コーヒーとケーキ

TEDの動画

最終更新日: 2020.02.15

砂糖は人生に楽しみを与えてくれるものではない(TED)

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砂糖に関するTEDの動画を紹介します。

タイトルは、Sugar is Not a Treat(砂糖はトリートではない)。プレゼンターは、自然療法専門医のJody Stanislaw (ジョディ・スタにニスロー)さんです。

ジョディさんは、7歳のとき、1型糖尿病を発症し、以来、ずっとインスリンの注射を打っています。

treat は、お菓子、お楽しみ、ごちそう、人生に喜びを与えてくれるもの、といった意味です。



砂糖は人生をよくしてくれるものではない:TEDの説明

Sugar is hiding everywhere in today’s widely-accepted diet, but meanwhile its devastating effects are creating more deaths than automobile accidents.

In this eye-opening talk, Dr. Jody Stanislaw, a Naturopathic Doctor who has been studying the negative effects of sugar since being diagnosed with type 1 diabetes at the age of 7, dives into how the widespread negative effects of sugar are effecting us all, and what you can do about it.

砂糖は、今日、ごくふつうに出回っている食品にたくさん入っています。一方で、砂糖のせいで亡くなる人は、交通事故による死亡数より多いのです。

7歳のとき、1型糖尿病になって以来、砂糖の悪影響を研究している、自然療法医のジョディ・スタニスローは、この驚くべき講演で、砂糖が私たちにどんな影響をもたらしているのか、どうしたらいのか、説明しています。

プレゼンは15分31秒。英語字幕あり。動画のあとに抄訳を書きます(最近、日本語字幕もつきました)

身体の中でもっとも大切な臓器は?

身体のなかでもっとも大事な臓器ってなんだと思いますか? それがないと生きていけないものです。

心臓や脳、肺なんて思い浮かべたでしょうね。

すい臓を考えた人、いますか? たぶんあまりいないでしょう。

私は自然療法専門医で、すい臓の重要性についてお話するのが大好きです。

すい臓は胃の後ろ、左下の胸郭(きょうかく)の裏にあります。すい臓の中には、β細胞(ベータ細胞)があります。

小さな細胞で、ほんの2グラムです。アーモンド2つの大きさです。この細胞があるから、生きていられるのに、意外と注目されません。

もしβ細胞が働かなくなり、治療を受けないと数週間のうちに死んでしまいます。

β細胞はとても大切なのです。





ベータ細胞の働き

砂糖や高度に精製加工された炭水化物を食べると、その糖分は血液の中に入って全身に運ばれます。β細胞は、血液のセキュリティガードで、血液中の糖分が増えるとそれを察知します。

β細胞は血糖を血液の外に出すために、ゴミ収集車を呼びます。これがインスリンです。

インスリンは、血液の中にある糖分を肝臓や筋肉に運んだり、余分な糖分を脂肪として蓄えます。血液中に余分な糖分はあるべきではないですから。

大勢の人が、このセキリュティガード(β細胞のこと)に負担をかけすぎています。

ケーキやアイスクリームだけでなく、高度に加工された炭水化物のせいで、β細胞の仕事が増えているのです。たとえば、ヨーグルト、グラノーラ、シリアル、パン、パスタ、アルコールなどのせいです。

