スカーフ

ミニマルな日常

好きだったのに、もう使わない。そんなものをどう手放すか?

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今回は、「お気に入りだったけれど、今はもう使っていないものを手放せない」という読者の悩み相談にアドバイスします。

まず、お便りをシェアしますね。マリさんからです。



大好きだったもの

筆子さん、こんにちは。

50代後半の主婦です。いつも、心に残る記事をありがとうございます。

最近、身の回りのものを見直しているのですが、昔すごく気に入っていたスカーフや靴がどうしても手放せずにいます。

デザインが若すぎて合わなくなってしまったものや、今はもう使っていないものばかりなのですが、これは特に気に入っていたから、と思うと捨てられません。

どれもけっこう高いものでしたし、質もよいです。またこういうのに出会えるとは限らないと思うと、余計に捨てがたいです。

実際にはもう使っていないのに、思い出や特別だったことにこだわっているのかもしれません。

筆子さんは、お気に入りだったものを手放すとき、どう気持ちを整理していますか?

マリさん、こんにちは。お便りありがとうございます。

そうですね、私はすごくお気に入りだったものや、手放すと眼の前が真っ黒になると感じるようなものはありませんでした。

ただ、若い頃に買って、好きだった服を、サイズが変わって今の自分には入らなくなっても、しばらく持っていたことはありました。

もしかしたら、年を重ねると、「お気に入り」という気持ちは強くなってくるかもしれませんね。

「これさえあれば安心」という定番アイテムが増えるのかもしれません。

ですが、私の経験では、「これさえあれば安心」とか、「これがないと生きられない」というものは、衣類や雑貨に関してはないと思います。

以下、見切りをつける考え方をいくつかアドバイスします。

無理に捨てなくてもいいと思う

1つ目のアドバイスは「無理に捨てなくてもいい」です。

大好きだと思えるものを持っていること自体はいいことです。長く使ったし、愛着もある。そういうアイテムを見ると、気分がよくなり安心もできるなら、それはマリさんにとってかけがえのないものでしょう。

「特別なイベントにはいつもこのスカーフをしていった」

「この靴はどんな服にも合って、ずっと履いていた」

お気に入りだったものは、当時の自分を支えてくれた相棒のような存在です。手放し難いのはむしろ自然なことです。

自然なことなので、スペースと心の余裕があるなら、たとえ全然使っていなくても、純粋に記念品として多少は残してもいいと思います。

私は捨てますが、これは私がミニマルライフが好きだからです。そうでないなら、無理に捨てることもないでしょう。

それでも、今、持ち物を見直しておられるそうなので、「できれば処分したい」と思うなら次のように考えてください。

今の自分はもう使っていない

お気に入りのものがあるのは幸せなことですが、ここで、ひとつ重要なことに目を向けてみましょう。

そのお気に入りのアイテムを、今の自分が使っているかどうか?

多少は使っているなら持ち続けることをおすすめします。

でも、もう何年も使っていないなら、それは、今の自分の生活から離れているので、手放したほうがいいでしょう。

たとえば私の場合、カナダに引っ越したあと、日本で愛用していたお気に入りのアウターは、持参した1着をのぞいて、まったく出番がなくなりました。

すべてお気に入りのデザインに色でしたが、こちらの冬には薄すぎて寒い。しかも、私はカナダに来た直後は学生だったので、会社員が着るような服は不要でした。

カナダの人は全体にカジュアルな服装をするので、日本では街頭に溶け込む服でも、カナダだとちょっと目立ってしまいます。

私は黒い服が好きで、よく着ていましたが、学校の先生に、「筆子はなんでいつもフォーマルウエアを着ているのか?」と言われたことがあります。

結局、多くのアウターが一度も着ることなく、実家の洋服ダンスの中で何年間か眠っていました。

どれも80年代に、デザイナーブランドなどで買ったものだったし、気に入っていたのでしばらく手放しませんでした。

しかし、学校を卒業したら、すぐに育児をする生活になったので、会社員時代の服はますます出番がなくなりました。

そのうち、ようやく気づきました。実家に置いてある服は、もう「過去の自分」のための服なんだと。

まあ、当たり前のことです。

人の生活環境は変わります。お気に入りだったからといって、未来永劫持ち続ける必要はありません。

人の生活は変わるから一生ものなんて幻想なんだ:ミニマリストへの道(100)

