貯金箱にコインを入れている女性

お金を貯める

最終更新日: 2024.11.7

経済的自立へのシンプルな道(TED)

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なかなかお金が貯まらないと感じている人は少なくありません。

日々の生活費や急な出費に追われ、貯金が増えないことにストレスを感じている方も多いでしょう。

そこで今回は、「どうしたらもっと効率的にお金を貯められるのか?」という疑問に答えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、The Simple Path To Financial Independence(経済的自立へのシンプルな道)。

資産コーチの Ryan Sterling(ライアン・スターリング)さんの講演です。

過剰な消費を見直し、資産を築く具体的なステップが示されています。



経済的自立への道

収録は2020年の10月。動画の長さは11分半。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

シンプルな主張なのでわかりやすいプレゼンです。





私たちは他人を金持ちにしている

荷物の箱

この光景に見覚えありませんか? 多くの人にとってよくあることでしょう。

我が家では、1日に17箱届いたことがあります。

妻も私も、もっと責任をもってお金を使うべきだとわかってはいました。

消費する負のサイクルを断ちたかったのに、なかなか止められなかったのです。

私たちは「消費したい衝動と戦うのはどうしてこんなに難しいのか?」という質問の答えを求めています。

私は、その答えを見つけました。

私たちは心の奥底で、他人を金持ちにしたいと思っていると考えると、納得がいきます。お店の人の財布を少し潤すだけでなく、そうすることに誇りをもっているのでは?

ITの起業家が大金持ちになるのを助けているのかもしれません。自分もその会社の一員になった気がしているのかも。

もしくは、会社のCEOが新しいマンションを建てるのを助けたいのかもしれません。私は、そのマンションのれんがになった気分です。

皆さんは、他人を金持ちにするのが好きですか?

もちろん、ノーと言うでしょう。でも、行動はイエスと言っています。

このトークは金持ちを攻撃するためのものではありません。皆さんが、自分自身を金持ちにするにはどうしたらいいかお話します。

私たちが、経済的な自立を達成するための講演です。

過剰消費という現実

過剰消費は今日、とても問題になっています。

データから見てとれます。

恐ろしい統計その1:アメリカの70%が、1000ドル未満しか貯金がありません。

1000ドルなんて、不測の医療費が生じたり、何かがこわれて修理したりすれば簡単になくなるお金です。

恐ろしい統計その2:平均的なアメリカン人は、クレジットカードの借金が7000ドルあります。

つまり、毎年、1000ドル以上の利子を払っているんです。1000ドルそのまま無駄にしています。

恐ろしい統計その3:55歳以上のアメリカ人の半分は、貧困の中でリタイアすると予測されています。

今日、私たちはその日暮らしをしており(living paycheck to paycheck)、これを止めなければなりません。

その答えは、もっとお金を稼ぐことではないんです。

私は、仕事で毎日のように6桁の収入があるのに(six-figure earners 1ドル100円で換算すると、年収が1千万円から1億円未満)、クレジットカードでたくさん借金をしている人に会います。

簡単すぎる買い物

なぜ、消費したい衝動と戦うのはこんなに難しいのでしょう?

友人と話をしていたとき、この答えに気づきました。

その友人はスタートアップのために、資金集めに苦労していました。

「ライアン、VC(ヴェンチャー投資会社)ってひどいんだ。顧客と販売の摩擦点(friction point フリクションポイントを減らせってうるさくて」

「摩擦」という言葉にひらめきました。厳密にいうと、摩擦点がないことが問題なのです。

以前は、私たちと消費の間にごく自然に摩擦点がありました。

物理的に存在する店に行き、商品を探し、現金を使う必要がありました。靴を一足買うというシンプルな活動に3時間から6時間かかることもあったのです。

現金払いは摩擦点です。手持ちの現金で足りる分しか買い物できません。

でも今は摩擦点がありません。クレジットカード、Eコマースの社会になりましたから。

腕時計で通知を受け取れるし、電話でワンクリックすれば靴を手に入れることができるんです。

送料無料のおかげで、1日に30足だって買うことができます。摩擦点は消えてしまいました。

自分で摩擦点を作らなければならない

こうしたシステムは意図的にデザインされています。小売店、マーケッター、ヴェンチャーキャピトル会社の人が悪人というわけではありません。彼らは自分の仕事をしているだけです。

でも今の社会では、売り手が買い物を簡単にすればするほど、お金を使ってしまうことに注意をしなければならないのです。

意図的に作られたシステムと、意図的に戦う必要があります。

なぜ、私たちは自分と消費に意図的に摩擦点を作らねばならないのか? なぜ私たちはもっと節約したいのか? なぜ貯金がそんなに重要なのか?

貯金があれば、つぎに不況になったときセーフティネットを持てます。ずっと後回しにしていた休暇だって取れます。

貯金はマイホームの頭金にもなります。それは、経済的自立を得ることでもあります。

そうすれば、自分の時間をコントロールするのに、20年、30年、40年と待つ必要はないんです。

消費者から所有者になる

経済的自立を果たしたいですか? 自分の好きなように生きたいですか?

