ものが多い部屋

ミニマルな日常

最終更新日: 2024.12.27

“捨てる”と”捨てられない”の間で:ものとの付き合い方を模索する2つの物語

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今日は、二人の読者の方から届いたシンプルライフに関するメールを紹介します。

テーマは「ものとの向き合い方」。同じテーマでありながら、まったく異なる体験をされた二人の物語です。

一人目のMさんは、800個ものアニメグッズを手放すという大胆な決断をされました。

きっかけは、伯父さんの突然の訃報と遺品整理。

人生のはかなさに直面し、自分の持ち物を見つめ直すことになったのです。

一方、るるこさんは、実家に置いてきた荷物と向き合うことになり、断捨離の難しさを実感されています。段ボール10数個分もの荷物をどう処分するか、家族と協力しながら奮闘中です。

ふたつの物語から、「ものを持つこと」「手放すこと」の意味について、多くのことを学べるのではないでしょうか。

ではまずMさんのお便りを紹介します。



人生で私が一番ものを捨てたとき

初めまして。

インターネットで、掃除や断捨離の方法について見ている最中、筆子さんのブログにたどり着きました。

どの記事も、興味深く拝読し、ミニマリストの考えに共感する部分も多いです。

記事を拝読するうち、自分の人生で最も多くのモノを手放したときのことを、思い出しました。(以下、少し長くなります)

昔から漫画やアニメが好きな私は、キャラクターの絵が描いてある缶バッジやフィギュア等、とにかく大量のグッズを買い続ける人生を送っていました。

しかも、それらを未開封のまま置いておくだけという、もったいない精神のタメコミアンでもありました。大体800個ほど、持っていたと思います。

ただ、それらのグッズに関しては大部分を手放し、いま所持しているのは小さいフィギュア5個くらいです。





伯父の遺品整理

グッズを手放すきっかけになったのは、20代の頃、急逝した伯父の遺品整理を手伝ったことです。

その頃の私は、健康な若者だったこともあってか、身近な人の急逝というのは衝撃的な出来事でした。

伯父の家は、比較的モノが少ないほうでしたが、それでも掃除するためには時間を要しました。

作業自体は、全然苦ではなかったのですが、掃除をしながら色々と考え始めました。

命とは、儚く、有限なのだな……。

もしも私が突然この世を去るようなことがあれば、部屋に溜め込んでいるあの大量のグッズは、誰かが処分しなくてはならなくなるのか……。それなら、まだ生きているうちに私自身がグッズの行き先を決めたほうが、後悔せずに済みそうだ……と。

それまでは、買い物は楽しいし、モノをたくさん持っていることは正解だ! と純粋に信じていた私。

あれだけ集めたものを手放すなんて、今までと真逆の考えだよ? もしかして、ショックで正常な判断ができなくなっているのでは? 本当にそれで大丈夫? と、繰り返し自分に問うてみました。

最終的には、持ち過ぎているグッズを手放すことが良い結果をもたらすはずだ、という考えに至り、800個のグッズを整理しました。

大量のモノを手放した経験というと、上記が一番印象に残っています。

あれから数年経って、30代に突入しましたが、今もモノを持ち過ぎないよう心がけています。モノを溜め込まない習慣は、今後も、なるべく続けていきたいです。

長々と失礼しました。筆子さんの記事を、今後も拝読したいです。寒い時期ですので、ご自愛ください。

Mさん、こんにちは。物を捨てた体験をシェアしてくださり、ありがとうございます。

グッズを買い集めることが好きで、積極的にものを持っていたMさんが、断捨離を思い立ったのは、伯父さんの遺品整理がきっかけだったのですね。

先週紹介したNATSUさんも、実家の片付けがきっかけで処分する気になったとメールに書かれていました。

断捨離が教えてくれる、ものとの新しい関係

遺品整理をすると、

・持ち主がいなくなった途端にものの価値が失われること(あの世にものは持っていけない)

