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前回の記事では、片付けを小さく始めることが難しい理由を5つ紹介しました。
たいていそれは、誰にでもある脳のクセや心理的な反応が原因です。
今回は、こうした人の傾向を踏まえたうえで、小さな片付けを習慣にするコツを5つ紹介します。
やる気や気合に頼るのではなく、自然に行動してしまう状態を作り、ストレスのない捨て活をしましょう。
1. 時間を決めてしまう
小さな片付けを習慣にするには、まず作業する時間をあらかじめ決めてください。
「気が向いたらやる」「時間ができたらやる」と思っていても、実際にはなかなか始められません。やるべきことが他にもあるなかで、「いつかやろう」と思っているだけだと、その「いつか」は永遠にやって来ません。
たとえば、「毎朝8時に5分だけ片付ける」「寝る前に、床の上に出ているものを1つだけ捨てる」など、具体的な時間帯やタイミングを決めましょう。人は、「いつやるか」が決まっていると行動に移しやすくなります。
決めた時間を忘れないために、手帳やカレンダー、冷蔵庫に貼るメモなどに書いておくのもおすすめです。スマートフォンのリマインダー機能を使って通知を出すのも効果的です。
私は、片付けではありませんが、「ゴミ出し」とか「炊飯器をセットしておく」といった作業は、忘れないように、専用のカードを作って、前の日の晩に、キッチンのカウンターに貼っています。
ちなみに、時間帯で、私がおすすめするのは、できるだけ朝の早い時間です。朝は、疲れておらず意志力がたっぷり残っているし、早めに済ませれば、「今日は終わった!」と、達成感が得られ、1日を楽しく開始できます。
もし朝が難しい場合は、すでに習慣になっている行動の直後に作業するのもいい方法です。
たとえば、
・朝のコーヒーを飲んだあとに、新聞の山を仕分けする
・洗濯物を干したあとに、ベランダの片隅を整理する
・夕食後、キッチンのカウンターを片付ける
このように、すでに毎日やっている行動に片付けを連結すれば、わざわざ時間を作る必要がなくなります。
2. やることを決めておく
前もって、何をどう片付けるのか決めておきましょう。
片付けを「やらなきゃ」と思っていても、実際に始めるのが難しいのは、どこから手をつければいいかわからないからです。
人は、選択肢が多すぎると迷い、行動できなくなります。さらに、「片付け=大変そう」というイメージがあると、やる前から気持ちが重くなってしまいますよね。
ノートなどに、片付けたい場所や、捨てたいものを書いておき、上から順番にやっていくのがいいでしょう。
このとき、「部屋を片付ける」「本棚の整理」というように、大雑把に書くよりも、できるだけ小さなタスクまで分解して書いておくほうが取り掛かりやすいです。
たとえば、
・冷蔵庫の中段の奥にある、なんとなく残り物が突っ込んであるところを整理する
・使っていない紙袋を3枚捨てる
・財布の中から不要なレシートを出して捨てる
・部屋の片隅に積んである一番上の雑誌を捨てる
このように、やることがあらかじめわかっていれば、取り組みやすくなります。
実際に行動してみると、「思ったより簡単だった」と感じるでしょう。
やる内容を決めるときは、「時間をかけずに終わること」そして、「考えずにすぐ取りかかれること」に絞るのがコツです。
考えなければできないようなタスクは、もう一段階小さくて簡単なタスクに細分化しましょう。
タスクはどこまでも小さく、具体的にすることを心がけてください。
3. やりすぎないよう終わりを決める
前編で書いたように、片付けが続かないのは、大掛かりなことをしようとするからです。
たくさん引っ張り出したり、押入れの奥のほうまで手をつけると、作業が終わらなくなり、「やっぱり片付けって大変だわ」と思って、継続できません。
そこで、「どこまでやったら終わりにするか」をあらかじめ決めておきましょう。
たとえば、
・キッチンタイマーを5分にセットして、その時間内だけ片付ける
・冷蔵庫のドアポケットだけ、洗面所の引き出し1段分、バッグの中から5つだけ取り出して見直す、など物理的な区切りを決める
私自身は、タイマーを使って時間を区切るのが一番やりやすいと思います。
このように、「ここまで」と決めておけば、やりすぎません。
終わりを先に決めておけば、「これはすぐに終わる」と思えるので、始めるのもグッとラクになります。
たくさんやることより、「また明日もやろう」と思えることを大事にしてください。
タイマーを使って仕事や家事に一点集中~ミニマリストのタイマー活用法とは?
4. 成果が見える仕掛けをつくる
小さな片付けが続かない理由のひとつは、やった実感がないことです。
ものを1つ捨てただけでは、部屋の見た目はほとんど変わりません。そのため、「意味があるのかな?」と思ってしまい、次の行動につながりません。
そんなときに効果的なのが、成果を目に見える形にすることです。
たとえば、
・捨てたものをノートに書き留める
→「今日は5個捨てた」「これは迷わず手放せた」など、簡単にメモしておきましょう。
・ビフォー・アフターの写真を撮る
→ 引き出しや棚など小さなスペースでOK。あとで見返すと、自分のがんばりがしっかり感じられます。
・捨てるものを一時的にカゴなどにまとめてみる
→ ゴミに出す前に「これだけやった」と目で見て確認できます。
こうした目に見える成果があると、脳は「意味があった」と判断します。
私が断捨離を熱心にやっていたころは、不用品を捨てる前に、すべて写真に撮ってブログにアップしていました。
すべてをブログに記録した~シンプルな生活にするために役立ったこと(その3)
捨て活をしているときは、「まだ捨てていないもの」や「これから片付けなければならないスペース」よりも、すでに捨てたものに意識を向けるようにしましょう。
5. 最初のハードルを下げておく
自分がごく自然にものを捨ててしまうように、環境を整えておきましょう。
たとえば:
・捨てるものを入れる箱や紙袋を用意する
クローゼットや洋服ダンスの中に置いて、不要な服を見つけたタイミングですぐに捨てられるようにしておきます。
・お片付けセットをスタンバイさせておく
→ ゴミ袋やハサミ、軍手など、片付けに使う道具を、いつも作業する場所のそばにセットしておくと、片付けをするためにわざわざ準備しなくてよくなります。
・処分に迷っているものや、使っていないものは、いったん目に入りやすい場所に置いておく
→ たとえば、読み終わった雑誌を棚に戻さず、玄関に近い場所に移動させます。目につきやすくなるので、「片付けよう」という気になるでしょう。
ただし、ものを出しっぱなしにするクセがある人は、そのへんに出ていても、違和感を感じず放置してしまうので、この方法はかえって逆効果かもしれません。自分の性格に合わせてカスタマイズしてください。
このように、片付ける行動を思わずしてしまう土台を作ってください。
終わりに:仕組みを作ることを意識する
片付けを習慣にするには、やる気より仕組みが大切です。
・やる時間を決める
・やることを決める(できるだけ具体的に)
・どこまでやるか決める
・成果が見えるようにする
・片付けやすい環境に整える
この5つを、いきなり全部やらずに、自分がやりやすいポイントをひとつだけ取り入れてください。
30日間チャレンジで、ひとつずつチャレンジするのもおすすめです⇒マット・カッツに学ぶ30日間で人生を変える方法~30日間チャレンジのススメ(TED)
片付けを特別なことにせず、ふだんの暮らしの中で自然にしてしまうことに変えていきましょう。
うまくいかないときは、今の自分にとって難しいことをやろうとしていることが多いので、今よりもっと簡単なタスクにしてください。