと、ポジティブになるから、退屈なときはとりあえず、運動するのもいいですね。
食べるという行動はこれはこれで危険なので、菓子パンやスイーツではなく、普通の食事をきちんとしてください。
4.日頃から瞑想をしておく
イライラ解消に、特におすすめなのが瞑想です。瞑想は衝動的な行動を抑える効果もあります。
「スタンフォードの自分を変える教室(The Willpower Instinct)」という本で、著者のケリー・マクゴニガルが瞑想について書いています。
神経学者のリサーチによると、瞑想をすると、注意力や集中力、衝動を抑える力など自分の気持ちをコントロールするスキルが上達するとのこと。意志の力を発揮できるようになるのです。
瞑想をすると前頭葉に血がたくさん流れるからいいみたいです。たぶん瞑想をしようとすると、脳の中にあるいろいろな雑音が、うまく淘汰されるのだと思います。
そこで、1日5分でもいいので、瞑想を練習してください。別にうまくできなくてもいいのです。練習だけで効果あります。
瞑想の仕方⇒『必要なのは10分間の瞑想だけ』~物より心が大切です(TED)
洋服を買おうと思って試着室に入ったあとでも遅くありません。本気で衝動買いや無駄遣いをやめたい人は、試着室で瞑想してください。一人きりになれるので、むしろ売り場でやるより効果的です。
5.衝動買いをやめたい理由を明らかにする
そもそもなぜあなたは無駄遣いをやめたいのでしょうか?なぜ衝動買いを防ぎたいと思っているのでしょうか?
衝動買いを続けていると、いつまでたっても断捨離が終わらないから?
無駄遣いしていると、クレジットカードの請求がたくさん来て赤字になってしまうから?
なぜいつまでたっても断捨離が終わらないと困るのか、なぜクレジットカードの請求が多いといやなのか、その理由があいまいだと、たぶん衝動買いも無駄遣いも止まりません。
つまらない物を買ってしまうより、自分が優先したいもっと大切なことがあれば、人はそこまでうっかりと買い物をしないでしょう。
そこで、衝動買いより自分が優先したいことを明らかにしておいてください。自分の人生で大事にしたいものです。
長期的な目標とも言えます。
「老後のためにお金をためる」という目標があり、その目標や状態を心から願っているのなら、衝動買いは止まるのではないでしょうか?日々のさして必要でもないものを買うことは、その目標達成をはばむ行動ですから。
ただ、この目標は具体的で、自分が心の底から願っていないとあまり効果がありません。目の前の雑事に忙殺されうっかり目標を忘れてしまうとまた無駄遣いしてしまう可能性があります。
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いつも書いていますが、真の意味で何かを大切にするということは、実際に使うことだと思います。物ならばちゃんとふだん利用すること、身体なら、運動して適度に使うこと、脳ならば考えることです。
大事にすれば、物も身体も脳も期待に応えてくれます。無意識な買い物グセを治すのも自分の脳を使う、つまりしっかり考えることから始まるのではないでしょうか?