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TEDの動画

集中力は人生に不可欠な能力(TED)

すぐに気が散って、やるべきことに集中できない、だらだらしているうちに1日が終わる。もっと集中力をつけたい。そんな人の参考になるTEDの動画を紹介します。

タイトルは The art of focus – a crucial ability (集中する技術 – きわめて重要な能力)。プレゼンターは、Christina Bengtsson (クリスティナ・ベントソン)さんです。

クリスティナさんは、元、射撃のワールドチャンピオンです。



集中する技術:TEDの説明

How do you bring out the best in yourself? According to Christina Bengtsson –Swedish world champion in precision shooting – the answer lies in the word “focus”.

It is a phenomenon she has spent her whole career exploring and she warns us that part of the next generation may not possess this ability.

Currently, our intense society keeps vying for our attention via media and technology and this is distracting us from breaking personal records.

In this talk, Christina teaches us how to stay present and shares her captivating story of literally going from zero to hero by using the power of focus.

どうやったら自己のベストを発揮できるでしょうか? それは、集中することにある、とクリスティナ・ベングトソンは言います。ベングトソンは、精密射撃の世界チャンピオンである、スエーデン人です。

集中することは、彼女が仕事を通じて、ずっと追求してきたことです。次世代の人々は、この能力を持てないかもしれないと彼女は危惧しています。

現在、私たちは、メディアとテクノロジーが競って集中を妨げる刺激の強い社会に生きており、個人的な記録を作ることが難しくなっています。

このプレゼンで、クリスティナは、眼の前のできごとに集中する方法を教えてくれます。フォーカスする力を使って、ゼロからヒーローになった物語を語ります。

動画は15分13秒。英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

射撃の決勝戦で勝利を決めるもの

2005年の秋、射撃で、ミリタリーワールドチャンピオンシップに出場しました。

リードして迎えた決勝戦。あと1つ、射撃が残っていました。

標的は50メートル先で、10点の丸の直径は10.4ミリ。私が、9点を打つか、10点を打つかは、何にかかっていたのでしょうか?

物理の法則を知っていること? 技術? リラックス法や呼吸法でしょうか?

違います。このレベルの試合に出る人は、みな、そんなトレーニングは何年も行っています。

すべては集中できるかいなかにかかっていたのです。





決勝戦で集中できた理由

23歳のとき、自分の能力やエネルギーをもてあましていました。何をしたらいいのか、どうやって生きていったらいいのかわからず、もんもんとしていたのです。

考えた末、見つけた答えは、世界で1番になる、ということでした。何かで1番になる、と。それが何かはわからなかったのですが、とにかくワールドチャンピオンになることにしました。

私は運動がとても得意でしたが、兄に、「世界的な短距離走者になるには、年をとりすぎている」と言われました。結局、私は射撃を選びました。

私は軍隊に入って、毎日射撃の練習をしました。何千時間も射撃場で過ごしました。

射撃場で食事をし、射撃場で眠りました。

今でも、鉛の弾丸の匂いや、そこで感じた孤独を覚えています。3年間、私は世界を旅し、競技に出ましたが、負けてばかりでした。なんの賞も承認も得られませんでした。

自分の中では、勝つはずでしたが、実際は負けました。勝利することが、なぜここまで難しいのか理解できませんでした。

私が続けられたのは、忍耐力があったからです。

決勝戦で、小さな標的に向かっているとき、こんな考えが次から次へと頭に浮かび、またしても、勝つチャンスを逃しそうでした。

ですが、そのとき、秋風にゆれる葉に目が止まりました。この葉に全集中力をかたむけたら、とても静かな気持ちになりました。

そしてチャンピオンシップを獲得しました。

この行動は、私の意識的な選択であり、それまで、メンタルトレーニングを重ねてきたからできたことです。

ゆれていた葉は、気を散らす考えから私を開放し、集中させてくれました。

私はフォーカスというものに、ますます興味を持ちました。最大限のパフォーマンスをもたらすものとしてだけでなく、人生そのものに役立つものだと思ったのです。

集中できなくさせる3つのもの

集中することについて学び、なぜ人が集中できないのか、集中を邪魔する3つのものを見つけました。

自分は充分でないという思考

心の中は集中を妨げる考えでいっぱいですが、特に、自分は充分ではない、自分はまだだめである、という考えのせいでフォーカスできません。

これから手に入れるものに向く意識

すでに知っていることに意識を向けるのではなく、これから自分が手に入れるであろうものに意識が向いていると集中できません。

時間がないという焦り

人は、「時間が足りない」と焦るものですが、この気持も集中を妨げます。

では、どうしたら、集中できるのでしょうか?

