きーっとなっている女性

TEDの動画

なぜストレスは身体によくないのか、どうやってストレスに強くなるか(TED)

ストレスへの耐性を高める方法を教えてくれるTEDトークを紹介します。

タイトルは、How Stress is Killing Us & How You Can Stop It(いかにストレスが私たちを殺しているか、そして、どうやってそれを止めるか?)

プレゼンターは、心理学者のThijs Launspach(タイス・ロンスパック)さんです。

オランダの人なので、名前の読み方が違うかもしれません。



ストレスは身体によくない:TEDの説明

What cause us to have so much stress these days? And why are especially young people vulnerable to this?

What is stress? What happens in the brain and in the body during stress?

What are the consequences of stress, if you’re not careful?

What is burn-out?

Which 5 steps can you take to reduce stress in your life?

Final message: it is possible experience less stress in life – with some practical solutions. But YOU have to make the choice to do this!

なぜ、現代はこんなにストレスが多いのか? どうして、若い人が、ストレスにさいなまれているのか?

ストレスとは? ストレスを感じているとき脳と体内で何が起きているか?

燃え尽き症候群とは?

日常生活で、ストレスを軽減するためにできる5つのステップとは?

まとめ:実用的な解決法を使って、ストレスを減らすことができるが、そうするには自分で選択しなければならない。

動画の長さは16分19秒。字幕はありませんが抄訳を書きますのでお読みください。

☆TEDの説明はこちら⇒TEDの記事のまとめ(1)ミニマリスト的生き方の参考に

ストレスの発生するメカニズムや、過度のストレスを受けない方法を伝える、『ストレス入門』と呼べるプレゼンです。





人は大事なことに気づいていない

魚は驚くべき生きものです。自分が置かれた環境についてよく知っています。

遠くにいる敵の匂いをかぐし、どこに食べ物や、連れとなる魚がいるかわかっています。

けれども、魚が1つだけ気づいていないことがあります。

水の中にいることを知らないのです。

人も魚に似ていると思います。

人間もとても重要なことに気づいていません。

人が誤解している2つのことがあります。

1つは、「よい人生は忙しい人生」、もう1つは、「ストレスが多くても、かまわない、それはあたりまえのことだ」です。

現代社会はストレスが多い

私たちの生活は、どんどん忙しくなっています。

みな、自分は生産的だと感じていて、のんびりできる時間はないけれど、それでいいと思っています。

不健康なほど多いストレスを感じるのも、ふつうになっています。

ここで、いくつか質問をします。

自分や身近な人が、燃え尽き症候群になったことがありますか? 

たくさんいますね。

ストレスのせいで、睡眠、食事、運動、余暇の量に影響がありますか?

忙しさやストレスがもう少し減ったら、もっと幸せになると思いますか?

多くの人がそうですね。

生涯続くストレス

このグラフを見てください。

2016年のオランダにおける燃え尽き症候群になったと感じた人の数を表したもので、年齢ごとに表示しています。

燃え尽きたと感じた人の割合

薄い青が男性で、濃い青が女性です。

リタイアした人、高校生、大学生あたりは別にして、そのほかの年代の人は、15%が燃え尽き症候群になっています。

特に多いのは25歳~35歳です。

燃え尽き症候群まで行き着く人は少なくても、ストレスが生涯続くのが問題です。

ストレスが引き起こす問題

ストレスが多いと以下の問題が起きます。

・免疫力の低下

・肥満など、食事にかかわる問題

・特定のがん

・早死

どれも、深刻な問題です。

なぜ、こんなにストレスが多いのか?

