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日本でも、この冬は感染性胃腸炎がはやっているそうですが、私の娘(18歳、大学1年)が昨夜突然、これにかかりまして、きょう1日中ぐったりしていました(今もですが)。
娘のために、この病気にかかったときの食事について調べ、買い物に行きました。
今回は感染性胃腸炎のとき何を食べたらいいのか、また食べない方がいいのかお伝えします。
感染性胃腸炎とは?
英語でストマックフルー(Stomach flu 胃腸の風邪)と言いますが、これはウィルスや細菌に感染しておきる胃腸炎です。ウィルス(ロタウィルスやノロウイルスなど)に感染すれば、相手はウィルスなので、薬はありません。寝てるしかないです。この点は風邪やインフルエンザと同じです。
細菌に感染した場合は抗生物質で治ります。
ウィルスと細菌の違いはこちら⇒私がインフルエンザの予防接種を受けない理由
冬場におなかに来る風邪(胃腸炎)をひいたとき、たいていそれはウィルスが原因です。いつまでたっても熱が下がらないなら細菌に感染している怖れがあるので、医者に行ったほうがいいでしょう。
日本では、ふつうの風邪でもやたらとみんな医者にいきますが、あまり意味がないと思います。
カナダの医者は「ウィルスに感染してるだけだから、薬局で症状を抑える薬を買って飲み、家で寝てなさい」と言うだけです。実際自分の免疫で治すしかないのでそのとおりです。
ただし、ウィルスが原因の胃腸炎でも、乳幼児は症状がひどくなりうるので、病院につれていったほうがいいです。高齢の人も症状が悪化するリスクが高いです。
感染性胃腸炎の症状
・腹痛 胃腸炎なのでおなかが痛くなります
・吐き気、気持ちが悪くなる
・嘔吐
今回娘は4回ほど吐き、最後は黄色い胃液が出たとのこと(黄色は胆汁の色。胆汁は消化液の1つです)。
・発熱
・水っぽい下痢
・胃のあたりが痙攣(けいれん)する
・疲労感(全身ぐったり)
・筋肉痛
・背中が痛い
娘は強烈に背中が痛いそうで、涙目になっていました。「胃腸炎で背中が痛くなることってあるのかしら」と思って調べたら胃腸炎のとき背中が痛くなるのはよくあるようです。
内臓の機能が全体的に衰えて、血行が悪くなり筋肉が固くなって痛みが出ます。
また胃腸にガスがたまりすぎても、背中が痛くなるし、関連痛の可能性もあります。関連痛とは、ある部分の痛みを脳が別の部分の痛みだと誤って認識する痛みです。
以上のような症状が全部でるか、複数出ます。
ちなみに予防は、風邪やインフルエンザの予防と同じようなことをすればいいです⇒インフルエンザや風邪をできるだけ自然に予防する方法
☆胃腸炎にかかったときの食事
ウィルスや細菌のせいで、胃腸に炎症が起きているので、もちろん普通の食事はできません。
というより、そんな食欲もないでしょう。
24時間ぐらいは絶食が望ましい、ただし水分はとる
感染性胃腸炎にかかると、胃腸の中で免疫細胞が必死になって、異物(娘の場合はウィルス)の増殖をおさえ、外に出そうとしています。
だから、嘔吐や下痢をするわけです。
免疫がウィルスと戦っているあいだは、邪魔をせずそっとしておいたほうがいいです。つまり余計な物は食べないほうがいいのです。
食べたところで、免疫ががんばっている以上、外に放出されます。
ただし、嘔吐と下痢、発汗で体内の水が失われるので、水分は取ります。
人間は数日ぐらい物を食べなくても生きられますが、水分を全く摂らないと3~5日ほどで死んでしまいます。
こんな水分がベスト
胃腸炎にかかっているとき取るべき水分は、
・水、湯冷まし
ふつうの水でいいです。ただし冷たい水はおなかに負担がかかるので常温で。
・薄い澄んだスープ
英語でbrothといいますが、要するにだし汁に塩でちょっと味をつけたものです。日本ならすまし汁(具なし)、うすい味噌汁(具なし)がいいと思います。いずれも塩分は控えめに。
発症後20時間後あたりに、娘にチキンのブロスを与えてみましたが、これでも下痢をしました。野菜のブロスならよかったかもしれません。
だし汁でも下痢をする場合は、水だけに戻したほうがいいです。
何か食べたいと思うかもしれませんが、食べても下痢して苦しいだけです。
