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ぐしゃぐしゃの部屋が自分について語ること、後編です。
部屋の様子はその人の生活や考え方を表しています。
前編では、以下の5つを紹介しました。
1.忙しい
2.物が多すぎる
3.疲れている
4.無視を決めこむ
5.気が散っている
こんな状態だと、部屋に物があふれがちになります。
後編では、心の持ちようを中心に見ていきましょう。
6.決められない
何か予期せぬものをもらったあとや、何かを使い終わって不要になったあと、すぐにどうするか決めず、そのへんに、置いてしまう。
これがたび重なると汚部屋になります。
使うなら、さっさと使う、使わないならさっさと処分すべきです。
断捨離をしようと、片付けを始めてみても、「捨てる・捨てない」をさっと決められず、結局、もとに戻して、いつまでも物がとどまることもあります。
部屋がぐしゃぐしゃなら、「決められない」「すぐに決めない」「優柔不断」「選べない」、こんなことが頻発しているかもしれません。
決められるようになるには?
決めることができない人は、日常生活で、小さな決めごとを、さっさと、迷いなくする練習をするといいでしょう。
もう迷わない。いらない物をバシッと捨てられる決断力をつける方法。
「捨てる・捨てない」に関しては、自分なりにルールを決めておくと、すぐに決められます。
捨てようかどうか迷ったとき、自問するといい質問を7つ書きます。
1)私はこれを捨てたいのか、それとも、まだ持ち続けたいのか?
2)最後に使ったのはいつ?
3)次に使うのはいつ?
4)まだ使いみちがあるか?
5)これと似たようなものをいくつ持っているか? そして実際に必要なのはいくつか?
6)なぜ、私はこれを持っているのか? 罪悪感のせい? かわいいから? それともなんとなく?
7)これをずっと持っているとどんなことが起きるか?
7.欲が深い
欲張りな人は、たくさん物を持ち、必要以上に買います。かくして、物が部屋にあふれます。
欲張りとは、物やお金、その他のものを、過剰なまでに欲しがり、求める気持ちです。
物を買い集めることや、所有することに執着しているため、もう充分あるのに、「まだ欲しい」「もっとたくさん欲しい」「もっといいのが欲しい」と求めてしまいます。
欲張るのをやめるには?
たっぷりあるマインドをもつ
「もっと、もっと欲しい」という気持ちを手放すのに一番おすすめなのは、「たっぷりあるマインド」を持つことです。
「まだ全然足りない、不足している」という考えがあるから、どんどん買ってしまうし、手放さないのです。「もう充分ある」と思えば、使わない分は手放すことができます。
物への執着ぶりに自分で気づく
必要以上に物をたくさん持っている人は、自分が持ちすぎていることや、買いすぎていることに、気づいていません。
それが当たり前だと思っています。
毎週、買い物するのはあたりまえ、毎シーズン服を買うのはあたりまえ、コートを3着持つのはあたりまえ、バッグが5つあるのは普通のことだ、というように。
しかし、本当にそうでしょうか?
長年の習慣で、がんがん買い集めてしまっているだけかもしれません。
自分の買い物ぶりや、集めぶりを自分で振り返ると、執着しているさまに気づくものです。
過剰な消費をいったんやめる
買わない挑戦などを利用して、いったん買い物や消費のスピードを落とすと、そんなにたくさんなくても大丈夫だと気づきます。
買わない挑戦とは? ⇒ 誰でもできる『買わない挑戦』の始め方。自分ルールで楽しく実践。
人にシェアすることを意識する
物をがしっと抱え込むことに注いでいたエネルギーを、別のことに向けます。
所有するのではなく、他の人に分け与えることを考えるといいと思います。
これまでしがみついていたものを、いかに世の中に還元できるか、考えてみるといいでしょう。
8.見栄っぱりである
見栄をはりたい気持ちが強いと不用品が増えます。
本当はいらないけど、持っているところを人に見せたくて買う。
本当はいらないけど、買うお金があるところを人に見せたくて買う。
基本、人に見せるためだけに買った物なので、必要度は低く、愛着も持てず、次々とガラクタになり、結果、部屋がぐしゃぐしゃになります。
なぜ、人は見栄をはってしまうのか?
