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読者から写真を整理したというメールが届きました。
このお便りを紹介しつつ、改めて、写真を撮りすぎないことをおすすめします。
写真を撮りすぎると、暮らしが複雑かつ薄っぺらくなる一方です。
では、まずメールをシェアしますね。しましまさんからいただきました。
写真がありすぎて苦労した
件名:子供の写真整理
ほぼ毎日楽しみに訪問しています。メールはこのまま転載OKです!
以前、貴金属買取でメールをお送りしたものです。
貴金属買取に出して以来、急に色々と吹っ切れまして、たくさんのものをうまく処分をすることができていますが、大量の写真と格闘中です。
子どもたちの幼少の頃の写真データが主なものですが、外付けHDDに残しています。
そのままでも全く問題ないのですが、息子が学校で幼少時の写真が必要だということで見てみたところ、大量すぎてかなりストレスに感じました。
一つ一つ見ると思い入れがあって捨てられないのですが、0歳から5歳までの中で10枚くらい見つけて!と言われると、簡単にピックアップできました。
ピンぼけと集合写真は以前処分していたのですが、大量すぎる場合はピックアップ方式でいいですね。
旅行や誕生日の記念で記念写真をとりがちで、しかも大切に残しがちすが、記念系に限って表情がイマイチだったので、残しておいても意味がないなととか、結局選ぶのは表情がいいものがいいなと気づきました。
ということで、本人の表情が生き生きしているもののだけをピックアップしてグーグルフォトにアップロードすることにしました。
実際にデジタルはかさばらないのでHDDに入れておけば楽勝だろうと思っていましたが、デジタル整理もしていかないといけないですね。
ありすぎても見るのが大変で、こんなに時間がかかって困るとは想定外でした。
何でもそうですが、特に写真は少数厳選がいいですね。
今回のことで自分の写真の基準が定まったので、今後は常にベストショットを意識して撮影、削除、保存をしたいななんて思いました。
それと、グーグルフォトはとても便利です! 無料で無制限で、スマホでもPCでも簡単に見れますのでおすすめです。
しましまさん、こんにちは。メールありがとうございます。
いつもブログを読んでいただき、うれしいです。
デジタル写真をためこむ無駄とその恐ろしさに気づくことができてよかったですね。
グーグルフォト、私も使っています。Picasaの時代からのユーザーです。
確かに便利ですが、ほかにも同等のサービスはあるので、目的や自分の環境、好みにあったものを使えばいいでしょう。
さて、きっとよけいなおせっかいですが、そもそも、最初から写真を撮りすぎなければ、整理、保存の手間が省ける、とお伝えします。
ベストショットを撮ろうとすると、何枚も撮ってしまうので、その後の仕事が大変ですよ。
プロのカメラマンや、セミプロのインスタグラマーは、よい写真を撮るために、大量に写真を撮影していると思います。
この人たちは、芸術を作る、自己表現、他人に見せる作品を撮る、生活費の確保、といった目的があるから、そうした労力をはらうかいもあるでしょう。
ですが、ただの思い出写真なら、「ピンぼけじゃなければいい」ぐらいの気持ちでいたほうがいいと思います。
以下に、写真を撮りすぎる弊害を3つ書きます。
1.自分のキャパシティを越えた写真が残る
物と同じで、デジタルな写真も、多すぎると、管理の手間が生じます。
いま、スマホに高性能のカメラがついているから、簡単に写真を撮ることができます。
SNSという写真を見せる場もたくさん用意されているので、なんでもかんでもバチバチ撮影する方向に行くでしょう。
まわりの人も、毎日、たくさん写真を撮っているかもしれません。
けれども、大量の写真を撮ると、スマホの容量を圧迫するから、時々いらない写真を削除するか、どこかに移動させなければなりません。
私は、グーグルフォトのアプリを使って、スマホで撮った写真を、自動的にクラウドに送っているから、楽ですが、それでも、スマホはもちろん、いったんグーグルフォトに格納した写真も、ときどき削除しています。
グーグルフォトのような、写真を管理するサービスを探したり、試したり、といった作業も発生するでしょう。
写真の整理でストレスを感じることがあるなら、自分の管理能力を越えた写真を撮っている、と思ってください。
私たちは、ほかにも管理しなければならないものがたくさんあります。
撮る必要のない写真を撮って、仕事を増やすことはありません。
2.マインドフルネスじゃない
子供の誕生日会や、お遊戯会、家族旅行で写真を大量に撮る行為は、マインドフルネスではありません。
理想は、いま、目の前に起こっていることに意識をむけ、そこに没入することです。
