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新しい年になり、「今年はしっかり貯金しよう」「よけいな物を買うのはやめよう」と思っている人も多いでしょう。
私、筆子も2022年は、「買わない年」にすると心に決めています。
ガラクタを増やさず、貯金を増やす方法としておすすめなのは、「ただの物を安易にもらわないこと」「ただに近い安いものを喜んでばんばん買わないこと」です。
安い物、無料の物はあとでとても高くつきます。
その理由を4つお話しますね。
1.欠点を隠してしまう
値下がり品や、フリーアイテムはその商品がもつ問題点をおおいかくしてしまいます。
このトップス、定価では買う気になれないけど、新春セールで半額になっているから買おう。もしくは、1つ買うと、もう1つは無料/半額なのね、じゃあ、買おう。
こんな経験、あなたにもあると思います。
この買い方が問題なのは、値段が下がることによって、トップスの欠点がなかったことにされてしまうからです。
欠点とは、定価を払ってそれを買う行為に至らせなかった数々の問題点です。
たとえば
・色やデザインが派手すぎる
・襟の形が気に入らない
・試着したらちょっときつかった/私には大きかった
・デザインが個性的すぎて、合わせにくそう
・縫製が雑
・すでに持っているトップスとひじょうによく似ている
・服はくさるほど持っているので、高い確率で余剰品になる
1つひとつはささいな欠点。しかし、それなりにひっかかるポイントです。
これがあるから買ってもうまく活用できないかもしれない。だから、あなたは買わないつもりでした。
ところが、「半額」「ただ」「無料」「フリー」と聞くと、これらの欠点は、いきなり頭の中から削除されます。
私たちは、「半額」や「無料」という言葉にとても弱く、ほとんどひれ伏してしまうほどです。
「お得だ!」という強烈な光が、一瞬、そのトップスの問題点をすべて見えなくします。
しかし、見えていないだけで、問題点そのものは消えていません。
買って家に持ち帰り、着てみると、やはり、色が派手だったり、サイズがきつすぎたりするのです。
そのため、そのトップスはあまり活用されず、ほどなくタンスの肥やし化し、断捨離される人を待つことになります。
2.大事にできない
ただ同然で手に入れたものは、大事にできません。
簡単に無駄にします。
人は、値段が高いものは、価値が高いものだと思いこんでいます。
価値が高いものは、たいてい値段が高いからです。
そのため、高かった商品や、質のいい物、ブランドものは、なかなか捨てられませんよね。
素材がとてもよい遺品なので、処分できず、困っています←質問の回答。
逆に言うと、安く手に入れた物や、ただ同然でもらった物は、価値が低いので、簡単に捨てられます。実際に、捨てることができるかどうかは別として、気持ちの上では、あっさり、「どうでもいいもの」と打ち捨てられます。
「1つ買うともう1つ無料」だから、持ち帰ったトップスは、ただでもらったようなもの。まく活用できなくても、たいした問題ではありません。なぜなら、ふところが傷んでいない(と思っている)から。
これが、高い服だったら、どうでしょう?
たとえちょっと問題があっても、なんとか着ようとするんじゃないでしょうか?