・残された人が遺品整理をしなければならないこと

・命が有限であること

こんな現実に直面するので、自分のものを見直す機会になるのだと思います。

Mさんは、グッズを未開封のまま置きっぱなしにしていたそうですが、昔の私もそんな傾向がありました。

私は、買うことにフォーカスしていて、買った物を使うことはあまり意識していなかったのです。

私のように、買うのが楽しくて、「買いたい気持ちを満たすため」に買い物すると、買ったそのときに目的が達成されるので、購入したものは放置されます。

放置していても、手放すのはもったいないからどんどん不用品がたまるんですよね。

ものは使ってこそ価値を引き出せると考えるようになってからは、ちゃんと使うものだけを手に入れることを意識しました。

買いすぎるとすでに持っているものを使うことができないので、自然にあまり買わなくなったように思います。

今でも買いすぎる失敗をたまにしますが、昔より手持ちのものを使う生活になりました。

Mさんはまだ30代ですが、すでに持たない暮らしを心がけているのですね。

お金、時間、体力などを使っていないもののために浪費しないライフスタイルにシフトしたMさんは賢明だったと思います。

これからも、ものとうまく付き合ってますます充実した暮らしをしてください。

どうぞお元気で。

次は逆にものを捨てられなかったと教えてくれたるるこさんのお便りです。

また捨て活を始めます

件名:1年の振り返り

筆子様、

いつも変わらぬ真っ直ぐなメッセージをありがとうございます。

1000個捨てチャレンジの件や、年初の目標などで取り上げていただいたにもか関わらず、あまり片付かないままあっという間に1年が経とうとしています。

改めてそれらの自分の投稿を読んでみて、あの時は頑張るつもりでいたのにとため息が出ますが、と同時に筆子様のメッセージに改めてはげまされ、また頑張ろうと思い直しています。

実家に置きっぱなしのもの

と言いますのも、実家で暮らす姉夫婦が親の介護に備えて片付けを始めていて、私が置いたままにしてしまっていた物を宅配で送りたいと言っていまして。

それも段ボール1つや2つではなく、10数個あると言うのです。

もちろん長年置きっぱなしにしていた私が悪いのですが、ただでさえ片付いていなくて、居間で家族四人(成人済みの子供含む)川の字で寝ているような我が家には、とても置き場所がありません。

それこそ寝る場所がなくなってしまいます。

想像しただけでパニックになりそうでした。

協力的な家族

しかしそんな私を見かねてか、家族は意外と楽観的に受け止めてくれて、届いた端から捨てていけばいいじゃない!と一緒に頑張ろうと励ましてくれました。

そうだそうだとにかく捨てればいいんだわと、何とか前向きになれてきたところです。

さすがに1人部屋が欲しいというもうほぼ大人の子供達のためにも、今から来年に向けて頑張ります。

とは言っても、急には行動を変えられないので、改めて筆子様のブログを読み返しつつ、自分を責めずに自分に出来るペースでやっていこうと、ここで改めて宣言しておこうと思い、お便りさせていただきました。

来年もよろしくお願い致します。

るるこさん、こんにちは。近況を教えてくださってありがとうございます。

今年も1年間、ブログを読んでいただき、本当にうれしいです。

捨てようと思ったけど、捨てられなかった…… そういう人、多いと思いますよ。

他の方からも似たようなメールをいただいたので、先日、こんな記事を書きました⇒再スタートは誰でもできる~片付けに挫折した人が成功する11のコツ

家が狭くて、家族それぞれに十分スペースを取ることができない場合、ものを捨てるしかないんですよね。

ものを保存することより、人間が快適に生活することのほうが重要ですから。

るるこさんの家にどんなものがあるのかはわかりませんが、すごく大事なもので捨てられないのであれば、外部倉庫を借りてそこに移すしかないと思います。

でも、私の経験では、生きるのにそんなに多くのものは必要ありません。

今回、実家から届くものも、長年放置されていたものでしょうから、必要ないといえばないんです。

家が大きく、収納スペースがたっぷりあると、不用品をキープしてしまいますが、るるこさんの場合、その余裕がないので、かえってよかったのではないでしょうか?

ご家族が言うように捨てるだけでいいので、がんばって捨ててください。

それでは、るるこさん、来年もお元気でお過ごしください。

良いお年を!

*******

読者のお便りを紹介しました。

Mさんも、るるこさんも予期せぬ出来事(伯父の遺品整理、実家からの荷物)がきっかけとなり、自身のものとの関係を見直すことになりました。人生の転機は、私たちの価値観を変える大きなチャンスになりますね。

それではあなたも近況や感想、皆に聞いてもらいたいことなどありましたら、お気軽にメールください。

こちらからどうぞ⇒お問い合わせフォーム | 筆子ジャーナル

お待ちしています。





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