たぶん、自分自身の価値を間違ったものさしで測っているからでしょう。
見た目や体裁を整えることで、自分の価値をあげようとすると、不必要な物やサービスにお金を使いすぎてしまいます。
見栄をはるのをやめるには?
見栄をはるのをやめる第一歩は、自分が見栄をはっていることに気づくことです。
部屋でガラクタになっている品、それぞれを購入した動機を検討すれば、見栄のせいで買ったことに気づけると思います。
次に、自分の人間としての価値について考えます。
お金や所持品だけが、自分という人間の価値を表すものなのだろうか、と考えてみるといいでしょう。
さらに、人と比較すると、見栄をはりたくなるので、比較するのをやめること。
具体的には、SNSの使用を控えることをおすすめします。
まあ、多少のやせがまんは、自分の生活をよくする方向に働くかもしれません。
しかし、見栄をはりすぎると、本当の自分と、人に見せている自分の差が大きくなりすぎて、自分らしくふるまうことができません。
見栄は嘘の一種だから、自分に嘘をつくことが多くなり、疲れます。
部屋に見栄の産物が多すぎる人は、そうした物が、実際に自分にもたらしたものは何か考えてください。
貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?
9.安心感を求めている
物がたくさんあると、人は安心感を感じます。
守られている気持ちになり、保険があるような気になり、やすらぎを感じるのです。
物がたくさんあると安心できるのは、長らく欠乏の時代をすごしてきた、人類の脳の自然な反応だと思います。
しかし、いまは物余りの時代です。
物をたくさん集めすぎると、逆にストレスになります。
物ではなく、ほかのところに安心感を求めたほうが、部屋はきれいになります。
自分自身や自分の生活に満足できている人は、物理的な物を過大評価しない、というリサーチがあります。
つまり、たくさんの物がなくても、自分は愛情をたっぷり受け取っているし、人に受け入れてもらっていると感じることができれば、もう物を集めなくてもすむのです。
安心感を得るには?
物がなくても安心できるにはどうしたらいいのでしょうか?
自分を信頼する
自分自身を信頼し、何があっても、自分は大丈夫だと思えるようにします。
要するに自分を好きになり、自信を持てばいいのです。
自信の持ち方はいろいろありますが、困難な局面をくぐり抜ける経験を何度もすると、自信がつきます。
「そういうハードな方法はとりたくない」というときは、自分との約束を守ることを繰り返すといいでしょう。
自分で「こうしよう」と決めたことを、実際に行えば、約束を守ることになります。自分を裏切らない、とも言えます。
ネガティブな思い込みを捨てる
自分に関する悲観的な思い込みを捨てます。
たとえば、私はだめな人、私は人間としてどうしようもない、できそこないである、という思い込みです。
過去に失敗したり、ずるをしたり、すべきではないことをしてしまって、自己評価がすごく下がることがあります。
しかし、人間は、失敗をする生きものなので、失敗をしたからといって、自分がダメ人間と判定されるわけではありません。
失敗は一過性のもので、自分自身のよさを損なうものではない、と考えるといいでしょう。
「自分はだめだ」という評価は、他人ではなく、自分がしていることが多いです。
厳選した物を大事にする
ライナス(スヌーピーのまんがの登場人物)が安全毛布を大事にするように、安心感を与えてくれる物を厳選して、それをとことん大事にするのはどうでしょうか?
