ルーム

お金を貯める

止まらない買い物を止める方法。ディドロ効果のワナを知れ。

ページに広告が含まれることがあります。

バーゲンで何気なく買ったワンピース。そこで止まればいいのですが、服に合ったバッグや靴も必要だ、思ってしまい、買い物が止まらなくなる、なんてことありませんか?

誰でもこの傾向はあるのです。こうした心理的傾向はディドロ効果と呼ばれます。今回は、ディドロ効果とは何であるのか、どうしたら買い物の連鎖を止められるのかお伝えします。

ディドロ効果とは?

ドゥニ・ディドロについて

ディドロとは、18世紀のフランスの哲学者(啓蒙思想家)ドゥニ・ディドロ(Denis Diderot 1713-1784)という人の名前から来ています。

彼は「百科全書」(Encyclopédie)という百科事典みたいな本をダンベールという物理学者といっしょに書きました。

この本はフランスの啓蒙思想の集大成として有名な本であり、歴史的に意義のある書物です。

本編17巻、図版11巻、補足の巻5巻、索引だけで2巻もあります。全巻を刊行するのに26年ぐらいかかっていて、できあがったのは1772年。ディドロ先生は59歳でした。比べるのはおこがましいのですが、今の私と同じぐらいの年だったわけです。

この本、キリスト教関係から圧力がかかり、ディドロは途中で投獄されたりもしています。

新しい知識がいっぱい書いてあったんでしょうね。

ディドロ先生はこんなすごい本を書いたのに、貧乏にあえいでいました。1765年、娘が嫁入りする時、結婚の支度金が準備できませんでした。

そこで、彼は自分の本を売却することにしました。本というより蔵書と呼んだほうがいいコレクションです。はじめ、売却は難航しましたが、結局、ロシアのエカチェリーナ2世が高く買い取ってくれました。

ディドロは突然金持ちになったのです。

ディドロの赤いガウン

無事、娘をお嫁入りさせても、まだお金がたくさん残っていました。そこで、ディドロは、新しく、赤いガウンを購入しました。ガウンといっても寝巻きの上に着るやつではなく、部屋着みたいなものです。

ドゥニ・ディドロ

ディドロ、1767年(54歳のころ)の肖像画。古いほうのガウンを着ている?

それまで着ていたガウンが古びていたからです。

このガウンが、彼の買い物の連鎖の始まりでした。

赤いガウンはあまりに美しかったので、自分のおんぼろな書斎がこのガウンには全く似つかわしくない、とディドロは思いました。

そこで、彼はガウンに合わせて部屋の中の家具調度をどんどんアップグレードさせたのです。

新しいカーテンを書い、机を買い、椅子を買い、本箱も買い、じゅうたんも買い、彫像やキッチンテーブル、鏡も買い換えました。

これまで自分が長年使っていた、馴染みのある、だけど古びていた家具や雑貨はすべて新しいものに変わったのです。

全部赤いガウンに合わせたものでした。

ディドロは「美」に関する著作も書いているほど、「美」にこだわっていた人なので、統一感が大事だと思ったのでしょうね。

しかし、すべてを新しいものに買えたあと、彼は後悔しました。みんな新しくてきれいだけど、自分らしくないことに気づいて、強烈な違和感を感じたのです。借金もできました。

そして、のちに、「自分の古いガウンを手放したことへの後悔(Regrets sur ma vieille robe de chambre)」という随筆を書きました。

この随筆は「なぜ古いほうのガウンを手放してしまったのか?自分の体にぴったりあっていたのに。とっても似合っていたのに」という後悔の言葉から始まっています。

これがディドロ効果の由来です。

私たちは、何か新しいものを買うと、新しい物に合わせるために、どんどん別の新しいものを買ってしまうのです。

ディドロ効果の例

●新しい服を買うとそれに合ったアウター、靴、アクセサリー、バッグを買う。特に結婚式などのイベントの前に起きる現象。

●漫画やDVDをシリーズで買い揃えてしまう。関連グッズもどんどん集めてしまう。

●新しいソファを買うと、それにあったクッション、テーブル、カーテンなどが欲しくなり買ってしまう。

●子供が誕生日に着せ替え人形をもらったら、自分でその人形の服や小物をどんどん買ってしまう。

●運動不足を解消するために、ジムに通うことにした後、おニューのスニーカー、運動着、ジムバッグ、リストバンド、ヘアバンド、ジムのシャワー専用のトラベル用コスメ、コスメを入れるポーチなどすべて揃えてしまう。