たとえ、控えめに食べていたとしても。

こうした食品を食べるたびに、β細胞がインスリンの分泌を促します。これは怖いことです。というのも、どんな物でも使いすぎれば、消耗するからです。

β細胞が疲れ切ってしまいます。この状態を、糖尿病予備群、または2型糖尿病と呼びます。

ベータ細胞が働かなくなると起こること

β細胞の消耗は誰にでも起こる可能性があり、その人が食べる物に関係があります。

何年もかかって、β細胞が弱ってしまうと、血糖値が危険なレベルまであがります。自分が知らないうちにです。

β細胞が弱りすぎてしまったあと、これまでと同じような食事をしていると、その後死ぬまでインスリンの注射を打つことになります。生命を維持するために。

ですが、よい知らせもあります。

疲れ切ったβ細胞を元気にさせることは、可能なのです。ほんの少し、食事やライフスタイルを変えるだけです。特に、初期の段階で有効です。

私は糖尿病を専門に研究しています。また、別の意味でも専門家です。7歳のときに、1型糖尿病と診断されたからです。

以来、ずっと砂糖の影響の研究をしています。

1型糖尿病の原因は、もっと患者の多い2型糖尿病とずいぶん違います。1型では、免疫系が、その人のβ細胞を攻撃して殺してしまうのです。

どうしてそんなことが起きるのかは、わかっていません。

β細胞がなくなってしまったので、私は毎日インスリン注射を打っています。これまでに10万回以上、注射しました。

ですが、1型糖尿病になったことは、ある意味、よかったと思っています。砂糖は絶対摂りたくない、と思えますから。

私が糖分をとると、血糖値が急上昇して、すごく気分が悪くなります。頭痛がして不機嫌になり、横になりたいと思います。

食べ物と気分の関係

多くの人は、自分が食べた物と、その後に感じる気分の関係について、ほとんど考えません。β細胞への悪影響についても。

その影響は、意識されにくいのですが、死に至ることもあるのです。

ですが、β細胞を助けることはできます。すべては自分次第です。

いま私が話していることは、10年前にはあてはまらなかったでしょう。あらゆる物に砂糖が入っている、なんてことはなかったのですから。

甘い物を食べるのは特別な時だけでした。

世界中の食品ブランドを牛耳っている会社はたったの10社だとご存知ですか? 食べものは甘ければ甘いほど、よく売れます。

砂糖を食べると、すぐにエネルギーがわいて、気分がよくなります。「ああ、甘い物を食べると気分がよくなる」と思うかもしれません。

ですが、1~2時間後には、エネルギーを吸い取られ、集中できず、昼寝をしたくなったり、もっと甘い物を食べたくなったりします。

このサイクルをずっと続けていると、β細胞は次第に弱まり、血糖値レベルが高いままになります。

そのうち、心臓病や腎臓の病気、脳卒中、壊疽(えそ)、失明、アルツハイマー病、下肢切断、うつ病、暴力的な行動、その他の問題が出てきます。

砂糖のせいで死んでしまう数は、交通事故による死よりも多いのです。

いまの時代に、私たちが食べている砂糖の量を考えると、もう砂糖は「お楽しみ」とは呼べません。

砂糖は、ゆっくり進む死刑なのです。

ベータ細胞を助ける方法

ですが、先ほども言ったように、自分でこの問題を解決できます。

私の患者のパムは、いつも疲れているので、どこかが悪いと思っていました。

「朝は気分がいいものの、そのうち活力がなくなり、集中できないし、イライラします。甲状腺のせいでしょうか、それとも脳腫瘍(しゅよう)? 検査してください」。

パムはこう言いました。

「こうした高い検査をする前に、朝食に何を食べているか教えて?」

と聞いたところ、バニララテとズッキーニ・ブレッドでした。

バニラはシロップです。バニラビーンではなく、バニラ風味のシロップで、砂糖がたくさん入っています。ズッキーニ・ブレッドは、ズッキーニ・ケーキと呼ぶべきものです。

マフィンも同じ。みなケーキです。マフィンは、アイシングのないケーキです。

私はパムに、朝食にタンパク質を摂るようにいいました。卵に、ピーナツバターをつけたりんごのスライスとか。

1日の最初に、血糖値を上げ過ぎなければ、気分はよくなると思う、と伝えました。

2週間後、パムからもらったEメールには、すっかり元気になったと書かれていました。

人生を変えるのは、ごくシンプルなのです。恐れることはありません。

加工食品にはたくさん砂糖が入っている

もちろん、私にもわかっています。横道にそれるのは簡単です。いまや、加工食品業界は1.5兆ドルの市場を持っています。

こうした企業は、砂糖がたくさん入っている食品に、「健康的(ヘルシー)」とラベリングしています。ガミー・バイタミン(ガミー・ビタミン。グミ状のビタミン剤で甘い)とか。

