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汚部屋や汚屋敷を改善するヒントを書いています。
今回は、「片付けなければ」と思いつつ、いつもギリギリにならないと、片付けに着手できない理由とその解決法をお伝えします。
ギリギリのタイミングとは、
◯来客が来る直前
◯汚部屋になりすぎて、にっちもさっちもいかなくなったとき
こんなタイミングを想定しています。
さっさと片付けない理由:片付けは大変だからいやだ、という逃げの姿勢
いわゆる先延ばしです。人が先延ばしする理由はたくさんありますが、汚部屋の片付けの場合、以下の2つの理由が大きいのではないでしょうか?
●片付ける作業は。とても大変で、気力、体力がたくさん必要なことがわかっているから。
●ギリギリのタイミングにならない限り、特に困ったことはないから。
断捨離や片付けが嫌いな人は、「片付けはすごく大変だ、だからやりたくない」と思っています。
さらに、今のところ、別に片付けなくても普通に生きられているので放置してしまいます。
特に、汚部屋であればあるほど、その作業の大変さを思い浮かべてしまって、身動きできなくなり、たった1つゴミを捨てることすらできません。
確かに部屋が散らかっていても、暮らせますが、実は心の中は罪悪感でいっぱいだし、ガラクタはストレスを生むので、ずいぶんつらい状態で生きています。
生活の質はかなり落ちている、と言わざるをえません。
そのまま汚部屋の中で暮らしていても、楽しいことなんて1つも起きないどころか、先延ばしすればするほど事態は悪化の一途をたどるでしょう。
終わりが見える小さな片付けプロジェクトの計画をたて、実行する
片付けをする前に、「ものすごく大変そうだ」と思っておじけづいている人は、ごくごく小さな片付けプロジェクトを計画して、スケジュールに組み込んでください。
汚部屋を前にして「これを全部片付けるのか…」と思っているから、すごく大変に思えてしまうのです。
汚部屋全体ではなく、全体のごく一部を片付けることにすれば、「なんとかなりそうだ」と思えるものです。
自分で作業を小さなものに区切ってください。たとえば、
●机の上の右半分だけをきれいにする
●台所のカウンターのみをきれいにする
●玄関のたたきに散らかっている靴をなんとか片付ける
これでも大変そうだったら、さらに細分化してください。
終わりをイメージしやすい小さなプロジェクトを設定して、とにかくそれだけをやれば、その分は片付きます。
明日はこの繰り返しです。
大々的な汚部屋は小さな片付けを積み重ねることでしかきれいにする方法はありません。
小さな断捨離プロジェクトの例はこちらで紹介⇒きれいな部屋は何もない表面から始まる(プチ断捨離13)
時間を5分、10分、15分と区切ってしまうのもおすすめです。15分ぐらいなら、がまんしてやれるのではないですか?
少しでも片付けることができれば、それだけ罪の意識から解消され、人生が明るくなります。
いつまでも汚部屋な理由2:片付けをなめている
「片付けるのはすごく大変そうだ」と思って怖気づいている人が一方で、「こんなのその気になればすぐに片付けられるから」と甘く考えて、どんどん部屋が散らかってしまう人がいます。
時には、「大変だ」と逃げる気持ちを正当化するために、「その時になればなんとかなる」と思うこともあります。
シンクに汚れたお皿がいっぱいあるが、夜、10分ぐらいでちゃちゃちゃっと片付けられる、と思っていたとします。ところが、いざやろうとすると、とても10分では終わらないのです。
なぜなら、シンクを片付けている最中に、子供に用事で呼ばれたり、友達から電話がかかってくるからです。
ダイニングテーブルの上にガラクタがいっぱいのっていても、「週末にまとめて片付ければいいや」と思って放置する人がいます。
もちろん週末にきっちり片付けることができません。片付けようと思うと、ゴミ袋がなかったり、収納場所がほかのガラクタでいっぱいで片付けられないのです。
もちろん、シンクの片付けと同じように、外からいろいろ邪魔が入ります。
人間は、もともと、あるタスクにかかる時間を短く見積もり、長い時間をかけて達成できることを過小評価してしまう心理的傾向があります。
この傾向は、心理学で、 planning fallacy (プランニング・ファラシー、計画錯誤)と呼ばれています。
プランニング・ファラシーは1979年にダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが発表しました。
よく考えてみれば、夏休みの宿題も、公共事業も、計画より前にできることってめずらしいですよね?
