買い物中の女性

買わない

がまんせずに、無駄遣いをやめるには?:本当は何が欲しくて買っているのか調べるだけ。

無理せず、浪費をやめる方法をお伝えします。

買い物で満たしている本当のニーズを調べれば、がまんしなくても、買い方が変わります。

買い物をがまんしすぎると、ストレスがたまって、精神衛生によくありません。

「私、本当は何が欲しくて買っているのかな?」

このシンプルな質問をするだけで、意識的に買い物できるようになります。



理性的なショッピングをするのは難しい

これまで、おもに買い物することで外界(社会)とかかわってきた人たちに、いきなり、「買うな」といっても、なかなかそのとおりにできません。

店に行って、セール品やお値打ち品、大幅値下げ品を見ると、「うわ~すっごいお得!」と興奮して、すぐに財布を開くものです。

売り場で、いったん、その商品を手にしてしまうと、「これは私のものだよ」という、所有した感覚が生まれて、買わずに帰るのが難しくなります。

その理由⇒なぜ人は、物に執着してしまうのか? 物と健全な関係を持つには?

通販サイトで、目新しい服を見ると、次々と欲しくなります。

どうしてこんなことが起きるのかというと、人間の無意識の部分のほうが、顕在意識(理性的に買い物しようとがんばっている場所)より、ずっとパワフルだからです。

意志のちからにはあまり頼れない話⇒行動を変えるには、自分をうまく仕向けることが必要(TED)

ふだんあまり意識にのぼっていない部分、つまり、自分の心の底に隠された、本能的な欲望やニーズについて考えれば、衝動買いがおさまる、と私は考えています。





買ったあとに満たした(つもりの)ニーズを振り返る

買い物習慣を変える最初の一歩として、買ったあとに振り返ることをおすすめします。

買いっぱなしにしないということです。

これまでどおりのペースで買い続けてもいいのですが、何かを買ったら、それを買うことで、自分はどんなニーズを満たそうとしたのか、そこを考えてください。

何の理由もなく、買い物をする人はいません。

ちょっと気分を変えたいから、子供の入学式で着るために、という「必要性」があるから買うわけです。

自分が感じた「必要性」と、買ったあとに、そのニーズが満たされたかどうか、その結果の両方を振り返ります。

紙やノートに、文章にして書いたほうが頭の整理ができるし、深く掘り下げて考えることができますが、頭の中でささっと考えるだけでもかまいません。

たとえば

買ったもの:おしゃれなハンカチタオル、1枚700円。

必要性:引越し先でご近所にくばるため

そのニーズは満たされたか? 満たされなかったとしたら、どうして満たされなかったのか? その他気づいたことはあるか、今回の買い物で何か教訓は得られたか?

こんなふうにを書いていきます。

これを、ある程度、満足できる買い方ができるようになるまで続けるといいでしょう。

すべての買い物を振り返る必要はありません。

「とくに、買いすぎている」、「無駄になりすぎている」、「こんなものばかり買うのはもうやめたい」「失敗したような気がする」と思うアイテムや買い物を選んで振り返れば、そんなに時間をとられることもないでしょう。

これをするだけで、自分の買い物の傾向や、買い方のクセがわかります。

買い方のクセがわかれば、おのずから、今後の買い方も変わっていきます。そこに、買い物の仕方を変えたい、浪費をやめたい、という意図があれば、の話ですが。

つまり、無理に買うのをがまんしなくても、ごく自然に、自分の理想の買い方ができるようになっていくのです。

買い物を振り返れば、買いっぱなしにならないので、使っていない物や、ガラクタ化しつつある物を早期発見できる、というメリットもあります。

振り返りをしても、相変わらず無駄遣いが止まらない、と思ったら、次の段階に進みます。

もっとニーズを掘り下げる

ニーズについてい考えているけど、やっぱり、どんどん無駄遣いしてしまう、と思ったら、さらにニーズを掘り下げます。

たとえば、服を買うときのニーズを考えてみましょう。

「子供の入学式で着るために服がいる」と思う人のクローゼットの中には、たいていほかにもたくさん服が入っています。

「外に着ていける服が1枚もない」という状態の人はめずらしいでしょう。

それなのに、なぜ、新しい服がいるのでしょうか?

「入学式で着るため」というのは、表面上のニーズであり、隠されたところに、もっと大きなニーズがあります。

たとえば、

・たまにはきれいな服を着て、いい気持ちになりたい

・若いお母さんに負けたくない

・記念写真にきれいな自分を残したい

・きれいな服を着て、周囲の人の注目をあびたい

・みなにきれいなお母さんと思ってもらいたい

・子供に、きれいなお母さんと思ってもらいたい

・子供の先生に「センスのいいお母さんだ」と思ってもらいたい

・ほかのお母さんと同じような服装をしたい⇒仲間になりたい、共感を得たい

・ほかのお母さんとは一味違った服装をしたい⇒目立ちたい、自己主張したい

・高価な服を買うお金があるところを見せつけたい(そういう気持ちが、買い物の動機になっていた、という方から先日メールをいただきました)

ほかにもいろいろあると思います。

心の底にある真のニーズらしきものを書き出していくと、「これって、人間としてどうよ?」とか、「浅はかすぎないか、自分」と思うかもしれません。ですが、そのニーズの良し悪しは、このさい関係ありません。

ニーズをジャッジすることなしに、できるだけ自分の気持ちに正直に書いていってください。

そのニーズは妥当なものか?