その話にいく前に、集中力とは何か知らなければなりません。

集中とは?

スピードの早い現代において、集中力が、すこしばかり見過ごされているようです。素晴らしい能力なのに。

集中する仕組みは、複雑ですが、ごく簡単にお話しします。

高度な思考力をもつ人間は、先のことや過ぎたことを考える能力があります。「もし、~が起きたらどうなるの?」と仮定することもできます。

もし、私が9点の的をあてたら、どうなるのか?

もし、スピーチの最中に、話すことを忘れたら?

もし、時間までにレポートが終わらなかったら?

もし、SNSでフォロワーを失ってしまったら?

もし、期待したとおりに、物ごとが進まなかったら?

さらに、自分が希望したとおりに、ことが運ばなかったとき、その理由を考えてしまうこともあります。

必要なときに、こうした思考や心配から自由になることができるでしょうか? 

自分がいて、行動すべき場所は、いま、ここ、です。

射撃の競技中、緊張の頂点にいたとき、私は葉に全意識を向けました。集中とは、たくさんある思考の中から、適切な思考を選ぶことなのです。

集中する方法

ではどうやってフォーカスしたらいいのでしょうか?

1.邪魔する思考を見極める

まず、気を散らせている思考に気づくことから始まります。

自分の邪魔をしている思考と、邪魔していない思考を区別します。

邪魔をしない思考とは、完全にニュートラルなものです。ライト、椅子、ベルト、トースター、秋の葉のように。

脳は1度にひとつのことにしかフォーカスできないので、邪魔をしない思考をすれば、気を散らせるものや心配ごとを撃退できます。

こうするだけで、すでに自分の中にある能力に到達できます。

2.すでにあるものに目を向ける

この先、自分が手に入れるものにフォーカスしてしまうのを防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

私たちは、つねに、新しいもの、よりよいものに、意識が向きます。すでに自分の中にある力を見つけ、自分の得意なことに目を向ける代わりに。

いつも、ゴールや、これから成し遂げること、行きたいところ、なりたいものばかりを考えていると、フォーカスは、常に未来のことに向かい、いますべきことがおろそかになります。

だから、時々、ゴールをなしにするのは、思ったより馬鹿げたことではないのです。

最初はおそろしいと思うかもしれません。これからどっちにいったらいいの? と思うかもしれません。

ですが、ゴールを忘れてしまえば、いまの自分やいま自分が持っているものに意識が向きます。自分ではないものや、自分が持っていないものを追い求める代わりに。

要するに、集中とは、何か新しいことや、もっといいものになろうとすることではなく、すでにあるものに目を向け、幸福度や達成度に関して、もう充分である、と理解することなのです。

3.可能性があっても手放す

時間がないと焦る問題はこうします。

私たちは、あらゆる可能性に満ちた時代に生きています。その結果、みな、刺激に満ちた人生を生きなければならない、と思いがちです。

一度に、すべての分野で、すぐれた結果を出さなければならないとがんばって、自信が分散されます。1つのことだけにフォーカスして、その1つのことを極めることができません。

集中がたくさんの「やらねばならないこと」や「持つべき物」に分散し、時間が食われてしまうのです。

ですが、原則はとてもシンプルです。

「可能性があればあるほど、より手放すこと」(The more possibilities, the more there is to refrain from.)

いまや、優先順位を考えるときではなく、優先的にやめるときなのです。

朝、To-doリストではなく、やらないことリスト(Not-to-do-list)を書いてください。そうすれば、脳は自動的にフォーカスモードになります。

すぐに結果を求める危険性

長期的視野にたつ能力があるというのに、私たちは、自分がやったことに対して、すぐに結果が返ってきてほしいと思います。

たとえば、SNSに写真を投稿したとき。

短期的なフォーカス(short-term focus)で生きていると、他人からのひっきりなしのフィードバックなしに、セルフエスティームをつちかう能力を失っていきます。

では、どうやって、自分の人生を正しい方向に進める長期的なフォーカスを見つけたらいいのでしょうか?