それなら、節約はその第一歩です。

とても重要なステップですが、最初の一歩にすぎません。

節約だけでは自立を果たせないから。

少し助けが必要です。では次のステップは何か?

マインドセットを変えて消費者から所有者になるべきなのです。

時間とともに価値があがる資産(appreciating assets)を所有しましょう。株、不動産、あなたが働いていないときも働いてくれる資産を。

とてもシンプルなことですが、私たちは逆のことをしています。

時間とともに価値が下がっていく資産にお金を使いすぎています。

今、私が着ているシャツは時間とともに価値が下がっていきます。

私が買った以上の値段で、これを買ってくれる人はいません。かなり着たシャツなので、価値はゼロドルに近いでしょう。

こんなふうにあなたのものについても考えてください。

クローゼットの中を見て、そこにあるものを買うために、これまでどのぐらいお金を使ったか考えてください。

価値のあがるものを所有する

私のクライアントに、過去10年で靴に10万ドル(1ドル100円で換算すると1千万円)以上使った人がいます。

たぶん、寄付することになる靴に。

靴に10万ドルも使わず、そのお金を株のような価値があがっていく資産を買うのに使っていたらどうなっていたでしょうか?

こう言うと、皆が必ず言う言い訳が2つあります。

1つめは、株は金持ちのためだけのものだ。

2つめは株式市場はとてもリスクが高いからお金を全部失いたくない。

この考え方は間違っています。株式市場は富を築くためにもっとも総合的な力となります。しかも、5ドルあれば株を買うことができます。

新発売のガジェットを買う代わりに、その会社の株を買ってはどうですか?

消費者ではなくオーナーになりましょう。

小さな行動があとで実を結ぶ

1つの株だけではく、複数の株を買いましょう。S&P 500インデックスファンドを購入すれば、アメリカの500の会社を所有することができます。

服、靴、アクセサリー、ガジェットに500ドル使う変わりに、アメリカの株式市場に自分のシェアを所有するべきなんです。

小さな行動は時間とともに大きくなります。

ジョディの話をします。ジョディは2006年に大学を卒業すると、毎月500ドルを貯めて、S&P 500インデックスファンドを購入することにコミットしました。

1年経過し、6000ドル払って、残高が6500ドルになっていました。悪くはありませんが、人生を変えるほどではない。

2年目は12000ドルの支払いに対して、11000ドルの残高がありました。

ここでは損をしています。

2008年は金融危機が始まった年で、状況はどんどん悪くなりました。

16000ドル投資したのに、9500ドルしか残高がなかったとき、ジョディはがっかりしましたが、毎月500ドルをS&P 500インデックスファンドに投資することを続けました。

その後、株式市場が回復し、10年以上、強気相場(bull market)(市場の価格が前回の安値から20%以上上昇した相場)が続き、今、ジョディは8万ドルの投資に対して20万ドルの残高を所有しています。

彼女はマインドレスの消費をせず、所有を選んだのです。その小さな行動は時間がたってから報われました。

無意識の消費をやめ資産を所有する

確かに株式市場はアップダウンし、リスクがあります。過去30年、約30%の年で、ネガティブリターンでした。

でも、他の選択肢は何でしょうか?

ストックでお金を失いたくないから、服、靴、アクセサリー、ガジェットにお金を使うとどうなるか?

これらの資産は過去30年でどんなパフォーマンスをしたでしょうか? 100%価値を失っています。

こう考えたとき、株式市場のストックについてどう思いますか?

10年~15年後の自分を考えてください。未来のあなたは服、靴、ガジェットでいっぱいのクローゼットを持ち、すべての価値を失いますか?

それとも、自分の生きたいように暮らすのに近づける20万ドルを手にしますか?

経済的な自立に向かうシンプルな道は、意図と所有することにあります。

自分とお金を使う行動の間に、意図的に摩擦点を作り、節約し、時間とともに価値があがる資産を所有しましょう。

消費者からオーナーになりましょう。

単純なことです、意図をもち、所有することが経済的自立を意味するんです。

//// 抄訳ここまで ////

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ものの価値について考える

経済的自立を得るには、過剰な消費をやめ、時間とともに価値があがる資産を手に入れればいい。

こう教えてくれるトークを紹介しました。

確かにそのとおりですね。

自分の部屋にあるものは、時間とともに価値が下がります。

それでも、ちゃんと使っているなら、その価値を最大限に引き出せているでしょう。

ですが、部屋に置いておくだけだと、価値も得られないし、邪魔だし、メンテの手間もあるし、自分が損するために持っているようなものですよね?

せっかく断捨離をしても、またものを買って同じことを繰り返す人がたくさんいます。

必要以上に消費するのをやめ、だんだん価値があがっていくものを買ってみてください。

暮らしやすくなるし、お金は残るし、ずっと気分よく暮らせるでしょう。

*****

今回紹介した講演は、ふだんの消費行動を見直し、より賢明にお金を使っていくきっかけになると思います。

私も、消費者ではなく、資産を所有するオーナーになることを目指します。





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