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物がたくさんあって、なかなか片付かずイライラするとき、多くの人は、なんとかきれいに収納しようとします。
しかし、この考え方が、さらなるストレスを生みます。
なぜ、収納しようとすると余計にストレスがたまるのか?
その理由を5つ紹介しますね。
1.スペースを取られる
あたりまえですが、物を収納すればスペースを取られます。
狭い部屋に収納家具を入れてしまうと、床が見えなくなります。
壁にそって置いてあるオープンラックの中に、びっしり物を入れれば壁が見えなくなります。
床や壁が見えないと、息苦しくなりますよね?
物理的に身動きが取れないし(まあ、取れるでしょうが、動きにくいです)、窮屈に感じます。
実は、私も昔は、ものすごく窮屈な部屋に住んでいました。
その理由は、カラーボックスの並べすぎ。
洋服ダンスや書棚だけでは足らず、カラーボックスを並べて、そこに本やら雑貨をしまっていましたが、今思えば、とても暑苦しい部屋でした。
2.整理整頓に疲れる
物をたくさん収納するということは、今後ずっとそれらを整理整頓する運命を引き受けることを意味します。
最低でも以下の2つを考えなければなりません。
・どこに置くか?
・どんなふうにしまうか?
物が少なかったら、置き場所も置き方も簡単に決まるでしょう。
押入れをあけて、中板の上にぽんと置くだけです。
ところが、物が多くて、手持ちの収納場所の8割以上を物が埋めていたら、置き場所を探すのに一苦労です。
すでに入っている物を引っ張り出して、箱に入れ直し、かさを減らし、その箱も、かさばらないように並べて、ようやくすきまを見つけて、しまいたい物を押し込む。
すごく面倒ですよね?
でも、物をたくさん持っている人は、あたりまえのように毎日、こういう作業をしています。
取り出したり、はしに寄せたり、並べ方を変えたり、別のケースに入れ替えたり。
意識も体力も時間も使う作業です。
私も、20代~30代にかけて、こういう作業をやっていました。
まず、会社帰りに本屋に寄り、収納特集のあるムックを立ち読みして、試せそうな収納法を頭にインプットします。
当時はインターネットもスマホもなかったので、頭で覚えるしかなかったのです。
そして、帰宅後、カラーボックスの中にあるものを、本にのっていた収納法に従って、並べ替えていました。
並び替えて、収納し直したときは、それなりにきれいになります。
自己満足にひたり、その日は寝ます。でも、何日かたつうちにまたごちゃごちゃと視覚的ノイズが増えてくるんです。
視覚的ノイズ(見た目のごちゃつき)を極力なくすコツ(その1)~飾り物を減らす。
そこで、また本屋に行って雑誌を立ち読みしたり、たまには買ったり、図書館でムック本を読んだりして、情報をインプットし、片付け直しました。
でも、そうやってしまい込んでいた物は、全部いらない物だったんです。
数年後に、収納をあきらめて、みな捨てたし、捨てたあと、何も困りませんでした。
人はものを失うのが嫌いだから、いったん所有したものはそう簡単に手放しません。なんとか、手持ちの収納スペースに美しく、機能的にしまい込もうとします。
しかし、そういう作業に、貴重なリソースを費やしてしまいます。
私がそういうことをしていた時代は、インターネットがなかったから、のんびり情報収集していました。
でも今は、InstagramやYouTubeで簡単に情報を探せます。Netflixにはお片付け番組もあるし、ブログなどを探して見てもいい。
情報ソースが山のようにあるので、情報を取り込みすぎて頭が疲れるという問題もまで起きます。
3.目当ての物を取り出せない
必死になって収納しても、かなしいことに探しものから開放されません。
いったい何が家の中にあるのかわからない、とか、確かに持ってるはずだけど、どこにあるのかわからないことがありませんか?
