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断捨離しようとするたびに、「もったいないよね」という気持ちになって捨てられない人がいます。
このような人たちは、自分の人生で本当に大切なもの・大切にしたいものについて考えてみてはどうでしょうか?
なぜか?
詳しくお伝えします。
汚部屋の住人Rさんの場合
きのう、汚部屋にお住まいのRさんの質問に回答しましたら、お返事をいただきました。
この記事です⇒何とかしなきゃ、とあせるだけで捨てられない(汚部屋改善)
20代の独身女性かと思っていたら、50歳の会社員で、高校生の娘さんのいらっしゃる方でした。
娘さんはいま、寮で暮らしているそうです。
お子さんの文房具だけでなく、自分が小さかったときのもの、40年前から使用している塗り絵、本、ぬいぐるみ、文房具、空き箱もあり、ゴミ屋敷を片付けるテレビ番組に応募できるレベル、とのことです。
実際、応募したいと思ったこともあるし、断捨離や片付けに関する本も何冊あるかわからないほどあるそうです。
片付けたいという気持ちはあるのに、片付かないまま時間が過ぎてしまったのですね。
Rさんは、娘さんを育てあげ、会社に勤めて仕事をし、給料を得ることができています。だから、不用品を捨てることができないわけがありません。
単に、人生における優先順位を間違えているだけではないでしょうか?
Rさんには、ぜひ、自分の人生で一番大事なものについて考えてほしいです。
すると、優先順位の見直しをすることになり、さほど大事でないガラクタにしがみついている生活から抜け出せると思います。
以下のステップを踏んでください。
1.この質問に答えてください⇒あなたの人生で一番大事なものは何ですか?
まず、自分の人生にあるもので、「これは大事だなあ」と思うことを10個ばかりリストアップしてください。
人生で一番大切なものって何?
こう聞かれたら、多くの人は、自分の子ども、家族、愛、友達、仕事、社会の役にたつこと、自分を成長させて社会に還元すること、自分の命、などと答えるはずです。
もう少し例をあげます。
アメリカにさまざまなランキングを掲載している The Top Ten というサイトがあります。
サイトのユーザーの投票でランキングが決まります。ユーザーはわりと若い人たちのようです。
このサイトにある、Top Ten Most Important Things In Life(人生で最も大切なものトップテン)は、こんなふうになっています。
1.神
2.愛
3.家族
4.音楽
5.健康
6.友達
7.幸せ
8.食べ物と飲み物
9.両親
10.知識
11.空気
12.お金
13.命そのもの
14.科学
15.女の子たち
16.よい人間であること
17.家
18.水
19.知性
20.自信
21.自然
22.本
23.信じること
24.教育
25.敬意
引用元はこちら⇒Top Ten Most Important Things In Life – TheTopTens®
このリストを見ていると、「あれ、これが入ってないね」と、自分が大事に思うものに気づきやすいと思います。
若い人は年配の人より即物的な生き方をしがちだと思います。ですが、お金という答えはありますが、上位25位に物は出てきていません。
ユーザーが若いせいか、思い出や過去にまつわるものもありませんね。
自分に正直になって、大事なものを10個書き出してください。
そのリストに40年前の塗り絵や空き箱が入るでしょうか?
2.大事なものに費やしている時間を考える
リストを書き終わったら、それらの大切なものに、自分がどれだけリソースを費やしているか考えてみます。
大切なものは、自分の人生において価値のあること。ひじょうに重要で欠くことのできないものです。
大事なものは、大切に扱うべきですよね。
そうしないと、失ってしまうかもしれないし、失ったとき、大きな後悔が残るかもしれません。
親や友だちが大事だと思うなら粗末に扱うべきではないし、自分の命が大事だと思うなら、自分の身体をいたわり、健康に留意すべきです。
ジャンクフードを投入して、肝臓に負荷を与えるなんてもってのほかです。
ところが、人間は、大事なものは、「そこにあるのが当然なんだ」と思いがちで、意外に大切にしません。
大切にするとは、自分のリソースを注ぎこんでケアすることです。
Rさんはのお便りに「引っ越してきて10年以上、物がありすぎて片付けられないのに増える一方だ」と書かれていました。
10年以上、家にある物にたくさんのリソースを注いできた、ということです。
「片付けなきゃ、片付けなきゃ、どうしたらいいの?」とぐるぐる悩むことに心のエネルギーと時間を使い、
断捨離本を買ったり読んだりすることに、お金と時間を使い、
片付けようとして、物を引っ張り出すものの、結局捨てられず、片付かない、という不毛な行為に、時間、体力、知力を使ってきたのです。
さほど大切でない古い雑貨のメンテナンスに、多大なるリソースを費やしています。
そのぶん、自分が大事にしたい、と思っていることを大切にできていないのではないでしょうか?