この没入をフローという⇒人を幸せにするのはお金ではなくフロー状態。ミハイ・チクセントミハイ(TED)
誕生日会の目的は、子供の誕生日を一緒に楽しく祝うこと。
そこに写真や動画撮影というよけいなタスクが加わると、どうしても、その場のできごとへの参加の度合いが落ちます。
この点については、過去記事にも書いています⇒マインドフルネスで実現する。今この瞬間を生きて幸せになる4つの方法。
「人間はマルチタスキングができない」という話を書いたことがありますが⇒マルチタスクが脳に負担をかけ仕事の効率を落とす理由。1つのことに集中しよう
人間の脳は、一度に1つのことしかできないから、誕生日会を楽しむのが目的なら、その目的を達成するために、よけいな仕事はできるだけやらないほうがいいです。
実際、アメリカの心理学者の研究で、写真を撮影することによって、その場の記憶が減ることを証明したものがあります。
被験者が、写真に撮った展示物のことより、写真を撮らずに見た展示物のほうをよく覚えていたそうです。
ただ、被写体の細部をズームで撮影したときは、その展示物について、詳細を覚えていました。
たぶん、これはズームアップしてそれをしっかり見たからだと思います。
写真を撮ると、写真を撮る行為に意識がいくから、そこにある物をよく見ることがお留守になる、と私は考えています。
もちろん、「写真を1枚も撮るな」と言っているわけではありません。最初に数枚とか、最後に数枚など、メリハリをつけた撮影をすれば、自分も、いっしょにその場のイベントを楽しむことができます。
3.子供が自意識過剰になる
子供の写真を撮りすぎると、子供が自意識過剰になる恐れがあります。
親がばんばん子供の写真を撮るとき、ほら、笑って、ちょっと小首かしげてみて、あ、かわいいね、いいね、とか、こんなポーズとって、いいよ、すてきだよ、なんてプロカメラマンみたいな声かけをすると、子供は、「かわいく写真に撮影されると親が喜ぶ」と思うんじゃないでしょうか?
考えすぎですかね?
少なくとも、「見た目をかわいくすることが重要だ」という価値観を持つと思います。
撮った写真をスマホやパソコンでスクロールして、親が、これはかわいい、これはイマイチ、などとジャッジし、自分のSNSに、子供の写真をアップし、それについて、ほかの人が、「かわいいね」、とかなんとか(人の子ですから、みな「かわいい」と言うはずです)コメントしたり、「いいね」をたくさんつけてくれるのを見ると、
自分がどんなふうに人に見られるかに敏感になります。
大人でも、自撮りするとき、「盛る」人がいます。「盛る」とは、自分を現実以上にかわいく、美しく、素敵に見せる行為です。
きれいに加工するためのツールも豊富です。
なぜ、盛るかというと、より素敵な写真をのせれば、「いいね」がたくさんついて、フォロワーも増え、それは自分の人間としての価値があがることだ、と思っているからです。
まあ、誰でも、自分が他人からどう見られるかということはいつも考えています。
私だって、毛穴やシミがはっきり、くっきり出ている写真より、そういう難をすべて隠したソフトフォーカスの写真にしたい、と思います。
ですが、現実の私は、シミやしわがたくさんあることはわかっているし、それはそれで別にいいと思っています(つまり受け入れています)。
しかし、子供やティーンエイジャーは、まだ自分が確立していないから、ありのままの自分を受け入れることより、「人にどう見られるか」「人に承認されること」が大事になります。
その価値観が、あとで苦しむことにつながるんじゃないか、と思うわけです。
実際、SNS上のやりとりが原因で自殺する人、いますから。
「完璧なセルフィー」(自撮り写真)を撮るために、命を落とす人もいます。
死因はセルフィー撮影 259人が完璧な写真求め=国際調査 – BBCニュース
見た目にこだわりすぎると、完璧主義の人や、承認欲求が強い人は、つまらないことに時間とエネルギーを注ぐ結果になります。
子供の性格にもよりますが、「素敵な子供の写真を撮ること」より、子供と楽しい時間を過ごすことを主眼にしたほうが、自分にとっても、子供にとってもいいことです。
写真に関する過去記事
子供の写真はこんなふうに断捨離し整理しました~ミニマリストへの道(17)
古い写真を整理するとき、残す写真を選ぶ基準。箱にまとめて入れてます。
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久しぶりに写真の話題をお届けしました。
私もグーグルドライブにいらない写真やドキュメントが入っているので、コツコツ削除中です。
ワンデータの削除に必要なのは、ワンクリックですが、大事な書類から、もういらないものを見つけるのが手間です。
それでは、あなたも、感想、質問、近況などありましたら、お気軽にお寄せください。
お待ちしています。