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実家と遺品を1人で片付けた体験を教えてくれた読者のメールを紹介します。
実家の片付けのお便り、たまにいただきますが、この方のお母さんとりわけ、物持ちでした。
家一軒ですんでいませんから。
メールにはご自身の最近の暮らしについても書かれていましたが、そちらはまた別の機会に紹介することにして、今回は、実家の片付け部分のみシェアします。
差出人はミィさんです。小見出しは私が入れました。
家3軒分の家財を処理した
件名:遺品整理ができました
数年前に筆子さんのブログを見つけて、勉強させていただいています。
スロージョギングは、ゴミ捨ての時に、湯シャンは、一日置きですがやっています。
やっと母の遺品整理ができたので、ご報告したいと思い、メールします。
タメコミアンだった母
母は昭和7年生まれ。
戦後の物のないい時代を過ごしたこともあり、使わなくなったものでも捨てられず、全て取っておくという暮らしでした
さすがに押し入れも物置も一杯になり、部屋に色々な収納家具を入れてもあふれ、その都度、家を建てるという快挙をやってのけました。
3軒の家を所有しており、それでも足りず、4軒目の家を建てると言い出した時に、いい加減にしてくれと止めました。
言い出したら聞かない人だったので、一人暮らしなのに家を3軒もと、おかしなことになっていましたが、さすがに私も怒れて止めました。
しかしながら本当に物が多く、生活が不便なだけでなく、ほこりもすごいことになっていたので、帰省すると不用品や明らかに多過ぎる物をガッツリ処分していました。
ある時、落雷で冷蔵庫がパンクし、買い直すことになりました。
冷蔵庫もパンパンで、何と、冷凍庫からは、鮭の切り身が24枚も出てきました。
母は5切れパックを買ってきては食べ、残りは冷凍し、それを忘れてまた買い、冷凍しを繰り返してそんなことに。
通販が大好きで、色々な食品を箱買いしては腐らせていました。
突然、母が亡くなる
そんな母が82歳のある日、事故であっけなく亡くなりました。
母が亡くなっても、連日、宅配が届くのには驚きました。
定期購入やら、前に注文しておいたものやらが毎週届くのです。
事情を説明し、大変申し訳なかったのですが、返品させてもらいました。
そこからが遺品整理です。
持ち主が突然いなくなり、母の持ち物たちも、心なしか呆然としているような気がしたほどです。
とりあえずは相続に必要な書類を整理したのですが、16社もの金融関係の取引履歴の書類があり、中には名前が変わった銀行の通帳やら証書なども。
それらを一件一件調べるのは、本当に大変でした。
食べ物がいっぱいあった
そして食料品。
母が趣味でやっていた畑には、ありとあらゆる果樹が植えてあり、梅の木も数十本あり、その収穫を毎年梅酒にしていたようです。
母1人で飲み切れるはずもなく、台所の床には、大きな、梅酒を漬けた瓶が20本。何年も前のものから、去年のものまでズラリ。
未使用の空ビンもリカーも氷砂糖もドッサリ残っています。
食器は食器棚にギッシリ。
調理台の上の戸棚にもドッサリ。
入らない分は床に積みあがっていました。
プリンのカップやふたつきの何かが入っていたケース、空箱も山の様に積みあがっています。
衣類や布団もいっぱい
押し入れには衣装ケース何個もの服、洋服ダンスにはすき間なく服がかけられており、その前には回転式の巨大ハンガーラックを置いてさらにかけてありました。
それでも足りないので、普段着はタンス2竿にギッシリ。
ベッドも2台並べて置いてあります。
そこにも服が積みあがっていました。
居間の押し入れには旅先や趣味の会の時の写真がドッサリ。
趣味の手芸用品、座布団、こたつ布団、廊下の押し入れには何組もの布団と毛布。
うちには20人位、人が暮らしているのかと思うほどの家財がありました。
そんな感じの家×3軒です。
敷地にはありとあらゆる花や野菜、果樹で、手入れはされていましたが、母が亡くなって2ヶ月でジャングルに。
これらを業者にお願いすると、ゆうに150万はかかると言われ、果樹や草は田舎なので野良猫や野生動物の住処となってご近所迷惑なので、業者にお願いし、更地にしました。
どんどん家財を処分した
残った3軒の家は、気づいた時には2軒は従姉の名義となっており、ビックリ。そして容赦なく、家財を処分しろと言ってきました。
母をいいように言いくるめて、家財ごと引き受ける約束だったようですが、掌を返されました。
だったらと、従姉も引き込んで、家財処分を手伝わさせました。
軽トラックを借りて、地区の処分場にベッドや机などをどんどん搬入。
資源ごみは仕分けして、地区の回収へ。
衣類は、未使用なものなどが沢山あったので、ご近所さんに声をかけ、どれでも好きなだけ持って行ってもらいました。とても喜んでもらえて、こちらも助かりました。
困ったのは、母が趣味で作っていた木目込み人形です。
