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シンプルライフのヒントになりそうなTEDの動画を紹介しています。今回は、パオロ・カルディーニ(Paolo Cardini)さんの、Forget multitasking, try monotasking (マルチタスキングはやめて、モノタスキングを試して)です。
記事の後半では、モノタスキングするために私が工夫していることも書いています。
「マルチタスクはやめて、モノタスクを」:TEDの説明
People don’tt just cook anymore — they’re cooking, texting, talking on the phone, watching YouTube and uploading photos of the awesome meal they just made. Designer Paolo Cardini questions the efficiency of our multitasking world and makes the case for — gasp — “monotasking.”
人はもう単に料理をすることはなくなってしまいました。みんな料理しながら、テキストメッセージを送り、電話で話し、YouTubeを見て、自分が作ったおいしそうな料理の写真を投稿しています。デザイナーのパオロ・カルディーニは、現代のマルチタスキング社会は、はたして本当に効率がいいのか疑問を呈しています。そして・・・びっくり・・・「モノタスキング」を主張します。
monotasking はたぶんこの人が作った造語で、mono + tasking。 mono は「1つ、唯一の」という意味の接頭語です。モノローグ、モノポリー、モノクローム、モノトーンの「モノ」です。
multitasking は、1度にたくさんのことをすること。反対に、1つだけやるのが「モノタスキング」。もっと一般的な言い方はシングルタスキングです。
カルディーニさんはアラビア方面出身の方のようです。英語ネイティブではないので、ちょっとアクセントがあります。
3分未満で、とても短いし、ユーモラスな動画なのでごらんください。日本語字幕版あります(プレイヤーで調節可能)。動画のあとに抄訳を書きます。
☆トランスクリプトはこちら⇒Paolo Cardini: Forget multitasking, try monotasking | TED Talk | TED.com
☆TEDの説明はこちらに書いています⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に
マルチタスキングをやめてモノタスキングを
私はデザイナーで教育者です。マルチタスクをする人間で、生徒にも、創造的なマルチタスキングによるデザインをするように言ってます。ですが、マルチタスクというのは、実際のところ、そんなに効率的なんでしょうか?
モノタスキングという選択について考えてみましょう。例をあげます。
[黒こげのバーベキューの写真]
これを見てください。これ、私のマルチタスクの結果です。料理しながら電話に答えて、ショートメッセージを書いて、バーベキューの写真を投稿しようとしていたらこんなふうに。
マルチタスクが得意な人もいますが、人口の2%だそうです。98%はだめなんですね。
あなたが最後に友だちの声だけを楽しんだのはいつのことですか?
[モノフォーン 単一機能の電話のデザインの画像]
これが私が今手がけている作品です。すごくハイテクなスマートフォンを、1つの機能だけにダウンロードできます。
もう1つの例をあげます。ヴェニスに行ったことありますか?とてもきれいな街なので、その景色を堪能したいところです。ところがこの街に関して山のように情報を得ることができます。
そこで、こんなものを使って冒険心を取り戻すのはどうでしょう?
[モノコンパスの画像]
選択や可能性が星の数ほどあるとき、「モノ」の話をするのは変だというのはわかっています。ですが、たった1つのタスクに集中することをぜひ考えてほしいのです。デジタル機器の電源を切って。
今は誰でもモノの作品を作ることができますよ。マルチタスキングの世界で、ご自身のモノタスクを発揮できる機会を発見してください。
——- 抄訳ここまで ———–
マルチタスキングのデメリット
マルチタスクは脳に負担をかける
マルチタスキングをすると、かえって効率が悪いということは、以前も記事に書きました。
脳はもともと1つのタスクしか行うことができないので、マルチタスクをしているときは、1つのタスクからもう1つのタスクへと大急ぎで切り替えています。
多くの人はしゃべりながら文章を書くことはできません。マルチタスキングをしているときは、それと似たようなことを脳に強いているのです。
また1つ1つのタスクをしっかり完了できないので、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌も増えます。
マルチタスキングは脳に負担をかけ、かえって効率が落ちます。
詳しくはこちらに書いています⇒マルチタスクが脳に負担をかけ仕事の効率を落とす理由。1つのことに集中しよう
マルチタスクは人生を楽しめない
マルチタスクをすると人生の楽しみをじっくり味わうこともできません。
あとでできあがった料理をフェイスブックに投稿しようと思って作っていると、料理そのものを楽しめないですよね。
私は子供が幼いころ、何かのイベントのたびに、子供の写真を撮ったり、ビデオを撮影する係でした。
撮影することに神経を取られ、子供のバレエや、劇そのものにはあまり集中できなかったものです。
あるときその最中の写真を撮るのはやめました。子供のパフォーマンスをもっとじっくり楽しみたいと思ったからです。
旅行に行って写真を撮って、それをSNSに投稿しようとすると、旅を楽しむ行動が別のものに変わってしまうのではないでしょうか。
今はスマホを手放せない人が多いので、無意識にマルチタスクをしてしまい、その瞬間、その瞬間を楽しむことができないのです。
この点については、こちらの記事で紹介している動画、”I Forgot My Phone”がうまく表しています⇒スマホ依存のミニマリストは要注意~減らしたつもりが不用なモノを抱え込むことに
モノタスキングをする方法
私もアイフォンを持っていますので、マルチタスクのわなにはまることもあります。ふだんできるだけ1つのことに集中するためにこんな工夫をしています。
●デジタル機器の電源を切る
カルディーニさんも動画で話していました。私たちに「1度にたくさんのことができる」と思わせる張本人のスマホやパソコンの電源をきります。
パソコンは電源を切るというより、スリープさせておきます。
デジタルデトックスが有効です⇒スマホ疲れしてませんか?~簡単デジタルデトックスで心の余裕をとりもどす
●周囲、特に机の上をきれいにしておく
気を散らすものが周囲になければ、今やっている仕事に集中できます。
机の上の片付け方はこちら⇒今さら人に聞けない机の上の正しい片付け方:「きれい」のキープは難しくない
●タイマーを使う
タイマーを使うとその仕事に集中しやすくなります。
タイマーの使い方⇒タイマーを使って仕事や家事に一点集中~ミニマリストのタイマー活用法とは?
1番大事なのは、「一点集中する」と決意することです。私の場合、短い時間に集中してやったほうが、仕事をきちんと早くすますことができます。時間は15分、25分、30分などタスクによって変えています。
また1度にいろいろやりたいともあまり思わないほうです。
多くの機能のあるアイフォンですが、使っている機能はごくわずか。たくさん機能があるからといって、すべての機能を使いこなそう、と欲張らないことも、モノタスキングするコツです。