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シリーズで、50歳から小さな暮らしにシフトするアイデアを提案しています。
今回は、心の負担を軽くするという観点から、日常の中で見直せる分野を5つ紹介しますね。
はじめに:意外と心が休まらない50代
50歳になると、大きくライフステージが変わるので、気楽になれる反面、新しいストレスを抱えてしまうことがあります。
たとえば、子供が独立すれば自分の時間が増えますが、同時に「空の巣症候群」のような孤独感を抱くことがあります。
また、キャリアの転換期を迎え、退職や転職を考えるとき、将来への不安を感じることもあるでしょう。
親の介護が必要になったり、自分自身の健康問題が出てくることも、この年代特有のストレス要因です。
人間関係の変化や、友人や家族との別れが増えることも気持ちの負担になりますよね。
重たくなりがちな心を、軽く保てるように、以下のポイントを見直してください。
1.情報にどっぷりつからない
私たちは、毎日、膨大な量の情報に囲まれています。
スマホやSNSのおかげで、1日24時間、1年365日、世界中の出来事をリアルタイムで知ることができますが、情報過多は、ストレスをもたらします。
何が大事で何がそうでないのか、判断するのに疲れますし、毎日情報を追う生活は消耗します。
さらに、情報を消化しきれないことで不安や焦燥感も抱いてしまいますよね。
情報を制限する
情報にさらされすぎないように、情報を取り込む時間や量を制限してください。
ニュースのチェックは1日に、朝晩2回にするとか、SNSの利用は1日20分、昼休みにするといった具合です。
私は、ニュースは、ポッドキャスト(散歩中のながら聞き)とYouTubeで視聴していますが、英語、フランス語、日本語合わせて全部で1時間ぐらいです。
最近はニュースをチェックするたびに戦闘場面を見ることになるので、映像で見るニュースは、もう少し時間を減らしたいと考えています。
必要に応じて、デジタルデトックスも試してください。
スマホ疲れしてませんか?~簡単デジタルデトックスで心の余裕をとりもどす
2.人間関係の整理
時間の使い方の記事でもふれましたが、50歳になったタイミングで、これまでの人間関係を見直すのもおすすめです。
付き合いが長いという理由だけで、関係を続けているものがあるかもしれません。
優先したい関係を大事にする
家族や親しい友人など、本当に大切な人々との関係に焦点を当てましょう。
冷静に考えると、どんなに親しい人たちでも、今後、限られた回数しか会うことができません。
私はこの5月に娘の家のそばに引っ越してきたので、以前より娘の顔を見る機会が増えました。それでも、月に2~3度会うぐらいです。
3度会えるとして、1年に36回、私が80歳まで生きるとすると、あと15年ですから、この調子ですすめば、あと540回、会える計算になります。
540回は多いと思うかもしれませんが、そもそも今の調子で会えるとは限りません。
娘が遠くに引っ越してしまうかもしれないし、どちらかの寿命が尽きることだって考えられます。
65歳まで生きて、つくづく感じますが、時間は想像以上に早く過ぎます。気づいたときには「もっと会っておけばよかった」と後悔するんじゃないでしょうか?
だからこそ、会える機会を大切にし、ただ会うだけでなく、会話や共に過ごす時間を楽しむことが大切だと思います。
断る勇気を持つ
あまり重要ではない付き合いをしないために、ときには断る必要があります。
断ることが苦手な人が多いですが、負担に思う付き合いを断らないと、自分の時間を乗っ取られると思ってください。
「NO」と言うことは、自分自身を大切にすることです。
ママ友の誘いを罪悪感を抱かずに断る方法を教えて←質問の回答。
3.完璧主義を手放す
完璧を目指しすぎると、心身の負担が大きくなります。
50代の人は、長年の経験や責任感から、完璧主義に陥りやすいです。
これまで積み上げてきた実績や、周囲からの信頼や期待があるので、自分に対する期待値というか、「こうするべきだ」という基準が高くなるのでは?
職場や家庭でリーダー的な役割を担うことが多く、「自分がやらなければ」という強い責任感を持つでしょう。
その結果、ミスを恐れて必要以上に準備をしたり、小さな失敗をした自分をひどく責めてしまいます。
7割で十分
完璧主義を手放す一番効果的な方法は、完璧とは違うべつの何かを目指すことです。
今は、「完璧」を目指しているから完璧主義になっています。そうではないもの、たとえば、前に進むこと、そのプロジェクトを仕上げること、ベストを尽くすことなどを目指してください。
100%の完成度ではなく、70%ぐらいを目標にすると、ストレスが減ります。
「7割で十分」と手帳や日記に書くのはどうでしょう?