ストレスが多い理由は、1つではありません。

仕事関係

仕事はどんどん複雑になっていますし、残業も増えています。

通常の業務に加えて、平均2時間あまりをEメールの処理に使っています。

仕事とプライベートの境界線もあいまいになってきています。

自宅からメールや仕事にかかわることにアクセスできるからです。

日常生活

日々の暮らしも、忙しくなっています。

FOMOになる人がいますね。

FOMOとは、取り残されることを恐れることですが、その結果、1日の限られた時間に、あらゆる活動を入れ込もうとします。

そのせいで、リラックスする時間を持てません。

スマホを使う時間も増えています。

スマホは、私たちのすきま時間をすべて奪っています。

耳も忙しくなっていますね。

この状況には、心理的な問題があります。

私たちの自分自身に対する期待感があがっています。

みな、自分が、魅力的で、やせていて、健康で、経済的に成功していて、友達も多く、いつもハッピーでいなければならない、とプレッシャーをかけています。

そうでなければ、負け犬だと思うのです。

こうした期待が、日々を忙しくし、ストレスを生みます。

ストレスとは?

では、ここで、ストレスとは何であるのか、お話します。

ストレスは、ストレッサー(ストレスを与えるもの)に対して、無意識のうちにおこる、肉体的、心理的な反応です。

脳内で、自然にストレスを感じます。

ストレッサーの例

では、何がストレスを与えるのでしょうか?

健康に関する心配、家族間のいさかい、TEDトークをすること。つまり、人前で話をすることは、もっともストレスを感じさせる行為です。

人付き合い、仕事に関すること。締め切りや、クライアントや顧客との会話、上司、達成しなければならないというプレッシャー、FOMO、いつまでも終わらないTo-doリストなどもストレッサーです。

いつも自分の注目をひこうとするデバイスもストレスのもとですね。

ストレッサーにあうとどうなるか?

ストレスを与えるものと遭遇すると、脳の視床下部からいくつかホルモンが分泌され、一連の反応がおこり、腎臓にあるアドレナリン腺から、アドレナリンとコルティゾールが分泌されます。

この2つの物質のせいで、次のような反応が起きます。

心拍数があがり、息が早くなり、筋肉は緊張し、エネルギーは腕や足にいきます。視野が狭くなり、パニックを感じます。

これは、戦うか逃げるか反応です。

危険にであうと、この反応をします。

昔、人間が狩りで食べ物を取っていたときに獲得した反応です。

当時は、今よりずっと身の危険にあう確率が高かったのです。たとえば、トラに出会いました。

人間の文化の進化は、肉体的進化よりずっと早く進んだため、道でトラに会わなくても、たとえば、仕事の締め切り、面接、上司とのいさかいなどがあっても、私たちは同じ反応をします。

今日、人は、複数のことにストレスを感じ、そのストレスは昔より長く続いています。

長々とストレスを感じることは、身体にとても悪く、それが、燃え尽き症候群につながります。

燃え尽き症候群とは?

燃え尽き症候群とは、システムがダメージを受けることです。

燃え尽きると、ふだんなら、ストレスに感じないことに大きなストレスを感じるようになります。

よくなるまでに数ヶ月かかります。

ストレスを軽減させるには?

このように、ストレスは問題を引き起こしますが、ストレスを効果的に扱うこともできます。

とても重要なスキルです。

べつに難しいことではありません。まず最初にできることは、自分のケアをすることです。

あまりに、あたりまえのことですが、本当なんです。

ストレスは、認識の問題としてよく表れます。つまり、何かを心配します。特定の状況にいることを心配し、どうしたらいいか思い巡らします。

しかし、実際は、肉体的な状況を変えるほうが、ストレスを軽減できます。

自分のケアをする

自分をケアするために、こんなことができます。

睡眠を充分とる

定期的に7~8時間寝ます。いつも、同じ時間に寝て起きます。

食事を気をつける

野菜や栄養のあるものを食べ、砂糖は控えます。

定期的に運動する

運動をするとストレスに強くなります。

刺激物はあまり摂らない

アルコール、薬物は、長期的に見て、ストレスへの耐性に害を与えます。

カフェインにも気をつけてください。カフェインはホルモンのバランスをくずします。

何もしない時間をもうける

何もしないでのんびりする時間をもちます。

呼吸法(マインドフルネス)