フルーツヨーグルトにも、コカ・コーラよりたくさん砂糖が入っています。子供たちが食べているフルーツ・チューズ(fruit chews フルーツ風味のソフトキャンディ)も、フルーツではありません。

フルーツ風味をつけた砂糖です。

あるラットの実験によれば、日常的に砂糖を消費している子供は、虐待を受けている子供と同じくらい、脳にダメージがあります。

最近のティーン・エイジャーは以前ほど炭酸飲料を飲まなくなりました。けれども、代わりにスポーツドリンクやエナジードリンクを飲んでいます。

こうした飲料は、ヘルシーだと言われていますが、肥満の原因の1つを担っています。

子どもたちの誕生日パーティにはケーキとアイスクリームが出ます。子どもたちは大声を出しながら走り回りますが、砂糖を食べるからです。

大人になっても同じです。ピザにビール、パスタやパン。同じ影響があります。

2型糖尿病患者は増加している

WHOによれば、4億2千万人の人が、2型糖尿病にかかっています。この数字はどんどんのびています。

アメリカでは、もし食生活が変わらないとすると、3人に1人が2型糖尿病になるでしょう。自分の知っている人や大事な人、もしくは自分自身が、この病気になるわけです。

私たちは、「毎日砂糖を食べても大丈夫なのだ」と洗脳されています。昔、医者が喫煙を容認していたのが思い出されます。

私は糖尿病患者の集まり(キャンプ)でボランティアをしています。夏になると、このキャンプに来る子どもたちが何を食べるのか、毎日見ています。

1型糖尿病患者の子どもたちにすすめられている典型的な食事は、好きだなけ砂糖を食べて、その分、多く、インスリンを注射する、というものです。

血糖値の急上昇が、成長過程にある子どもたちの身体にどんな影響を与えるのか考えると、これは医学的な悲劇です。

すごく残念です。解決策はとてもシンプルなのですから。砂糖の摂取を減らせばいいのです。

食べる分の20%を砂糖・精製加工された炭水化物にする

認めます。私はクッキーが大好きです。何も、今後まったく砂糖を摂るな、と言っているわけではありません。

現実的になるべきですね。

患者には、80-20の原則を教えています。80%は、ヘルシーな物を食べ、砂糖や高度に加工された炭水化物は、20%にとどめるのです。

いまは、この逆ですよね。

私たちの未来は、健康的な社会にかかっています。今日の狂った社会には、皆さんの貢献が必要です。

砂糖は決して、あなたに最高の気分をもたらしません。よい1日を過ごすモチベーションも与えてはくれません。

もしもっと活力を得たい、不安を解消したい、記憶力を高めたい、生産性を高めたい、肌をきれいにしたい、睡眠の質をあげたい、もっと楽しくなりたい、こんなふうに思うなら、

