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安物買いの銭失いをやめたほうがいい6つの理由。貧乏人ほど要注意。

かつて、安物買いが大好きだった私ですが、暮らしをシンプルにする過程で卒業しました。

そして今、確信しています。

貧乏な人ほど安物買いに走るべきではありません。その理由をお伝えしますね。



安物買いの銭失いとは?

安物買いの銭失いとは、安価な物を買うと損になるという意味です。なぜ損になるのかというと、一般に安いものはすぐに壊れてしまうからです。

ところが、最近は、消費財の値段がどんどん下がり、ほとんどみんな安物といえなくもありません。

アウトレットショップではブランド物の服やバッグが安く手に入るし、100均(100円ショップ)では、そこそこ質のいい、すぐれものの雑貨を購入することができます。

ユニクロやしまむらなど、ファストファッションの登場で洋服もとても安く買えるようになりました。

しかし、以下の理由から、私は安物買いは銭失いだと思うのです。

1.安物は質が悪い

一般に安物は質がよくありません。

原価が安いのですから当然です。

私、安物を買って失敗したことは数え切れないほどあります。

今でも覚えているのはセシールで買ったブーツです。

もう10年以上前のことですが、あるときセシールでものすごく安いブーツを買いました。通販で靴を買うのもどうかと思いますが、昔の私は平気でネットショップで靴を買っていました。

もともと、スニーカーとかブーツなど、サイズに許容範囲のある靴しか履いていないからです。

ところがこのブーツ、底がつるつるで、栄(という繁華街が名古屋にあります)の地下街を歩いていると、やたらとすべってつんのめりそうになりました。

あまりに怖くて、すぐに使うのをやめ、リサイクルショップに持っていきました。

ちゃんと靴屋で試し履きをして、しかるべきお金を出して買えばよかった、と後悔したものです。

安物を買って、自分の期待にそぐわず、やむなく、クローゼットや下駄箱の奥に押し込むということ、貧乏性の人なら経験があるのではないでしょうか?

安物を買ってしまうと文字通り銭を失い、損をするのです。

ちなみに、安物買いの銭失いは、英語で Penny wise and pound foolish と言います。ペニー(少額のお金)を賢くケチろうとして、pound (高額や大きな物)で馬鹿げた損をする、という意味です。

2.よけいな物を買ってしまう

安いから、という理由で、さしてほしくない物、今必要でない物まで買ってしまいます。つまり余計なものを手に入れてしまうのです。

ファストファッションなんて、その典型ではないでしょうか?

ファストファッションについて⇒『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』11月日本で公開。服を買い過ぎる人は必見です

すでに服はたくさん所有しているのに、どんどん買ってしまう大きな理由は、プチプラだからです。

価格が安いから、ちょっとぐらい失敗したっていい、という気持ちで、気軽に服をたくさん買ってしまう人が多いと思います。

物を買う理由が、「必要だから」「気に入ったから」ではなく、「安いから」になっています。

すると当然のことながら、家の中に不用な物が増えます。

不用な物が増えると、収納スペースがいっぱいになり、掃除や片付けが大変になります。

たんすやクローゼットからあふれた服がさまざまなストレスを生み出すことは、このブログにしばしば書いているとおりです。

ガラクタがストレスになる理由⇒気をつけて。ガラクタが感情に与える悪影響を見過ごしてはいけない

3.買ったあとに品物を大事にしない

安物を買うのが好きな人は、「お得な買い物をしている」という点に大いに魅せられています。

定価で買わず、少しでも安く買える、そのことに快感を感じているのです。

たぶん、「自分は特別だ」という気になるからだと思います。「定価で買う人間は、賢くない、こんなに安く買うことができる自分は、買い物上手な特別な存在なんだ」というように。

セールで買っている瞬間は大きな幸福感を感じていますが、その幸せは長続きしません。

定価でするショッピングでも、買う時が一番楽しいもの。お得な買い物をしたときは、尚さら買う前と買ったあとの落差が激しいのではないでしょうか?

いったん安く買ってしまったら、極端な話、その品物にもう用はないのです。

バーゲンで買った「値段の下がっていた商品」は、安物買いを愛好する人にとって、一時の快楽を得るための小道具に過ぎない、と言ったら言い過ぎでしょうか?

