ペンを持つ手

TEDの動画

上手に学びたいなら、マインドマップを始めよう(TED)

マインドマップの利点と書き方を説明しているTEDトークを紹介します。

マインドマップは、思考を図と文字で表現したもので、日本でもずいぶん前から使われています。

タイトルは、Want to learn better? Start mind mapping (学び方がうまくなりたいですか? マインドマップを始めましょう)

講演者は、思考法や学び方の専門家、Hazel Wagner(ヘイゼル・ワグナー)さんです。



マインドマップ・TEDの説明

As a lifelong learner with 4 degrees and a Ph.D. in mathematics, Hazel Wagner has spent her life learning how to learn. Hazel shares her work on mind mapping and what it can do for understanding, memorization, and retention.

生涯学習者として、4つの学位と数学の博士号をもつヘイゼル・ワグナーは、その生涯を学び方を学ぶことに費やしてきました。

ヘイゼルが、自身のマインドマップの研究と、マインドマップが、理解、記憶、記憶の維持に果たす役割を説明します。

収録は2017年の11月、動画の長さは15分45秒。自動生成される英語の字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

明確に発音されている、わかりやすい英語です。





ノートを書くだけでは覚えられない

マインドマップは、ノート作りや記録、記憶を助けます。脳の働きにさからうのではなく、助けるやり方です。

私は人生の大半を、ものごとを覚えられるかどうか気にしながら生きてきました。

両親やほかの家族はとても記憶力がいいのに、私は違いましたから。

大学に行き、数学の博士号を含む4つの学位を取りました。当然、講義を聞くのに、多くの時間を費やし、何千何万ページも、ノートを取りました。

忘れるかもしれない、と心配だったので、すべてを書かねばならなかったのです。

でも、ノートに書くのは、手書きでも、タイプでも、ただ書き写しているだけです。聞いていることや読んでいることについて考えていないし、記憶し、必要なときにその情報を取り出しやすいように、整理することもしていません。

そして、この取り出す(思い出す)ことが、とても重要なのです。

それに必死にノートをとったり、タイプしたりしていると、周囲のことまで気が回らないし、誰かが話すのと同じ速さで書くこともできません。

マインドマップは独自の形

マインドマップ

これがマインドマップです。手書きのマインドマップで、私が、人々にすすめているのはこんなものです。

特に、初めてマインドマップを作るとき、そして、それ以降も、紙と鉛筆やペンを使うほうがいいですよ。

ポイントは、視覚に訴える作業をしていることにあります。

運動感覚も使っています。手や腕を使って。書きながら考えています。

中心から初めて、放射状に作っていきます。

真ん中にトピックを書きます。それは今、聞いている人の名前や、本のタイトル、ブレインストーミングしている問題などになります。

そこから自由に、自分にとって重要なことを書いていきます。

だから、同じ話や本をマップにしても、その形は、人によって変わります。

自分が学びたいことや、大事だと思うことは、他の人とは違いますから。

ここが素晴らしいところなんです。とても個人的なところが。

言葉や短いフレーズを書き留める

単語や短いフレーズを書き留めていることにも注目してください。

フルセンテンスやパラグラフではありません。

パラグラフや文章ごとに、記憶なんてできませんよね?

記憶するのはイメージなんです。鍵になるアイデアを記憶します。

自分がすでに知っていることと、新しく学んだことのつながりを記憶します。

もっと早くマインドマップを知りたかった

4つ目の学位を取ってすぐに、マインドマップのことを知りました。それまで聞いたこともなかったのです。

これは、この講演のマインドマップの一部です。

ヘイゼルのマインドマップ

初めて、マインドマップを知ったとき、これまでずいぶん時間を無駄にした後悔しました。

マインドマップを知っていたら、ノートを取るのも、何かを学ぶのも、試験勉強も、聞いたことを誰かに伝えるのも、とても助かっただろうと。

そして、怒りがわいてきました。なぜ、もっと早く出会わなかったのか? なぜ、誰もマインドマップのことを教えてくれなかったのか、と。

調べていくうちに、世界のいたるところで、マインドマップが話題になっているとわかりました。特にイギリスやオーストラリアで。でも、アメリカではあまり聞きませんでした。