人生の時間は有限です。
3.どうしたら大切なものを大切にできるのか考える
次に、自分が大事だと思うものをどうやったら大事にできるか考え、実際に大切にするアクションプランをたてます。
たとえば、私にとって歯の健康はひじょうに大切なので、歯のメンテナンスにリソースを注いでいます。
これ以上悪くしないように、歯の健康に関する本を読んだり、フロスを買ったり、甘いものを食べないようにしたり、3ヶ月に1回、高いお金を出してクリーニングしています。
まあ、昔大事にしなかったから、そのつけがまわって、大事にせざるを得ない、とも言えます。
健康な歯の持ち主にはわからないでしょうが、歯が悪いとものすごく生活の質が落ちます。
朝起きると、口の中がねばねばしていたり、食事するたびに痛みがあったり、「ああ、また治療で痛い思いをするんだ」とか、「ああ、また治療で大金が飛んでいくんだ」と暗い気持ちになります。
実際、歯や歯茎が悪くなってしまった人は、とても気持ちが動揺します。「涙が出てきます」というお便りを複数の方からいただきました。
歯は大事だから大事にせざるを得ません。
私のように、大切なものを失ってしまう危機に直面してからじたばたするのは不幸なことだと思います。
そうなる前に、大切にしておいたほうがいいのです。
何をしたら、大事なものを本当に大事にすることにつながるのか、考えてください。
そして、実際に行動します。
Rさんは、物の管理でかなり消耗しています。使いかけのノートを見て「もったいない」なんて、思うのは、大きな間違いです。
そんなことにしているあいだに、本当に大事なものが、少しずつ失われていきます。
4.妨害するものを排除する
次に、大事なものを大事にしようと思うのに、そうできなくさせている障害を排除していきます。
Rさんの場合、ガラクタがこれにあたります。
「もったいない、捨てられない」と悩むエネルギーを、本当に大事なものを大事にするほうに回すのが理想です。
そのために、ご自身のエネルギーを奪っているものを取り去ってください。
つまり、いま使っていない物は徹底的に断捨離するのです。
失われた10年を取り戻すことはできませんが、来たる10年を、ガラクタフリーの楽しい10年にすることはできます。
それは、きょうの行動にかかっています。
過去を捨てるのではなく、未来を作ることを意識してはどうでしょうか?
そう考えたら、古い文房具は、さくさく捨てられるのではないでしょうか?
大切なものを大切にすることを妨害しているものは、ほかにもあるでしょう。
忙しすぎること、買い物しすぎる生活パターン、見栄を張ること、なども妨害要因になります。
5.その他の注意事項
◯タスクは予定に入れる
大事なもの大事にするためのアクションプランや、片付けプランをたてたら、必ず、自分のスケジュールに入れてください。
歯医者の予約をとるように、いつやるのか決めて、カレンダーやスケジュール帳に書いておきます。
「時間ができたらやろう」と思っているだけでは、いつまでもできません。
「週末にまとめてやろう」と思うのも危険です。週末まで待たず、きょうから、15分でいいので、捨て始めてください。
◯全体的にやることを減らす
片付けたいと思っているのに、片付けられないのは、そもそも忙しすぎるせいかもしれません。
平日は仕事がありますから、片付けは早朝か夕方以降、そして週末になります。
しばらくは、不用品の撤去に時間をさくために、それ以外のことは、手を出さない方がいいでしょう。
◯買い物をしない
Rさんのように、一度手に入れたものを捨てられない人は、新しい物を家に入れる時は、慎重になってください。
本当に必要な物だけを家に入れ、それ以上、物の絶対量を増やさないようにします。
Rさんは、いまは量がありすぎて、気持ちが負けていると思います。
過去40年かかってためこんだのですから、そんなに簡単にはなくならないかもしれません。
ですが、毎日、コンスタントに断捨離を続けたら、確実に物は減っていきます。日々の継続の力は大きいです。
最初は、大変に思うかもしれませんが、やってみると、そうでもないです。
きのうも書きましたが、頭の中にあることをまめに紙に書き出していると、いろいろなアイデアを思いつきます。自分なりに、片付ける方法を考えながら、楽しくすすめてください。
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物を捨てながら、「高かったからできればこれはお金にしたい」とか、「できれば、これを大事にしてくれる人や身内に使ってもらいたい」と考えて、処分するハードルをあげる人がいます。
確かに、みすみすゴミにするよりは、お金に換えたほうがいいでしょう。そのほうが心も痛みません。
ですが、こういう思考は、「捨てるのはもったいない」という考えの延長線にあるものです。
つまり、自分が大事だと思っていない物たちに執着しているのです。
「もったいない」「惜しい」と思ったら、そのたびに、「自分の人生で大事なものリスト」を見直すといいでしょう。