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アメリカのお片付け支援サイト、フライレディネットを主催するフライレディ自身の体験記を紹介します。実は今でこそ、フライレディは人に家事を教えている片付けの達人ですが、昔はぐしゃぐしゃの部屋を放置していた、それはそれはだらしのない主婦だったのです。
そんなズボラ主婦が、どんなふうにして片付け習慣を身につけてきたのか独白しています。
彼女自身、時間をかけて少しずつ習慣をものにしてきました。
この体験記は、フライレディが真剣に家事を始めた1999年の年末に、1年を振り返る形で書かれています。毎月1つずつ小さな習慣を身につけています。
この体験記からわかることは
1.片付け習慣は1日やそこらで身につくものではない。
2.時間をかければどんな人にも片付けられる。
この2点です。
1ヶ月ごとに振り返っているので、4ヶ月分ずつ3回にまとめます。
今回は1月から4月までの抄訳です。
フライレディの歴史 1999年12月25日
1月:最初の目標は流しを磨くこと
去年(1998年)のクリスマス、私はSHEs(後述)という名前のコミュニティに参加したばかりでした。ずっと1977年にパムとペギーが作った、インデックスカードを使って家事をするシステムをやろうとしていたのです。
一昨年、このサイトを見つけた時は、ちょっとやってすぐにやめてしまいました。けれども、去年見つけたとき、夢中になりました。
私はやることをカードに書いていたものの、箱に入れたまま台所のカウンターに置きっぱなしで、何もやっていませんでした。
SHEsのサイトを発見したとき、自分の暮しで、小さなことを1つだけ変えようと決心。「台所の流しを磨く」というゴールをカードに書きました。私がやりたかったのはこれだけ。ところが、うれしい驚きがあったのです。
流しをきれいにしようとしたら、流しの中の汚れた皿をどかすために、ディッシュウォッシャーの中身を出すことになりました。流しをきれいにしたら、カウンターもきれいにしたくなりました。
食事の支度をするときは、料理をしながら片付けるように。これが1999年の最初の月にやったことです。
☆フライレディを知らない方はこちらをどうぞ⇒すっきり片付いた家にするための12の習慣~フライレディに学ぶ
☆この体験記は「汚家を片付ける31の小さな習慣」の25日目に読むことになっています。詳しくは⇒トイレの掃除、毎日していますか?汚家をきれいにする31の小さな習慣(7)
2月:2つめの目標は床に服を置きっぱなしにしないこと
次の目標は、汚れた服を椅子の上や、バスルームの床に積んだままにしないことにしました。
私の夫はとても几帳面だったので、彼を観察しました。夫は帰宅すると、服をハンガーにかけて、もし汚れていたら、クローゼットにある洗濯カゴに入れます。
彼は色物用と、白い物用の2つのカゴを持っていました。靴下を脱いだら、表に返してカゴに入れるので、洗濯のあと、表向きに戻す必要はありません。
私の靴下はいつも脱いだままの裏向きなので、洗ったあと表向きにしなければなりませんでした。
1ヶ月間、汚れた服をちゃんとかごにいれるようにしたら、服を椅子やチェストや床に積みっぱなしにすることがなくなり、寝室がすごくきれいになりました。
さらに、洗濯物のカゴがいっぱいなると洗濯をするように。服を置きっぱなしにするクセが直ったら、ほかにもいいことがあったんですよ。
床に服がないので、バスルームや寝室がきれいになり、洗濯もためないようになったし、靴下は表向きのまま洗いあがりました。
3月:寝る前のルーティンをやること
3月は寝る前のルーティンをやることにしました。この習慣を身につけて本当によかった。毎晩、15分、そのへんに散らばっているものを拾って、片付けていました。
しまう場所が決まってなくても、とにかく、見えないところに押し込みました。
たったこれだけのことで、家はとてもきれいになりました。カードは使わず、寝る前のルーティンを、紙にリストアップしていました。
このルーティンを始めたら、家はいつもきれいに見えるように。奥の方を見たら汚かったでしょうけれど。すっかりくせになり、寝る前のルーティンをやらずして、寝てしまうことができなくなるほどでした。
それと、家のあちこちにある、ガラクタの山に気づくようになりました。家の中がきれいになってきたので、もっときれいにしようと欲が出てきたのです。
4月:日々の掃除
