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ミニマリストになりたいなら、「お金があればより幸せだ」という考え方を捨てることから始めるといいかもしれません。その理由をミニマリズムと自由という観点から説明します。
このブログに、「ミニマリストになる方法」とか「ミニマリストになりたい」と検索してたどりつく方がいます。
ミニマリズムは、ライフスタイルであり、マインドセットなので、思考を変えればその瞬間からミニマリスト的な生き方にすることができます。
以前も書きましたが、所持品を100個にするとか、ベッドは手放して、エアリーマットレス(高反発マットレス)に寝るとか、いつも白いTシャツを着ているとか、そういうことがミニマリズムなのではありません。
これは現象であり、その裏にあるのは思考です。
ミニマリストは、自分を不自由にしているものを手放して、自由になろうとしています。特に、「お金があれば幸せになれる」という考え方は、多くの人を不自由にしているので、まずこの考え方を捨ててはどうでしょうか?
詳しく説明しますね。
そもそも自由とは何でしょうか?
自由の定義は時と場合によって変わると思いますが、「自分の好きなように行動できることが自由な状態である」と言えば、だいたいあっていると思います。
人は断然不自由な時のほうが多いです。
忙しくてゆっくり寝ることもできない、お金がなくて好きなものを買えない、老化で膝が痛くて思うようにからだを動かせない、など、日常生活は不自由なことの連続です。
大金持ちで、一見何でも自由にできるように見える人も同じです。この社会で生きていく限り、社会のルールに従わなければいけませんから。
仮に巨額の遺産がころがりこんできて、もう一生働かなくてよくなったとしても、外に出れば信号を守って運転し、スーパーに行けばレジの前で行列し(金持ちはスーパーに行かないかもしれませんが)、毎年2月か3月になれば確定申告をしてそれなりの税金を払わなければなりません。
会社に行かなくてもいいからと、昼夜逆転の生活をして、好きなものを好きなだけ食べていたら、高血圧になってしまい、医者に食事を制限される、という状況も起きるでしょう。
この世に「完全に自由」という状態はありません。自由というのは、片方に「不自由な状態」がないと成立しないからです。
だから、今、不自由なことがいっぱいある人は、むしろより多くの自由を手にできるチャンスがある人です。
そういう人は「本当はこうだったらいいのに」と思うことや、ずっとやりたいと思っていたことが多いはずです。
そういうたくさんある自分のやりたいことの中で、特に優先順位の高いことを自由にやれるようになれば、理想的な状態なのではないでしょうか?
ミニマリスト的生き方をすると、優先順位が見えてくる
自分にとって優先順位の高い自由を手にいれるのに、ミニマリズムは役に立ちます。
まず、自分のやりたいことが少しずつわかってきます。
多くの人は、「なんか、今いち楽しくない」「なんだかなあ」と思って毎日暮していても、何が原因で不満に思っているのか、本当は自分が何がしたいのか、そんなにはっきりとは、わかっていません。
ただ、なんとなく閉塞感(へいそくかん)を感じているのです。
忙しいから、あまりじっくり、自分を不幸にしているものとか、自分の夢とか希望なんか考えないのですね。
「そんなこと考えたってしかたがない」と思っているかもしれないし、ほかに、考えるべきことがいっぱいあるのかもしれないし、いつもの習慣で全然別のこと(次に何を買おうか、とか)で頭がいっぱいなのかもしれません。
ミニマリストをめざして、物を捨てていると少しずつ時間や心の余裕が生まれます。
すると、これまで物の管理や、多すぎる仕事のせいで、自分でも心の奥のほうに押し込めていた、いろいろな希望、夢、渇望などが少しずつ見えてきます。
その点についてはこちらの記事でも書きました⇒なぜミニマリストは自由なのか?物を減らすと精神的に楽になる理由
ミニマリストは自分を不自由にするものを手放そうとしている
