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この記事では、まだ使えるものを手放すために役立つ考え方を7つ紹介します。
断捨離を始めると、こわれたものや明らかなゴミを捨てることから手をつける人が多いと思います。
こうしたものはさほど抵抗なく手放せるものの、新品同様のものやきれいで価値があるように見えるものは、ガラクタに見えず、「捨てるのはお金の無駄」と感じてしまうことがありませんか?
このような「一見ガラクタに見えないガラクタ」がたくさんあることが、ものだらけの部屋を作ってしまう大きな要因です。
別の考え方をすれば、捨てる罪悪感が軽くなり、スッキリとした暮らしへ足を踏み出せます。
1.ガラクタを再定義する
まず、自分にとってガラクタとは何か、改めて定義してください。
ガラクタとは「こわれて使えないもの」「ゴミに見えるもの」だけではありません。今の自分にとって役立っていないものや、生活に不要なものもガラクタと見なせます。
5番で詳しく説明しますが、そのアイテムに使ったお金は、それを押入れの中で何年眠らせても、戻ってきません。むしろ、家や心のスペースを奪うだけです。
本当の無駄とは「今の自分にとって役立っていないものを持ち続けること」なのです。
たとえば、ほとんど着ていない服を、「高かったから」「ブランドものだから」という理由で、ずっと持っていると、たんすやクローゼットが混み合って、今日、必要な服を探しにくくなります。
ものの価値は使ってこそ、発揮されます。
高かった服を捨てるのはお金を捨てるような罪悪感があり、捨てられません。
2.オポチュニティコストを考える
オポチュニティコストとは、あるものを選ぶ際に、選ばなかったものによって得られたはずの利益のことです。
たとえば、服を買うのに使ったお金があれば、外食や旅行に使えたはずです。
何かを選ぶことは、常に他の何かをあきらめることです。
ここで考えてほしいのは、「これを持ち続けているせいで、私は何を失っているか?」ということ。
たとえば、使わないものをキープしているせいで、本来なら使えたはずのスペースを失っています。
ものが多すぎて、部屋が倉庫のようになっていたら、床があまり見えません。この場合のオポチュニティコストは、ごろっと寝転がったり、ヨガマットを敷いたりできるスペースです。
不用品が多すぎると、整理整頓の時間や、収納グッズを買うコストも支払うことになります。思考のガラクタも増えて、気持ちが落ち着きません。
片付いたスペースがもたらしてくれる新しく何かできる可能性や心のゆとりは、私たちにとってかけがえのない価値ではないでしょうか?
3.今の価値にフォーカスする
買ったときには高価で価値があるように思えたものでも、今の自分に役立っていなければ、その価値はもう失われていると考えましょう。
ものの価値とは「いくらで購入したか」ではなく、「今の自分にどれだけ役立っているか」で決まります。たとえ高額なアイテムでも、使っていなかったら、何の価値もないのでは?
ブランドものの服をたくさん持っていると、「私はセンスがいい人」「こんなに素敵なものを買うことができる人」という、セルフイメージの底上げに役立つかもしれません。
ですが、再三書いているように、自分の価値は、ものではなく、自分自身で決まります。
棚や押入れの中にしまいこんでいる家電、衣類、タオルを見て、「今、ちゃんと自分の人生に役立っているかどうか?」を考えてみましょう。
「今は使っていないから価値はゼロ」と考えたほうが、日常がシンプルになります。
4.また同じものを買うか?
それが本当に必要なものかどうかを見極める方法として、「今、これを持っていなかったら、今日、もう一度買うか?」と自問する方法があります。
この問いかけは、そのアイテムが、今の生活にどれだけ価値を与えているか知るのに役立ちます。
今年の春、引っ越しをする前にたくさん書籍を処分しましたが、「また買うか?」という質問に対して、「しまうスペースと潤沢な資金があれば買ってもいいかもな」という答えになる本がたくさんありました。
しまうスペースや資金がたっぷりある自分は、今の自分ではありませんから、粛々と手放しました。
たとえ、今の自分なら買わないものでも、すでに持っているものを捨てるのはもったいないと感じてしまいます。
ここはシビアに判断してください。
5.サンクコストから自由になる
サンクコストとは、一度支払ってしまって、もはや取り戻せない費用のことです。
人は、すでに使った時間やお金を無駄にしたくないという心理から、費やしたコストを回収しようとして、不合理な決断をしてしまうことがあります。
全然使っていない「高かった毛皮のコート」を捨ててしまうと、使ったお金を回収する機会を失うので、捨てたくないのです。
せっかくこんなに集めたから:サンクコスト効果~捨てない言い訳その5
でも、支払ったお金をもったいなく感じて捨てない一方で、使ったお金の回収につながる行動をしているかというと、実は、全然していません。
ただ、押入れやクローゼットに入れているだけ。
この矛盾に気づいてください。
回収するつもりがないのであれば、今日手放したほうが、今後のスペースや時間、心の余裕といったコストを節約できます。
「もう役目は終えた」と考えた方が、暮らしが快適になりますよ。
6.過去ではなく未来に目を向ける
過去の買い物や行動にこだわるのではなく、未来について考えてください。
過去にどれだけの出費をしたか、どれだけがんばって手に入れたか、手に入れたあとも、どれだけ苦心して管理してきたか。
ここに意識が向くと、それを手放すことに抵抗を感じます。
過去ではなく、これからどんなふうに暮らしたいのか、考えましょう。
来年も再来年も、不用品だらけの部屋で暮らしていきたいのか?
そのアイテムを未来にも連れていきたいのか? 一緒に人生という旅をしたいのか?
不用品を手放すと、今後の買い物をするとき、よりよい決断をできるようになります。
私も、たくさんものを捨てましたが、今は、無駄なものを買わない生活になりました。
服がたくさんあるなら、これからどんな服を着ていきたいか、どんなクローゼットにしたいか、どんなふうに服と付き合いたいか、こんなことを考えて、手持ちのワードローブを見直しましょう。
少数でも、好きでいつも着る服だけがあるクローゼットにするほうが、楽しい生活だと思いませんか?
7.スペースの価値を考える
多くの人は、スペースや余白の価値を軽く考えています。
実は、スペースはとてもありがたいリソースです。
もので埋め尽くされた空間は視覚的にも心理的にも大きな負担をもたらしていると考えてください。
実際、ガラクタがそのへんに散乱した部屋に住んでいる人は、外出が増えるのではないでしょうか?
私の娘の部屋も散らかっていることが多いですが、最近、娘は近所にできたカフェで作業することが増えています。
ものがあまりない十分なスペースのある空間は、リラックスも集中もしやすいのです。
断捨離を通じて、新しいスペースを生み出すことは、やすらぎや自由、創造の余地を増やすことです。
使っていない家具やインテリア用品を取り去ってみれば、私の言っていることを理解していただけるでしょう。
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使わないものを手放すことは、「お金を無駄にすること」ではありません。
それは、自分の生活空間を今の自分に合ったニーズや価値観に調整することです。
不用品を手放すことを、新しい生活をデザインすることだと考えてみてはどうでしょうか?
まだきれいでも、新品同様でも、使わないものは手放して、より自分の意図が反映された、居心地のいい空間を作っていきましょう。