材料費だけでも一体数万円もしたりするのですが、それが衣装ケースに6ケース分もありました。
これも欲しい方にと声をかけましたが、人形はちょっと、となかなかもらい手がありません。
母はお店の下請けもするほど丁寧に作っていたので、あまりのできに捨ててしまうのにも、とても抵抗がありました。
一部は従姉が飾ると引き取ってくれ、残りの半分は人形供養に出しましたが、どうにももったいない位のできのものが1ケース。
これをどうしようと思っていたら、老人ホームが引き取ってくれるという話を聞き、その話を持って来て下さった方が引き取って下さいました。
お年寄りに大変喜ばれ、抱っこして愛でて下さる方もあったと聞き、良かったと思いました。
すべて片付け切るのに5年かかる
沢山あった手芸用品も手芸をしている知り合いが引き取って下さり、後は着物だけとなりました。
私は母より身長が10㎝も高いので、着られません。
まだ仕付け糸が取っていないような仕立てただけのものも沢山ありましたが、買取業者に全部まとめて1000円となりました。
そんなこんなで、細かい雑貨から大きなものまで、ありとあらゆるものを整理し処分するのに5年もかかりました。
母が大事にしていた花や果樹を、ブルドーザーで処理している時は、「お母さんごめんなさい」と心の中で詫びました。
お花の一部だけ、ご近所さんに譲り、そちらのお庭で育っていると思います。
家の状態をよく知っている従姉が時々訪問しては、「あら?きれいになったね!」と言うようになりました。
私がどんどん処分して、床が見えるようになり、部屋がスッキリしてきたからだと思います。
自力でがんばった
置きっぱなしだった家具をどけると、雪が積もったかのごとく、ほこりが積もっていたことも。
母は気管支が弱く、一年中咳き込んでいましたが、これだけのほこりがあれば、普通の人でも咳き込みます。
私は一人っ子だったので、この作業を全て1人でやり、結局、畑の処理と防草工事やゴミ処理で100万ちょっとかかりました。
家の中のことは自分でやったので、50万弱は浮きました。
相続の手続きも、代行に頼むと75万ほどかかると言われたので、それも全部自分でやりました。
ミィさん、こんにちは。お便りありがとうございます。
遺品の片付け、お疲れさまでした。
お母さん、突然、亡くなられたのですね。それは残念なことでした。
お母さんが、まったく使っていない物を収納するために、家を建ててしまったのは、痛恨のミスですね。
家を建てるお金があったのが災いしましたね。
新品の着物を含めて、たくさん処分したら、買取価格が1000円だったとか。
ありがちなことです。
ですが、遺品整理に費やした費用がトータルで100万円でおさまってよかったです。
それだけ物があると、もっとかかりそうなものですが。
その分、ミィさんの時間、労働、精神的エネルギーが、相当費やされていると思います。
しばらく骨休めをして、ご自身をいたわってください。
お母さんの家3軒のうち、2軒は、いとこの方のものになったそうですが、かえってよかったんじゃないですか?
住む人のない家を管理するのは大変ですよ。
ミィさんには、まだ実家が1軒、残っているわけだし、お母さんがいなくなったから、今、その家には誰も住んでいないですよね?
ミィさんのお便りの後半には、「これからは自分の物を片付けていく」と書かれていたので、今回の遺品整理から学んだことを活かして、今後は、シンプルに暮らしてください。
物はちゃんと使うことがベストですから。
人が死んだあと、遺品整理は当然発生する作業ですが、1日、2日で、整理が終わらないとしたら、やはり、物を持ちすぎだと思います。
物を持ちすぎてしまうと、物に支配されてしまうので注意が必要です。
ところで、ミィさんは、ゴミ捨てに行くときスロージョギングをしているそうですが、ゴミを捨てる場所はそんなに遠いのでしょうか?
いずれにしろ、健康に気をつけて、これからもお元気でお暮らしください。
スロージョギング⇒50歳の私がスロージョギングを始めたらみるみる健康に~そのメリットとは?
湯シャンについて⇒シャンプーするのをやめたら、生活がとても楽になった:やめてよかったこと(その1)。
実家を片付ける話⇒「実録・親の家を片付ける」のまとめ
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こちらの記事の最後に詳しく書いていますが⇒とっても物が多かった実家を片付けたあと感じたのは、達成感とすがすがしさ。
私の母は、以前、私のために着物をたくさん仕立てましたが、私が着ないので、結局、数年前にまとめて処分しました。
そのときの買取価格がびっくりするほど安かったそうです。
ですが、どんなに買取価格が安くても、家の中でガラクタにしておくよりずっとましなので、家に使っていない物があったら、早めの処分をおすすめします。
それでは、あなたも、感想や質問、近況など、何か伝えたいことがありましたら、お気軽にメールをください。
お待ちしています。