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片付けコンサルタントの近藤麻理恵さんが、欧米で人気がある理由って、何でしょうか? 筆子さん、どう思いますか? 記事にしてください。
こんなメールをいただきました。
Netflixでこんまり先生の、「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」というショーが始まってから、さまざまなメディアで、こんまり先生が話題になっていますね。
きょうは、私が思うこんまり先生の人気の秘密を書きます。
まず、メールを紹介します。みつまめたろうさんよりいただきました。
こんまりが欧米で受ける理由を記事に書いてください
件名: こんまりさんが欧米で受ける理由
毎日欠かさず読ませていただいています。
以前から、こんまりこと近藤麻里恵さんがアメリカ進出して本がベストセラーになっているなど、ご活躍なことは存じていたのですが、今月初めからNetflixで番組もはじまり、さらに欧米で人気が爆発しているらしいですね。
実際に北米にお住まいの筆子さんは、こんまりが欧米でも受ける理由をどう捉えていらっしゃいますか?
よろしければ記事で取り上げてもらえたら嬉しいです。
みつまめたろうさん、こんにちは。
いつも、ブログを読んでいただき、ありがとうございます。
1月の半ばにメールをいただいたのに、反応するのが遅くて大変、申し訳ありません。
こんまり先生の人気が欧米で爆発しているかどうかは別にして、Netflixのショーが、海外で話題になっており、こんまり先生が、海外における有名な日本人の1人であることは確かです。
実は、近藤麻理恵さんがアメリカで人気のある理由に関する考察は、過去記事でしております。
まず、そちらを読んでいただければと思います。
アメリカで近藤麻理恵(こんまり)の本が大人気~その本当の理由とは?
近藤麻理恵の「人生がときめく片づけの魔法」の英語版の感想~ベストセラーの秘密は東洋の神秘にある?
「TIME」の100人に選ばれた近藤麻理恵と記事を書いたジェミー・リー・カーチスの意外な共通点
これらの記事は、3年前に書いたものですが、基本的に、いまも私は同じことを考えています。
さらに、付け加えるとすれば、彼女(というか、KonMariという近藤麻理さんの会社)のビジネス戦略がすぐれているのであろう、時代にあっているのであろう、ということです。
こんまり先生が海外で受けている理由をまとめると、
1)そもそも片付けの需要がある、それもすごくある
2)こんまり先生のがんばり(KonMariのマーケティング)
3)コンマリメソッドのシンプルさ
4)こんまり先生のカリスマ性
こんなところでしょうか。1つずつ説明しますね。
1.片付けの需要がある
近藤麻理恵さんが話題になっている、最大の理由は、物をたくさん買いすぎて、家の中にため込み、ぐしゃぐしゃになっていて、困っている人がたくさんいること、だと思います。
つまり、何とかしたい、片付けなければ、と焦っている人が大勢いて、片付けの需要があるのです。
この記事を書くために、Netflixの、「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」というショーを見てみました。
ご存知ない方のためにトレイラー(予告編)を紹介します。べつに英語がわからなくても大丈夫な内容です。
1分30秒。
全部で8エピソードありますが、私はまだ1話しか見ていません。
予告編を見ただけで、各家庭のガラクタの量が半端じゃない、ということがわかります。
物がいっぱいあるから、こんまり先生を呼ぶわけですが、それにしても多いです。アメリカは家が大きいため、ガラクタが恐ろしい勢いでたまってしまうのです。
大きいのは家だけではありません。ガレージも車もスーパーもスーパーのカートも大きいです。なんでも拡大傾向にあるため、物のためこみ具合も半端ではありません。
ガラクタに悩んでいる人は、「家が狭いから、片付かない」と思うかもしれません。実は、収納スペースが広いほうが、ガラクタが増殖します。
世の中の大半の人が、私のように、持たない暮らしを志向していたら、こんまり先生の本もビジネスもほとんど需要はありません。
しかし、現実は、物が多くて悩んでいる人が多いから、近藤麻理恵さんに指導を仰ぎたいと思う人がたくさんいるわけです。
2.こんまり先生のがんばり、またはKonMariのビジネス戦略
近藤麻理恵さんは、2014年に結婚し、その年に、ご主人とアメリカに移住して、活動の拠点をアメリカに移しました。
その後、KonMariという会社を作り、こんまりメソッドを広めるために、さまざまなビジネスに積極的に取り組んでいます。
本は40ヶ国語以上に翻訳されていますし、こんまり先生は、Ceritified Konmari Consaltant (コンマリ認定コンサルタント)の育成もしています。
このコンサルタントになるためには、こんまり先生の2冊の本を読み、自分の家をばっちり片付けてから、せミナーに出なければなりません。
3日は続くセミナーの代金が1500~2000ドルだそうです。しかし、セミナーに出ただけでは、コンサルタントにはなれません。
その後、Facebookのグループに入って情報交換しつつ、最低2件の家の片付けのコンサルティングをして、レポートを提出し、最後に、試験(オンラインのようです)を受けて合格すると、コンサルタントになれます。
こんまりコンサルタントとして活動するために、年間500ドル、KonMariに支払います。
たくさんの家庭をコンサルティングすればするほど、コンサルタントのレベルがあがっていきます。
詳しくはKonMariのサイトをごらんください⇒KonMari – Founded by Marie Kondo.