4月は、毎日ちょっと家事をやることにしました。それまで家事はろくにやっていなかったのです。それでも、3月までで少しずつきれいになってきたので、朝のルーティンを決めました。
やることを順番に書いて、上から1つずつ実行。1つやるごとに、チェックマークをつけました。朝だけでなく、その日やらねばならないこともリストアップしました。
このリスト作りを毎朝しました。
夜15分、朝30分片付けをしただけで、家は相当きれいになりましたね。朝ちゃんと着替えて靴もはきました。
部屋はきれいだったので、週ごとに家事をやる必要は感じませんでした。ただ、ギリギリになるまで、掃除機をかけないのがまずいなと思っていました。
まだ、家の中で気になるところがあったけど、まとめて掃除していました。
—— 抄訳ここまで ——–
☆原文はこちらです⇒FlyLady’s Personal Testimonial – December 25, 1999 | FlyLady.net
☆この続きはこちら⇒忙しいからこそ家事のルーティンが必要。汚部屋掃除の手順はこうして身に付ける
汚屋敷の住人だったフライレディ
1996年に、フライレディは、ある判事と結婚しました。お互い再婚のようで、それぞれのガラクタを持ち寄り、おまけにオークションで、さらに家財道具を買ってしまったそうです。
物が多すぎて、家の中は足の踏み場もなかったとか。ご主人は、仕事関係の人とフロントポーチ(玄関の前の広いところ)で面会するはめになり、フライレディは屈辱を感じていました。
ご主人はすごくやさしい方で、文句を1つも言わなかったので、尚のこと、つらかったようです。「彼にふさわしい、いい奥さんになりたい、ちゃんと家事をしたい」こんなふうにフライレディは願っていました
しかし、どうしても家の中をきれいにすることができなかったのです。きっと物が多すぎたのでしょうね。
彼女自身、1998年ごろ、政治関係のとある委員会のメンバーという、わりと社会的地位のある仕事につきました。メンバーに選ばれたことを誇りに思いつつも、汚屋敷に住んでいるという秘密をほかのメンバーに知られはしないかとびくびくしていました。
どうにかして家の中をまともにしたいと思ったフライレディは、1999年から、本人も書いているSHEsのオンラインのコミュニティに参加しました。
SHEsは1977年、パム・ヤングと妹のペギー・ジョーンズが書いた “Sidetracked Home Executives: From Pigpen to Paradise” (脇道にそれている家庭の取締役、豚小屋から楽園へ)という本をベースにした家事のシステムです。
家庭の取締役とは、もちろん主婦のこと。
このシステムでは、インデックスカードを使って家事を仕切ります。
インデックスカードは小さな厚紙です。そのサイズから3-by-5 card(スリーバイファイブカード)とも呼ばれます。大きさは縦3インチ(7センチ6ミリ)横5インチ(12センチ7ミリ)。
このカード、北米ではいろいろなことによく使われます。学生はこれを使って暗記カードを作りますし、プレゼンの要点を書いて、見ながら発表したりします。
日本では、情報カードと呼ばれますね。昔、図書館の目録のカードに使われていました。
SHEはベストセラーになり、2001年に改訂版が出ました。現在もこの方法で、家事を管理している人が少なからずいるようです。
SHEのシステムでは、朝のルーティンや夜のルーティン、その他やるべきことをすべてインデックスカードに書き出します。
パムとペギー自身が、ダメ主婦だったそうで、本は「私たちにもできたのだから、あなたたちも大丈夫よ」というのりでユーモアを交えて書かれているそうです。
フライレディはSHEの著者をメンターとして尊敬しており、かなり影響を受けています。
パムとフライレディが対談している動画がありますが、「自分が片付けられるようになったのは2人のおかげ」とフライレディが涙を流すシーンがあります。本当に家がくしゃくしゃで困っていたようです。
日本では家事の本というと、婦人之友社の友の会の町田貞子さんとか、村川協子さんのような、どちらかというともともと片付ける才能のある人たちが書いています。こんまり先生もそうですね。
一方、SHEの著者もフライレディも最初は片付けられない人たちだったのです。
もともと片付けられない性格だったとしても、ちゃんとしたシステムを作り上げれば、家の中はきれいになります。
小さな習慣の積み重ねさえすれば。