ひととおりニーズを書き出したら、そのニーズの妥当性を考えます。

それは、自分が満たす必要のあるニーズなのでしょうか?

「必要だと思っているけれど、実は、いらない物がたくさんある」という話は、物を捨てる記事によく書いています。

「これは絶対に必要だ!」というのは、多くの場合、思い込みにすぎないし、過去には必要だったけれど、いまはもう必要ない、というものもたくさんあります。

同じことが、自分の持っている価値観や、「こうあるべきだ」という考え方にも言えます。

長年の習慣のせいで、無意識にしがみついているその価値観は、実はもう手放す時機が来ているのかもしれません。

ここでは、洋服を買う裏にある、「キレイなママに見える必要性」を考えてみましょう。

このニーズ、はたして、どの程度重要なのでしょうか?

「キレイかどうか」なんて、ほとんど自己満足にすぎません。

自分は女優だから、入学式に、写真週刊誌の記者に取材される可能性が大いにある。こんな事情があるなら、多少は、外見を考慮する必要があるかもしれません。

ですが、女優だったとしても、役者として、まじめに、着実にキャリアを積み上げていたり、現場の人とよい人間関係を持てていたりしたら、カジュアルな服装をしていても、「親しみやすい◯◯さん」などと、かえって、好印象を持たれるものです。

ほとんどの人は、一般人であり、十人並みの容姿の持ち主です。

「入学式の主役は子供だし、べつに、式があるたびに、服を新調する必要なんて、全然ないんじゃない?」

こんな考えに至るかもしれません。

すると、このニーズは、「もう自分にはいらないもの」として、捨てることができます。

捨ててしまえば、このニーズから発生する買い物は今後、確実に減ります。

そのニーズをほかのことで満たせないか?

自分のニーズを買い物ではない行動で充足させれば、買い物しなくてすみます。

ストレスや、空虚さのせいで、いらない物をたくさん買ってしまうことがあります。

「むなしさを埋めるため」「刺激が欲しくて」「退屈だから」といった、感情から買い物の必要性が生じているときは、ほかのことでそのニーズを満たすことができます。

過去記事にもよく書いていますが、あまりに自分に自信がなかったり、自分のことが嫌いだったりすると、外側からの称賛や承認がないと、生きられなくなります。

詳しくはこちら⇒大事なものにイエスというために、ノーと言いなさい(TED)

いま、物質主義の世の中だから、高価な物、新しい物、あまり人が持っていない物を持っていれば、他人の称賛を得やすいです。

他人の称賛を得るために、物を買っていることが多かったら、自分で自分を認めるように方向転換すれば、以後、そういう動機で買うことが少なくなります。

退屈をまぎらしたい、というニーズから、よく買い物をしているのなら、そこまで退屈しないライフスタイルに変えてしまえば、ひまつぶしの買い物が減ります。

具体的には、新しい趣味を見つけたりして⇒自分に合った趣味の見つけ方、または有意義な暇つぶしの方法、買い物以外の活動をすればいいのです。

寂しい気持ちを癒やすための買い物が多いなら、身近にいる人(家族とか)との、コミュニケーションの質を高めて、一体感、つながっている感覚、一緒に心から笑うことができる人がいる状態を感じられる生活に変えていきます。

このように、買い物で満たそうとしていたニーズを、別のことで満足させれば、買い物の頻度も、そこにかけるエネルギーも減っていくのです。

関連記事もどうぞ⇒あなたが買い物する理由、この中にありますか? 浪費で消耗する生活からの抜け出すコツ。

*****

今回は、自分が買い物で買おうとしている、本当のもの、真のニーズを考えることをおすすめしました。

ニーズを考えてみると、実際は、すっきり割り切れない部分も出てくると思います。

ですが、「ニーズを掘り下げる」というめんどくさいことをやるところに意義があります。

お金さえあれば、買い物はすごく簡単にできます。

買い物がクセになっている人は、ちょっとしたことでつまづいたり、気分が落ち込んだりすると、とりあえず、買い物をして、いい気分になるほうを選びます。

確かに、買い物すると気分があがりますが⇒買い物で気分があがるのはドーパミンのせい。この仕組みを知って無駄遣いを防ぐ

これは一時的な解決策にすぎません。

たまのことならよいのですが、その場しのぎの処置を積み重ねるのは危険です。いつまでたっても根本的な問題に向き合うことができず、傷が深くなっていきます。

それは、「無駄遣いのしすぎで、お金が残らない問題」や、「ガラクタをためこみすぎて生活しにくい問題」より、もっと重大な問題ではないでしょうか?





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