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読者の質問に回答します。ママ友の誘いを断るのが苦手な方から、罪悪感を抱かずに断る方法を教えてという質問をいただきました。
お便り引用不可なので、ハンドルネームをそのまま使っていいのかどうかわからないため、ここではA子さんとします。
差し障りがないように、私の言葉でお便りの内容を箇条書きします。
断るのが苦手
・この春、子供が小学校に上がるので、春休みは、今後離れてしまう友達らと遊んでいる。まだ小さいので親も一緒だ。
・これまで付き合いがあったママ友に振り回されるので疲れた。一緒にどこかに行く予定だったのに、向こうの都合で、行き先などが変わるからだ。
・私が断ればいいことはわかっているが、誘われると、相手の提案内容に魅力を感じ、つい「いいね」と言ってしまう。
・しかし、自宅にもどると、時間があるなら自分のことをやりたいと思う。
・あれこれコミュニケーションすることがめんどくさいので、「いいよ」と言ってしまう。
・筆子のブログを読み、断ることにも技術があると知った。自分なりに断るフレーズを考えたりしている。今後は、徐々にママ友に会う回数を減らせたらいいと考えている。
・予定がないのに断ることに罪悪感がある。罪悪感を抱かずに断る方法はあるか? 筆子の考え方や断り方を教えてほしい。
信念を変えることをおすすめする
A子さん、こんにちは。質問ありがとうございます。
A子さんが、「予定がないときは、自分の都合より相手の都合を優先すべきだ」と固く信じている限り、強い罪悪感を抱かずに断る方法はありません。
逆に言えば、信念を変えてしまえばいいんです。
「予定があろうとなかろうと、私は自分の都合を優先すべきだ」というように。
この考え方は間違っていません。
A子さんは、そのママ友の召使い、秘書、付き人じゃないんですから。
予定がないと言っても、家でのんびりする予定とか、たまった家事をする予定とか、1人でぼーっとする予定などがあるんじゃないですか?
特に子どもが小さいと、自分の時間をもつことが難しいですよね。
何もイベントがないときこそ、日頃、自分がやりたいと思っていることをするべきでしょう。
それと、メールを見て思ったのですが、A子さん、そのママ友のこと、特に好きというわけでもないですよね?
たまたま子供同士が友だちだから、一緒に過ごす時間が多いだけ。
子供が2人いる場合、スーパーバイズする親は1人で十分です。
子供は子供同士で遊ばせておき、自分はついていかなくてもいいのです。その代わり、べつの機会に、A子さんが自分の子供と相手の子供を一緒にみてあげるのはどうでしょうか?
日本にプレイデート(playdate)というものがあるのかしりませんが、カナダでは、相手の親と示し合わせ、子供を友だちの家につれていって、自分は帰宅し、何時間かそこで遊ばせて、夕方また子供をピックアップするというシステムがあります。
この場合、どちらの家で遊ばせるかは、だいたい平等になるようにします。
北米の親はたいてい共稼ぎで忙しいから、いつも子供にべったりくっついていることはありません。
親同士、すごく仲が良くて、自分も社交したいなら親子ぐるみで付き合えばいいですけどね。
というわけで、信念を変えるために、以下のことをお試しください。
自分のニーズを把握する
断れない人は、自己のニーズ(本当にやりたいことや、求めている時間の使い方など)に気づいてないことがあります。
ニーズを発見するために、気持ちを書き出して、自分と向き合ってください。
ブレインダンプ⇒頭の中のガラクタを断捨離するブレインダンプのやり方
モーニングページ⇒ネガティブ思考改善にモーニングページがいい~今月の30日間チャレンジ
日記でも手紙でも、何を書いてもらってもかまいません。
書くのが苦手なら、ご主人に話をしてもいいでしょう。
今、A子さんは、「ママ友が私を振り回す」という現実に対して不満を感じていいます。では、いったいどうなったら、満足できるのか?
それが、A子さんのニーズです。
次に、そのニーズを満たすために、今、自分ができることがあるかどうか考えてください。
たとえば、もっと自己主張するとか。
こういう作業をすると、「いいよ」と答えることが、自分の求めている状況を作る邪魔をしていることに気づくでしょう。つまり、自分が行きたい方に行くのを自分で邪魔しているのです。
断ることは正当なことだと納得する
最初にも書きましたが、相手の誘いを断ることは、悪いことではありません。
ときには断ることも必要であり、それは正当な行為なのだと、心の底から納得してください。
だって、そうですよね?
出かける予定がなくても、自分の時間を大切にしたいと思うことは、ごくあたりまえのことじゃないですか?
それでなくても、主婦は家族から、いろいろな雑務を頼まれる存在です。
いちいち全部OKしていたら、自分のやりたいことは全くやれないし、体が雑巾のようにくたびれ果てるだけです。
この記事を読んでください⇒人との間に境界線を引くからこそ、素晴らしい人生になる(TED)
断れない理由を考える
なぜ自分は断らないのか、断れないのか、その理由を考えてひとつずつクリアしていきましょう。
すでに書いたように
・そもそも、自分のニーズがわかっていない
・断るのは人の道にはずれることだという強い信念がある
こんな理由がありますよね。
A子さんがメールに書いているように
・コミュニケーションをとるのがめんどくさいから
という理由もあります。さらに、
・断ると、子供が学校で孤立しそうだ
・断ると冷たい人に思われるかもしれない
こんな理由もあるかもしれません。ほかに断れない理由ってありますかね?