満足は、もう十分味わった

お気に入りのアイテムを手放すのが難しいのは、大事なものを失ってしまう気がするからです。

でも、少し見方を変えてみましょう。

そのお気に入り、マリさんはすでにたくさん使いましたよね?

何度も着たし、履いたし、身につけるたびに気持ちが上がった。そんな体験をしたので、もう十分元は取れていると思いませんか?

「お金の問題じゃない」と思うかもしれませんが、どんなものも、役立つタイミングがあり、そのタイミングが終わったら、手放すのが自然だと思います。

手放し難いときは、こんなふうに声をかけてはどうでしょう?

「今までありがとう。あなたのおかげで、毎日が楽しかったよ」

私は、ものに対してこんなことは言いませんが、読者の中には、このように感謝の言葉を伝えると、気持ちの区切りをつけやすいとおっしゃる方がたくさんいます。

実際、人と別れるとき、感謝の気持ちを伝えて、名残惜しさを感じながらも、別れる現実を受け入れますから、ものに対しても、同じ効果があるでしょう。

感謝の言葉を言えば、「もうこの子は役目を終えたんだな」と思えるようになるのでは?

「すでにこのアイテムはしっかり使い、喜びも十分味わったから、新しいページを開くときだ」。こう考えると、お気に入りに対する執着から自由になれると思います。

「おうちの子」になっってしまった物の面倒を一生みる覚悟ありますか?

新しいものと関係を作る

「これと同じものはもう二度と手に入らない」と思うと、捨てるのが不安になるかもしれません。けれど実際には、世の中には似たようなものが無数に存在しています。

店で売っていたものが特別なものになるのは、それを何度も使うからです。

ものを買ってすぐ、新品のときは、すでに持っているお気に入りに比べると、違和感があると思います。

ですが、使っていくうちに手になじみ、何度も使用すれば、それが新しいお気に入りになります。

「もうこんな商品には出会えない」と考えるのではなく、「新しい商品といい関係を作っていこう」と考えるのはどうでしょう?

それと、下着や靴、衣類の素材は少しずつ進化しており、今の時代に使いやすくなっています。

ざっくり言って、昔の商品のほうが重いです。

だから、昔のマリさんにとってそのアイテムは最高でしたが、今の自分にとってぴったり合うものは別のものかもしれません。

昔の製品のほうが縫製が丁寧で、ものがいい面はあります。

しかし、そのような「質のよさ」は、自分が使わない限り享受できません。

こう考えると、もう使わなくなってしまったお気に入りの品は思い切って手放して、新しいものを手に入れるほうが現実的です。

捨てにくい思い出の品を手放せるようになる考え方。

おわりに:暮らしに新しい風を入れる

もう使わなくなったお気に入りを捨てられないのは、それが思い出の品になっているからです。

思い出の品は、大事なものだと思います。マリさんの過去を彩ってくれた大切な存在でしょう。

ですが、一番大事なのは今の生活です。思い出品をたくさん持ちすぎて窮屈に暮らすより、今の自分の心地よさを優先するべきです。

今はもう使っていないけれど、好きだったものを手放すとき、寂しさがあるでしょう。けれどそのようなアイテムを処分すると、スペースが空いて、新しい風が入ってきます。

人生は別れの連続だと言いますが、それはものとの関係にも言えることです。

もう使わなくなったものは、思い出の品として少数を厳選して残し、それ以外のものは、写真に撮って、実物は処分しましょう。

ものが増えすぎるとスペースを奪うし、気持ちの負担にもなります。





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