さて、最初は水とだし汁を飲んでおき、少しよくなったら以下のような飲み物を導入してもよいです。
・ハーブティー
胃腸のトラブルをやわらげてくれるのはジンジャー(生姜)とミントです。そのまま飲むのがいいと思いますが、甘みをつけるならハチミツをほんの少し入れるぐらい。
ジンジャーはいろいろ薬効あり⇒ショウガは食べるだけじゃない、ジンジャーのエッセンシャルオイルで冷え性を解消
・電解質を補給できる液体
経口補水液を飲み、電解質を補給します。
身体から体液が失われると電解質も失われます。電解質とはその名のとおり、電流が流れる性質をもつものです。通常ナトリウムなどの塩分をさすことが多いですが、カリウムなどもあります。
電解質がないと、体液の濃度をうまく保つことができないし、神経や筋肉もふつうに動かなくなります。
そこではげしい下痢をしたときは、電解質を補給するのも悪くないです。とはいえ少しぐらいの下痢や嘔吐であれば、そんなに危機的な状況にはならないと思います。
電解質の補給には、日本ならばオーエスワンのような経口補水液がよいです。スポーツドリンクは電解質の濃度が低いわりに、糖度が高いので、病気のときはふさわしくありません。
娘の場合、そこまでひどくないと思ったので、電解質の補充は考えませんでした。
かわりに天然のアルカリイオン水を買ってみました。アルカリイオン水は下痢を改善すると言われております。本当かどうかわかりませんが気休めに購入。まあ、天然なのでそんなにアルカリ度は高くありません。
人工的なアルカリイオン水は害のほうが多いという説もあるので、注意してください。
いずれの飲み物も少しずつすすって飲みます。がぶ飲みしてはいけません。
摂るべきではない水分
水分を補給するべきですが、こんな水分はかえって症状をひどくします。
・カフェインの入っているもの(コーヒーや濃いお茶、ココア)
カフェインが入っていると、ぐっすり眠れません。胃腸炎で苦しい思いをしているときコーヒーやココアを飲みたくなったりはしないと思いますが。
カフェインで下痢になる人もいますね。すでに胃腸炎で下痢になっているのですから、これ以上下痢を加速させるのはまずいです。
・アルコール
病気のときにお酒を飲む人はいないと思いますがアルコールも利尿作用があるため、水分を失ってしまうのでよくありません。
ふつうの水がベストです。
下痢と嘔吐がおさまってきたら消化のよい物を
吐き気や下痢がおさまったら、消化のよい物を食べます。しかし、食欲がなかったら無理に食べなくてもいいです。胃腸炎のときは、胃腸はできるだけ休ませたほうがいいですから。
北米ではよく、BRATダイエットがよい、と言われます。
つまり
B バナナ (Banana)
R お米 (Rice)
A りんご、アップルソース(Applesauce)
T トースト (Toast)
※アップルソースはりんごを煮くずしたものです。
いずれも消化のよいものです。特にバナナはカリウムが豊富だし、りんごには整腸作用のあるペクチンがあります。お米やトーストは炭水化物(エネルギー源)の補給です。玄米や胚芽パンは消化が悪いので、白米に白いパンです。
この4つの食品の共通点は、自然な甘みがあることと(パンは砂糖が入ってるけど)柔らかいことです。
そういえば、大昔、ある英会話の先生(アメリカ人)が、「おなかを壊したときはトーストがいいね」と言ったので、「え、そうなの?」とびっくりしました。日本人ならおかゆですよね。あるいはにゅうめんとか。
BRATは見てもわかるように、タンパク質はあまりないので、最近は「BRATはよくないよ」という専門家も多いです。スクランブルエッグなどを食べたほうがいい、という人もいます。日本なら具なしであまり塩辛くない茶碗蒸しでしょうか。
1日2日ぐらいはBRATでもいいような気がします。
ただ、パンよりお米のほうがいいでしょう。よけいな物が入っていないので。梅干しをちょっぴりのせたおかゆがいいですね。
お腹が痛いとき食べないほうがいい物
胃腸炎の最中や回復期に食べないほうがいい物は消化の悪いものです。
具体的には以下のもの。
・乳製品
乳製品は賛否両論ありますが、消化の悪い食べ物と言えます。
乳糖を消化する酵素を充分持っていない人が多いからです。人間は牛じゃないですからね。特に日本人は、牛乳でおなかがごろごろする人がたくさんいます。