相手に弱みを握られていて、脅迫されていたら何も断れないでしょうけど。
断ると何か困ったことが起きる。その「何か」を恐れているなら、それは取越苦労なので、心配する必要はありません。
実際に、その「何か」が起きてから対処すればOKです。
相手を尊重し感謝する
相手の気持ちや意図は尊重し、誘ってくれたことには感謝して、謝意を表してください。
相手のことを思いやれるようになると、断る罪悪感も和らぐと思います。
断れない状況が積もり積もると、ものすごく相手のことを憎むようになります。
私は、いらないものをくれる(本人は押し付けられると思っています)義理のお母さん、義理の妹、友人などに対して強い憎しみを感じている読者から、メールをいただいたことが何度もあります。
それはもう強烈なうらみつらみが文面からほとばしっていました。
最初に断っておけば、ここまで憎むことはなかったでしょう。
がまんすると、どす黒いネガティブな感情となって、自分に返ってきます。
正直に話すのがベスト
具体的な断り方や断る言葉ですが、私は正直に言うのがベストだと考えています。
ママ友:今度の土曜日、一緒に、東映まんがまつりを見に行かない?
A子:ああ、最近、お出かけが続いたから、その日は、家でのんびりしたいの。また今度にしない?
こんな感じです。
ママ友が、「今度っていつ?」と食い下がったら、「私が行きたいと思うときよ(文句ある?)」こんな感じで話をすすめましょう。
これまであまり自己主張をしたことがないなら、日常生活の小さな事柄で、自己主張をする練習をしてください。
欲しくないときは「いりません」と言え。もっと自己主張する3つの方法。
コミュニケーションが苦手なら
私も決してコミュニケーションが得意ではないので、めんどくさいから「いいよ」と言ってしまう気持ちはよくわかります。
しかし、めんどくさいから、という理由でコミュニケーションを取るのを放棄していると、あとで、ツケを返すことになります。
実際、今、A子さんは、ちゃんとコミュニケーションをしなかったせいで起きたことに対して、悩んでいますよね?
口で言うのが苦手なら、手紙やテキスト、メールを送るのはどうでしょうか?
対面で話すのが一番伝わりますが。
晴れ晴れとした気持ちで断る方法はない
最後に、全く罪悪感を感じずに断る方法はありません。
人は、社会的な動物で、社会やコミュニティーの中でしか生きられないから、どんなコミュニティーにもうまく溶け込みたいという強い欲求があります。これは、根源的な欲求です。
そのコミュニティーからはじき出されると、昔は命にかかわりましたから。
今だって、会社や学校で阻害されると、相当生きづらいですよね?
そういうときは、どこか別のところで、自分のことを受け入れてくれるコミュニティーを見つけたり、作ったりして生きていくのが人間です。
したがって、コミュニティーを共有している人から、誘われたり、頼まれたりしたことを断るときは誰だって居心地悪い思いをします。
これは、仕方のないことです。
私だって断るのは好きではないです。私はどちらかというと、来るものは拒まず、去るものは追わないタイプです。
人の誘いを断るときは、誰でも、ちくっと胸が痛くなり、ちょっとしたストレスを感じます。
しかし、そのストレスをぐっとこらえて、ちゃんと断らないと、あとでもっと大きなストレスを感じるし、先に書いたように、相手のことを恨めしく思うようになります。
私ならプチなストレスを感じるほうを選びます。
A子さんにもそうすることをおすすめします。
こちらの記事もごらんください⇒大事なものにイエスというために、ノーと言いなさい(TED)
英語だと、No hard feelings. (気を悪くしないで、べつにあなたを傷つけるつもりはないのよ)とか、No offense. (悪く思わないで。悪意はないのよ)といった「恨みっこなしね」という気持ちを表す表現があるので、断ったあとに言えばいいのですが、日本語にもそんな表現、ありますかね?
断られると人格を全否定されたと思い、過剰反応する人がいますが、A子さんは、そういう反応をしないでください。
自分が、誰かに断られた時、「そっか、相手には相手の都合があるもんね」と軽く流せるようになると、自分が断る側になったときも、もっとカジュアルに断ることができるようになるでしょう。
断ることに関する過去記事はたくさんあるので、時間があるとき読んでみてください。
では、A子さん、これからもお元気でお過ごしください。
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断ることが苦手な人が多いのですが、人間はみなそうなんです。
断ることを別段、得意になる必要はありません。ただ、いつも自分の気持ちを正直に言う努力をしてください。
多くの場合、正直に言っておくほうが、その後のストレスを軽減することができます。
嘘をつくと、「ばれないように」事後処理をしなければなりませんから。