もう1つできることは、呼吸です。

ここで実験してみましょう。目を閉じて、鼻から息を吸い、口から吐いてください。できるだけ長く吐きます。

どんなふうに息を吸って、吐いているか。呼吸に意識を向けます。

次に、いま、どんなふうに座っているか、身体が何を感じているか、ここに意識を向けます。

足は床に、背中は椅子にさわっています。その感覚に意識を向けます。もし気が散ったら、またその感覚に意識を向けてください。

次は、聞こえてくる音に意識を向けます。

いま、頭の中にある思考に意識を向けます。

では、自分のペースで、目をあけてください。

いま、ちょっとしたマインドフルネスのエクササイズをしました。

マインドフルネスのような活動は、ストレスへの耐性を高めるとわかっています。

ヨガや、瞑想も効果があります。

これらは、より集中できるように脳を訓練する方法です。

自分で選択できる

自分がストレスを対処するか、ストレスに自分を処理させるか、どちらにするかは自分の選択です。

日々の生活で、ストレスは避けられないものですが、どんなふうにストレスとかかわるかは変えることができます。

これは、とても重要なことです。

きょう紹介したことをすることから始められますよ。

//// 抄訳ここまで ////

単語の説明など

FOMO  Fear of missing out 他の人から取り残されることや、大事なものを逃すことに対する恐れ。

詳しくはこちら⇒SNS依存に注意。FOMO(フォーモー:取り残される不安)を捨てる方法

excrete  排出する

hypothalamus  視床下部

forage  (探しまわって)手に入れる

ストレス対処法に関するプレゼン

毎日疲れているあなたに。心の境界線を引いてストレスを減らし、自由になる(TED)

ケリー・マクゴニガルに学ぶストレスと友だちになる方法(TED)

ストレスでいっぱいのとき、冷静でいる方法(TED)

不安な心(ヴァルネラビリティ)に秘められたパワー:ブレネー・ブラウン(TED)

忙しい毎日をバランスの取れた日々にする方法(TED)

瞑想 – 今日もっとも重要なたったひとつのスキル(TED)

強い心を持つ3つの方法。考え方の悪習慣を手放せばメンタルを強くできる(TED)

自分のストレスの元を考える

買い物がストレス解消になっていて、それで物が増えてしまうことがよくあります。

「片付けたい」と思うなら、ストレスの対処法を知っておいたほうがいいです。

私が、昔、いらない物をたくさん買ってしまったのも、私なりの、間違ったストレス対処をした結果だと思います。

睡眠や食事などには気をつけていますが、もう1つ、私は、自分が何にストレスを感じるのか考えて、手を打つよう努力しています。

家で1人で仕事をしているので、対人関係のストレスは少ないはずですが、それでも、人間関係にかかわるちょっとしたストレスはあります。

毎日、プチなストレスを感じるのは、メールチェックや、Twitterのチェックです。

知らない人からメールが来ていると、「あ、またクレームかな?」とか、「あ、また言葉使いや漢字を間違えていたのかな?」と無意識に思うことがあります。

だから、メールやTwitterのチェックを後回しにすることがあります。

悪い内容のメールばかりではないし、そういうメールはむしろ少ないのですが、ネガティブなメールにフォーカスしてしまうのが人間の常です。

幸せな脳:苦しむほうに向かう脳の傾向を克服する方法(TED)

この点は、よくわかっていますが、無意識の反応はなかなか変えられません。

うまくいっていることに対してはメールは来ず、不備があると指摘される構図なので、そんなことを気にしても仕方がないのですが。

「ちゃんとした記事を書かなければいけない」とか、「漢字や単語を間違えてはいけない」という意識が強いから、こういうストレスを感じるのだと思います。

もっと言えば、人から間違いを指摘されるのが嫌なのでしょう。

プレゼンで言っていたように、自分のあるべき姿のハードルを自分であげているから、よけいなストレスを感じるわけです。

ですが、そうすることは、まわりまわって自分の健康に害を与えます。

だから、毎朝ゆっくりハーブティを飲んだり、呼吸に意識をむける瞑想をやったり、モーニングページを書いたりして、できるだけ、自分にプレッシャーをかけないようにしています。

あなたが感じているストレスの中には、こんなふうに、自分で原因を作っているものがたくさんあるんじゃないでしょうか?

それを1つずつ対処していくと、いまよりずっと楽になります。





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