砂糖や高度に精製された炭水化物の量を減らしてください。

人生が変わるかもしれません。

砂糖を減らす3つの方法

中には、「そんなことは無理だ」と思ってしまう人もいるかもしれません。前にやってみたけど、失敗した人もいるでしょう。

大丈夫です。

大きく変わりたいときは、ごく小さなステップから始めればいいのです。

きょうから取り組める3つの小さな方法をお伝えします。やる気がある人は3つともやってください。

1)朝食にタンパク質をとる

卵、ナッツ、カテージチーズ、ピーナツバターをつけたりんごのスライスなど。

タンパク質をとって、血糖値のアップダウンを防ぎます。

2)甘いものが欲しくなったら、水を飲む

食事をしたばかりなのに、甘いものが欲しくなったら水を飲んでください。水分が足りないとき、おなかがすいていると感じてしまうことがあります。

水を飲むと元気になるかもしれません。水が5%減ると、エネルギーの20%が失われます。

3)ローカーボ(糖質制限)食品を利用する

ハイカーボ食品の代わりとして食べることができる、ローカーボ食品がたくさんあります。カリフラワーから作ったピザの生地やズッキーニから作ったヌードルなど。

私はクッキーが好きなので、アーモンド粉で作り、甘みとしてステヴィアを使います。

最後にもっとも私が伝えたいことを言いますね。

食事から砂糖を減らすと、人生が変わるかもしれません。

人生です。

お願いです。みなさんは、β細胞を持っているのです。それを守ってください。みなさんには知識があり、力もあります。

食事から砂糖を減らせば、本来の食事ができます。素晴らしい毎日を送るための食事です。

//// 抄訳ここまで ////

砂糖や食事に関係のあるTEDのプレゼン

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子供たちに食育をして肥満と戦おう~ジェイミー・オリヴァーに学ぶ(TED)

ベータ細胞を意識して甘い物への誘惑を断つ

私が、砂糖を真剣に抜き初めて、100日経過しました。開始した時のことはこちらに書いています⇒砂糖断ちをするとどんな効果があるのか? 筆子の場合。

読者のくまきちさんに、砂糖をやめたメリットを教えてほしい、と言われたのをきっかけに、もっとしっかり断つようにしました。

ここ数年、甘い物を控えていたせいか、今のところ、大きな変化は感じません。

ナッツは相変わらずたくさん食べているので、やせていませんし、肌の状態もあまり変わってない気がします。

ですが、今回紹介したプレゼンを見ると、メリットうんぬんを考える前に、とにかく砂糖の摂取を控えないとまずいのではないか、と思います。

まあ、砂糖に対する耐性や、ホルモンの分泌度合いは、人によって違うから、甘いものをがんがん食べていても、朝から晩まで、心穏やかに、あまり疲れず仕事ができる人もいるかもしれません。

コーヒー(カフェイン)で元気を出す必要のない人です。

花粉症にもならず、風邪もあまりひかず、つまらないことでイライラ・くよくよせず、夜もぐっすり眠れて、毎日が楽しい、という人が。

もし、そうでないなら、一度、砂糖を控えてみてはどうでしょうか?

最近は、低血糖症(血糖値を適切なレベルに保てない病気)の人も増えています。私のところにも、「眠い、だるい、やる気がでない」という質問が届きました。

点子さんです⇒何もしたくないのは物が多いから? 無気力になる7つの理由とその対策。

点子さんは、生理痛もひどいようですし、もしかしたら、糖分の摂り過ぎで、血糖値のコントロールがうまくできていないのかもしれません。

この場合、どんなにモーニングページを書いたところで、気分は改善しません。

太りたくないから、サンドイッチなんかで食事をすませたり、甘いおやつを食べ過ぎたあと、食事を抜く若い女性がいます。こういう食生活を続けていると、β細胞にダメージを与えてしまいます。

低血糖症の症状はうつ病に似ているので、医者に行くと、うつ病と診断され、薬を処方されることもあります。そんなものを飲まずとも、糖分を控えるだけで元気になれるのです。

薬やサプリをプラスするのではなく、血糖値の急上昇を招いているものをマイナスすればいいだけです。

ジョディさんも言っていたように、解決策はごくシンプルです。

シンプルだからと言って、簡単にできるとは言いませんが。

私は歯が悪く、これまで、虫歯の治療、歯の根の治療、インプラント、歯茎のケアに、多大なお金とエネルギー、時間を費やしてきました。これは現在も続いています。

甘い物が食べたくなったら、過去のつらい治療を思い出し、「寿命も長くてあと30年だから、そのあいだは、これ以上、歯を悪くしたくない」と思って、がまんしています。

この100日間は、玄米をわりと食べているせいか、そんなに痛烈に甘い物がほしいと思ったことはありません。

歯が丈夫な人は、自分のすい臓やランゲルハウス島(β細胞のあるところ)や、β細胞の存在を意識すると、甘い物への誘惑を断ちやすいかもしれません。

「ベータちゃんをいじめちゃいけないよね」なんて思えばいいわけです。





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