たくさんあるマグカップ

ミニマリストへの道

最終更新日: 2018.01.26

捨てにくい物を捨てる方法:ミニマリストへの道(109)

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ずいぶん製菓道具も減ってきたある日、捨てにくい物を1つ、ようやく捨てました。

長方形の型です。なぜ捨てにくかったのか、どうやって捨てたのか? 私は以下のように考えました。



物がいいからずっと持っていたお菓子の型

この日、私がストーブ(コンロとオーブンが一体になったもの)の引き出しから引っ張り出したのは長方形の型です。

引っ越し以来使っていなかったのに、1年近く、引き出しに入れたままでした。

引越し前に断捨離せず、使っていないのに捨てていなかったのは、「物がいいから」です。

すごくしっかりした金属でできていました。

安い型は使っているうちにゆがんできますが、これはいかにも長持ちしそうです。

サイズは9インチX13インチ(23センチX33センチ)。北米は長方形の型のごく一般的なサイズです。

ノルディックウエアの長方形の型

メーカーはノルディックウエアというアメリカでは有名な高級キッチンウエアのブランドです。

有名メーカーのケーキ型。フタもついています。パンやケーキを焼いたあと、フタをかぶせてそのまま保存できます。

以前、お菓子やパンを作るのが好きでしたが、作ったものをどうやって保存するか試行錯誤していた時期がありました。そんな時に見つけた型だったので、ちょっと高かったけど、喜んで買いました。

つなぎパン、シナモンロール、ジンジャーブレッドを作るのに活躍しました。プリンを蒸し焼きするときにも使いました。

フタがあるので、何かの集まりに持っていくのにも便利でした。

ですが、お菓子やパン作りをやめてしまったから、久しく使っていなかったのです。大きいので場所も取ります。

「1年使わなかった物は断捨離する」というルールを自分で作っていたので、速攻で捨てるべき代物です。物がいいし、メーカー品だし、便利だし、などごちゃごちゃ言っている場合ではありません。





捨てない選択をした結果を考えてみた

捨てたいと思うのに、捨てにくいと感じるとき、私はいろいろ考えてみます。

なぜ、捨てたくないのか、とか。

この日は、捨てないでこのまま置いておいたらどんなことになるのか考えてみました。

捨てずに現状を維持したときの結果と、捨てたあとの結果について考えてみると、捨てる決断をしたほうがいいだろう、と思うものです。

多くの人は、「あとでいるかもしれない」と言いますが、これは起こりうる結果のほんの1つです。

しかも、あとで必要になる可能性は限りなく低く(本当に必要な物は捨てようとは思いません)、必要になったとしても、なんとかなるのは、これまで20年ぐらい生きてきた人ならわかることです。

捨てる・捨てないという行動で生じる結果には、もっとバリエーションがあります。

お菓子の型を捨てないとどうなるか?

もし、今、この型を断捨離しないとどんなことが起こるのか想像してみました。

●型はそのまま引き出しに収納される。1ヶ月~3ヶ月たったとき、また引っ張り出して、きょうと同じことを繰り返す。

●引き出しの中で場所を取り続ける

使う可能性はなかったので、こうなるに決まっていました。

もし、上の結果を変えたかったら、以下のような行動が必要です。

●実際に使う。それもひんぱんに。

●欲しいと思う人にあげる。それもただちに。

●売る。なるべく早く。

3つともやりたくないと思ったので、もう捨てるしかないわけです。

というわけで、この型は捨てました。

ずいぶん長いこと持っていた型でしたが、捨てるか捨てないかと悩んだ時間はほんの数分。

使わずに放置していた時間は、決断を先延ばしにしていた時間です。

お菓子の型を捨てた結果どうなったかでしょうか?

あとで後悔するようなこともなく、引き出しの中がスッキリして使いやすくなりました。シンプルライフに一步近づいたわけです。

捨てにくい物を捨てるには?

捨てるか捨てないか決めるとき、「自分の行動は必ずある結果を引き起こす」ということを意識すると、よりより選択ができます。

たいていの人は、「あとで必要になる」「もったいない」と思い込みますが、これは捨てたくないゆえの言い訳であり、自動的な反応にすぎません。

自動的に反応してしまう理由⇒物を捨てられないのは恐怖のせい~損失回避と、授かり効果の心理をさぐる

その言い訳を「捨てない正当な理由」と思うべきではないのです。ラクな道を選んでいるだけです。

断捨離をしていて、捨てにくい物に出会ったら、もし今、自分が捨てる決断をして実際に捨てたらどうなるのか、逆に捨てない決断をしたらどうなるのか、ちょっと考えてみるといいです。