かくして安物を買うのが好きな人の部屋には、必要でもないし、好きでもないものがどんどんたまっていくのです。





4.実は別にお得じゃない

多くの人は、安物、特に値引きされた商品はお得だと思っています。しかし、必ずしもそうではありません。

家具売り場では、売りたい商品の値段はそこそこ安い値段にして、ほかの商品に異様に高い値段をつける、ということがあります。

また、セール価格の商品の値札の、元の値段がとんでもなく高い、ということもよくあります。

売り手側は、1つでも消費者に物を買ってもらうために、さまざまな工夫をほどこしています。

こちらに、販売者が使う、マーケティングのトリックを紹介しています⇒無駄遣いの原因は心理的な思い込み。認知バイアスを知って上手な買い物を。

アウトレットショップで購入できるブランド品はしばしば、アウトレット用に作られているという現実も無視できません。

アウトレットセールが始まったころは、、生産過程で出た、少々難あり商品が販売されていました。

ところが、今や、アウトレット専用商品が作られているのは、一般の人もよく知っていることです。

もしアウトレットモールに、色やサイズがしっかり揃っている商品があったら、たぶんそれは専用商品でしょう。

そんなに都合よく、色柄、サイズが揃ってB級品が出るとは考えにくいですから。

アウトレット専用品は、ほんとうの難あり品より、素材の質を落として原価を安くしていると思われます。

それなのに、多くの消費者は、ブランドネームにつられて、ガソリン代と時間を使って、アウトレットモールに行き、真正安物を喜んで買っているのです。

5.安物買いをしても生活はラクになっていない

100円ショップ

日本の100均、かつて私も好きでした。

さまざまな消費財が100均などで安く買えるようになったのに、それによって、「暮らしがラクになった、経済がよくなった」とか「うれしい、幸せだ」と思っている人はそんなに多くありません。

ほとんどの人が、「お金がない」「給料が少ない」という不満をかかえているのではないでしょうか?

特に貧乏性の人は、いくら安物を買っても満たされません。

その理由の1つは、「足りないマインド」を持っているから⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?

もう1つの理由は、実際に経済はよくなっていないからです。

物の値段が下がったことが本当に経済に貢献しているのなら、みんなもっと暮らしやすさを感じているはずです。

ところが現実は経済成長が止まって先行きは不安な状況です。

6.安物の氾濫による社会的ダメージを助長してしまう

安物があふれることで、社会的な問題も出ています。

少しでも食品を安く売りたい食品会社は食べ物の質を落とし、食品とは呼べない材料(たとえばトランス脂肪酸)を大量に使ったジャンクフードを日夜作っています。

企業が砂糖や食品添加物をたくさん入れた加工食品を作るのは、少しでも値段をさげて、消費者の家計を助けたいと思っているからではありません。

利益をあげたいからです。

ジャンクフードなんて本当は食べなくてもいい食品ばかりです。むしろ食べると健康に害があります。

ファストファッションは、発展途上国の労働者と環境に大きな負荷をかけています。

さらに、安物の台頭のせいで、質のいいカスタマーサービスが消滅しました。

ふつうの小売店は、安物の店にお客を取られてしまい、風前の灯です、昔ならいたはずの、商品に関して深い知識を持ち、誇りをもって販売していた店員さんがいなくなってしまったのです。

消滅したのは質のいい店員さんだけではありません。高品質の洋服や家具を作る職人さんの多くも食い詰めて廃業してしまったでしょう。

別に生活に困るはずもないふつうの人が、クレジットカードでたくさん借金を作ってしまうのも、過剰なまでにショッピングを促す風潮のせいではないでしょうか?

安物を作るメーカーや販売する側も、それを必死になって買い求めている消費者も、自分で自分の首を絞めているのです。

=========

一見お得な安物買い。しかし、よくよく考えるとこのように、あまり喜べない状況を作り出しています。

では、どうしたら安物買いをやめることができるのか?

個人個人が自分の買い物習慣を改めるしかないと思います。

よけいな買い物をしない方法はこちらにまとめています⇒買わない習慣を身につける方法を書いた記事のまとめ

私は、安物を買うことがすべてよくない、と言いたいわけではありません。

定価で買うより半額で買うほうがうれしいのは私も同じです。

アウトレットショプで、自分の探していた物にドンピシャリな物が見つかれば買ってください。

本当に欲しいと思っていた商品なら、しっかり有効活用できるでしょう。

ただ、「安いから」という理由だけで、後先考えず買ってしまうのは危険だと思うのです。

その商品が好きなのか、「値引きされた商品」が好きなのか、自分でよく考えてみる必要があるでしょう。





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