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一昔前、筆子は、「『収納』するより『捨て』なさい」という本を読み、物減らしに励んでいましたが、途中で脱線することがしばしばありました。
いらない物をついうっかり買ってしまうのもそうですが、1番まずかったのは、収納にこった時期があったこと。
特に娘の服の片付けにいろいろ頭を悩まし、時間とエネルギーを注いでいました。
娘の服の数を増やしてしまった
何しろ、その前に物を増やしていたので、娘の服がそれはもうたくさんあったのです。
こんなふうにして物を増やしていました⇒筆子の物を増やした3つの危険な習慣とは?~ミニマリストへの道(10)
筆子がオークションや古着屋で、「かわいいな」と思って買った服がたまっていました。子供服は回転が速いので、着られなくなった服はどんどんリサイクルしたり、友人に譲っていたのですが、それでもまだ必要以上にありましたね。
世の母親がみんなそうだとはいいませんが、女の子というのは、しばしば母親の着せ替え人形となります。少なくとも家はそうでした。
今の筆子からは考えられないのですが、幼稚園に毎日違う服を着せて送り出していました。何かイベントがあるたびに、「〇〇用に特別な服がいるわね」と自分で服を買う理由をひねり出し、調達していたのです。
収納にこりすぎていたおろかな私
たくさんある服はこんなふうにマニアックに片付けていました。
娘の部屋においていた(実は今もまだある)、小ぶりの白いタンスの4段目と5段目です。中身は、小学校1年の頃の衣料品。
服はこれだけではありません。ハンガーにつるしたほうがいいワンピースなどは、大きなクローゼットに入っていましたから。
絶対に、服、持ちすぎです。
4段目に入っているトップスやレギンスは、ダンボールたたみという特殊なたたみ方をしています。これはインターネットで見つけたたたみ方で、四角く切ったダンボール紙を広げた服の上にあててたたんでいき、最後に、ダンボールを抜く方法。
たためたら、引き出しに立てて並べます。
ダンボールをガイドにしてたたむと、すべてがほぼ同じ大きさにたためるので、見た目がきれいです。しかも、立てて並べるから、どこに何があるのか一目瞭然。
こうしておけば、娘がその日着たい服を見つけやすく、取り出しやすいだろう、と思ったのです。実際、この収納法にしたら、いわゆるふつうの積み重ねるしまい方より、引き出しの中の乱れは減りました。
しかし、この収納も完璧ではありません。というのも、娘が、任意の服を引っ張りだしたあと、しばしば気が変わり、それをたんすの中に戻して、ほかの服を引っ張りだすからです。
きちきちに入っているから、子供には、引き出しの中の規律を乱さずに、出し入れすることなど不可能だったのです。
ちょっと油断していると、たんすの中がくしゃくしゃになるので、筆子は、乱れを発見したら、またすぐダンボールたたみをして、入れ直していました。
洗濯をしたら、手前から入れて、いつまでも後ろでくすぶっている服は捨てていましたが、今思うと、こんなことをするより先に、もっと服を減らしたほうがよかったです。特に靴下やレギンスは、こんなにいらないですね。
整理整頓や収納にこればこるほど、ミニマリストの世界から遠ざかる皮肉
筆子は、日本ブログ村のミニマリストカテゴリーに登録していますが、トラックコミュニティを見ていると、類似カテゴリーとして、断捨離や収納、整理整頓などが出てきます。
ですが、断捨離と収納ってある意味全く真逆の生き方です。
断捨離は家の中に外から物が入ってこないようにしつつ、家の中の物を捨て、さまざまなことへの執着を手放すこと。断捨離のめざす結果とは、家の中に、できるだけ物がない状態だと言えます。
物のない状態が極端になると、それはミニマリズムになるでしょう。
これに対して、整理整頓や収納は、家の中の物を、自分が使いやすいように、あちこち移動させることです。
もうひとつ、似たような言葉に「お片づけ」というのもあります。片づけは、散らばっているものをきちんとした状態にすることで、整理と似ています。
しかし、どんなに美しく、きちんと整理整頓や収納、片づけをしても、家の中にある物の絶対量が変わっていなかったら、たぶん、また数週間後には、同じように、片付けをやらなければならなくなるでしょう。
つまり、捨てることをせずに、収納にかまけていると、暮しは全然すっきりしないのです。
収納テクニックを駆使して、せまいところに、できるだけ多くの物をしまいこもうとすればするほど、その生活は、断捨離やミニマリズムからかけ離れていきます。
当時の筆子には、これがわかっていませんでした。
上のダンボールたたみの写真は2005年2月のものです。その前の年の秋に「『収納』するより『捨て』なさい」を読んでいたというのに、肝心のことを押さえていなかったのです。
持たない暮しを目指すなら、収納や整理をすることはいったん脇に置いておくべきです。まずは、とことん物を減らさなければなりません。収納や整理整頓が得意な人とは、物をたくさん持っている人であり、ミニマリストとは対極の位置にいる人なのです。
結局、どんな収納をしたところで、暮しにくいから、さらに「よりよい」収納方法を探すはめになるのだと思います。
毎月のように、女性誌で、「キッチンの収納アイデア」とか「クローゼットの徹底収納術」という特集が組まれ、100均やニトリで収納ボックスや、アイデア収納グッズが、次々と発売されるのも、収納における決定的な解決策がないからです。
「収納では問題は解決しない。捨てるしかない」。
10年前の筆子に言ってあげたい言葉です。
☆この続きはこちら⇒子供の写真の断捨離と整理の方法~ミニマリストへの道(17)
ミニマリストへの道を最初から読む方はこちらから⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?【1】~物がたくさんあっても幸せではなかった
☆エピローグ
近藤麻理恵は、「収納が得意な人ほど、モノをためる人になる」と書いていますが、その通りですね。収納のテクニックを駆使してしまうと、モノをたくさん家にとどめてしまうことになります。
そんなことは、「『収納』するより『捨て』なさい」という本を読んでよくわかっていたことなのに。
モノがなければ、収納のことなどさして考える必要はありません。私がめざしているのはその境地です。