長期的なフォーカスを手に入れるには、自分の意識を自分に向けます。

インナーコア(innner core 内部コア、内核)に向けるのです。

ここは、「ひっきりなしの返事」を必要としない部分です。それは自分の中だけにあり、自分自身である喜びや満足感は、ここにしかないのです。

なぜフォーカスがそんなに重要か?

集中力は、ほかの不可欠な能力に結びついているので、重要です。

聞く力、学ぶ力、共感する力、そして、自分や自分の人生を正しい方向に導く力。

社会のペースがますます早くなり、予測不能で、外部の声が大きい現代は、自分で舵を取る力がますます求められます。

私たちは、刺激の強い社会を、コントロールしていかねばなりません。社会にコントロールされるのではなく。

そのためには、頭を明晰にして、集中するべきなのです。

ところで、私はいま心配なことがあります。私たちは、集中力の舵をとる力を失いつつあります。

この先、人は2つのグループに分かれるのではないでしょうか?

刺激の強い社会と共存し、対処できるグループと、社会の奴隷になってしまうグループに。

いまの大人は、集中することに苦労することはあっても、集中した状態をわかっています。

ですが、次の世代はどうでしょうか? 私たちは、集中力という、人生をよくするツールを使える最後の世代かもしれません。

私たちは、集中力を未来に受け継ぐ責任があります。集中力は自分自身やほかの人から最良のものを引き出します。

人間社会がもつべき、価値ある力なのです。

みなさんの中にあるこの力を大事にしてください。秋風にゆれる小さな葉の値打ちがわかる、その力を。

//// 抄訳ここまで ////

単語の意味など

vying 競争する、張り合う

preeminently 特にすぐれて、著しく

セルフエスティームとは?⇒セルフエスティーム(自分を愛する気持ち)が高い人の12の特徴

クリスティナ・ベントソンの本です。タイトルは The Art of Focus: 10,9

表紙をクリックするとアマゾンに飛びます。

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一番大事なことに集中するススメ

クリスティナさんによると、集中を妨げる思考は

1.自分が充分ではないという気持ち
2.これから手に入れたいものを考えること
3.時間が足りないと思うこと

この3つです。

すべて、「自分がいま持っていないもの、足りていないもの」に意識が向いています。

足りないマインドというわけですね⇒こんな考え方が貧乏を引き寄せる。お金がたまらない恐怖のマインドとは?

「足りない」という気持ちがあると、たとえお金があっても、満足できないのですが、集中力まで妨げてしまうとは。

言われてみると、先のことや、過ぎたことを考えて、いま、自分がやっていることや、目の前にあるものに、身が入らないことはよくあります。

以前、ヨガをしているときも、仕事のことを考えて気が散ってしまう、というお便りをいただいたことがあります⇒注意力が散漫ですぐに気が散る私。1つのことに集中するにはどうしたらいい?←質問の回答

この方も、ヨガをしながら、翌日やるべき仕事を頭の中で段取りしていました。

なぜ段取りするかというと、より効率よく、仕事をしたいという欲があるからです。「やる気があってよい」とも言えますが、「いまよりもっと仕事ができる人になりたい」という気持ちのせいで、集中力がそがれているわけです。

いまでも、充分、仕事はできているのだから、これ以上、仕事ができる人にならなくてもいいのです。というか、会社でしっかり仕事に集中していたら、おのずと結果はついてきます。

眼の前のことに集中すると、クリスティナさんの言うように、幸福度があがると思います。

今、主婦がストレスをかかえてしまうとすれば、

1.仕事、育児、趣味など、あれも、これもと手を出して、すべての達成度をあげようとがんばりすぎる

2.うまくいかず、罪悪感やストレスを感じる

3.自己評価が地に落ちる

4.ストレス発散のために買い物しすぎる

5.部屋が汚くなる

6.捨てられないと悩む

7.片付け本を読み漁る

8.断捨離、収納法、作り置きおかずなど、またいろいろがんばりすぎる

こんなサイクルではないかと思います。

結局のところ、「もう私は充分だ」と思い、一番大事なことだけに集中すれば、疲れることもないのです。

******

いろいろなことに目移りし、短期的な解決法(すぐに簡単にできる方法)やライフハックを追い求めがちな人は、いっそのこと、テレビ、新聞、雑誌、ネットなど、情報を断ってみるといいかもしれません。

そうでもしないと、なかなか、自分の中を見つめることができないでしょう。





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