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食品を無駄にしたくない人の参考になるTEDトークを紹介します。
タイトルは、Tackling Food Waste: A Recipe for Savings(食品の無駄を出さない取り組み:節約のレシピ)
フードライターで倹約家の家庭料理人(frugal home cook)の Bryan Suddith(ブライアン・スディス)さんのスピーチです。
食品の無駄を出さない:TEDの説明
Tired of throwing your food—and your money—in the trash can? Bryan shares how his family reduces the amount of uneaten food they throw away each month. A little accountability goes a long way and their culinary creativity is often put to the test. But their recipe for saving thousands of dollars a year is undeniable.
ゴミ箱に食べ物とお金を捨てることにうんざりしていますか?
ブライアンは、彼の家庭で、毎月、どんなふうに食べないまま捨てててしまう食品の量を減らしているかシェアします。
記録することが、大きな結果を生み出しています。創造的な料理の腕が試されることもよくあります。しかし、年に数千ドルの節約を可能にしている彼らのレシピは、紛れもないものなのです。
収録は2022年10月、動画の長さは11分。字幕はないので抄訳を参考にしてください。
☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
具体的でわかりやすいプレゼンですね。
買った食べもののうち3割を捨ててしまう
人は食べ物を無駄にしない、という格言があります。
ただ、質のいい食べ物をためるだけ。それが悪くなるまで。そして捨てる。
この行動は、アメリカの家庭の家計のお金をずいぶん無駄にしています。
USDA(米農務省)によれば、2020年、アメリカの家庭は、平均5000ドル(2023年5月のレートで約70万円)、食料品を買うのに使いました。
そのうち32パーセントが無駄になっています。
今年のように、インフレになり食料品の値段があがれば、アメリカの家庭は年に6000ドル、食料品を買うのに使い、やはり32パーセント無駄にします。
息子が小さかったとき、うちは、シングルインカムでつましい暮らしをしていました。
1ペニーたりとも無駄にはできません。我が家の最高財務責任者である妻にとって、これはとても重要なことです。
うちではめったに食べ物を無駄にすることはなく、したとしても、ほんの少しです。
2020年、食品を無駄にしないことにした
しかし、新型コロナウイルスが登場し、私も妻も毎日、在宅で仕事をし、食事も家でするようになって、自分たちが食べ物を無駄にしていることに気づきました。
食料品の値段もあがり、品薄にもなりました。スーパーに行く頻度も落とす必要がありました。
2年前の話です。
Zoomでの会議や仕事の合間にスーパーに行っていました。
このとき、食費も食品の無駄も減らすべきだと思ったのです。
私は、我が家のシェフですが、皿洗いも担当していて、冷蔵庫にある残り物を処分しています。
そこで私が、食べ物の消費状況をチェックしました。
1週間前のマカロニチーズをゴミ箱に開けて、それが入っていた容器を洗うとき、計算しました。
マカロニチーズ1箱、バターと生クリームの半分が無駄になったから88セント。
ターニップを買って、半分しか食べず、残りを捨てたときは、35セントプラスしました。
卵を落としたときは、12セント。同じ卵が、今年は25セントするので、卵の扱いにずっと慎重になりました。
傷んだサワークリームを捨てたときは、65セント。
こんなふうに食べ物を捨てるたびに足し算していったら、2020年、無駄にした食べ物は30ドルにちょっと足りないぐらいでした。
悪くないです。国の平均よりはずっと安い。
2021年、付せんを使ってチェック
妻は元エンジニアであり元空軍のオフィサーなので、競争心が強く、戦略的です。
2021年は冷蔵庫に付せんを貼って、無駄にした金額を誰でも見られるようにしました。
付せんを使えば、月々の無駄を頭で覚えなくてすみます。
結局、2021年は、18ドルをちょっと切る無駄を出しました。
2022年はプランナーを使用
2022年はもっと真剣にやりました。
付せんから通年で使えるプランナーに変え、そこに記録しました。
買った食品すべてと、無駄になった食品すべてを。
こうしたら、18ドルよりずっと少ない数字になりました。
食品の無駄を出さないコツ
具体的には3つのステップを取りました。
計画的な買い物と食事、そして記録です。
計画や記録にかかった時間は、2週間に1回、30分ほど。
次の2週間の献立や買う食品の計画を立てます。
食品の買い物は基本的に2週間に1回です。たまに、その合間に買うこともありますが。