完璧主義がくせになっていると、頻繁に自分に思い出させないと、簡単にもとの完璧主義に戻ります。
失敗を学びの機会だと捉えなすと、失敗を恐れすぎなくなります。
もし、あなたが私のようなブロガーなら、失敗も危機的状況も例外なくコンテンツになりますが、そうでない人も、ネガティブなできごとはすべて、自己成長の糧(かて)になると考えてください。
4.自分を受け入れる
自分を責めることが多いなら、50歳になったのを機に、自己批判するのをやめましょう。
ふだん、「こんなこともできないなんて」「もっと頑張るべきだったのに」という厳しい言葉を自分にかけていないか考えてください。
汚部屋に悩む人のメールを拝見すると、多くの人が、今の状態を恥じており、人に知られたくないと思っていて、「片付けができない自分」を責めています。
まず現状に気づく
自分で自分を容赦なく責めていることに気づいてください。
たとえば、子育てするときや後輩や部下を育てるとき、厳しく責めるのは逆効果ですよね?
過度な叱責や批判は、相手の自己肯定感やモチベーションを下げるだけでなく、信頼を築く邪魔をします。
自己批判がくせになっている人は、自分で自分のモチベーションを下げ、自分を信じられない状況を作っているのです。
自分を責めるのをやめる方法~自分を「ダメ人間」と思っても誰のためにもなりません。
自分にやさしくして理解を示す
実は、自分の力を一番引き出す方法は、自分に理解を示すことです。
失敗したと思ったときは、大事な子どもや部下に言うように、「人間なら失敗するのは当然。次はうまくいくよ」とか、「すごくがんばったじゃない」というやさしくい言葉をかけてください。
セルフコンパッション(自分にやさしくする)の実践で人生を変える(TED)
5.今を大事にする
人生の折り返し地点を迎えたこのタイミングで、過去のできごとに対する後悔と、未来への大きな不安を手放しましょう。
もし、過去の失敗や後悔を引きずっているなら、もう終わったことなので考えすぎるのをやめて、「今、この瞬間から、よりよい選択をしよう」と前を見てください。
過去や未来に囚われないコツは、今、この瞬間を大事にして、充実させることに焦点を当てることです。
逆説的ですが、今、この瞬間を大切にすると、長続きする幸福感を得られます。
それは、衝動的に、短絡的な快楽を求めることではありません。
意識的に、そのときの自分にとって本当に大切なことに時間とエネルギーを注ぎます。
たとえば、健康を維持するための運動や、心を豊かにする読書、家族や友人との楽しい会話などは、一瞬で消える快楽ではなく、日々の満足感や充実感につながります。
ささやかな幸せを探す
日常で、小さな幸せや喜びを見つけることを習慣にすると、今日1日を大事にできます。
私は、毎日散歩しながら、空や木々の様子をチェックしていますが、これまでの人生でこんなにしっかり「秋の紅葉がきれいね~」と思ったことはありません。
小さな幸せを見つけるコツは、全体的にスローにすることにあります。
ミニマリスト流、スローライフの始め方。心と身体が疲れている人におすすめです。
朝、コーヒーやお茶を飲むときは、その瞬間の中に入って、のんびり味わいながら飲みます。
食事の時間も、テレビを見ながら食べるのではなく、食べることだけに全集中して、「おいしいと思うこと」に意識を向けましょう。
夏が長くなったとは言え、日本には季節の移ろいがあります。道端に咲く花や風の匂い、朝晩の温度変化に気づくだけで、自然とのつながりが感じられ、心が穏やかになるでしょう。
■初回の記事はこちらから⇒50歳を過ぎたら小さな暮らしにシフトしよう(その1)~見直すべきポイント、持ち物編。
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50代を過ぎてから生活を縮小させたいとき、一番重要なのは、心のあり方を変えることかもしれません。
人の頼みを長年断ってこなかった人が、急に断るのも、自分を責めることがくせになっている人が、自分にやさしくするのも、最初は難しいし、抵抗を感じると思います。
ですが、少しずつ進めていけば、必ず変化が訪れます。
50代以降の人生を、心豊かに、そして自分らしく生きるために、できることから始めてみませんか?
新しい人生の章は希望に満ちています。