このようなコンサルタントの育成を、こんまり先生はほかの国でもやっていると思います。実際、フランス人で、「私は ”Consultante KonMari Certifiée” です、とサイトに書いている人もいます。
ということは、近藤麻理恵さんは、いろいろな国でセミナーをしているわけです。
さらに、テレビに出ているし、インタビューなどの取材もたくさん受けているし、YouTubeの動画も作っているし、TwitterやFacebookといったSNSもフル活用してマーケティングしています。
こんまり先生は、2015年と2016年に女の子を出産しています。年子です。
Netflixのショーの第1話では、小さい子供が2人いて、育児が大変で、それで家の中がくしゃくしゃなのよ(洗濯は人に頼んでやってもらっているけど)、と言い訳する若いママが出てきます。
この言葉に対して、こんまりさんは、「わかります。大変ですよね~、今の時期って」と言います。
つまり、小さな子供がいるのに、バリバリと仕事をしているのです。
近藤麻理恵さんは、TIMEの100人に選ばれて社会的なステータスはあるし、お金だって、たぶん、もう一生困らないほど持っているし、今もその資産は増えているから、なにも働く必要はありません。
私がこんまり先生なら、子供を生んだあと、「ちょっと休んで育児に専念しよう」と思うところです。
ところが、こんまり先生(と彼女のマネージャーをしているご主人)はどんどんビジネスを拡大しています。
KonMariのサイトでは、去年、Hikidasi Boxes Set(引き出しボックス・セット) という、どう見たってただの箱(化粧箱ではある)の6個セットが89ドルで売り出され、即、完売しました。
引き出しボックスを紹介している動画です。
1分42秒。
近藤麻理恵さんは、日本の靴箱はしっかりしているから、物を収納するのに使えるけれど、アメリカの靴箱はやわだから、収納に使えないと気付き、この商品を企画・開発したそうです。
たぶん、こんまり先生は、自分の片付けメソッドを世界のたくさんの人に伝え、もっと、みんなに幸せになってもらいたい、という信念があるのだと思います。
3.コンマリメソッドのシンプルさ
こんまりメソッドがシンプルである、というのも、多くの人に受け入れられる要素ではないでしょうか?
こんまりメソッドのエッセンスは
・物ごとに片付ける
・片付ける順番は 衣類⇒本⇒書類⇒小物⇒思い出の品
・片付けるときは、すべてを一箇所に集める(全出し)
・ときめく物は残し、ときめかない物は捨てる。
これだけです。すぐに暗記できる量です。
ほかにも
・まず片付けると決心する
・片付けたあとの理想の暮らしを考える
・先に不用品を捨てたあと、物を整理整頓する
というルールもあります。
英語で spark joy と訳される、「ときめく」物を残す、という部分が、人をわくわくさせ、自分の人生が変わりそうな、明るい前向きな気分にさせるんじゃないでしょうか?
しかも、この片付けに、お金はかかりません。
Hikidashi Boxesを買うとお金がかかりますが、この箱はすぐに売り切れて、今はコレクターズアイテムになっているようですし、べつに必要ではありません。
コンマリメソッドは、1)簡単、2)お金がかからない、3)楽しい、の3拍子そろっているので、人気があるのでしょう。
4)こんまり先生のカリスマ性
Netflixのショーの予告編を見てもわかるように、こんまり先生を家に呼んだ人は、こんまり先生がやってくると、「きゃ~っ!」といって、大喜びしています。中には、涙を浮かべる人すらいます。
そしてしっかりハグします。
これは演出ではなく、本当に、皆さんこんまり先生に会えて、興奮しているようです。
もともと、こんまり先生はカリスマ性があるのでしょうね。
小柄で、かわいくて、にこやかで、やさしい。だけどお片付けはしかっり教えてくれる。まるで、お片付けの天使です。
「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」を見ていて思いましたが、こんまり先生は、決して、訪れた家の人を、けなしたり、「そんなんじゃだめでしょ」とジャッジしたり、叱ったりはしません。
家に入るときは、「わ~、この家、〇〇なところが素敵ですね」と言い、部屋に入れば、「わ~、かわいいお部屋ですね」とほめます。
第1話では、夫婦の結婚式のDVDを見つけて、「わ~、結婚式のですか? とっても素敵ですね」と言っています。お世辞ではないようです。
こういうところが、人を癒やすんじゃないでしょうか?
それと、東洋の神秘というか、禅の世界みたいなものも、イメージ戦略として打ち出しているようです。
市松人形みたいに前髪を切りそろえた、黒くてまっすぐのセミロングヘア。Netflixのショーでが、いつもトップスは白です(服は違う)。まるで巫女さんです。
しかも、お片付けの指導に入る前に、その家のどこかに座って(ひざまづいていたかもしれません)、その家に「あいさつ」をします。
「家さん、私たちを守ってくれてありがとう」と心の中で言うのです。
このようなことは、日本で片付けを指導していたときから、やっていたのでしょうか?
物に「さようなら、ありがとう」と感謝とお別れの言葉を述べたり、家に向かってあいさつしたりするアニミズムは、どんな物にも魂があると考える日本ならでは、と海外のメディアでは言われています。
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今回はこんまり先生が受けている理由を書きました。
Netflixのショーは、なかなかおもしろいのでそのうち続きも見る予定です。
ただ片付ける様子を見せるのではなく、不幸だったその家の人が、片付けをして最後にはハッピーになる様子を見せていくようです。
近藤麻理恵さんも、たまに英語でしゃべりますが、家の人とのコミュニケーションで肝心のところは、通訳の方が、訳しています。
この通訳さんが、とてもうまいので、英語の勉強にもなると思います。