冷蔵庫やパントリーの中を見て、賞味期限が切れそうなものや、早く食べないとだめになりそうなものを探して、献立に組み込みました。
あと数日でだめになりそうなミルクが半ガロン残っていたら、ミルクを使って作れるソースを使った料理や、インスタントプディングを作ることにし、その材料を買い物リストに入れました。
または、ミルクを使えるようにシリアルを買ったり。
そして、計画どおり買い物しました。
予算は2週間で200ドル
特に制限はもうけず、誰でも買いそうな日用品も買います。
2週間で200ドルの予算で、食べ物や洗剤などの日用品を買っています。
朝昼晩の食事と、好きなおやつ、コーヒー、ソーダなど、大人3人と猫1匹に必要なもの全部です。
ストックはたくさん持ちません。
ストックの持ちすぎやためこみすぎは、食品の無駄につながります。
冷蔵庫の奥のほうにあるカッテージチーズが見えなかったら、食べ忘れてしまいます。
セールだからと言って、バナナを5パウンドも買う必要はありません。
1日に1本しか食べないなら、食べ切る前にだめになります。
戦略的に食べる
袋に入ったサラダは長くもたないので、先に食べて、それからレタスに移ります。
にんじんはまず悪くなりません。
きゅうりはずっとはシャリシャリしていないので、早めに使わなければなりません。
バナナは、メロンやりんごより早く痛みます。
ベリー類は、柑橘類より持ちません。
買って2週間目にベリーを食べることはまずなくて、2週間目は、りんごや柑橘類、メロンを食べます。
こんなことを考えながら購入し、食べているんです。
残りものをうまく活用する
鍵は、残りものを違うものとしてイメージすることです。
例えば、袋の底で粉々になっているポテトチップスは、魚やチキンの衣に使えます。
料理を作りすぎないようにします。
残り物を活用する秘訣を2つ紹介しましょう。
まず、この先作る、べつの料理の材料として考えてみます。
そのために、残り物はすべて、調理した鍋や盛り付けた器に入れたままにせず、新しくフードコンテナーに移します。
すると、清潔で、新鮮に見え、使いやすくなります。
食習慣を変えて、在庫や残り物を意識的に使います。
きのうのワカモレ(アボガドのディップ)は、悪くなっていません。見た目はよくないけど。
マッシュポテトの残りは、タコスと合います。
作りすぎたのではなく、早めに作ったと考えてください。
誰でも無駄を防げる
今年、2022年は、これまでのところ、食べ物に3400ドル使い、無駄にしたのは、4ドルでした。
これは食料品の予算の1パーセントの8分の1ほどです。
もしこれが試合なら、我が家は勝っています。大勝利です。
大事なのは、みなさんも、試合ができることです。そして勝てます。
計画を立てて、買い物をし、食べる。そして記録する。
今晩、夕食のテーブルで、私のトークを思い出してください。
そして、残り物のブロッコリーサラダを、チキンスープにどんなふうに利用できるか、考えるんです。
作ったら写真にとって、皆に知らせましょう。SNSに投稿してください、#nowastedfood というハッシュタグをつけて。
食事を楽しみながら、考えてください。今年節約できる1500ドルの使い道を考えるんです。
//// 抄訳ここまで ////
フードロスに関する記事
食品ロス(捨ててしまう食べ物)を減らすためにできること(TED)
買った食べ物を食べきる7つのコツ:ちょっとした心づもりで無駄が減る。
食べ物を買いすぎないコツ:残りものを冷蔵庫で腐らせるあなたへ。
冷蔵庫の中が食べ物でいっぱいです。どうしたらいい?←質問の回答。
捨ててしまう食べ物に意識を向ける
節約に熱心な人は、食費を減らす努力をします。
食費の節約法で一般的なのは、食品をできるだけ安く買うことと自炊です。
しかし、できるだけ安く買うことにこだわる人も、意外と、食品を無駄にしないことには、注意を向けていません。
毎週のように、傷んだ残りものや、食べないまま賞味期限をすぎたものを捨てているのではないでしょうか?
アメリカの一般的家庭では、食べ物を買うのに使ったお金の3割を無駄にしているそうですが、あまりそういう計算をする人っていないですよね?
食品を捨てるとき、「ああ、もったいない」と思うことがあっても、その実態を数字では把握していないのです。
もっと食費を節約したいなら、使ったお金の何%ぐらいが無駄になったか、一度計算するといいかもしれません。
そうするためには、それぞれの食品にいくら使ったか知っておく必要があるので、ブライアンのように、ノートか何かに記録しないとできません。
すでに家計簿をつけているなら、無駄にした食品代もつけてみると、いいですね。
自分が思っている以上に、お金をゴミ箱に捨てていることに気づくでしょう。
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節約に限らず、片付けやダイエットなど、行動や習慣を変えたいときは、現状のデータを取ることが重要です。
このブログでも、お金の流れを記録しろとか、洋服ノートを作れとか、(買うのを)30日間待つノートを書けなどなど、いろいろおすすめしています。
メモや付せんでもいいので、簡単な記録をとることから始めてください。
ものすごくざっくりした記録でも、何もつけないより、自分が望む方向に進むのに役立ちますよ。