一般にプロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌)入りのヨーグルトは胃腸炎の回復期に食べるとよい、と言われています。
プロバイオティクスが、腸内フローラ(腸内細菌叢 ちょうないさいきんそう。腸の中の細菌の生態系)のバランスをよくしてくれるから、というのがその理由です。
しかしヨーグルトを全否定する専門家もいます。
ヨーグルトの中の乳酸菌は人間の腸にとっては異物だから、胃酸にすぐに殺されるという主張があるし、そもそもヨーグルトは脂肪分やタンパク質が多いので、柔らかくて液体に近い形状ですが、消化はよくありません。
甘いヨーグルトを食べてしまったら、よけいな糖分をとってしまいます。
私の夫はプロバイオティクス入りのヨーグルトを好んで食べていますが(しかも甘いやつ)、明らかに私より胃腸の調子が悪そうです。
私はふつうにお通じがあるのに、夫は異様にトイレが長い。それに数年前、自分はリーキーガット症候群だと思うといって、よくインターネットで調べていました。
リーキーガット症候群とは、腸壁の粘膜にある穴や傷から、まだしっかり消化していない物質や、有害な菌が腸に侵入してしまい、腸の機能が衰えたり、細菌や毒が血液に入りこんで、体のあちこちにまわり、そこかしこで不調が出る病気です。
夫がリーキーガットかどうかはともかく、胃腸のトラブルをかかえているのは確かです。
個人的にプロバイオティクス配合のヨーグルト食べるのが、かえってよくないような気がします(こんな主張をしても、夫には全く相手にされませんが)。
尚、私はここ3年ぐらい乳製品は食べていません⇒牛乳はからだに良いのか悪いのか?私が乳製品を食べない理由
腸内環境をよくするために食べる発酵食品は、日本人なら味噌のほうがよさそうです。
・塩辛いもの
塩辛いものはいつ食べても健康によくありません。
・カフェイン
回復期でもカフェインは控えるべきです。
・砂糖や甘いおやつ
砂糖は血糖値のアップダウンを起こすため、身体が弱っているときは摂らない方がいいです。
・脂肪分の多い食べ物
脂肪は消化の始まりが遅く吸収に時間がかかります。よく言えば腹持ちがよく、悪く言えば、とても消化が悪い物質です。
・加工食品(加工度の高いもの)
食品添加物などよけいなものが入りすぎているので、内臓に負担がかかります。
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おなかが痛いときは消化がよくて(食物繊維の少ないもの)、なるべく自然な食べ物を摂取するとよいでしょう。するとやっぱりバナナでしょうか。
豆腐もよさそうですが、娘は豆腐は食べたくないというし、アップルソースもいやだというし、とりあえずブロスを与えています。
娘の看病をしていたので、私の体内にもしっかりウィルスが入り込んでいるはずです。たぶんロタウィルスだと思うので、発症するなら、明日か明後日でしょう(しかし今のところ全く元気なのでご心配には及びません)。
ロタウィルスは潜伏期間が短いのです。
娘は丈夫なほうですが、試験勉強、アルバイト、夜遊び、ジム(夜遅くに行く)のせいで、慢性睡眠不足。そのため免疫が落ちて症状がひどいのでしょう。あと、本人によるとストレスもあったそうです。
ウィルスによる感染症は、身体が「休ませてください」というサインを出しているのかもしれませんね。
みなさんも、年末年始、忙しかったり生活が乱れると思いますが、睡眠はしっかりとってください。
【追記】
読者のちょんこさんから、感染性胃腸炎の予防法を教えてもらいました。
ちょんこさんのお宅では、毎冬のように家族で胃腸炎にかかっていたが、育児サークルで看護師長から、「胃腸炎が流行する時期は料理のさい、塩の代わりに梅酢を使いなさい」とアドバイスされたそうです。
そのとおりに実践したら、パタリと胃腸炎にかからなくなったそうです。
今年は梅酢を切らしていたので、末のお子さんが2週間前に流行の胃腸炎にかかったものの、家族中で梅干しを毎食、食べるようにしたら誰にもうつらなかったとのこと。
梅酢のお湯割り(ハチミツを少々いれる)もよいそうです。ぜひお試しください。