たいていなんでも予定より遅れます。
なぜ、計画錯誤が起きてしまうのか、その理由はいろいろな学説があります。カーネマン先生たちは、人は楽観的なシナリオを思い描いてしまうから、としています。
片付ける気持ちはあり、時には片付けているけれど、いつまでたっても汚部屋状況が改善していない人は、このプランニング・ファラシーのワナにはまっている恐れがあります。
タスクにかかる時間を50%余分に見積もる
もう3年ぐらい断捨離をしているのに、思うように片付いていない場合は、もっと片付けや整理にかかる時間の見積もりを、真剣に、注意深くしてください。
プランニング・ファラシーは、自分が自分の仕事を見積もるときにおきます。ところが、他人の仕事を見積もるときは、わりと正しく見積もることができるそうです。
そこで、できるだけ客観的な視点にたち、過去の体験も考慮して、可能な限り正しく、所要時間を見積もってください。
たとえば、シンクを片付ける時間を、これまでの経験をベースに考えて、10分と見積もったとします。
次に、その時間を5割増しします。つまり15分です。
50%余分に見積もれ、というのは私が考えたことではなく、プランニング・ファラシーを研究している人が出した数値です。
楽観的な状況ではなく、最悪の状況を考えておく、というのもいい方法です。
散らかった部屋に住み続ける理由3:睡眠不足である
睡眠不足だとあらゆるモチベーションが低下します。これは科学的に証明された事実ですが、別にデータを持ち出さなくても、想像はつくことです。
私も睡眠不足のときは著しくパフォーマンスが落ちます。疲れてしまって何もやる気になれません。
ふだん普通にやれていることもとても億劫になります。ましてや、片付けや断捨離など、それなりに気力が必要なことをやろうなんて気にはとてもなれないでしょう。
また寝足りないと、短期記憶が損なわれるので、掃除機をかけているときも、ぼーっとして、同じ場所を何度も何度もかけたりします。
ついさっき考えていたことが思い出せません。
もちろん、長期的な記憶も保持できません。
私たちは寝ているあいだに学んだことを定着させています。
ということは、新しいスキルを身につけるのが難しくなるので、いくら断捨離本やお片づけ本を読んでも、すぐに内容を忘れてしまうし、前は要領よく片付けができたその技術を再現することができません。
注意力が散漫になるので、雑誌や新聞を片付けているとき、捨ててはいけないものをビニールひもでしばってしまうかもしれません。
もちろん、物事の計画をたてることもうまくできません。1番で、小さな片付けプロジェクトを設定したほうがいい、と書きましたが、睡眠不足すぎて疲れている人は、そんなこともできません。
疲れて頭がぼーっとしていると、何を、いつ、どんなふうに始めて、いつ、やめるべきなのか考えることができないのです。
仮に片付けを始めることができたとしても、集中力が続きません。
もっと問題なのは、寝不足だと、新しい行動を起こすことができないことです。これまで慣れ親しんだ悪い習慣をリピートしてしまいます。
これまで、私はこのブログにさまざまな片付けのノウハウを書いてきました。記事を全部読んだのに、何1つできない、という人は、睡眠不足で疲れすぎているのかもしれません。
寝足りない人は、寝ればいいのだけど…。
睡眠不足を解消する方法は1つだけ、眠ることです。
寝る時間を削って片づけ本を読んだり、断捨離ブログを見ているのなら、寝るほうを優先してください。そのほうがずっと早く片付きます。
とは言え、「寝たほうがいい」と言われても、すんなり早くふとんに入る人は少ないです。
これはほとんど心理的な問題です。多くの人は睡眠よりも優先してやりたいことが、それはそれはたくさんあるのです。
慢性睡眠不足の人は、睡眠より優先順位の高いことがたくさんあります。この優先順位の見直しをしてください。それは、大切な睡眠を削ってまでしなければならないことなのか、どうか。
睡眠不足だから、昼間のパフォーマンスが落ちて、よけいな仕事が増えていることも充分考えられます。
起きている時間に元気でいるためには、睡眠は不可欠なんだ、という思考を持たない限り、仕事が多い⇒睡眠を削る⇒さらに仕事が多い⇒また睡眠を削る、という悪循環を断ち切ることはできません。
1日、2日、睡眠不足でも暮らせるので、だんだん慢性睡眠不足になり、そのままのパターンで人生を過ごし、中年になって大きな病気になってから、後悔する、こんなパターンが多いのではないでしょうか?
睡眠の大切さを知り⇒なぜ人は眠るのか?睡眠の大切さを忘れていませんか?(TED)、忙しさを手放す努力をしてください⇒なぜそんなにいつも忙しいの?~忙しさを生む7つの理由と忙しくなくなる方法
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部屋が汚いのは、私が片付けられない女だから、だらしないから、性格の問題だから、と思ってしまう人が多いです。
しかし、よくよく考えてみると、「片付けられない負のループ」に入っているだけなのです。
まず、今夜から、夜はしっかり寝て(8時間推奨)、小さな片付けプロジェクトを考え、それを完了させるのに必要だと思う1.5倍の時間で見積もり、自分のスケジュールに組み込み、実際に片付けてください。