脳にさからわないマインドマップ

最後には、私はとてもありがたい気持ちになりました。マインドマップは脳の働きと同じように機能しますから。

1975年に発表した研究で、私は、いかにビジュアルや運動感覚が、数学の理解に役立つか証明しました。

そして、数学だけでなく、あらゆる教科で応用できる方法を見つけたのです。

脳にさからうのではなく、その動きを助けるやり方をしなければなりません。

マインドマップの仕組みはコンパクトで、1ページで完結します。キーワードや短いフレーズを書くだけです。

しかし、こうしたキーワードが、より大きなアイデアの引き金となります。

読んでいるものや聞いていることに意識を向け、一番大事なことで、大きなアイデアをもたらすものを書き留めます。

すると、あとでそのことについて考えたり、話したりするとき、簡単にできるのです。

学問に役立つからマインドマップに惹かれましたが、ビジネスでも使っています。会議や打ち合わせなどあらゆる場面で。

メモを取るにも、何かを説明するにも、素晴らしい方法です。

マインドマップの書き方

では、やり方を説明しましょう。

紙を1枚横向きに置きます。横に置くのは、読むのと同じ方向で書くことができるからです(筆子注:英語は横書きだからこうなります)。

罫線のない紙がないときは、罫線入りの紙を横向きに置いて、線は無視してください。

キーワードや、短いフレーズを書きます。とても重要なのは、これらの言葉の間のつながり(線)を書くことです。放射線状に書いていきます。

まんなかにトピックや人の名前、質問を書いて、あとは、全く自由に書けばいいのです。

枝を書いて、自分に合う形でどんどん書き進めます。

あるテーマに注目して、枝に何かを書き、あとになって、別のことを思いついたら、その枝に書き足します。

やり方は自由です。

盲目的に、文章を書き写すのではなく、どうやって組み合わせていくか、どうしたら必要なときに、思い出せるか、考えながら書いていきます。

マインドマップの使い方を理解するために、TEDトークをマップにしたものを紹介しましょう。

マインドマップの例:魚に恋した話

まず、ダン・バーバーの講演の、「私はどうやって魚に恋をしたか」(how I fell in love with a fish)です。

昔の私は、こんなふうに1行1行、すべてを書き留めましたが、これでは、他人に説明しにくいですよね。全部読まないといけないし。覚えたいポイントを探すのも大変です。

ダン・バーバーのトークのマインドマップはこちらです。

マインドマップのサンプル

枝を見ると、まず、彼が料理人で、たくさんの魚を料理した話があります。そして、彼は、特定の魚に恋をしました。その魚が持続可能だと思ったからです。

しかし、彼は少しリサーチをして、その魚のエサの3割に、鶏肉が使われていることを知り、持続可能じゃないと思い、この魚への恋が終わりました。

その後、彼は、調理しすぎの魚を食べて、それでもおいしいことがわかり、この魚に恋をしました。

この魚はおいしくて、彼は、皮まで食べました。こんなことをするのは初めてです。

それから彼はミゲルに話を聞きに行きました。

バーバーは、ミゲルが養魚場を経営していると思っていましたが、ミゲルはこう言ったのです。

「私は、養魚場は経営していません。鳥の保護区域を管理しています。そこにたくさん魚がいるんです。魚のエサは必要ありません。魚は、ごく自然にそこで食べていて、水もきれいなんです」。

このようにダン・バーバーは、農業についていろいろと学び、提言をしています。

でも、彼のトークでもっとも重要だと私が思ったのは、彼が質問をしていることです。

とてもいい質問です。そういう質問が、彼に洞察を与えたのです。

彼は、こんな質問をしています。

持続可能とはどういうことか? 調理しすぎた魚がなぜおいしいのか? どうやったらこんなふうに料理できるのか?

なぜフラミンゴは、エサを得るためにあんなに遠くまで飛ぶのか?

彼が問題を理解し、それを私たちにシェアできたのは、質問したからなのです。

マインドマップを使えば、その内容を皆さんに説明できるし、皆さんも、私の言うことについてこれます。

マインドマップの例:学校が創造性を殺す

もう1つやってみましょう。サー・ケン・ロビンソンは、何度も講演しています。

彼は、学校が創造性を殺していると主張しています。

これが私の書いたマインドマップです。はじめて、マインドマップを学ぶときは、こんなふうに、手書きをおすすめします。

手書きのマインドマップ

慣れたあとも、紙と鉛筆でやるほうが簡単だと思うでしょう。でも、ほかの人に読んでもらいたいときは、手書きだと不都合なこともありますよね。

だから私も、たまにパソコンで作ります。マインドマップを作るプログラムはたくさんあります。

ケン・ロビンソンの講演のマインドマップ

ケン・ロビンソンは、学校における創造性を問題にしています。

子供のいいところは、間違えることを恐れないこと、だからこそ、より創造性があると彼は言います。

しかし、学校がその創造性を奪います。

覚えたいと思った名言がいくつかありました。その1つは、「昆虫がいなくなったら、すべての生命が終わるが、人間がいなくなれば、ほかの生命は繁栄する」。

いい言葉だし、覚えておきたいと思ったので、これを枝の1本にしました。

彼はジョークを使う話もしていて、彼自身、たくさんジョークを言っています。そのなかで、覚えておきたいものがあったので、ジョークの枝も作りました。

その1つは、「あなたが英語の先生になったとして、クラスに9歳のシェークスピアがいたら、どうやって対処しますか?」

マインドマップを作ると、私が大事だと思ったことに注意が行き、それだけを書き留めることができるのです。

そして皆さんに説明できます。

彼は、識字率とともに、創造性をピラミッドの頂上に位置づけたいと考えました。

マインドマップを見れば、そのことを思い出します。

マインドマップにチャレンジしよう

皆さんはどうですか?