手持ちのものといろいろ合わせてみたり、アクセサリーを工夫したり、手直ししたりして。
安いものに関しては、このような努力はいっさいなされません。
安く手に入れたがゆえに、まったく大事にされないのです。
今、ちまたに物があふれているので、それでなくても、私たちはあまり物を大事にしません。
食べ物の廃棄が多いのも、食品の供給が安定してなされる時代になって、食品の価値がすごく下がったからです。
デフォルトであまり物を大事にしていない生活に入ってきた、ただ同然の物なんて、ほとんどかえりみられません。
しかし、どんなに安く手に入ったとしても、そのトップスが店頭に並ぶまでに、たくさんのリソースが注がれています。
ファストファッションであれば、誰かの犠牲の上に生まれた可能性が高いです。
3.短期的な満足を優先してしまう
以前、インスタントグラティフィケーションを追い求めすぎる問題を書いています。
短絡的でお手軽な満足(インスタント・グラティフィケーション)のワナから抜け出すすすめ。
インスタントグラティフィケーションは、すぐに手に入る喜び、満足、快楽です。
値段の安い物を衝動買いしたり、無料の物をもらうのは、インスタントグラティフィケーションの典型です。
たまにはいいかもしれませんが、いつもやっていると、暮らしの質がどんどん落ちていきます。
短絡的な満足を追い求めれば追い求めるほど、長期的な利益や生活の充実から離れていくことは、上でリンクした記事に書いていますので、ピンと来ない人は読んでください。
20年ぐらい前に、私はインターネットの懸賞によく応募していました。
なにしろ、ただで物をもらうことが大好きでしたから。
まだソーシャルメディアもなく、スマホもなく、「インターネットで物を買うのは、なんだか不安だ」と思っている人が多数いた頃。
ネットを利用している人が、今ほど多くなかったので、懸賞に応募しても、比較的当たりやすかったと思います。
私は、当たることが快感で、たくさんいらない物を当ててしまいました。
Tシャツ、携帯ストラップ、ボールペン、お茶など。
お茶は母や親戚に飲んでもらいましたが、雑貨の大半は、後に断捨離しました。
当たりやすい懸賞に応募して、何かを当てるのも、インスタントグラティフィケーションの1つです。
短絡的な喜びを求めすぎた結果、私は、大量のガラクタを生産しました。
当選者に携帯ストラップ1つを送付するにしても、いろいろなリソースが使われています。
自分勝手な欲望のために、私は、企業や他人に、無駄にリソースをたくさん使わせてしまいました。
4.ゴミが増える
以上の3つの理由からわかるように、フリーアイテムや、値段が安いことだけが魅力の品物は、ゴミになりやすいです。
その結果、ゴミが増えます。
ゴミ、特にプラスチックのゴミを増やすべきでないのは、今は、誰でも知っていることです。
人間が生きるとき、ゴミを出さないわけにはいきません。
必要最低限の物で暮らしていても、ゴミは出ます。
そんな時、すぐにゴミになる物をたくさん手に入れて、問題を悪化させなくてもいいですよね?
レジ袋を使わず、エコバッグを使っているからといって、スーパーで、食べきれないほど食品を食べれば、結局ゴミになります。
食品は、土に還るからまだいいとしても、食品のパッケージは、プラスチックがたくさん使われています。
今、私たちは、持続可能な社会にするために、リソースを有効に使っていかなければならないのに、安い、ただ、という言葉につられて物を増やすのは、リソースを無駄にする行為です。
こうした行為は、結局、社会の負債となって、自分や、自分の子孫に戻ってきます。
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⇒安物買いの銭失いをやめたほうがいい6つの理由。貧乏人ほど要注意。
⇒断捨離の天敵、無料サンプルや値引き品の誘惑に打ち勝つ5つの方法
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「無料」「半額」という言葉にひかれて、安易に物を増やさないほうがいい話をしました。
私たちは、セール品を見ると、とっさに頭の中で損得勘定をして、「これは、お得だ、買おう!」と思います。
しかし、その損得勘定は、たいてい間違っていますから、直感に従わないほうがいいのです。
勘定が間違っている話⇒私たちがお金に関して愚かな決断をしてしまう理由(TED)
とは言え、その直感はとても強烈なので、時々、自分の買い物や、自分の考えていることを振り返る必要があります。
そうしないと、すぐ暴走します。
去年、私は、カナダのアマゾンで、いくつか物を買いました。
買って届くとすぐに、Googleのスプレッドシートに何を買ったか、入力します。
入力するときに、アマゾンの注文履歴を参照しますが、そのついでに、商品ページを見て、自分が買った値段より、安くなっていると、「え~~~っ!」と思います。
数ドルの違いでも少しばかりショックを受けます。
しかし、その後、「ああ、この損得勘定は間違っている。ちゃんと活用できる物を買って、活用しているなら、数ドルの差などどうでもいい」と思い直すのです。