中途半端に収納しているからです。
多くの人は、物が増殖するから、なんとか置き場所を探し、しまい方を工夫して、収納します。
片付けに関するシステムや方針がないまま、なしくずし的に収納するわけです。問題解決のためのマニュアルが何もない状態で、直感でする現場処理とも言えます。
つまり片付けにおいて、一貫性がなく、いつも一時的に解決しようとするだけ。
きょう買ってきたバッグや、引き出物でもらった食器セットを、床やテーブルの上ではなく、どこか、目の見えないところに押し込むことができればいい。
そんな収納を繰り返していると、どこに何をしまったかわからなくなります。
私の夫の収納法が、この「その場しのぎ方式」なので、夫は、何かが必要になったとき、それがどこにあるのか、思い出せません。
「確か、こころへんにしまった」とあたりをつけて、そのへんにあるものを、すべて引っ張り出し、探しても見つからないのです。
取り出したいときに見つからないなら、もっている意味がありません。
では、きっちりシステマチックに収納していたらいいのかというと、これもそうとは言えない。
なぜなら、そうするためには、ものすごいエネルギーがいるからです。
本質的に、不要なものの整理に、エネルギーを大量投下できるほど、私たちは、ひまではないですよね?
ガラクタを美しく収納する罠にはまっている人の7つの特徴~ある意味、汚部屋の主より始末が悪い。
4.過剰に消耗品を買う
3番で説明したように、なんでもばりばり収納してしまうと、目当ての物がすぐに見つかりません。
あらも。物が多すぎると、部屋にはみだしてそのへんに散乱します。
その結果、今使いたい物(メガネ、薬、コスメ、子供の宿題の紙や宿題をするのに必要なものなど)を、すぐに見つけることができず、コンビニやドラッグストアに買いに走ることになります。
つまり、同じ物を複数回購入してしまうのです。
もし、あなたが、「できるだけ節約したい」と思っているなら、このような二重買いは、心に痛いはずです。
「私が、物を持ちすぎているから、物の管理ができていないからこんな結果になった」という自覚があるなら、セルフイメージが悪くなるでしょう。
物の管理ができていない自分に向き合いたくないときは、気を紛らすために、スマホでゲームのやりすぎや、ドラマの一気見などの、逃避行動に向います。
収納で解決したいと思っている人は、収納本や収納グッズを買いすぎる傾向にあります。
今、一見、おしゃれ・かわいい・機能的な収納グッズがたくさんあり、定期的に特定の収納グッズや収納法が流行ります。
収納のポリシーが何もない状態で、何かが目につくたびに、新しい収納グッズを買う、ますます部屋が物であふれます。
5.物に拘束される
ここまでに書いたように、たくさんある物を無理やり収納で解決しようとすると以下の問題が生じます。
・スッキリした環境がなくなる
・視覚的ノイズが増える
・収納することに時間とエネルギーを取られる(所持品の管理に疲れる)
・過剰に物を所有していることや、自分の買い物の仕方に対して罪悪感を抱く、所有欲や消費行動に対して葛藤(かっとう)を感じる
・たくさん持っているのに、欲しい物をすぐに手に取れない(朝、着ていく洋服が決まらないのも、同じこと)
どれも、イライラの原因になります。すると、だんだん、自分が、物に拘束されていて、自由を制限されているような気分になります。
もっと楽しい生活をするために買ったはずの物たちに、逆に足をひっぱられているように感じるのです。
そして、これはある程度事実だと思います。
人が管理できる物の量はそんなに多くないので、買いすぎてしまった物の大半が、忘れ去られ、死蔵品となり、押入れや棚の中にしまいこまれますが、この状態についても、私たちは決して、うれしい気分ではいられません。
では、このような問題をどうやって解決したらいいか?
家をリフォームして、収納場所を増やす?
トランクルームを借りて、コレクションや思い出の品、季節外商品をしまう?
もっと収納の多い家に引っ越す?
こんなふうに、さらに収納しようとすると、きょう紹介したストレスの元が増えるだけです。
つまり、収納では解決できないのです。
物が多すぎて手に負えない問題のベストの解決策は、不用な物を捨てること。
私は、そうやって、前よりずっと風通しのいい環境で暮らせるようになりました。
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収納が引き起こすストレスについて紹介しました。
大事な物も、どうでもいい物も、とりあえず収納してしまうのは、単なるクセです。
今後は、何かをしまい込む前に、ちょっと考えてください。
本当に収納する必要があるのか? と。