もしかしたら、あなたも、こんなことは初めて知ったと、少々怒っているかもしれませんね。

もっと脳を助けてあげることができたのに、と。

聞いたことはあったけど、注意して学んだことがなかった人もいるかもしれません。

ええ、練習が必要です。新しいことをするときは、いつも練習が必要ですから。

みなさんも、マインドマップにチャレンジしてください。とても助けになります。

孫にマインドマップを教えた話

最後にもう1つ、ちょっとしたエピソードをお話しします。

数年前、社会科が苦手な幼い孫娘の勉強を手伝ったことがあります。

私は孫に、マインドマップの作り方を教え、孫は、アメリカ政府に関する章をマインドマップにしました。

翌日孫は、テストでA(優良)を取りました。社会科で初めてAをとったのです。孫はとても喜んでいました。

2日前に、孫に電話して、「マインドマップを見せたときのこと、覚えてる?」と聞いてみました。

孫は、「もちろんよ。色ペンを使って描いたよね。それで、その章がよくわかって、翌日のテストでとてもいい成績が取れたの。学校で、特に高校で、マインドマップを使い続けたわ」。

他の人に教えよう

私は皆さんが、マインドマップを使う練習をして、うまく学ぶだけでなく、ほかの人にもやり方を教えてほしいと願っています。

そうすれば、よりマインドマップが身につきます、うまく使えるようになりますよ。

誰かに教えてあげてください。特に、子どもたちにマインドマップの使い方を教えてあげてください。

///// 抄訳ここまで

補足

ダン・バーバー How I fell in love with a fish ⇒魚と恋に落ちた僕

ケン・ロビンソン Do schools kill creativity?⇒学校は創造性を殺してしまっている

Wagnerさんの本です。

マインドマップを考案したトニー・ブザンの本です。

学びに関するほかのプレゼン

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自分の能力を自分で見限ることの恐ろしさ、できると信じることの素晴らしさ(TED)

書いているうちに要領がわかる

「頭がこんがらがっているので、どうしたらいいでしょう?」という悩み相談をいただくことがありました。

先日も、歯の治療に関する相談メールをいただきました。

頭がこんがらがるのは、頭の中だけで考えているからです。

考えていることを紙の上に出すと、ずっと考えやすくなります。

「書き出せ」、と何度もブログに書いていますが、そうしない人がたくさんいらっしゃるようです。

その理由は、

・よほど自分の頭のできに自信がある(これを過信と呼ぶ)

・書くのに面倒臭さを感じていて、始められない

・うまく書けないんじゃないかという不安があって、始められない

・書いても解決できない、時間の無駄だ、という思い込み

・人に見られるかもしれない、という恐れ

・やり方がわからない

こんなだろうと想像しました。

人に見られるかも、という恐れに対しては、すでに対処法を書いています⇒人に見られるかもしれないと思うと怖くて日記が書けない(その1)。

やり方も、わりと何度も書いているし、こんな本も出しています⇒筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。

今回は、書くのが面倒くさい、うまく書けなさそうという気持ちの対処法として、マインドマップを紹介しました。

マインドマップは絵みたいなもので、長々と文章を書きませんから、人によっては、こちらのほうがやりやすいかもしれません。

プレゼンでも言っているように、何かを学ぶときに使うとうまく覚えられます。

マップを見て、内容を思い出すのも簡単です。

ブレインダンプやモーニングページもそうですが、「こんなの、書いてみたら?」と言うと、いきなりうまく書こうとする人がいて(最初から、最大限の効果を得たいという欲張った気持ちの現れ)、書き方にこだわる人がたくさんいますが、正解なんてありません。

書いているうちに要領がわかるし、自分に合った書き方ができるようになります。

というわけで、ブレインダンプモーニングページも挫折した人は、マインドマップを試してください。

****

マインドマップというと、色ペンをいっぱい使ってカラフルにするものと思っている人もいるかもしれませんが、べつに黒一色でOKです。

ペンを持ち帰るのが面倒なので、私は、単色で書いて、あとで強調したいポイントがあれば、マーカーで、文字を囲ったりします。





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