■使っていない物を捨てないと起きそうなこと

●またあとで片付けるはめになる⇒同じ行動を繰り返す

●邪魔になり続ける

●管理に時間と手間がかかる

現状維持を決め込むと、また時間がたったあと、同じことをする可能性が多いにあり、暮らしはあまり変わりません。不用品の世話に取られる時間やエネルギーもこれまで通りです。

●あとで無理やり使う

人は、「使わないともったいない」と思います。そこで、なんとかして使おうとします。無理に使おうとすると無駄が無駄を再生産します。

無理やり使おうとすると起こること⇒無理して使っている物を捨てる(プチ断捨離18)

もちろん、近い将来誰かがもらってくれるかもしれないし、急にそれを使う日々が来る可能性もあります。

しかし、この可能性は、自分の今日という日の延長線上にはありません。

■捨てると起きそうなこと:

●気持ちがスッキリする

●スペースがあく

●不用品のメンテナンスにかかっていたコストが少し減る

不用品を持ち続ける代償の例⇒多すぎるストックをただちに断捨離すべき理由。過剰在庫は資産ではない

●使う人の手に渡る可能性があがる(ゴミ箱に捨てない限り)

●断捨離の経験値があがる⇒ほかの物も捨てられるようになる

捨てて、もしポジティブな結果が得られたら、断捨離のよさを納得できるので、もっと捨てる気になります。

もちろんネガティブなことだって起こるかもしれません。

●あとで使うときが来て困る

●捨てたことを後悔する

●家族に、「何でもかんでも捨てすぎる」と文句を言われる

ですが、ネガティブなことに対しては、いくらでも対処のしようがあります。

使う時が来ても、代替品を買うことができるし、創意工夫で乗り切ることができます。

後悔したとしても、そこから学ぶことができます⇒捨てなければよかった。後悔の念を解消する6つのステップ。

人は失敗したことからしか学べないので、後悔するできごとはむしろ歓迎すべきこと、とも言えます。

人に何か言われそう、と心配な人はこちらを読んでください⇒なぜ家族は私の断捨離に反対したのか?:ミニマリストへの道(106)

いずれにしても、この先起こることは誰にもわからないので、あまり先々のことを心配しすぎないほうが、よけいなストレスをかかえこみません。

心配しすぎないススメ⇒いろいろ考えすぎて不安がいっぱいの人へ。心配性を治す7つの習慣。

自分の行動は結果を伴うことを意識する

人の放つ言葉や行動はすべてある結果をもたらします。選択して行動してその結果を生きる。それが人生です。

この点を意識して、意思決定をし、行動を起こせば、他人軸ではない、自分主体の生活になりやすいです。

もちろん、世界で起こる何もかもが、自分の責任というわけではありません。「自分はちゃんとヒラリーに投票したのに、トランプ大統領が誕生した」と嘆く人もいるわけです。

しかし、少なくとも、断捨離に関しては、「自分のアクションが特定の結果を生んでいる」と意識すると、うまくいくのではないでしょうか?

自分の行動は、いまの結果には何の関係もなく、すべては自分以外の誰かや何かのせい、と被害者のスタンスに立つのは、ひじょうにもったいないことです。

被害者になることは、自分で自分の力を放棄することです。

自分でいくらでも、生活を改善できるのに。

いまの生活を変えたいなら、きのうまでとは違うアクションを取るしかありません。

「物を買い続ける」「捨てない」「そのままにしておく」「とにかく収納する」という行動を積み重ねた結果が、いまの「物であふれた部屋」なのです。

その結果を気にくわないのなら、これまでとは違う行動を取るべきです。

それは不用品を捨てること。

「物がいいから」「高かったから」「誰かがあとで使うかも」なんて言いながら、何もしないままでいると、部屋の中にある物はいつまでたってもそのままです。

このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒なぜ私は断捨離をしてミニマリストになったのか?(1)~物がたくさんあっても幸せではなかった

********

一生涯、優柔不断を貫き通し(というのも変ですが)、片付けをするたびに、捨てない決断をする人もいるかもしれません。

この場合、自分は捨てなくても、外的な力によって捨てられるときが必ず来るでしょう。遺品整理とか。

文化財になるような物や、先祖代々受け継ぐ物でない限り、物はいつかはゴミになります。

その時を待ってもいいかもしれませんが、それなら、もういっそのこと断捨離なんかやめたほうが、いちいち迷わないから、精神衛生にいいです。

断捨離すると決めたなら、不用な物は、どんどん捨てる方針でいくべきではないでしょうか?





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