ミニマリストは、暮しをシンプルにするために、たくさんの物を所有したり、どんどん消費するライフスタイルはやめてしまいます。
ミニマリストの精神の1つは、「レス・イズ・モア(より少ないほうが、よりよい)」。これについては以前記事に書きました。もう1つは、自由を求めること、何かから解放されることを求める姿勢です。
物を管理するわずらわしさからの自由、考えてもしかたのないことを心配することからの自由、自分の時間を奪っている作業(スマホでゲームするとか)からの自由、物を失う恐怖からの自由、など。
ミニマリストは持たない暮しをしながら、逆に多くの自由を手に入れていきます。
これまで自分の行動をしばって、やりたいことができなかった、その障害になっていたものから解放されるのを目指しているのです。
1番ポイントになる解放は、物をたくさん持つことからの解放ですが、これは「お金に執着する心」からの解放でもあります。
レス・イズ・モアについて⇒レス・イズ・モア(Less is more)の真の意味とは?何もない部屋に住むことがミニマリストの目的ではない
お金を追い求めているから不幸になる
レス・イズ・モアの考え方の反対はモア・イズ・ベター。これは「物をたくさん所有すればするほど、よい」とする考え方です。
この考え方をすると、人生の目標はお金を稼ぐことになってしまいます。なぜなら、物を手に入れるためにはお金が必要だからです。
しかし、そういうマインドセットを持ち、お金を稼いで、物をどんどん買っていくと、たいていの人はあることに気づきます。
いくらお金や物があっても、満足できないということに。
以前、年収およそ1千万円の仕事をやめて、所持品の8割を捨ててミニマリストになったジョシュアとライアンの2人の本と動画を紹介しました⇒『minimalism 〜30歳からはじめるミニマル・ライフ』の感想~50歳のおばさんにも使える方法
動画はこちら⇒物を持たないと、より豊かに生きられる。ミニマリストの体験(TED)
今お金に苦労している人は、なんでそんなに給料のいい仕事をやめてしまったの?ミニマリストになったり断捨離するのは、ぜいたくな人のやることじゃないの?
なんて思うかもしれません。
しかし、彼らは給料のいい仕事についていたからこそ、物がたくさん増え、クレジットカードの借金がふくれあがり、ストレスも増え、いつも不幸せだったのです。
2人は、「お金を稼いだほうが幸せになれる」と思って、それを目標にしていたから、かえって不幸せになってしまいました。
そして、ある時、「お金や物が幸せの鍵ではなかった」と気づき、「お金があればあるほど幸せだ」という考え方を手放したら、より充実感をもって暮らせるようになったのです。
とは言え、「それはそうかもしれないけど、やっぱりお金は必要だ」と思う人は多いでしょう。「お金で幸せは買えない」ということに同意しても、「でも、人生の問題の9割ぐらいはお金で解決できる」と信じている人が多いのではないでしょうか?
確かにお金があれば、いろいろな便宜を手にいれることができます。それはたぶん快適なことでしょう。あまりにもお金がないと人間的な暮しをするのもままなりません。
しかし、モア・イズ・ベター精神のままでいると、引き続きいろいろなものを買ってしまいます。より大きな家や別荘、すてきな車、最新のガジェット。
こういう買い物を続けながら、いつも満たされないもの気持ちでいるのではないでしょうか?なぜなら、この状態では物やお金から自由になっていないからです。
物やお金から自由になればなるほど、より幸せになれるのではないか、と最近私は思っています。
人生の目的は数を集めることではないのです。
より充実した人生を生きるとは、できるだけお金をたくさん手にすることではなく、できるだけ多くの自由を手にすることだと思います。
お金があるから自由になると思っていると、いつまでも不自由のまま。
一度、「お金があれば自由だ、お金がないから不自由だ」という考え方を手放してみてはどうでしょうか?捨てることが無理なら、疑ってみてください。たぶん、今より自由な気分になり、よりミニマリストに近づけます。