そうすれば、安心感が得られるし、物は増えません。
「本当に大事な物がほんの少しあれば、そこそこ大事な物がたくさんあるより、安心できる」という考え方をおすすめします。
ほかには、周囲の人と仲良くするなど、物ではない、価値のあるものを大事にする、という方法もあります。
10.根深い買い物ぐせ
物が増える一番の理由は買い物なので、収納スペースからあふれるほど物があるなら、買い物をたくさんしている、と言えます。
しかも、その買い物の大半は無意識です。
無意識にたくさん買い物している人は、「断捨離したい、部屋をきれいにしたい」と、捨て方を知りたくて、このブログを読むようになっても、「物を買わない暮らし」の記事は、まったくピンと来ません。
自分には関係のない、よその世界の人の話(ほとんどフィクション)だと思っているからです。
しかし、そうしたすっかり習慣化して、疑うことすらしな、無意識の買い物のせいで、部屋がぐしゃぐしゃになっています。
高額な物をたくさん買っていなくても、100均ショップやホームセンター、コンビニなどで、小さな物を、1つ、また1つと買っているうちに、物は増えます。
「私は絶対買い物しすぎていない。いつも必要な物しか買っていない」
こう思っていても、一度は、「もしかして、買いすぎているのかも?」と疑ってみることをおすすめします。
「必要だ」と思い込んでいるだけかもしれません。
まずは、なぜ自分が買い物をするのか考えてみるといいでしょう。
無意識にたくさん買ってしまう理由
気づかないうちに、買い物をたくさんしてしまう理由を3つ書いておきます。
買い物が大好き
買い物好きの人は、買い物という行為や、新しい物を買って高揚感を得る行為をとても肯定的にとらえているので、買い物のしすぎが、ネガティブなことだとは、なかなか考えられません。
「買い物のどこが、悪いっていうの?」と思う人は、自分の買い物習慣をチェックするといいでしょう。
期間を決めて、物を買う頻度、買うのに使っている金額、買ったものをちゃんと使っている度合いを調べると、買いすぎている状況に気づけると思います。
「観察する」という気持ちで、淡々と記録をとってください。
買い物そのものは悪くありません。過剰に買うことが問題なのです。
セールに弱い
「今すぐ必要ではないが、値段が下がっているから買う」、という行為を繰り返していても、物が増えます。
必要ではないため、ガラクタ化するのです。
このような人は、「セールで買うのは、得なので、自分はやりくり上手だ」とすら思っているかもしれません。
つまり、自分は家計にいいことをしている、と思っています。やはり、買い物を肯定的にとらえています。
けれども、実際は、セールで値段が下がっている物を買う機会を逃すのが怖い(損するのが怖いと思う)から買っているだけなのです。
セール品をちゃんと使いこなしているか、今一度調べてください。
買い物する前に自分に聞きたい10の質問、セールで買いすぎないために。
何も考えていない
何かを買う前に、本当に使うのか、予算はあるのか、どこに置くのか、私に必要な物か、家にある物で間に合うのでは? などなど、あれこれ考えるのはめんどくさい行為です。
家事や仕事で忙しく、脳が疲れ切っている場合、そんなことをいちいち考える気になれません。
その結果、店で何かが目についたとき、「かわいいし、あると便利そう、とりあえず買おう」とあっさり決めて買います。
そういうことを繰り返していると、部屋に不用品がたまります。
こういう買い方をよくする人には、脳が疲れないように暮らすことをおすすめします。
健康的で刺激の多すぎない生活をめざし、心に余裕を持つと脳が疲れません。
マインドフルネスを心がけ、瞑想するのもいいでしょう。
結局、買い物をたくさんしてしまうのも、ふだんの心理状態に負うところが多いので、穏やかで、地に足のついた生活をするといいのではないでしょうか?
前編はこちら⇒部屋はこころの鏡。ぐしゃぐしゃの部屋が語るあなたの人生(前編)
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2回にわたって、部屋にあるガラクタが自分について語ることをお伝えしました。
昔、自分が買ったものを見ると、「ああ、あのとき、こんなことにはまっていたなあ」とか、「あんなこと考えていたんだなあ」と懐かしい気持ちになることがあります。
いま、自分の家にあるものは、自分の思考や選択の結果ですから。
自分の行動の結果なので、違う行動をすれば、部屋の様子も変わっていきます。