●新しい化粧品を買うと、すべて同一ラインで揃えないと気がすまない。

●ミニマリストみたいに暮らしたいと思って、次々に「世間のミニマリストが使っているという物」に買い換える。

●シンプルライフにしたいと思って、ガラクタを捨てたあと、新しく無印良品(IKEA)の物に買い換える。

●新しいペンを買ったら、それにあったペンケースや消しゴム、バインダー、ノート、手帳などを順番に買ってしまう。

程度の差こそあれ、こういうこと、よくあると思います。先日も書きましたが、私たちは「人生は物がないと完結しない」と思っています⇒当たり前のように必要だと思っているけど本当はいらない5つの物。

しかも最近、物は安いし、たくさん売っているし、宣伝もいっぱいあるし、ほかの人も買っているし、買わないほうが難しいかもしれませんね。

ディドロ効果に打ち勝ち、やたらと買わない方法

このように、何か買うと買い物の連鎖が止まらない人は、以下のことを気をつければ、多少はましになると思います。

今、自分はディドロ効果の中にいるということを知る

ディドロは結局あとですごく後悔しました。新しいものに合わせて、次々と新しいものを買うことは、後悔への道です。

余計な物が増えるし、お金もなくなります。節約している人にとっては特に痛い行為です。

一つ目の買い物をしない

買い物の連鎖となる最初の買い物をしないことがとても大切です。

イベントに着ていく服がない、と思っても、すぐに買い物に走ってはいけません。本当にないのか、手持ちの服で間に合わせることができないのか、人から借りることができないのか、あらゆる可能性をさぐってください。

買い物のきっかけを受け取らない

買い物のひきがねとなるものは見ないほうがいいです。

楽天市場、アマゾン、ネットショップからくるメール、カタログ、雑誌、テレビのコマーシャル、買い物ブログ、すべてです。

用事がないかぎりショッピングモールやショッピングビルに行かないでください。人と待ち合わせるときは、公園やハチ公前といった、店ではない場所がおすすめです。

☆買い物を防ぐ方法はこちら⇒効果がある衝動買いの防ぎ方。4つの戦略で無駄遣いをやめる

自分の今の生活に合うものを買う

服を買うときは、手持ちの服に合わせられる物、手持ちのバッグや靴に合うものを買います。

自分のスタイルができていると、突拍子もない物を買う失敗を防ぐことができます⇒自分のユニフォームを決める12のヒント。おしゃれミニマリストになる道もある

暮らしをシンプルにしたいからと言って、いきなり無印良品やIKEAなどで、自分の今の所持品に合わないテイストのものを買う必要はありません。

新しいものが欲しいなら、余計なものを捨て切ってから、ゆっくり、それこそ年に1つぐらいのスピードで揃えてください。

人真似をしない

自分らしさを大切にしていれば、1つの買い物がきっかけで、これまでの物を全否定するような買い物の連鎖は起きないはずです。

他人が買って喜んでいるものが、自分の暮らしをよくしてくれるとは限りません。

物を買うときはいつも、「これは自分らしい物かな?」と考えてください。

自分のために買う

店員を喜ばせるため、夫を喜ばせるため、孫を喜ばせるため、家族の意向に合わせるため、近所の人の水準に合わせるため、といった理由で買い物をしないでください。

買い物はあくまで自分のためにすれば、意にそまないものを買う失敗を防ぐことができます。

雑誌にのっているライフスタイルを鵜呑みにしない

雑誌にはいろいろと便利そうな物、素敵な部屋がのっています。最近ではミニマリストの部屋や持ち物、服が人気ですが、鵜呑みにしないでください。

雑誌の世界は雑誌の世界。作りものです。読者が登場していたって同じです。絶対何らかの演出が入っています。

テレビのコマーシャルやドラマの世界も同じです。

外部の影響を受けやすい人は、こうしたメディアにはできるだけふれないことをおすすめします。

物で幸せを演出しようとしない

こんな食器があると、幸せな家庭に見えるかも、こんな服やバッグを持っていると、素敵な女性に見えるかも。こんな車にのっていると、仕事ができる人に見えるかも。

こうした発想で物を買わないほうがいいです。確かに物を揃えると、幸せだ、人間的魅力がある、能力がある、自信がある、という「見かけ」を作ることはできるでしょう。

しかし、これは本質ではないと思います。

幸せとか、自信といったものはやはり本人の内側からにじみ出てくるものではないでしょうか?物がありすぎると、本当はちゃんとそういうものがあるのに、外に出てくるチャンスを奪われてしまいます。
~~~~
ディドロは、随筆にこう書いています。「私の体験から学んでくれたまえ。貧乏には自由がある、金持ちでいることには障害がある(Que mon exemple vous instruise. La pauvreté a ses franchises ; l’opulence a sa gêne.)

物はありすぎても不幸なのです。

くまのぬいぐるみ義理の両親の贈り物で子供のおもちゃがどんどん増える問題の解決法前のページ

仕事で忙しい人が断捨離をする7つのヒント。あきらめずにプロセスを楽しむ。次のページ忙しい主婦

ピックアップ記事

  1. 『それ、いつまで持ってるの?』10月30日発売:捨てにくいものを捨てる

  2. 文庫本『それって、必要?』10月28日に発売です~ただいま予約受け付け中。

  3. 『50歳からのミニマリスト宣言!』が文庫に:50代からの暮らしを変える一冊(8月…

  4. いつか使うかもしれない、と思うものを本当に使う方法、あるいは見切りをつける方法。…

  5. 筆子の新刊『書いて、捨てる! 』3月11日発売。著者による内容紹介。

関連記事

  1. すてきなリビングルーム

    お金を貯める

    貯金できないのは見栄を張るから。よく見せようとすることの恐ろしさとは?

    ある程度収入があるのに、貯金できない人がいます。こういう人は、もしかし…

  2. 通帳を見て頭をかかえる女性

    お金を貯める

    お金の不安とうまく付き合う方法~ごく現実的なアドバイス。

    お金の不安の解消法を教えてくださいというメールに返信します。最…

  3. 家計簿をつける主婦

    お金を貯める

    もっとも簡単で効果的な節約術は不用品を捨てること。特に主婦におすすめです

    節約術の1つとして、断捨離はとても効果があるのでおすすめです。その理由…

  4. お金を数える人

    お金を貯める

    暮らしを小さくすることで節約を実現・お金を貯める記事のまとめ、その4

    ミニマリスト主婦が暮らしを小さくして、貯金する方法を書いた記事のまとめ…

  5. 小銭

    お金を貯める

    お金をためたいならミニマリストになったほうがいい4つの理由

    ミニマリストの暮しはお金をためやすいので、倹約したい人にはおすすめのラ…

  6. お金の管理に苦しむ人

    お金を貯める

    ミニマリストがすすめるシンプルな家計管理。

    お金のやりくりに関する質問をいただきました。この方はどんぶり勘定で、お…

「それ、いつまで持ってるの?」発売中
文庫本『それって、必要?』発売中。
文庫版「50歳からのミニマリスト宣言!」
ムック:8割り捨てて二度と散らからない
ムック・8割捨てればお金が貯まる

書店かセブンイレブンで買ってね。
8割捨てればお金が貯まる・バナー
⇒ムック本・8割捨てればお金が貯まる、発売のお知らせ

「本当に心地いい部屋」
「買わない暮らし。」売れてます(第7刷)
筆子のムック(第5刷)
筆子の本、『書いて、捨てる!』
更新をメールで受け取る

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

1,818人の購読者に加わりましょう
新しく書いた記事を読む
  1. 買い物をする女性
  2. ダンボールの山
  3. ドラッグストアで買い物する女性
  4. 1つ捨てる
  5. 散らかった部屋
  6. ウィンドウショッピングをしている女性
  7. 掃除をする女性
  8. 遠くに行く人
  9. スマホを使う手元
  10. 豚の貯金箱にお金を入れる
筆子の本・10刷決定です

☆オーディオブック(Audible版)も出ました♪ 捨てられない人は要チェック
1週間で8割捨てる技術
⇒筆子の本が出ます!「1週間で8割捨てる技術」本日より予約開始

 

実物の写真つき紹介はこちら⇒「1週間で8割捨てる技術」筆子著、本日発売です(写真あり)

大好評・特集記事

小舟バナー

 

お金を貯める・バナー

 

実家の片付けバナー

 

ファッションバナー

 

フライレディバナー

 

湯シャンバナー

 

ブックレビューバナー

 

TEDバナー

 

歯の治療バナー

今日のおすすめ記事
  1. 霧
  2. ゴール
  3. 水切りカゴ
  4. 引っ越しの荷物
  5. 小銭
  6. 感情的になっている人
  7. ふて寝
  8. ハンドバッグ
  9. こたつで編み物をしている女性
  10. スマホを使っている女性
過去記事、たくさんあります♪
PAGE TOP